
11月30日(金)
例年なら世界エイズデーの12/1に開催されるAct Against AIDS Live In Osakaが、今年は11月の末日、つまり今日開催された。なぜこういうスケジュールになったのかは僕も知らないが、ともかく去年と同じく、ROCK VISIONと9時からのan PRIVATE LOUNGEをぶち抜いて、そのライブを生中継するスペシャルを放送することになった。従って通常のROCK VISIONはお休み。去年はFM802のスタジオでモニター映像を見ながら西任さんと二人で進行していったのだが、今年はモニター映像が802に届かないということで、僕が大阪城ホールでライブを見ながら、802のスタジオにいる西任さんにレポートを入れる形の番組になった。予想外にセットチェンジに時間のかかるアーティストも何組かいて、その時間をトークで埋めるのはなかなかしんどい仕事だった。
久しぶりに大阪城ホールの現場でこのイベントを見た。どの歌にも優しさや暖かさが溢れていて、知っている曲やアーティストでなくても少なからず感動するのがAAAのいいところだ。今年の出演アーティストの顔ぶれはR&B系やアコースティック系が中心だったため、全体的に観客のノリもおとなしかった。それにしても各アーティストの選曲の渋いこと。もちろんどのアーティストも自分の曲を歌うわけだが、そこにカバーを織りまぜる。VlidgeとTinaはBob Marleyの「NO WOMAN NO CRY」、鈴木雅之とSkoop on somebodyはBilly Paulの「Me & Mrs. Jones」とMarvin Gayeの「Pride & Joy」、さらに大黒摩季はThe Bandの「The Weight」という選曲。トリを飾ったのはもちろんChar&布袋寅泰である。披露したのはSam & Daveの「HOLD ON I'M COMING」、Lynyrd Skynyrdの「DOUBLE TROUBLE」、お馴染みの「C'MON EVERYBODY」「SMOKY」という4曲だった。この大御所ギタリスト二人が向き合ってバトルを繰り広げる様はまさに圧巻。布袋さんが自分よりも目上のミュージシャンと共演しているというだけでもなかなか見応えがあった。こんな組み合わせが実現してしまうところがAAAだよなと思った。11月29日(木)
月曜に受けた予防接種が原因なのかもしれないが、とにかく気分が悪い。昨晩は夕飯で食べたものを夜中に吐いた。目が覚めても全身のだるさは取れず、背中やら腰が痛いし、頭痛もする。食欲は全くなくて、夕方まで何も食べる気になれなかった。ちょうど今日は一日休むつもりだったので、殆ど丸一日ベッドでゴロゴロしていた。疲れが溜まっていたのかな。
ここのところ毎日、大量に届くウィルスメール。Macの僕はあまり関係がないと思うのだが、受信に時間がかかるのが非常に迷惑だ。多くの人にアドレスを公開しているとこういうときに辛いね。11月28日(水)
なぜか名刺の整理などしてみた。一度すべての名刺をファイルから出して、数百枚の名刺を職種別に分類して入れ直す。しかしこうして見ると、「これ、誰だろう?」という人が本当に多い。というよりも思い出せない人の方が圧倒的に多いというのが正直なところだ。普通なら会社名を見れば、だいたいどんな仕事をしている人なのかは察しがつくものだろうけど、この業界は小さな会社が多いし、しかも「○○食品」とか「○○観光」とかではなくてカタカナの会社名ばかりだから、どんな仕事をしている人なのかも皆目わからない。人生って一期一会だよなぁと思いながらそれらの名刺はひとまとめに。僕がこれまでに配ってきた無数の名刺も、多くの人の元でこういう運命を辿っているんだろうな。
今日のデジネバ収録にやってきたぴあの上田さんが、会うなり「浅井さん、『殺し屋1』を見たんですねぇ」と。彼女も試写でついにこの名作を見たというのだ。「どう思いました?」「いやぁ、もう、最悪。途中で出ようかと思いました」「でしょう?最高に最悪ですよね」と大いに盛り上がる。この映画のもたらす衝撃を共有できるのは非常に楽しい。「あのシーンが凄いですよねー」「そうそう!でもあそことかも!」「あと、あの場面とかもビックリしません?」と話は尽きない。映画の冒頭で、風俗嬢の女がヒモの男にめちゃくちゃに殴られるシーンがある。血だらけになって泣き叫ぶ女をレイプするヒモの男。そしてその光景をベランダから覗き見てオナニーしている男が、射精した精液の中から「殺し屋1」というタイトルがにゅっと現れる。その最初のシーンを見ただけで上田さんは帰ろうかと思ったそうである。最低の映画なんだけど、絶対にみんなにも見て欲しいと思ってしまう。こんな凄い映画は他にはきっとないぞ。11月27日(火)
阪神高速環状線の通行止めは明日まで。今日はROCK KIDSの前に1件打ち合わせもあったので、入り時間に遅れるようなことがあってはならない。渋滞は避けられない様子だったので、久しぶりに電車でFM802へ向かった。これだけ大阪中のドライバーが影響を受けている今回の工事、市内の動脈を1週間も通行止めにしているんだから、それなりの効果が得られる工事であることを願う。
番組前にスタッフの一人からなぞなぞを出題された。そういえば昨日、別のところでも出された問題である。「切っても切っても切れない野菜は何?」というこのなぞなぞが気になって気になって、頭を抱えっぱなしだった。2時間近く考えたが答えはわからず、不本意ながらヒントをたくさん出してもらって、番組開始15分前にようやくゴールに到達。何だか納得しきれない答えであったが、せっかくなのでそれを番組の冒頭でリスナーに出題してみた。正解者も何人かいたけど、あれは最初から問題を知っていた人だと僕は信じたい。そして1時間ぐらいしてから答えを発表したけど、僕と同じように釈然としないというリスナーが多いようだった。僕のせいじゃないぞ。11月26日(月)
自分の部屋を掃除した。掃除といっても掃くとか拭くとかの作業よりも、不要な物を処分することがメイン。溜まりに溜まったありとあらゆる物を捨てまくった。ああ快感。こういう時に、「これはもしかしたらまた必要になるかも」みたいな考えは禁物である。長いこと使っていなかった物、その存在すら忘れていたような物は、徹底的に捨てる。これを実行したら急に部屋が広くなった。
そして夕方に一度家を出て病院へ、インフルエンザの予防接種を受けに行った。今年はインフルエンザは流行しないという話も聞いているが、とにかく転ばぬ先の杖である。たかが病気で穴を開けられない仕事をしている以上、体調管理も職務の一つ。ただ僕は注射が苦手である。目をギュッと閉じて痛みに耐える姿は、とても人には見せられない。11月25日(日)
ROCK VISIONが終わると知って、たくさんの人がメールをくれる。「応援していたバンドが解散してしまうような気持ち」という人が多い。本当に、僕自身もそんな感覚に近いと思う。例えば一昨日の番組では、ライブのアンコールで解散発表をするバンドのボーカリストが、普段と変わらない表情でその発表までのステージをこなす辛さを知った気がしたよ。
思えばROCK VISIONは、たかがラジオ番組とはいえ、ロックバンドと非常に近い要素を多く持っている。バンドでいえば僕がフロントに立つボーカリストで、ディレクターは曲作りを担当するギタリスト、縁の下を支えるADがリズム隊、すべてを指揮するプロデューサーがいて、ミキサーというエンジニアがいる。V-ROCK 802というバンド名だった頃、深夜3時台というインディーズで異例の人気を博し、バンド名を一新して3年前にメジャーへ進出。そして一時代を築いてついに解散、というところか。
僕自身が番組の終了を知ったのは、実のところもう何ヶ月も前のことで、ここのところずっと、番組に向かうテンションを上手に保てない状態だった。「頑張っても、どのみち終わってしまうんだし」というネガティブな気持ちが消えなかった。
解散を控えたバンドのメンバーにインタビューをする時、聞き手の僕やファンの重い心情とは裏腹に、メンバーがやけにさばさばとしていることが少なくない。今、番組の終了を発表してみると、そういうアーティストの気持ちもよくわかる気がする。最後の最後まで、他のどの局にも負けない日本一のロック番組でありたいし、聞いてきて良かったとリスナーにも思ってもらいたい。やっと100%前向きな気持ちで、ROCK VISIONに向かえるようになった。
番組で発表している時は、別に涙が込み上げるようなことはなかった。感動するのはまだ早いと思ったし。ただ、応援してくれたリスナーの人達からの1通1通のメールを読んでいると、さすがに感慨深いものがある。5年前、ビジュアル系を蔑視して、その色に染まった僕のDJをバカにした人達へ。まさかこれを読んではいないと思うけど。僕はあなた方に勝ちました。11月24日(土)
連休になると決まって新幹線が信じられないくらいに混む。通常通りに仕事をしている身としては、非常に迷惑な営業妨害だ。BEAT SHUFFLEのゲストSIAM SHADEが、新幹線でのオバサン方とのトラブルの話をしてくれたが、毎週往復している僕だってそういう体験談は尽きないのだった。確かに中年のご婦人は総じて、根拠のない自信に満ちているのか何なのか知らないが、例えば「あのぉ、すいません。そこ僕の席なんですけど」と低姿勢で訴えても、自分が間違っているなどとはこれっぽっちも思っていない態度で睨んでくる。交通事故じゃあるまいし、「謝ったら負け」だとでも思っているのだろうか。電車の中で平然とルーズソックスに履き替えていたような傍若無人なガングロコギャルが年を取ると、ああいう女性に成長するんだろうなぁ。しかし、中にはいい人もいるものだ。僕の知っている某アーティストは、インディーズ時代に一人で新幹線に乗った時、隣に座ったご婦人から「私、新幹線に乗って何かしていないと酔ってしまうんです。悪いけど話し相手になってくださらない」と頼まれ、断るのもはばかられたのでずっとその人との会話に付き合ったという。そこまでなら「げ、かわいそう」な話だが、降りる際にその人は、お礼にと彼に2万円を手渡したというのだ。無欲の優しさは富に繋がるという教訓。
今セブンイレブンに行くと、「9000店突破記念」とやらで、買い物をするとスピードくじを引かせてくれる。番組前にスタッフと買い出しに行った時に、何と7枚も引かせてもらえた。当たりが出たら、その場で賞品の現物をくれるというわかりやすいシステムで、これがおもしろいように当たりまくった。アイスクリームを1つと、お〜いお茶3本をゲット。打率はイチローをはるかに越える。「これって、こんなに当たるもん?やっぱ凄いの?」と一応店員に確認したところ、「はい、凄いです」と。嬉しい反面、まさかこれで今年の運は使い果たしたのでは、という不安も頭をかすめたり。年末ジャンボは見送ろうかしら。11月23日(金)
ROCK VISION 802が、12/28の放送で終了する。
番組が終わることはもうずいぶん前から決まっていたが、ついにこの日の番組で発表することになった。リスナーに隠していなければならないという重圧から、ようやく解放される。発表は、番組の最後のところで。時間をかけてゆっくりと、事の経緯を話した。番組でどんなふうに説明するのが一番いいのか、番組前に1時間ぐらい悩んだ。この日の番組を聞けなかった人のために、その時に喋ったことを、ほぼそのままの形で掲載しよう。
「この番組は、今年いっぱいで終わります。『V-ROCK 802』という名前で、5年前の秋、金曜の深夜に放送が始まり、3年前からはこの時間帯に引っ越して、『ROCK VISION 802』として新たにスタート。802でおそらく最も、熱心でマニアックなリスナーに支えられてきた番組ですが、ついに、あと1ヶ月で幕を閉じます。番組が終わるのは局の方針であって、もちろん僕も、スタッフも、続けられるものなら続けたい、という気持ちがあります。しかしその一方で、『そろそろ潮時かな』という思いも、正直言ってあります。
FMでもAMでも、ビジュアル系というシーンが、ラジオにことごとく嫌われていた5年前、突然にスタートしたV-ROCK 802という番組は、少し手前味噌な言い方になりますが、いろんな意味で画期的だったと思います。他のラジオではかかっていない曲を、かけたい。他のラジオでは注目されていないアーティストを、応援したい。そういう熱意で、この番組は作られてきました。やがてGLAYやL'Arc-en-Cielがブレイクしていき、かつてあれほどマニアックな位置にあったビジュアル系というムーブメントが、日本の音楽シーンの中でどんどん大きな存在になっていく。それとともにこの番組は成長してきました。そのムーブメントが沈静化した今、客観的に状況を見てみると、ビジュアル系から出てきたアーティストを応援する番組は、うち以外にもたくさんあります。V-ROCKの成功をうけて、全国のいろんなラジオ局で、この番組と近い内容の番組が始まり、ラジオ全体の中で、もうこのシーンが、軽視され、忌み嫌われる存在ではなくなったのを感じます。
そんな中で、一番最初にスタートしたこの番組が、いつまでも閉鎖的に、ビジュアル系にこだわり続けるのは、各アーティストにとってはむしろマイナスかもしれないし、少なくともかっこいいことではない。要するに、『ビジュアル系がマニアックでなくなった以上、この番組の使命は終わった』というのが、僕の考えです。
ですから、番組を打ち切るという話が802からあった時に、僕は100%納得しました。でももちろん、僕がビジュアル系を嫌いになったわけではありません。この番組はなくなっても、今まで応援してきたアーティストのことは、これまでと同じ気持ちで応援していくつもりです。
12/3に、爆発寸前NIGHTがファイナルを迎えることも、当然、この番組がなくなることと深い関係があります。『なぜ爆寸を最後にするのか』と聞かれても、ハッキリと今日まで説明できずにいたんですが、爆寸は僕にとって、『ROCK VISIONのライブバージョン』みたいなものでした。番組が終わっているのに、いつまでもあのイベントだけ続けるのはやっぱり無理がある気がするし、僕自身のテンションも続きません。それで、ひとまず打ち切ろうと決心したわけです。
今でこそ、僕はこの番組以外にも、DJとしていろんな仕事がありますが、5年間、僕にとってこの番組がすべてでした。僕のDJとしての人生を救ってくれたのが、この番組であり、この番組を支えてくれたリスナーの皆さんだと、本気で思っています。だからもちろん、この番組が終わることは、身を切られるように辛いんですが、『愛されているうちに終わりたい』とも思うんです。『あれ?あの番組、まだやってるの?』という存在にはなりたくないと。そしてだからこそ、『いつの間にか終わってる』という終わり方をしたくないと。最後は楽しく、華々しく、かつ感動的に、終わりたい。そう思って、今日の段階で発表することになりました。」
これが、今日のROCK VISIONの最後で僕が話した言葉の全容である。
この番組に対する僕自身の思い入れ、思い出、自慢話は尽きない。書き始めたら間違いなく1冊の本になるであろう。本気で本を書こうと思ったこともある。そんな番組が終わるのだから、正直言ってまだ実感はわかない。でも、終わるのだ。泣いても笑ってもあと4回で。
いろんな点で、絶対に日本一の番組だったと自負できる。最後までROCK VISIONらしく、ととことんマニアックに、とことんクールに、とことん熱く。見ておれ。11月22日(木)
昨日、802での出来事。コーヒーを入れようと思って、スタッフ用のお茶汲みコーナーに行った。冷蔵庫とかコーヒーメーカーとかポットとか灰皿とかがいろいろ置いてある一室ね。したらそこに、たくさんの紙コップにせっせとミネラルウォーターを汲んでいる男性がいた。どこかの番組のADの人かと思ってよく見たら、コブクロの小渕くんだった。どうやら自分達とスタッフの分の水を持って行くつもりらしい。肩を叩いて「ちょっとちょっと。君はスターやねんから。そんなことは下々の人間にやらせなさいよ」と諭すのだが、
「いやぁ、とんでもないっす」と爽やかな笑顔。彼等が低姿勢なのは表向きの顔だけではないのだった。見習いたい。
今日から阪神高速の一部が工事のために通行止めになっていて、そのぶん一般道が混雑している。それはこの際仕方がないとして、FM802の前の天神橋筋で行っている車線規制は一体何なのか。別段工事をしているわけでもなく、検問でもなく、ひたすらパイロンが並んで片側の1車線を通行できなくしている。そこここに警官が立っている。当然のように大渋滞で、しかも全然動かない。歩いた方が早いというありさま。こっちは急いでいるんだから、ちゃんと納得のいく説明書きをするべきだ。11月21日(水)
前回、携帯の機種変更をしてからちょうど1年が経過した今日、さっそく新しい携帯を購入した。1年前、あんなにかわいがっていたP209isだったが、最近は他の新しい機種と比較してどうも不満があったし、電池の持ちも著しく悪化していた。今日新しく買ったのは同じPの503isである。メーカーが同じでないとMacからWINに変更するのと同じぐらい慣れるのに時間がかかるから、最初からPを買う予定だった。で、この新しい携帯がまた可愛くて可愛くてしょうがない。前の機種で「ここが不満なんだよねぇ」と思っていたところはほぼすべて改善されているあたりはさすがである。最もありがたいのはユーザー辞書。他の携帯を利用していた人にしてみれば、今までなかったことの方がおかしいようだが。何にせよ、大事に使おうっと。
11月20日(火)
先週末、G-SPOTの収録でもお世話になったTHE KALEIDOSCOPEの石田匠氏がゲスト。他のメンバーと一緒にスタジオに入ると口数が少ないといわれる彼は、少々気難しく、社交辞令を嫌うタイプの人である。しかし単独のインタビューになると質問にはかなり流暢に答えてくれるし、しかもその喋り口調にはなかなかの説得力がある。彼のような、インテリジェンスの漂う若干ひねくれた男が僕は好きである。もちろん、インタビューそのものはやりづらいのだが。
ROCK KIDSの後にはデジネバ用の収録も行ったのだが、その合間の雑談で石田氏から僕の出身地を聞かれた。「実家は川崎市の生田ってとこなんですよ」と僕が答えると、横にいたavexの大阪担当のプロモーターさんが、「え!?浅井さん生田なんですか?僕もですよ」何と、彼が僕と同じ中学の出身であることが判明したのである。彼と知り合って一緒に仕事をするようになってからずいぶん経つが、そんなことは全然知らなかった。今日まで年下かと思って余裕でタメ口で喋っていたくせに、一つ上の先輩だったと知り慌てて「えぇ?まじ?・・・ですか?」と違和感のある「です・ます」調。それにしても世間は狭いというか何というか。大阪で遭遇するあたりが笑える。
11月19日(月)12月から公開となる映画「殺し屋1」を見た。原作のコミックがずいぶん有名らしいが僕は読んだことがない。浅野忠信が主演のエログロバイオレンス映画である。何とR18指定。つまり高校生以下は映画館に入ることができない成人映画である。この映画はすごいと思った。僕がこれまでの人生で見た映画の中で、間違いなく最低である。これはいい意味で。最低の意味にいいも悪いもないとお思いだろうが、「見なければ良かった」と思うようなつまらない映画では決してないのだ。これほどの衝撃を受けた映画は過去にないかもしれない。とはいえ見終わった後に残る感覚は、衝撃以外に何もないと言っていい。具体的に言うと、とにかく人がたくさん死ぬ。この映画の制作で使用した血のりの量は、1トンぐらいにはなるだろう。たくさんの人間が死ぬ映画は他にもたくさんある。問題はそれぞれの登場人物の死に方である。どうでもいい脇役さえも手抜かりなく、壮絶かつグロテスクに死んでいく。この映画を最初から最後まで、目を背けることなく見た人間を僕は軽蔑するだろう。しかしこの映画を見終わった直後に何かを食べられる人間を僕は尊敬するだろう。ぎゅっと手を握りしめてしまうほどの痛々しさ。「リリィ・シュシュのすべて」は人の精神的な「痛さ」を刺激する作品であったが、「殺し屋1」は「うわこれ痛そ〜」という別の意味での痛さに満ちている。浅野忠信がオトシマエをつけるために自分の舌をドスで切り取るシーン、皮膚に針をさして天井から釣り下げた男の背中に天ぷらの油をかける拷問のシーン、5本の指をあっさり反対側に折り返すシーン・・・。ああ最低。そらこんなん高校生に見せたらあかんわ。これは絶対おすすめ。
11月18日(日)
世間で大騒ぎの獅子座流星群の日。たかが流れ星ごときで何を浮かれておるかと冷笑していた僕であった。が、しかし。夜中にデジネバを見ながら原稿を打っていたら、OSMの生徒の一人から携帯メールが。「星、見てます?けっこう見えますよ」と。本当に見えるのか?と疑いつつベランダに出て上を見上げてみると、30秒もしないうちに1つがひゅんっと飛び、その10秒後にはまた次の流星が。ロケット花火みたいに、美しい尾を引いている。これは凄い。まじ感動。ありがとう千春ちゃん。しかしいかんせん僕の部屋のベランダからでは一方向しか見えない。真上と、反対側の空でも星がたくさん降っているのに見逃している気がする。パジャマの上に分厚いコートを羽織り、煙草と携帯をポケットに入れて夜中の3時に家を出るサイバーDJ。家の前の児童公園で、ベンチの上にぶるぶる震える身体を横たえる。こうしていれば首も痛くならないもんね。結局小一時間の間に、多分50個ぐらいはゆうに越える数の流れ星を僕は見た。それにつけても流れ星がこんなに神秘的なものだなんて。この美しさを知らず、斜に構えていた愚かな自分よさようなら。
でも考えてみると、世間であれだけ騒がれていたわりに、ベランダから星を見上げている人は僕以外にいなかった。車のエンジン音や若者の嬌声は何度か聞こえたが、どのマンションの部屋も暗く寝静まっていたようだ。寝てる場合じゃないよと一軒ずつ起こして回ろうかと思った。僕ってミーハーな人種なんだろうな。11月17日(土)
11月17日は、バンドマンの日とする。この日に誕生日を迎えるアーティストのなんと多いことか。BEAT SHUFFLEのゲストriceのHIROくんも今日で晴れて二十歳になった。前日に所属事務所で開かれた誕生日パーティーには、BEAT SHUFFLEのスタッフやDJの鈴木裕介さんも参加しており、その席で出されたYUKIくんの手料理がいかに豪華かつ美味であったかを僕は番組前からさんざん聞かされていた。僕には彼の作った雑炊を食べている過去があり、彼の料理の才能については予備知識があるから驚かない。以前から約束していた(もっとも僕にはその覚えがない。スタッフがした約束らしい)オムライスを、今回は作って持ってきてくれた。3皿も。そのオムライスをつまみながら、HIROくんの誕生日祝いのワインで乾杯。どんなインタビューやねんという話だが、このオムライスがまたおいしいわけよ。卵の膜はプロと比較すれば粗いと言わざるを得ないが、中のチキンライスと、上のデミグラスソースは味も見ためもパーフェクト。ついさっきラーメンを食べたばかりの僕が、ぺろりと平らげてしまったのだからこれは本物。彼は前日のパーティーでは電気コンロ一つで80個のハンバーグを焼いたそうな。よほど料理が好きでなければ出来ない芸当だ。ちなみに僕は料理がもんのすっごく苦手である。
11月16日(金)
SUPER FEATUREのゲストはLa'cryma Christi。TAKAさんと、かなりイメチェンをして話題のHIROさんというめずらしいコンビである。番組中、ラクリマファンからすればずいぶん失礼な発言をしてしまった気がするので、ここで弁明しておこう。先日HOT WAVEの収録でTAKAさんお会いしたが、その際は星子氏がTAKAさんにずいぶんな勢いでいじめられており(大半はカットされているはずだが、オンエアされた部分を見ていてもその様子は伝わってくるはずだ)、僕にはその仇討ちをするという使命があったのである。だなんて自分を正当化してみたり。実際TAKAさんの性格(ていうかキャラ)を理解するには時間がかかる。どこまでがギャグでどこからが本気の受け答えなのかが非常にわかりにくい。単に口数が少ないアーティストとか、NGワードが多いアーティストもやりにくいけど、どんな答えが返ってくるか全く予想できないTAKAさんみたいな人は、聞き手として一番難しい相手である。もちろんそういう「変わってるトコロ」がTAKAさんの味であり長所でもあるのだけど、なかなかこっちのペースで喋ってくれないTAKAさんはやはり強敵。La'cryma Christiと仕事をするようになってそろそろ5年になるが、TAKAさんへのインタビューに慣れたのは本当に最近のことだ。あの細かいボケの一つ一つをいちいち拾っていては時間がいくらあっても足りないので、スパっと無視するこの勇気。いや、TAKAさんごめんね。
さて、来週は番組史上最大の重要な発表がある。心の準備をしつつ聞いていただきたい。11月15日(木)
やっと訪れた一日オフ。行きたいライブがなかったわけではないが、たまには仕事を全部忘れたいと思い、久しぶりにUSJに遊びに行った。この前の滞在21分間の悔しさがまだ残っていたから。何十分も行列で待たされるのはすごく無駄な気がするので、今回はライド系のアトラクションよりも、待ち時間のあまりないショーを中心に回った。ウォーターワールドはかなりメジャーだけど、ワイルト・ワイルド・ワイルド・ウェストやモンスターロックンロールショウなども、実は非常にクオリティーが高くて面白いという発見があった。やっぱりプライベートで行くと楽しいぜ。
しかし疲れた。身体にはちっとも休息になっていない。11月14日(水)
今日は長い一日だった。午前中は学校で講師をして、そのまま打ち合わせを1本。その後インタビュー録りが1本入って、デジネバの収録スタジオへ。この日は早めに入って2組のアーティストのゲストトークを収録して、さらにぴあの上田さんに2本の映画を紹介してもらう。そして通常のデジネバ収録。一般的なビジネスマンは、朝から働いて深夜まで残業なんて日が毎日続いたりするそうだけど、僕はこんな日が3日も続いたら脳ミソが膨張してパンクしちゃうよ。しかも3時間ぐらいしか寝ていなかったから、家に帰ってからも眠くて眠くて、夜の10時ぐらいについにベッドにダウン。案の定、朝の5時ぐらいに目が覚めてそれからしばらく眠れなくなってしまった。何とかしたいぜこの不規則生活。
11月13日(火)
さすがに一日では爆寸疲れが取れない。首の痛みは幾分引いたが、全身くまなくギシギシいっているような感じ。今日は声にもその疲れが出てしまったらしく、リスナーからも「風邪ぎみですか?」という鋭い指摘をいくつか受けた。しかし精神的にも体力的にも、まあ何とか元気である。
番組後、月曜と木曜のROCK KIDSでレポーターを担当している大貫くんと飲みに行った。彼の他に番組のディレクターもいたのだが、3人とも大学時代にディスコに通ったクチ。それもユーロビート全盛の頃。今思えば、海外でリリースされていたのかも定かでないようないかがわしい外人の歌う、しかもまるで中味のない子供騙しな音楽を、毎日のように聞いていた自分が恥ずかしいし可笑しい。当時ディスコに通っていた人々は大半がこの系統のユーロビートを覚えている。アーティスト名や曲名は忘れても、口ずさめるし振り付けも覚えているものだ。そんな懐かしい話題で盛り上がることがたまにあるが、番組で当時の曲をかける勇気はさらさらない。時代はループしていくというが、BOOM BOOM DOLLARやUPSIDE DOWNこそがかっこいいとされる時代が、本当に来るのだろうか。11月12日(月)
ホテルでめずらしく寝坊をした。僕はよく二度寝をするが、計画的な二度寝である。ちゃんとギリギリの時間に目覚ましをセットし直してから再びふとんに入る。今日はどうやらそのセットした時間が一時間間違っていたらしい。慌てて帰り支度を整えるが、窓の外はまたも雨ときている。駅まではタクシーに乗ることにした。まったく朝からツイていない。
予想どおり首が動かない。昨日みたいに痙攣こそしていないが、筋肉痛が肩から後頭部まで及んでいて、偏頭痛に繋がっている感じ。おまけにどういうわけか腰とか腹筋まで痛い。風邪は引いていないし声もまともに出るのは不幸中の幸いか。
大阪に帰って今日のお仕事は、ボウイのフィルムギグ試写会のMCである。先日DVDで発売されたLAST GIGSではなく、その解散を発表した、前年のクリスマスイブ、渋谷公会堂のライブ映像。今まで倉庫に眠っていたというそのフィルムが、ついにロードショー公開されるわけである。その試写会の前説を僕が担当させてもらえることになった。用意された原稿に、僕なりの思い入れをこめつつ、フィルムの内容を解説していく。僕にしてはかなり調子よく喋っていて、「今日の俺はわりかしかっこよさげかもだぜ」なんて思ったりもしちゃって、最後の最後、一番かっこつけるべき決めの台詞。「14年前のクリスマスイブ。あの夜の封印が!今夜ついに!解き放◆△×・・・解き放たれます。・・・最後までしっかりと、その目に焼きつけてくださいね。浅井博章でした・・・(内心ショックで放心している)」。噛んだ。そりゃもう一番大事なところで。前の方の女性客が笑っているのも聞こえた。神様はなぜそんなに残酷なのだろうか。そもそも「封印が解き放たれる」って日本語的におかしいじゃないか。ああ悔しい。もう1回やりたい。こういう時はshameのLOSERSを聞こう。ああもう、瞼大きく開けて、太い白旗揚げて、高らかな敗北宣言を掲げよう。そうさ俺はよく噛むさ。噛まれると痛いぜ。気をつけな。
試写会は最初の3曲ぐらいだけ見た。衝撃の解散発表のシーンでは、涙を流す氷室と、ずっと客に背中を向けている布袋の姿が赤裸々に映されているそうだ。その場面こそ見てみたかったが、僕には見なければならないものがもう一つあった。
当時ボウイのマネージャーをしていた人が、つい数年前まで担当していたバンドが、ALL I NEEDである。ボウイの解散発表のフィルムを流すのと同じ日に同じ大阪でALL I NEEDの解散ライブが行われるというのは、何だか不思議な因縁を感じる。
もちろん、ボウイのようにドームではない。ボウイに負けないくらいかっこよくても、解散ライブのチケットは売り切れていない。売れたか売れなかったかで言えば、ALL I NEEDは売れなかったバンドである。この時代にはめずらしいタイプのロックバンドであったが、彼等がかっこいいと信じるものが、世間一般でそうと認められなかったのは否定できない事実だ。しかし僕個人としては、そこに対する怒りや苛立ちはもうない。
ロケッツのステージで、橋都章人は泣いていた。彼の性格からして泣くのは当然だと思っていた。このライブで、このステージで泣けなかったら、ALL I NEEDじゃない。そういうバンドだから僕は好きだったんだ。不器用で、憎まれ口だけは達者で、偉い人の前でいい顔をすることが出来ない連中。バカがつくほど正直な彼等がのし上がるには、この業界は汚れすぎているのかもしれない。かっこいいだけじゃ売れないんだよ。そんなことは誰だってわかっているけど、それでも頑なにかっこ悪いことに手を出そうとせず、「俺達こそ一番かっこいい」と信じたままで解散していくALL I NEEDが、僕は好きなんだ。4人の音楽人生はまだ終わっちゃいない。ALL I NEEDが本当に伝説になるかどうかは、これからの彼等にかかっている。あまりにも短い「今」を駆け抜けた彼等が、少なくとも僕の記憶には残るだろう。ひねくれたままで、わがままのままで、とても綺麗なまま。11月11日(日)
去年の春にスタートしたイベント爆発寸前TOKYOが、この日のVol.5を持って最終回を迎えた。ラストであるせいか、DMを送らなかったのにチケットの売れ行きは過去最高で、250人を越える動員を記録した。
今回はバーテンのお兄さんが爆寸のオリジナルカクテルというのを作ってくれた。2種類を用意したのだが、僕が中身まで指定したのは「爆発寸前」の方。ウォッカにDITA(ライチのカクテル)を少し入れ、それをグレープフルーツジュースで割っているものである。ブルドッグよりも甘くて飲みやすい。これは普通のバーでも注文できると思うので、お酒が好きな、特に女性にはぜひお勧めしたい。実はHOT WAVEのマスターが教えてくれたカクテルである。もうじきそのカクテルが番組でも出てくるはず。もう一方の「ヘドバンスペシャル」は、「ジンベースのショートカクテルで、全然飲みやすくなくていいからとにかく強くて味もきっついやつ」という僕のリクエストに応えてバーテンさんが作ってくれたオリジナル。中身が何だったのかは僕もよくわからないが、いろんな酒の混ざったカクテルであることは間違いない。ジンとカシスの味がした。
その両方を交互にガブガブ飲みながらスタートした爆発寸前TOKYO。そんなふうに、アルコールの力を借りて自分のテンションを無理に上げているようなところがあった。爆寸が終わるたびにアンケートに書かれた不満を読んでは落ち込み、リクエストメールを読んでは自分とお客さんががこのイベントに求めるものの落差を知って悩む日々。2ヶ月に1度というペースでやってくる爆寸というイベントが、いつしか僕の「趣味」というより「使命(もっと言ってしまえば義務)」みたいになってきて、そのプレッシャーが重荷になっていた。いろんなバンドのファンが集まるイベントなのだから、100%の満足を得られる客など一人もいないのは当然で、そんなことはわかっているはずなのに、客の冷ややかな反応が怖い。やるからには精一杯、みんなを満足させられるイベントでありたい。でも今の僕にはもうそれが出来ないと思った。そんなことを考えながらイベントを続けたって苦痛なだけだ。みんなに愛してもらえるうちに終わる方が理想的だろう。このイベントをたたもうと思った背景には、そういう僕の考え方があった。イベント中にMCでそれを言う勇気はなかったのだけど。
一人一人の顔を見て、ありがとうと言いたかった。だからイベントが終わってから、出口で希望する人全員に握手をすることにした。これはさすがにずいぶん長い時間を要し、かなりお客さんを待たせてしまったし、ライブハウスの人やスタッフにも迷惑をかけてしまった。クレームにびくついている僕に面と向かって文句をぶつける子はさすがにいなくて、みんな笑顔で「楽しかった」「またやってください」と言ってくれる。その笑顔が、素直に嬉しかった。来てくれたみんな、本当にありがとう。
かなりのアルコールを胃袋に流し込んだが、不思議とさほど酔わなかった。ただし、ヘドバンをした時の目まいはいつもの比ではない。それでもお構いなしにぶんぶん振り回していたから、当然首にかなりの負担がかかったらしい。イベントが終わって2時間ぐらいしたら、頭が直立しなくなっていた。うつむくか、真上を見上げる格好でないと頭を支えられない。こんなのは初めての経験。明日はどうなってしまうのやら。とにかく疲れた。重いスーツケースを引きずりながら、ホテルに向かう足取りがふらついていた。11月10日(土)
大阪の天気は悪くないというのに、東京は朝からひどい雨が降り続いているらしく、東京駅を降りたら嘘みたいに寒かった。明日もこんな天気が続いたらと思うと憂鬱な気分になった。今回は事前にCDなどを宅配便でCYBER宛に送っておくことをしなかったので、荷物がとにかく多い。スーツケースをガラガラと引きながら雨の中を歩きたくないのだ。
この日のBEAT SHUFFLEにはPlastic Treeの竜太朗くんと正くんが登場。番組で使っている、ネット中継用のホワイトボードはなぜかミッフィーちゃんなのだが、無表情なミッフィーちゃんの目鼻を書き加え、横に「ミヒー」と書く竜太朗くん。凛々しい顔つきのミヒーちゃんは非常に芸術的であった。あれはしばらく消したくないな。11月9日(金)
講師の仕事で必要なCDを探しているときに、サントラコーナーでジブリの主題歌集を発見。何だか最近妙にジブリモードの僕は、連日の衝動買いをしてしまった。歌ものの主題歌の他にもメインテーマとして流れる曲がそれぞれ収録されており、ナウシカ、ラピュタ、トトロ、紅の豚の4作品の代表曲を1枚で聞けるというおいしいCDである。FM802に向かう車の中で聞いてみる。おおナウシカが。今度はラピュタが。運転しながらちょっと涙ぐんだりなんかして。ラピュタのDVDも買っちゃおうかなぁ。
11月8日(木)
近所のイズミヤで買い物をしていて、なにげなく足を踏み入れたCD屋さんで、見つけてしまったDVD。それは「ルパン三世・カリオストロの城」である。過去、テレビで放映されるたびに新しくビデオに録り直し、今持っているのもかなり鮮明な画像で録れているが、何百回見ても画像が劣化せず、CMも入らないDVDはやはり魅力的。そして衝動買いをしてしまった。最近は定期的に、ネットをしながらバックにこの映画を流している始末。自分でもなぜこの映画だけがこんなに好きなのか、よくわからないんだけどねぇ。
夜、日曜に迫っている爆発寸前TOKYOの選曲を開始した。まずはリクエストの集計から行うのだが、今回はまたマニアックな曲に集中している。PIERROTやDir en greyなどが異常なほど少ない。こんなはずはないと思い、リクエストメールとハガキの数を数えてみたら、40通ぽっちだった。チケットがすでに200枚以上売れていることを考えると、このリクエストはごく少数の意見でしかなく、あまり鵜呑みにするといいことがなさそうな気配である。もちろんリクエストは参考にするが、前回のように「リクエストの来ない曲はかけない」という方針は変えた方が良さそうだ。最後だし、僕自身も楽しめる選曲にこだわろう。11月6日(火)
僕の大学の先輩アーティスト、真心ブラザースが活動休止を迎える。解散という言葉を使わないのは、「何か恥ずかしいでしょ」という彼等らしい理由だ。実際、気が向いたらまた二人でやることも大いにあるそうで、ただそれが具体的にいつのことになるのかがわからないだけということだった。ROCK KIDSに生で登場してくれた二人だが、番組中も重い空気になることは全くなくて、いつもの明るい調子でトークは進んだ。ずっと応援していたファンの人達にとっては無論、寂しい気持ちが大きいのだろうが、こういう形で区切りを迎えられるアーティストは何だかうらやましいとも思った。ソロとしての二人の活躍にも期待したい。
11月5日(月)
コンポは消耗品である。高校生の時に初めてシステムコンポというものを買って以来、これまでに5ほど買い替えて来たが、故障がない状態が2年も続けばいい方だった。いろんな機能のうちのどこか一つがイカれても、その部分だけを買い替えることができないというのがコンポの厄介なところで、しかも最初にガタが来るのはたいていの場合、アンプ部分かCDプレーヤーである。昨日まで使っていたコンポはCDプレーヤーが全く作動せず、外部からDJ用のうすらデカいプレーヤーを繋いで聞いていたので、不便なうえにやたらと場所を取って困っていた。「考えてみれば、音響機器は僕にとって商売道具ではないか」と思い立ち、いい加減で諦めて新しいものを購入した。僕はDJのくせに音質に全くこだわらないし、どうせまた2年かそこらでガタがくるんだから、安いやつでいい。和光デンキで目立った場所に置いてあったやつに即決。一番嬉しい新機能はMDLPである。これで自分の番組の録音が1枚で足りるようになる。
問題は古いコンポの処分である。CDのヘッド以外は全部、何の問題もなく作動するのに、これをまるごと捨ててしまうというのは胸が痛む。思えば僕の部屋には、そういう理由でひたすら眠り続けている重症患者のコンポが他にも1台いるのだった。さらに壊れた電子レンジが2台と、ビデオデッキが1台。パソコンもテレビもある。狭い部屋にこれだけの粗大ゴミが山積みになっている。心を鬼にして、大至急捨てよう。もう限界だ。11月4日(日)
僕が担当するようになってからのHOT WAVEでは、スタジオにヴィジュアル系のアーティストを招くことがなかった。ムーブメントが沈静化している以上、この番組でも徐々に音楽の幅を広げていく必要があり、ここ最近のゲストラインアップはそうした傾向が色濃く出た結果である。しかし僕が司会を担当するからには、と期待した人からすれば首をひねる部分もあったかもしれない。番組に寄せられるリクエストもやはりヴィジュアル系が多く、そんな声も反映して、この日の収録ではDuele quartzとwyseという2組のゲストだった。衣裳は2組とも私服だったそうで、同じバンドでも普段着だとメンバーの趣味がこうも異なるものかと思うはず。どちらも、とても楽しい雰囲気でトークが進んだので、放送を楽しみにされたし。
11月3日(土)
局に入ってこの日のフォーマットを見たら、ラスト2曲のところにriceとRaphaelの名が書かれていた。曲名はまだ入っていない。「riceとRaphael、続けてかけるの!?」その意図が最初は理解できなかったが、ディレクターが見たriceのライブの様子を聞いて、僕も覚悟を決めた。今まで僕は華月くんのこととriceの活動は切り離して考えるようにしてきた。それが不自然であることもわかっていた。1年という時間の流れがriceの二人に、過去を振り返るだけの力を与えたなら、僕がいつまでも避ける必要はないだろう。そのライブで起こったことを率直に伝え、大量に届いているRaphaelのリクエストに応えるのが僕の仕事である。しかしこれは実にしんどい作業だ。聞いている人達の思いが重かったり強かったりすればするほど、喋る側にかかるプレッシャーも大きい。うわべだけの言葉であっさりと曲だけをかけて逃げることは、僕にはできない。でも何を言えばいいのかもよくわからない。番組前に僕は、30分ぐらいむっつりと黙り込んで、今の自分に言えることを文字にした。1年前の放送を思い出さずにはいられなかった。DJをしていて一番しんどいと思う時だ。でもそうやって自分の中から絞り出した言葉がリスナーの心に届いた時に、DJをしていて一番幸せだと思うのだ。
11月2日(金)最近、東風荘で負け続けている。ここ1週間ぐらいで、Rが100近く落ちてしまった。本当に心から不愉快でイライラするので、もうしばらくやめようとか思うのに、また繋いでしまう弱い僕。
TAKUIのニューシングル「Calling you」をようやくROCK VISIONでもかけることができた。この曲を聞いてあらためて思ったのは、「うーん。歌唱力に関しては文句のつけようがないな」ということだった。TAKUIくんの曲はキーの高さが僕に合っているらしく、歌っていて実に気持ちがいいので、新曲が出るたびに車の中で歌っている。何度も歌っていて「やっぱり『コーリンヒュー』だよなぁ・・・」と思ったので、今日TAKUIくんに直接それを指摘。本人も自分で聞いて納得していたぞ。
明日のBEAT SHUFFLEではクイズタイムショックがある。ターゲットが自分である。出題も当然のことながら僕が任されている。どれぐらいのマニアックさで出題すれば挑戦者が答えてくれるのか、その基準が非常に難しい。11月1日(木)
明日からUSJのクリスマスイベントがスタートする。それを前に、今日は大きなツリーの点火式のようなセレモニーが行われることになっていて、報道陣が招待されていた。「せっかくだから誰かROCK KIDSのDJも」と僕にお声がかかり、光栄にも取材をさせてもらえることになった。ところが、である。僕はこの日、別件でスタジオにこもっており、前後を仕事に挟まれて殆ど時間が取れない状態だった。仕事が終わってから急いで車を飛ばしたが、目指す集合場所の第2駐車場が見つからない。今日は一般に解放していないのか、目印になるような看板が出ていないのである。ぐるぐる回ってようやく発見。セレモニーは5時半から6時なのに、すでに5時45分ぐらいだった。そこからバスに乗り換えて、パークの裏口へ連れて行ってもらうのだが、こんな大遅刻をしているプレスは当然僕ぐらいのもので、大きなバスに運転手以外は僕一人が乗っている状態。このバスがまたえっらい遠回りをしてくれたため、関係者入り口でパスをもらった時点で5時55分。受付にいたお姉さんが、イベント会場まで僕を案内してくれるのだが、混雑するパーク内で二人とも小走り。初めて会う女の人と二人で小走り。何と気まずい。しかも着いたら当然のようにセレモニーは終わっていた。すいませんすいませんとお姉さんに謝って、先に到着していた802の他のスタッフと合流する。「いやぁ、感動的なセレモニーだったねぇ」「おめー、見てねーじゃねーかよ」「よくご存じで・・・」そんな情けない会話を交わしつつ、ベンチに座って一段落。セレモニーの様子を大まかに聞いて、ツリーなどを見物しているうちに、「あ、もうそろそろ帰らなきゃ」・・・。せっかくUSJまで来て、プレス用のパスまでもらって、閉園まで好きなだけ遊んでいいというのに、僕はまた一人でとぼとぼと帰らなければならないのだった。この日、僕はUSJのパーク内に入ってから、出口を出るまでの時間は実に21分。プライベートで遊びに来た時はあんなにウキウキするのに、仕事と割り切るとどうしてこうも冷めてしまうものだろうか。
