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Diary(02.01.)

1月31日(木)

 ROCK KIDSのBBSでリスナーの人から勧められた「サンクチュアリ」という漫画を読み終えた。その結末は、一遍の漫画でこれほど感動したことはないというほど素晴らしいものだった。同じ池上僚一の「傷追い人」は僕の大好きな作品の一つだが、「サンクチュアリ」の衝撃と感動はそれを遥かに上回る。カンボジアの内戦で両親を殺され、命からがら逃げ出して生き延びた二人の日本人の子供。帰国後、腐った日本を見て危機感を抱いた二人は、高校時代に「俺達で日本を変えよう」という崇高な目標を掲げ、ジャンケンで表の道と裏の道に分かれて日本のトップを目指す。ジャンケンに負けた一人は高校を中退して極道の世界に入り、勝った方は東大に進んで政治家に。二人が命を懸けて描いた絵が、数々の苦境を乗り越えて完成するまでを綴った漫画である。そのラストシーンはあまりにも切なくて美しい。最後の方だけ、続けて4回ぐらい読み直してしまった。ああ、しばらく引きずりそう。

1月30日(水)

 学校が終わってからデジネバの収録に行くまでの空き時間に、映画の試写会を見に行った。日韓合作の「ソウル」という映画である。日本からは「ホワイトアウト」の、韓国からは「シュリ」の制作スタッフが集められたという話題作。主演には、韓国側が「リベラ・メ」のチェ・ミンス。文句のつけようがない二枚目である。一方この映画に出演する唯一の日本人が長瀬智也。あまり期待はしていなかったが、アクションも含め非常にいい演技をしていたと思う。あらすじを簡単に説明すると、たまたま韓国に出向いた日本の熱血新米刑事が、ソウルで現金強奪事件に巻き込まれ、言葉の通じない現地の腕利き刑事と反目しあいながら犯人に挑んでいく、というお話。まぁありがちといえばありがちな設定だし、無理のある展開も多々あったが、アクションがチープじゃないせいか見応えはじゅうぶんにあった。わざとらしく日韓友好を強く訴えることもない。「ホワイトアウト」あたりが好きだった人にはおすすめしたい1本である。
 今僕が一番見たい映画といえば「ロード・オブ・ザ・リング」である。実は昨日がその試写会の日だった。火曜日は大作の試写会が実に頻繁に行われる。悔しい限りである。

1月29日(火)

 今日現在のマイブーム「課長 島耕作」のことを今日のROCK KIDSの冒頭で話したところ、リスナーから大きな反響があった。bbsの方ではおすすめの大人向けコミックをたくさん教えてもらったので、これを機にいろいろと読んでみよう。台詞がいっぱいで、話に政治や経済や戦争が絡んでくるような、ややこしくてアダルトな漫画が僕はけっこう好きだ。大人が熱中できる漫画が豊富にあるのは、日本の漫画文化の大きな特徴といえるかもしれない。僕の両親はどんなことがあっても決して漫画だけは読まない。アニメも見ない。しかし今は子供の読んでいる漫画本を親が借りて読むこともめずらしくない時代だ。「漫画=害悪」というイメージはもはや教育の中に存在しないのではないか。
 結局読み始めたばかりの島耕作は夜中までかけて読破した。今日の番組中にリスナーの人から進められた「サンクチュアリ」に手をつけている。僕が大好きな池上僚一の筆による作品である。ここ数日、漫画にハマってからひどい睡眠不足だ。やっぱり漫画は身体によくない。

1月28日(月)

 今日はHOT WAVEの収録。局から浦和までのタクシーの車内で、めずらしく運転手と会話をした。
 話し掛けたのは僕だった。ハンドルの後ろ側に小さいカレンダーが貼ってあって、半分ぐらいの日付けが、右上から左下へ斜めに引いた線で消されている。それが妙に気になったから聞いてみたのだ。「ああ、これは、相方と自分の勤務日なんですよ」という答えだった。タクシーの収入は曜日によって違う。縦に割って曜日を決めてしまうと不公平なのだ。だから高収入の得られる曜日を平等に振り分けるように、斜めに線を引く形で勤務日を割りふる。それはだいたい予想できた答えだったが、1台のタクシーを二人の運転手が交互に乗っていることが初耳だった。

1月27日(日)

 先週借りてきたビデオを返却しに、またレンタルビデオ屋に寄った。この店ではコミックも貸し出していて、新幹線の車内で読んでみるのも悪くないなと思い、初めて借りてみた。今さらながら「課長 島耕作」である。僕はもともとあまり漫画を読む習慣がないので、こういう名作をたくさん読み逃している。
 家に着いてから何となく開いてみたら、そのまま2冊読み終えてしまった。借りた分をここですべて読んでしまっては明日の新幹線で読むものがなくなってしまうとそこで何とか自制。なるほどこれは確かにおもしろい。漫画という形だが、ストーリーは小説よりも入り組んでいてかつリアリティーがある。
 僕はサラリーマンを経験していない。しかし三十路を前にした男だから、やっぱりある程度の感情移入をしてしまう。大企業で何十年も働き続けた僕の父も、おそらくこういう戦いをくぐり抜けてきたのだろうと思う。家庭を持ち仕事を抱えるようになって僕も、人生の重さや難しさ、そして面白さが少しずつわかってきた。「人生は自分で動かすものだ。これから死ぬまで誰かに指図される人生で君は満足か?」という台詞が出てくる。男の胸にグサリと刺さる重い言葉である。
 出る杭は打たれるものだ。それはどんな仕事でも同じに違いない。ちょっと看板番組を任されたからっていい気になっていたら、僕だってすぐに足下をすくわれてこの立場を失うことだろう。

1月26日(土)

 BEAT SHUFFLEの数少ないスタッフのうちの二人が、この日を最後に担当から外れることになった。高島くんはG-SPOTのディレクターであるからこの先も毎週一緒になるが、もう一人のAD後上くんに関してはもう仕事で会うことがなくなる。ずいぶんお世話になったスタッフなので、いなくなってしまうのはとても寂しかったが、今日が最後になるということを本人に会うまですっかり失念していた。餞別にプレゼントでもあげようと思っていたのに。こういうのは次に会った時に渡すのでは意味がない。
 番組前、いなくなるスタッフと新しく入るスタッフ、総勢8人でイタリアンレストランへ行った。これからスタジオに入る身なので、ワインは「グラス1杯だけ」と言ったはずだったが、気が付いたら3杯飲んでいた。どうやら僕はアルコールの中でワインが一番好きらしい。ずいぶんのんびり食事をしていたため、この日のBEAT SHUFFLEはスタッフも含めてミスが大変多かった気がする。

1月25日(金)

 金曜の夜が自由に使えるようになってもうじき1ヶ月になる。この日は大阪ドームへエアロスミスのライブを見に行った。
 僕はこの世界で仕事をするようになる前、好きなミュージシャンのライブを見に行くという習慣が殆どなかった。楽しいと感じることがあまりなかったからである。その僕が初めて本気で興奮したのがエアロスミスの武道館公演だった。大学生の頃の話である。あれ以来、ことあるごとに僕はその日のことを「生涯最高のライブ」として語ってきた。だから僕にとってエアロスミスは特別なバンドなのである。
 ドームという空間を使ったわりにはシンプルなライブだった。特効など金のかかった演出が殆どない。それでも、演奏だけで度胆を抜くステージはまさしく圧巻だ。加えてこの日僕が興奮したのは、観客のノリの良さだった。日本で開催されるハードロックのライブは以前なら、客の全員が一様に片方の拳を挙げ、エッサホイサと突き上げるのが当たり前だった。その宗教じみたノリに限定される雰囲気が殆どなくなって、みんなが思うままに楽しんでいる。外国のライブのノリを見て羨むアーティストが日本には多いが、確かにこういう盛り上がり方であれば誰でも楽しいし、例えば曲を知らなくても引け目を感じることがない。僕自身も本当に久しぶりに、一人の客として両手を挙げて拍手した夜だった。

1月24日(木)

 せっかくの休みだったので今日は試写会を見に行った。ラッセル・クロウ主演の「ビューティフル・マインド」という映画。研究に打ち込むあまり精神に異常を来し、周囲の愛に支えられて再起を果たした実在の天才数学者の苦難に満ちた半生を描いている。ラッセル・クロウは決してスマートではないし、顔もそれほど美形ではない。彼がなぜ高く評価されるのか、これまでの出演作を見ても僕はいまいちわからないでいたが、今回は違った。内向的で精神分裂症に悩む非常に難しい役。大学院生の頃から白髪よろよろのおじいさんになるまで、見事に自然に演じ切っている。この主人公を演じることができるのは彼以外にいないと思った。そして脚本が実によくできていて最後まで飽きることがない。思っていたほど暗い映画でもなく、単なる美談やサクセスストーリーでもない。すでにこの作品はゴールデングローブ賞の主要部門を複数受賞しているそうだが、今年のアカデミー賞に絡んでくるのは間違いなさそうである。

1月23日(水)

 朝から強い北風が吹いていたこの日、大阪では昼間に少しだけ雪が降った。本当にほんの少し舞った程度だったから、とても積もりそうにはなかったが、それでも雪を見ると不思議と幻想的なムードを感じる。まあ日本海側の豪雪地帯に住んでいるような人はそんなこともないんだろうけど、滅多に雪が降らない大阪に住んでいると雪はそれだけで特別な存在である。フロントガラスに張り付く雪をワイパーでよけながら、HYDEのANGELS TALEが流れてきてちょっとロマンチックな気分になった。今年はドカ雪が降らないかなぁ。これ以上寒いのはごめんだが、雪が降るというなら話は別だ。
 今日のデジネバで紹介した新しいソフト「ATOK15」はなかなか面白い。何と関西弁の変換に対応しているのである。関西に住む人ならたいてい、普段の話し言葉でチャットやメールをしていて、うまく変換されずに苛立つ思いをしたことがあるはずだ。「今日ね、新しい本を買って来たよ」という言葉を関西弁で打とうとすると、「今日な、新しい本を好適田で」みたいになってしまう。それがちゃんと「今日な、新しい本を買うてきたで」と一発で変換されるわけ。「やっぱりATOKは賢いねぇ」なんて言いながら、僕はいまだにことえりをしぶとく使い続けている。ことえりにはことえりの変換テクというものがあって、これに指が慣れてしまうとATOKでは違和感があるのだ。入れ替えるのが面倒だというのもあるけど。

1月22日(火)

 昨日届いた1通のメールが妙に気にかかっていた。
 「番組で○○を取り上げてください」「○○をゲストに呼んであげてください」そういったメールは本当に毎日のようにくる。1通1通をありがたく読ませてもらって、番組作りの参考にしてはいるが、残念ながらその声に応えられない場合の方が多い。番組はプロモーションが来てから行動するのが当たり前になっているからだ。サンプルCDも送られて来ないアーティストを紹介している余裕はない。これは正直なところしかたがないと思っている。結果的に僕へのメールを無視してしまっていることは、もちろん心苦しいが。昨日のメールというのも、それらに近いものだった。引っ掛かったのは、「ROCK VISIONが終わってしまった今、正直言って、彼等のようなバンド・音を伝えきれるDJの方や番組は関西に無いと思います。」という一文である。ROCK VISIONが終わって、僕には大阪でジャパニーズロックを応援できる媒体がなくなった。果たして本当にそうなのか。忙しさにかまけて、V-ROCKを必死にやっていた頃の情熱を忘れているだけではないのか。金にならなくても、面倒なことだらけでも、本当に好きなバンドを心から応援するDJだから、浅井博章を信じてくれるリスナーがいたのではないか。
 ROCK KIDSの番組中に企画を思い立って、すぐに五谷を呼んで相談した。実現するかどうかはわからない。しかし実現に向けて動いていることに意味があると思う。僕自身の気持ちにも、これでケリがつけられるかもしれない。

1月21日(月)

 今週はHOT WAVEの収録がない。せっかくの休日だから映画の試写でも見に行こうかと思っていたが、起きたら昼過ぎだったので諦めた。
 そのぶん今日は夜中に映画を1本見た。昨日借りてきた中の1本、「エニイギブンサンデー」。アル・パチーノがNFLチームの監督に、キャメロン・ディアスがオーナーに扮するスポーツものである。アメフトの映画は総じて日本ではヒットしないそうだが、僕はこのスタイリッシュなスポーツが小さい頃からけっこう好きだ。僕は身体が小さかったから、かすかな憧れもあったかもしれない。アル・パチーノがガラの悪い人情派監督を好演している。

1月20日(日)

 新幹線での移動中にいくら眠っても、睡眠時間の足しにはならないものだ。前日の深夜にホテルへ戻り、早起きして移動するというパターンにはなかなか身体が慣れない。緊張やプレッシャーはもう全くなくなったが、寝不足のせいか思うように声が出ないのが悔しい。番組が終わる頃には眠気もピークである。
 そんなに疲れているくせに、帰りにレンタルビデオ店に寄って映画を4本も借りてきた。1週間でこんなに見られるのか僕は。

1月19日(土)

 BEAT SHUFFLEのゲストはSEX MACHINEGUNS。BACKSTAGE JAMは時間が長いので、真面目に音楽の話をできるのがありがたい。このバンドにとってシングルというものがどう位置付けられているのかを、僕は前々からANCHANGに聞いておきたかったのだ。このバンドの方向性はわかりやすいようで曖昧である。
 次のアルバムでは、ギターソロの半分以上をPANTHERが弾くことになるそうだ。ANCHANGでさえかなわないと認めた彼の速弾きが堪能できるのが待ち遠しい。
 そういえばこの日、去年の秋に入院して、復帰後は内勤をしていた東芝のプロモーターさんが久しぶりに遊びに来てくれた。肝臓の病気で突然倒れたというこの人は、何と自宅で倒れているのを二日後に家族に発見され、そのまま救急車で運ばれて入院。1週間以上が経過してようやく意識が戻ったという。当然、もう少し発見が遅れていたら命が危なかった。そこまで死の淵をさまようという経験は普通しないものだろう。しかしそんな病気からカムバックしたばかりというわりには、今はもうすっかり元気。あまりにも元気になっていて笑えたが、それにしても一人暮しはこういうことがあるから本当に怖い。

1月18日(金)

 ROCK VISIONが終わって金曜日が休みになったわけではない。SO HOTのナレーション録りという仕事が今までと同じように入っている。しかしその収録は1時間かそこらで終わってしまうため、昼過ぎにはすっかり暇である。しかたなくいったん家に帰って時間を潰し、夜になるのを待った。
 ZEPP OSAKAで行われるPIERROTのファンクラブ限定ライブを見に行った。今日はかなり厳しい冷え込みだったが、周囲に何の建物もないZEPPには海風が吹きつけ堪え難い寒さである。開場を待った客達はさぞ悲惨な状況だったことと思う。45分以上予定より遅れてスタートしたこの日のライブ、やっぱりPIERROTは何度見ても飽きない。見違えるほどシャープになったキリトは以前よりもずっとかっこよく見えた。比較的新しい振りつけもやっと覚えたが、爆寸のない今となってはあまり意味がない。

1月17日(木)

 あの大惨事から今日で丸7年である。
 今日は一日仕事がない。そこでいよいよ締め切りが目前に迫っている、連載の原稿を書くことにした。朝からパソコンの画面に向かってパシャパシャやっていたから、目がかすんで仕方がない。
 しかもその原稿を書き上げた後で、溜まりに溜まった1週間分の日記を書いているから、もう文章を書くこと自体に疲れ切っている。今日はもうこのへんにしておこう。

1月16日(水)

 午前中は例によって学校。デジネバの収録前に時間が空いたので、ついに美容院へ。もう爆寸でヘドバンをすることもないので、今回はバッサリと短くした。驚くなかれ横なんか刈り上げている。いつでもサラリーマンになれるぜ。
 この日収録したデジネバは、ガンダムづくしであった。紹介した映画はターンAガンダムの2作品で、ゲームは今大ヒット中の「連邦VSジオン」。これに合わせて、スタジオには各方面から集められたガンダムグッズが所狭しと並べられた。3月から発売となるザクの二足歩行ラジコンも、特別にプロトタイプを用意してもらった。モノアイがカメラになっていて、コントローラーに備え付けられた液晶画面でザクの視点を体験できる。コントローラーの親指部分には蓋のついたボタンがあって、その蓋を親指でパチンと上げ、ボタンを押すとザクのマシンガンからはBB弾が発射される。まさに最高級のおもちゃである。そのラジコンよりも僕の興味を引いたのは、劇場公開版ファーストガンダム3部作の、本物の台本である。僕の脳裏に今も克明に刻まれている、あのセリフこのセリフ・・・。そのすべてが記載されている。特に大好きな箇所についてはコピーを取って持ち帰った。「認めたくないものだな。自分自身の…若さ故の誤ちというものを…」(漢字間違ってるし)「悲しいけど、これ戦争なのよね」などなど。声優達がこれを読んだのかぁと感慨に浸ってしまうのだった。
 いつまでも読んでいたいところだったが、今日は大事なライブがあった。riceである。何とこのライブのオープニングでは、僕が声だけ出演していた。昨日、FM802で収録されたものが流れたはずである。そんなライブに欠席するわけにはいかない。最後の方しか見ることはできなかったが、あの二人らしいアットホームなライブだった。
 実はそのライブ会場であるBIG CATへ行く前に、僕は厚生年金会館に寄っていた。ここではX JAPANのフィルムギグが行われていた。厚年のステージに設置された巨大なスクリーンで流れる、X JAPANの東京ドームのライブ映像。照明も本物のライブと同じように会場を盛り上げ、客席からはメンバーの名を呼ぶ叫び声が上がっている。ヘドバンをする客も少なくない。目を閉じて聞いていると、本当にそのステージでライブが行われているような臨場感だった。フィルムギグとはこういうものだと初めて知った気がする。急に爆寸が恋しくなった。ちなみにこの日、YOSHIKIが電話で会場の観客に挨拶をするという嬉しい演出もあったそうである。
 それにしても今日は長い一日だった。この1週間、自分でも本当によく働いたと思う。

1月15日(火)

 明日大阪ドームでライブを行うJAMIROQUAIが、キャンペーンのためFM802にやってきた。802は局をあげて朝から大騒ぎである。日本でドームツアーができる数少ない洋楽アーティスト。世界的スーパースター。個人的に思い入れがあるアーティストではないのだが、その凄さは一応理解しているつもりである。しかし実際にそのスーパースターを前にしても、全くと言っていいほど緊張しない自分がおかしかった。JKはスラッと痩身、意外に背の低い紳士だった。気難しそうなイメージだったが、想像したよりもずっとフレンドリーな人で、スタジオに入ってくるなり、挨拶もそこそこに餃子を口に放り込んでいた。ROCK KIDSのスタジオの中には、僕達が用意したコロッケと揚げギョーザ、そしてあらゆるお菓子が並んでいたのである。餃子は以前からJKの好物だと聞いていた。餃子よりもおいしいものがあると彼に知って欲しかった。特に日本のお菓子は世界に誇れるレベルだと僕は自負しているので、気に入ってもらえるはずだという自信があった。買って来たお菓子は、じゃがりこ、カレーせん、おにぎりせん、きのこの森、コアラのマーチ、そしてアーモンドクラッシュポッキー。しかし悲しいかなちっとも興味を示してくれなかった。「日本のお菓子がおいしいはずない」と最初から決めてかかっている態度だった。舐められてるぜジャパン。それにしても、放送中にモノマネまで披露してくれるとは思わなかった。チューバッカやマイク・タイソンの真似をしてくれた。それなりに似てたぞ。
 ちなみにこの日は他にも2組のゲストが登場。ジャミロと同じイギリスから、もう1組STEREOPHONICSを迎えた。彼等も本国ではスタジアムクラスのライブをするほどの大物である。この日のROCK KIDSをイギリスの人が聞いたら、「このFM802という放送局は、一体何なんだ!?」とさぞ驚くことだろう。おまけにSTEREOPHONICSは、スタジオライブまで聞かせてくれたのである
 そんな番組だったから、今日は最初の1時間ぐらいで集中力を使い果たしてしまった。後半はもうヘロヘロに疲れてしまっていて、そんな状態だからそれはもうよく噛んだ。これに関しては深く反省している。緊張したつもりはないけど、普段使わない神経をずいぶん消耗したらしく、番組が終わった後気付いたら全身が汗ビッショリ。こういう時のために僕は局に着替え用のTシャツを常備しているのだった。

1月14日(月)

 こう毎日毎日番組があると、目の前にある仕事のことしか考えられない。いつか大事なスケジュールを飛ばしてしまうようなミスをやりそうな気がして、非常に怖い。しかし僕はマネージャーなんか雇わないぞ。ケチだから。
 昨日の朝大阪に帰って来たばかりだが、今日はまた東京を往復である。今週のHOT WAVEの収録は浦和のテレビ埼玉ではなく、なぜか田町の某オフィスビルで行われたのだった。例によって2週録りだが、うち1本はトークゲストが登場しない回だったので、収録は思いの他短い時間で終わった。
 髪の毛がぼうぼうに伸び過ぎて、とてつもなくうっとうしい。髪を洗ってどうセッティングしても、ボサボサになってしまう。僕のような髪質の人間は、髪を伸ばしてはいけないのである。ああ、今回収録したHOT WAVEは絶対見たくない。

1月13日(日)

 今週もホテルでの早起きは無事にできた。子供の頃は寝起きが悪くて、朝寝坊ばかりしていた気がするが、仕事となると不思議と起きれるものである。眠いものは眠いけど。
 2回目のHOT100。もう先週のように緊張することはなかったが、その分失敗が多かった。先週は早く入り過ぎて番組前に暇を持て余したので、今週は入り時間を少し遅らせたのだが、遅く起きたせいか声の調子も今一つ。前半は何だか声が枯れていた。別に気を緩めたつもりはないのだが。番組に慣れるにはまだだいぶ時間がかかりそうだ。徐々にペースをつかんで頑張ろう。

1月12日(土)

 ここ1ヶ月ぐらい、僕も携帯の迷惑メールに悩まされてきたが、やっとそれをブロックすることができるようになった。一昨日からDOCOMOで始まった「ドメイン指定受信」という新しいサービスのおかげである。携帯電話からのメール以外は受信しないようにしたのだ。携帯メールアドレスをどうしても変えたくなくて、今まで我慢してきた甲斐があったぜ。
 そろそろZy.の連載の原稿を書かないといけない。次回のテーマもすでに決まっているが、今度ばかりは取材もしないといけない。締め切りを前に焦りは募るばかりである。

1月11日(金)

 明日からスタートする「ウィンター・ロックフェスト2002」のマスコミプレビューを取材するため、USJに行ってきた。マイケル・ジャクソンやジャネット、マドンナ、リッキー・マーティンなどのスターのそっくりさんが、プロのダンサーとともにライブパフォーマンスをするというこのショウは、本場ラスベガスで人気のキャストをそのまま輸入している。かつて洋楽ポップスが大好きだった僕はこういうのが大好きだが、果たして一般的な日本人にこれがどこまでウケるのかは謎である。ブリトニーとかJ.LOとかって、そのへんの若者は知っているのだろうか。もちろんただのモノマネショーなわけではないから、別に曲を知らなくても、ダンスや歌だけで充分に楽しいはずだけど、オリジナルを知っているかいないかの差は大きい。とりあえず洋楽好きには強くオススメするイベントである。
 プレビューのイベントが終わってから6時の閉園まではまだ3時間弱あった。USJは一般入場者全員がパスポート購入者であるため、アトラクションに乗る時にチェックを受ける必要がない。つまり中に入ってしまえば誰もが乗り放題である。今日は天気もよくて暖かい。なのに信じられないほど空いていた。待ち時間リストを見れば、長くて10分、大半は5分で乗れるというではないか。こんなチャンスは滅多にない。FM802からはいくつかの番組のスタッフやDJが取材に訪れていたが、殆どみんな仕事が詰まっているらしく早々に帰ってしまった。唯一、先日ひらパーでも一緒になった植松さんが「遊んでから帰ろうかな」というので、二人でいくつかのアトラクションを楽しんだ。まるでデートだわ。それにしても、どうして今日はこんなに空いていたのだろう。以前1時間近く待たされたバック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドも、並ぶ必要がなかった。こういうおいしい日も、たまにあるのか。

1月10日(木)

 昨日のデジネバの収録で、エポック社から出ているエキサイトシリーズの最新作、「エキサイトストライカー」に挑戦した。今度はサッカーである。足首のところにセンサーを巻き付け、タイミングを合わせてシュートするというゲーム。例によって白熱し、例によって激しい筋肉痛に悩まされている。今度は脚である。
 毎年恒例の十日戎に行って来た。一年の商売繁盛を祈って戎さまにお参りするという、大阪ならではの行事。宗教も占いも信じない僕だが、十日戎だけはなぜか好きだ。これに毎年足を運ぶようになってから、実際繁盛するようになった気もするし。堀川戎はFM802のすぐ近くにある。出店で射的をやっていたら、HAPPY FUN RADIOチームに声をかけられた。802のスタッフやDJも、番組の前後に堀川戎にお参りする人が多いのだ。みんなやっぱり繁盛したいのよね。
 夜はメルパルクホールへ映画「WASABI」の試写会を見に行った。リュック・ベッソンが製作と脚本を手掛け、ジャン・レノが主演、そして広末涼子がヒロインを演ずるという話題作。映画の内容よりも何よりも、この日最も心に残ったのは、僕と会う時はいつもド派手な衣裳(でも私服)を身にまとっているぴあの上田さんが、ジーンズを履いていたことである。

1月9日(水)

 心斎橋の韓国料理店で、ROCK KIDS 802の新年会が行われた。昼にスパゲッティーを一皿食べてから何も口にしていない状態だったが、出てくる料理にはあまり手をつけなかった。理由は、辛かったからである。僕は辛い食べ物が苦手。おいしいとは思うのだがどうも身体が受け付けないらしく、二切れほどのキムチを食べただけで顔が汗でびっしょりになってしまう。おいしそうな鍋料理もスープが真っ赤では食べる気にすらなれないというものだ。韓国料理はおいしいけど、辛いものが多すぎる。

1月8日(火)

 最近、鼻の頭にニキビがよくできる。この年齢でニキビなどと呼ぶのもおこがましいな。要するに吹出物だ。よりによって鼻の頭、顔の真ん中だから非常に目立つ。放っておけば治るのだから普通なら気にしないところだが、僕はテレビに映る仕事もしているのだった。今までは何とか収録の日にはごまかせていた気がするが、明日のデジネバだけはどうしても避けられないだろう。
 デジネバとかHOT WAVEで顔出しをするようになって、俳優とか芸能人の人達の苦労が少しわかった気がする。やたらと顔に傷を作れないし、肌や頭髪の手入れにもある程度気を使わないといけない。仕事に影響してくることだから、「さいあく〜。かっこわる〜い」では済まされない。もちろん僕は顔を見られるのが仕事ではないから、芸能人に比べればそれほど気にすることでもないのだろうが、プロ意識の欠如と言われたらそれまでである。ああ、ものすごく頻繁に顔を洗っているはずなのに。
 今日のROCK KIDSでジャネットの特集をした。4曜日それぞれのDJが好きな曲を3曲セレクトして特集するという、リクエスト番組にはあるまじき企画だった。しかしDJの立場から言わせてもらえばこんなに楽しい企画はないのである。他の3人が選ばなそうなところを、という点に留意しつつ、僕の好きな曲を選んでいくと、90年代前半のアップテンポなものに絞られた。かけたのは「IF」「BLACK CAT」「THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREE」の3曲。ジャム&ルイスの作る音は理屈抜きにかっこいい。ダンスものが一番かっこよかった時代はこの頃だと、今でも真剣に思っている。HMVでDJをしていた頃が懐かしい。

1月7日(月)

 今日はお休み。天気が悪い上に寒そうなので、一歩も家から出なかった。
 月9といわれるドラマを久しぶりに見た。松岡くんが出演しているからである。率直な感想を言うと、予想していたよりもはるかにおもしろそうなドラマだと思った。テンポの早い脚本は、役者の演技次第でとてつもなくわざとらしい三文芝居になってしまうものだが、主役の三人は充分にこなしていると思った。特に加藤がいい。松岡くんもさすがはハマり役。いい演技をしている。難点は、この後の展開が予想できてしまうところだろうか。
 それにしても1月に落雷とは驚いた。

1月6日(日)

 さすがに気が張っていたせいか、ホテルの安っぽい目覚まし時計の音だけで完全に目を覚ました。モーニングコールも、携帯のアラームも鳴る前に止めた。4時間弱の睡眠。外はまだ暗い。しかし帰りの新幹線では、昨日と違ってずいぶん静かだというのに殆ど眠れなかった。
 今日は、僕が初めてOSAKAN HOT100のDJを担当する日である。
 数日前の大雪の影響がまだ残っていて、昨日の段階では東海道新幹線は遅れが見込まれた。それでずいぶん早めの新幹線を予約しておいたのだが、実際にはほぼ定刻通りに大阪に着いた。結果、また局に早く入り過ぎた。準備はすぐに終わってしまい、番組前にすることがなくなって眠たくなってしまった。しかしあと5分で本番という段階になると、さすがに緊張を覚えた。スタジオでここまで身震いするのは久しぶりのことだ。
 オープニングで奇跡的に一度も噛まなかったことが、一気に気を楽にさせた。BBSを開けば、僕を応援してくれる暖かい書き込みがたくさんある。これは心強かった。前任のDJが誰であろうと、僕は僕にしかなれない。誰のことも意識せずに、今までどおりの自分のDJをするだけだ。そう言い聞かせながら、わりと淡々と番組を進行していく。初めての番組だったわりにミスが少なかったのは、もちろん2日前に一部のリハーサルをしていたせいだろう。番組が終わった後、たくさんの人に「自然でいい感じだったよ」というようなことを言ってもらえた。この日の番組の出来については自分でも満足している。プレッシャーの強い仕事の滑り出しとしては順調である。
 しかしながら、家に帰ってから自分で番組を聞いてみると、番組中に自分で思っていたほど自然ではないし、まだまだ「人の番組に間借りしている」ような印象である。そうして普段よりずっと下手に聞こえる。初回が比較的すんなりいったからといってここで気を緩めると、来週以降がボロボロになりそうだ。引き締めていこうっと。
 体力的なしんどさに僕の身体がどう反応するかは、まだ今日の段階では何とも言えない。明日は休みだが、2週に1回は月曜にHOT WAVEの収録が入るのだ。つまり、土曜にG-SPOTの収録とBEAT SHUFFLEを終え、ホテルに宿泊して、早朝の新幹線で大阪へ。HOT100の生を終えてから自宅に戻り、翌朝再び浦和へ向かう。HOT WAVEは日帰りにさせてもらい、火曜は大阪でROCK KIDS。3日間で大阪浦和間を2往復するという何とも効率の悪いスケジュールになってしまう。
 腰が痛んだ。新幹線の中でも、番組中の4時間も、殆ど座りっぱなしだったせいだろう。今日は帰宅後すぐに風呂に入り、バンテリンを塗ったら急に眠くなったので、早い時間にベッドに避難した。
 今日の番組が終わった後、ディレクターが「やっと年が明けた気がするよ」と言った。言われてみれば僕もそんな気分である。

1月5日(土)

 昨日の夕方、この日の新幹線の予約を取ろうと思ったら、昼間の新幹線はひかりものぞみも見事にすべて満席と言われた。世の中、Uターンラッシュとやらである。仕事前に自由席で並ぶなんてまっぴらごめんなので、泣く泣くグリーンを取った。自腹でグリーン席に座るなんて初めての経験である。ちょっと金持ち気分に浸れるかと思いつつ乗ってみる。ところが、周りの乗客も僕と同じように「普通席が取れないから仕方なく奮発しちゃいました」みたいな庶民ばかりであった。せめて子供の泣き声や喚声のない、よく眠れる車内だと思っていたのに。
 夜になって携帯の充電器を忘れてきたことに気付く。昼の間に遠慮なくけっこうな勢いで使ってしまった。考えてみたら携帯は今の僕と連絡を取る唯一の手段であり、大事な目覚まし時計でもある。いわば命綱。これは大事に使わなくてはと思い、寝る寸前まで電源を消しておいた。小さな目覚まし時計を買おうかな。

1月4日(金)

 ROCK VISIONのない金曜日。寂しさや違和感を抱くことは意外となかった。いつもと同じ時間に、FM802の中にいたからである。先週までROCK VISIONが放送されていたスタジオで、鮎貝さんが喋っていた。別のスタジオで、僕はOSAKAN HOT100の軽いリハーサルを行ったのだ。番組のオープニングや新コーナーなどを実際に喋ってみて、その感覚に慣れておこうという意図。想像以上に忙しい番組で、このペースに慣れるまではかなりあたふたしそうな気配である。

1月3日(木)

 今日は知人の家へ新年の御挨拶に出向く予定だったが、残念ながら先方の都合でキャンセルになったため、昨日に引き続き丸一日休みとなった。とりたてて用事がないと、とても外出したいとは思わない寒さである。ホットカーペットの上でゴロゴロしながら、ひたすらテレビを見る一日だった。毎年お正月のテレビは殆ど見ないで過ごす僕だったが、たまにはこういうのも悪くはない。まずは年末に放送され、ビデオに録画してあったキムタクの「忠臣蔵」を見た。実は僕はこの年になるまで忠臣蔵の映画やドラマを見た事がなくて、他の作品と比較することができないのだけど、このドラマはキャストも豪華だし、ストーリーもなかなか見応えがあっておもしろかった。最後の方はちょっとほろっときたりして。
 バラエティー番組もいろいろと見てみたが、どれも似たり寄ったりで賑やかすぎて疲れてしまう。喋った言葉をそのまま字幕で流したり、ここぞという見せ場でCMが入ったりするのも、みんな一緒だ。

1月2日(水)

 今日はさすがにデジネバも学校もお休みだから、年明け2日目にしてやっとのんびり休日。家の近所の神社へあらためて初詣でに行ったのだが、死ぬほど風が冷たくて寒かった。大晦日がこんな天気じゃなくてよかったよ。FM802の若手DJも体調を崩している人が多い。明日も一応休みだが、新年早々風邪を引いたりするのは絶対に避けたいので、外出は極力控えようと思う。屋外で大声を張り上げるようなイベントの司会が2日続いて、翌日はまた普段どおりに番組があるというスケジュールを乗り切ってくれたこの咽喉を、そろそろ休ませてあげないといけない。

1月1日(火)

 謹賀新年。今年もよろしくお願いします。
 届いた年賀状をゆっくり見る時間もないままFM802へ。ラジオは元旦から通常営業である。この日のROCK KIDS 802は、前日の番組が特番のためお休みとなった月曜担当の西田新くんとのツインDJで送る正月スペシャルだった。考えてみると、同年代の男性DJ二人が進行していくラジオ番組は稀である。西田くんは非常に突っ込み甲斐のあるボケ方をしてくれるので、僕としては大いに楽しませてもらった。
 番組が終わった後は、FM802からほど近い天満宮で初詣でをしようと思っていたのだが、あいにくもう閉まっていた。まだ1日なのに。はええっつうの。