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Diary(03.06.)

6月30日(月)

 早いもので2003年上半期も今日で終了。財布の中身が殆ど底をついている状態だったので、銀行でお金をおろそうと思ったら、キャッシュディスペンサーは今日も長蛇の列。三井住友銀行は他の銀行と比べて列が3倍ぐらい長い。何分かかるか見当もつかないのであっさり諦め、買い物はクレジットカードで済ませた。
 今日の買い物というのが、明日のROCK KIDS 802の番組プレゼント。そんなものまでDJが購入すると聞くと驚く人が多いと思うが、今週は「DJからのお中元」というプレゼントなので、僕が独断で選び、買うのである。限られた予算で、男女両方に喜ばれるもの、そして複数が当選できる(つまり1個ではない)というのが理想。先週末から考えていたけどなかなか適当な物が見つからず、タイムリミットの今日、やっとの思いで決めた。「お中元」として人に贈るようなものではないし、「夏」を意識したところは全くない。基本的に「自分だったら欲しいと思う」というのが前提になっているから、当然のようにいわゆるインドアなセレクション。応募が少なかったら悲しいなぁ。

6月29日(日)

 TU-KAの企画で、公募で選ばれたユーザーが僕にインタビューをしに来た。番組終了後に会議室に移動して、二人のリスナーさんからいろんなことを聞かれた。「DJになるための極意」という非常に難しい質問から始まって、「曲紹介はどうやって考えるのか」、「喉を壊さないために何か気をつけていることはあるか」、「今注目しているアーティストは誰か」、「夏におすすめのCDは何か」、「過去のゲストで扱いにくいアーティストはいたか」などなど。僕はもともとインタビューをされる側に立つのがすごく苦手だったのだが、最近はわりと楽しんで答えられるようになった。問題は喋りすぎてしまうこと。聞かれてもいないことまでべらべらと、話し出すと止まらない。これを記事にするのはさぞ大変だろうと思う。でも、自分に興味を持ってもらえるというのは、けっこう気持ちがいいものなのだ。ちなみにこの日の取材の模様は、料金明細とともに送られてくる「Dear TU-KAs」の8月号に掲載される。TU-KAユーザーは読んでね。

6月28日(土)

 昨日の夜放送されたミュージック・ステーションで、来日中のt.A.T.uが突然出演をキャンセルした騒動は、全国紙の社会面にも載るニュースになっているようだ。僕は自分のラジオの本番中であったから番組は見ていないが、こんな大騒ぎになっていること自体が実にくだらないと感じる。t.A.T.uがどうして売れたのか、その要因を冷静に考えると、「ロシア」から現れた「女子高生」で、二人はどうやら「レズ」らしくて、やたらと「衣装の露出度が高い」というだけのこと。ミュージシャンとしては「素人」で、単に話題性だけでCDが売れたに過ぎない。今回の来日騒動は、素人の女子高生を迎えるにはあまりにも分不相応だった。
  何だかんだ言っても日本は、t.A.T.uのCDをわざわざ買ったという人が200万人もいる国だ。そんな現実が、今となっては何だか空しい。そのうちの半分でも、他のCDを買う人がいたら、日本の洋楽シーンはもっと盛り上がっているだろうに。この世には流行に流される人のなんと多いことか。

6月27日(金)

 この日収録したG-SPOTのゲストはNONA REEVESの奥田くん。NONA REEVESのメンバーとは初対面だったのだが、早大の音楽サークルで結成されたバンドだと初めて知った。奥田くんは学年でいうと僕の2年ほど下になるらしい。僕の所属していたDJ研究会と同じく、今はなき第二学生会館のラウンジを溜まり場にしていたサークルだそうで、だから僕は学生時代に彼らと、その建物の入り口ですれ違ったりしていた可能性は極めて高い。さらに、これまた僕が一度も接点を持ったことのないアーティスト、Cymbalsも、早稲田で結成されているそうな。あれだけ大きな学校だから、卒業後プロのミュージシャンになる学生が少なくないのも当たり前といえば当たり前だが、他の大学と比べるとどう考えても多い気がしてならない。
 少なくとも僕が在籍した当時、早稲田という大学は「勉強しに行く奴は稀」な学校だった。というと若干の誇張があるが、驚くほどに課外活動が活発。スポーツ系のサークルで青春を謳歌し、4年になったら真面目に就活やって一流企業に入社、なんてのが最もオーソドックスなパターンであるのは他の大学と同じだが、文化系サークルの活動に没頭してしまう人は得てして、いつの間にか「そっちが本業」みたいな状態になっていく。ある者は経済を、ある者は政治を、ある者は法律を学ぶために入ったはずの大学だというのに、気がつけば授業などないがしろにして、役者とか、ミュージシャンとか、物書きとかを真剣に目指している。そういう生き方を許容する懐の深さがある大学で、だからこそこの学校は多くの著名人を輩出してきた。
 しかし今ではその早稲田も、サークル活動の自由度はずいぶん下がっているそうだ。活動や発表の場そのものが激減し、先述の学生会館のラウンジように「この場所に行けば仲間がいる」という溜まり場も学内では作れない。名前だけで活動実態のないサークルや、問題のあるサークルは即座に締め出されるだろう。僕などからすれば寂しい話だが、大学として異常だったのはむしろ以前の姿で、勉強をすることが目的の場所なんだから、溜まり場なんてものを学校が用意する必要はなくて当然。つまり学校としては健全な状態になってきたということかもしれない。
 この先少しずつ、早大出身の破天荒なバンドや役者は少なくなっていくだろう。先日の集団レイプ事件によって、真剣にサークル活動を頑張りたいと思っている学生達が、さらに肩身の狭い思いをする羽目になろうことは、容易に想像がつく。

6月26日(木)

 GLAYのTAKUROくんが書いた自叙伝「胸懐」を読んだ。中学時代にこの本と出会っていたら、夏休みの読書感想文はこの本を題材にしたかもしれない。TAKUROくんに感想をメールで送ろうかと思ったけど、それこそ一冊の本になりそうなほど言葉が溢れてきそうだったので、やめた。この本のすばらしさを明確に伝えられる言葉が残念ながら見つからない。いい本だと思った。それだけは確かだ。
 今だから言うというわけではないが、彼が新聞に意見広告を出したとき、僕はその言動をわりと冷ややかな目で見ていた一人だ。彼の気持ちはわかるけれど、戦争がよくないこと、悲しいことであるということは、あの詩を読む前から誰でも当然に知っているはず。僕は「なぜ戦争が起きようとしているのか」を知る努力もせずにただ反戦を謳う者を認めない。TAKUROくんがそうだと言っているのではなく、あの詩によって動かされる感情は、むしろその努力を放棄する方向に向いている気がしたのだ。美しい言葉で、100%の正論をぶつけた詩だった。しかし現実の国際問題はその正論で解決し得ないことも多いだろう。
 イラク戦争に対する僕の考え方は、TAKUROくんの本を読んだ今も変わっていない。ただあの時の彼の行動が、自分の意見を社会の人々に押しつけるものでは決してなく、戦争について考えるきっかけを与えることを目的としていたと知って、僕は感心したのである。あの意見広告がGLAYにとって何らかのプラスになったとは考えにくい。「人気をとるための偽善だ」と穿つ者も多かったに違いない。そういう火の粉が降りかかることもすべて覚悟の上で、あえて行動に出た彼の真っ直ぐさ、無垢さは感動に値する。
 戦争にまつわる一連の騒動とそれに対するTAKUROくんの思いは、今回出版された自叙伝の巻末で綴られている。時に呆れるほどピュアなこの男がどのようにして育ち、成長していったのかが、自らの手で克明に綴られているのが「胸懐」である。彼の書く曲と同じように純粋で、ノスタルジーとセンチメンタリズムに満ちた内容だった。何度も涙が流れそうになった。ついでに言うと、彼の類い希な文才に脱帽した。ゴーストライターの手も借りず、31歳でこれだけの文章を書けるミュージシャンはおそらく彼をおいて他にいないだろう。普段は彼の紡ぐ言葉を歌詞という形でしか読めないのが残念なほどだ。
 僕も文章を書くことだけは好きだから、彼のように自分の半生をいつか文字にして残したいと思わないでもない。けれど僕のここまでの人生は人が読んで興味を抱く内容でもないだろう。そこそこ恵まれた平凡なサラリーマン家庭に育ち、中学まではそこそこ優等生で、大学でちょっと王道を外れて、たまたまラジオで喋るようになっただけの男だ。まあそんな人生でも僕自身は相応に満足しているのだから、別にいい。ただTAKUROくんの自叙伝を読んで僕が悔しかったのは、平凡な日々を重ねた結果として出来上がった自分という人間が、姑息で打算的、自意識過剰で実に醜い存在に思えたことだ。マイクの前ではどんなにピュアなDJを演じてみても、僕という人間の本質は変わらない。これは言ってみれば絶望の淵の一歩手前まで連れて行かれたような気分である。
「久保琢郎のような男になりたい」。僕が同世代の人物にそういう種類の感情を抱いたのは初めてのことだ。彼のつかんだ栄誉とかお金ではなくて、彼の人間性が途轍もなく羨ましいと思う。

6月25日(水)

 25年前のこの日、サザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でデビューした。FM802はこのデビュー25周年を記念し、空前の「25時間サザンオンリー」というとんでもない企画を実現させた。今日の朝から明日の朝まで、いつラジオをつけても802ではサザンの曲が流れている。番組は通常通り、いつものDJが進行しているが、流れる曲がすべてサザンか桑田佳祐なのだ。サザンのオリジナル曲は現在までのところ200曲強。リスナーができるだけ飽きないように工夫をし、かつあまり選曲がかぶらないように、各番組とも趣向を凝らした内容で進めていく。25時間もの間、同じアーティストの曲を流し続けたラジオ局は過去になかったに違いない。今回の特番はギネスにも載るかもしれない。
 世の中にはサザンが好きじゃないと思っている人もたくさんいるだろう。そういう人にとって今日のFM802は苦痛でしかないわけで、実際今日だけは他局を聞いたという人も少なからずいたようだ。しかしそれでも、サザンというアーティストにはこれだけのことをする価値がある、というのがFM802の判断だった。
 考えてみるとこんな無茶な真似が出来る放送局はおそらく802以外にない。統一企画に組み込みづらい録音番組やネット番組はないし、どの番組のDJもスタッフもすべからくサザンが好きである。各番組の選曲を見ていると、「俺が一番サザンには詳しいで」という心憎いまでのこだわりを感じた。FM802でなければできない企画であったと同時に、25年間コンスタントにヒットを出し続け、世代を越えて愛されるサザンオールスターズだからこそ成り立った企画でもあったと思う。
 6月25日が火曜日でなかったことがとても残念だ。

6月24日(火)

 今日は大阪城ホールにマライアのライブを見に行く予定だったが、急遽変更。ものすごく久しぶりに麻雀をした。相手は久保田コージ氏をはじめとする802スタッフ達。何年ぶりになるのかもまるで思い出せないほどに久しぶりの麻雀で、牌がなかなか手につかないし、4人打ちの感覚もなかなか戻って来ない。それでも裏ドラに助けられて何とか一度はトップも獲得。迎えた運命のラスト半荘、オーラスで親の僕は点棒が残り6000点を割っている苦しい状況だった。何とか連荘で巻き返したい。1500点の安い手で1本場とした後、7巡目で親満をテンパイ。「もらった」と思った瞬間の捨て牌を、久保田氏に振り込んでゲームオーバー。七萬でなく四萬を切っておけば免れた放銃だった。
 結果的にはトータル-8ぐらいで、手痛い出費では全然なかったけれど、こんなに悔しい終わり方は初めて。失意の帰り道はすでに明るかった。明日は7時起きなのに…。

6月23日(月)

 神戸チキンジョージにサウンドスケジュールのライブを見に行った。「レインマン伝説」というタイトルのついた今回のライブ、あえて梅雨の時期に晴れを祈ろうという趣旨のようだったが、叶わず見事に雨模様。それでも久しぶりの関西ワンマンとあって会場は超満員だった。
 先日G-SPOTで彼らが登場した時、「3人では音が足りないからメンバーを増やしたいと感じたことはないか?」という質問をしたところ、沖くんが「3ピースであることに強いこだわりがあるんで」と答えた。今日のライブを見て、音圧の点で物足りないと感じた曲は1曲としてなかったし、アドリブっぽいプレイもスリリングで、彼らの技術的な向上ぶりに舌を巻いた。
 演奏の実力も楽曲の質も、メジャーアーティストとしてもう充分な域にこのバンドは達していると思う。しかし上達すればするほど個性が削られてしまうのであればそれは本末転倒というもの。あとは「サウスケのライブでしか味わえない何か」ともっと明確に提示できるようになれば、このバンドの人気は間違いなく全国に波及する。普通のアーティストにとって神戸チキンジョージは手強い会場で、厚年をソールドするバンドでも残すことがある。チキンジョージを即日完売できるアーティストなら、東京では武道館クラスであっても不思議はない。サウスケは大都市圏を一歩出ればまだまだ無名の存在である。それだけ地元の関西に人気が偏っているということだ。
 この日は訪れた媒体関係者の数も驚くほど多かった。テレビもラジオも雑誌も、関西のマスコミはサウスケを快く援護している。もちろん僕だって、彼らの楽曲が日本全土で受け入れられる日を心待ちにしている。

6月22日(日)

 OS Xを搭載したG4ノートは、ほぼ完璧に使いこなしている(はずの)僕だが、ブロードバンドになったはずのネット環境は案外劣悪。あまりにも頻繁にブチブチと切れてしまうのは、AirMacカードの電波が弱いせいだとずっと気づいていた。けれど買ったばかりの物が故障しているはずがないし、こういうのはきっと自分に原因があるはずだと思い、ずっと我慢してきたのだ。
 しかし隣に置いてあるiBookは受信レベルが殆ど振り切っているのに、このG4は半分弱。802に行っても、他の連中がみんなさくさくネットをしている横で、僕だけがつながらなかった。あまりに理不尽な不調ぶりに納得できず、ついにサポートセンターに電話した。症状を説明すると、原因はカードの故障と推測されるという。こともなげに。さらに修理をするにはパソコンごと1週間ほど預かりたいと。たかがカードのためにそんなのは困ると断ると、ならば新品を送るから直ったら古い方は送り返してくれ、と言われた。そんないいシステムがあるなら最初から言えよと思いつつ、今度は修理センターに電話が回されるのを待った。修理センターの女は、事務的に僕の連絡先などを何度も何度も復唱し、マニュアル通りの説明を何分も何分もした。新品と交換して症状が改善された場合、不要となった古い方は送り返してもらう形になるが、期日までに届かない場合は料金を請求させていただく。そのためのクレジットカード番号を教えろと言ってきた。このあたりで僕は内心でかなり怒っていたが、急いでいたので言われるままに応えた。それからまた10分ぐらいいろいろと確認をされて、ようやく手続きは完了した。僕は受話器を1時間、握ったままだった。そのうちの15分以上は、向こうの保留音を聞いていた時間である。
 手続きに時間がかかるのは仕方ないと思うし、クレジットカードの番号も、保証制度の悪用を防止するためには必要な措置なのだろう。そこは百歩譲るとして、僕と電話で会話をした二人のスタッフには心底腹が立った。一度も謝罪を口にせず、自分たちの会社が不良品を売りつけたということの反省を一切感じさせない喋り口調だったからだ。「保証書を持っているなら無料で直してやるから言うとおりにしろ」という態度。僕は紛れもない新品を定価で購入し、やっとの思いでネットに繋いだ。どうしてAirMacだけ正常に機能しないのか、何日も何日も悩んで、ものすごいストレスだった。やっと決心してサポートセンターに電話をしたら、さんざん待たされて1時間かかり、僕は仕事に遅刻した。このどれも、僕には何の落ち度もないことだと思う。不良品を店頭に並べたアップルにすべての責任がある。新品と交換するのは当たり前のこと。味わった精神的苦痛に対する慰謝料も請求したいくらいだ。せめて謝って欲しかった。
 今どきMacを使っている人間なんて、Macに対する愛着が強すぎてどうしてもWINDOWSに移行できない人種ばかりだ。今やそういう人種に支えられているパソコンに過ぎない。アップルの社員にはそのへんの自覚がまるで感じられない。「Macユーザーの大半は、Macintoshは大好きだが、アップルコンピュータは大嫌いだ」と言われる理由も、よくわかった。

6月21日(土)

 関西に住んでいると、阪神タイガースが好調だというだけで、街全域が活気に満ちてくるのを強烈に感じることができる。NHKを除く全AMラジオ局で阪神戦を中継し、どの局も露骨なタイガースびいきで笑いを取っているのを聞いたりすると、「ちょっと騒ぎすぎ」と思うことがないでもない。でも、これだけの大都市が一体となって応援しているプロスポーツのチームって、世界を見渡してもなかなかないような気がする。せっかく大阪に住んでいるのだから自分も仲間に入りたいと思うのは自然なことだと思う。
 そんなわけで最近は僕も、出先でもどこでも夜になったら阪神戦の経過が気になってしょうがない。タイガースの携帯サイトにアクセスして、細かく状況をチェックする日々。サイト自体が有料だが、1球ごとに知りたいもんだから20秒に1回ぐらいリロードを繰り返す。そのパケット通信料もおそらく尋常な額ではなかろう。守銭奴浅井にそこまでさせるパワーが、今の阪神にはあるということだ。
 今日も当然のように快勝したタイガース。どんなに圧倒的な展開になっても、試合が終わるまでこのチームの選手達はベンチで笑顔を見せない。走り出したい衝動を抑え、足下を決して見失わない彼らの姿勢を見て、僕らは今年の優勝を確信するのである。

6月20日(金)

 BEAT SHUFFLEはわけもなく「インディーズ祭り」。正直なところ僕もディレクターも、数年前と比べるとビジュアル系のインディーズにはすっかり疎くなっており、情報収集も案外楽ではなかった。ゲストには餞とガゼットの2バンドが登場したが、どちらも初めての生放送というわりにリラックスした雰囲気で話してくれて、僕も楽しかった。
 メンバーが帰った後、スタジオ前に集まったファンも殆どが帰ってしまったが、番組は続く。次々にインディーズバンドの曲が流れるわけだが、ブース横に残って楽しんでくれている一部リスナーは、曲のイントロが流れるたびに大騒ぎ。最初の3秒でそれが誰の何という曲か即座に察知し、キャーという歓声が沸くこの状況、何かに似ている。番組が終わる頃にようやく気づいた。爆寸だ。

6月19日(木)

 昨夜は睡眠不足にもかかわらず、かなり遅い時間まで飲んだ。おかげで今日は昼頃まで熟睡。こんなふうにして休みの日が短くなってしまうのは少し切ない。 昨日はデジネバの宴会だった。異動となるスタッフやぴあ上田さんの送別会が名目である。
 番組が始まった時からお世話になっていたプロデューサーがデジネバの担当を外れることになった。テレビでの仕事に関してずぶの素人である僕を抜擢して、ずっと使い続けてもらった恩を僕は忘れまい。一方、先日放送された回をもってデジネバへの出演が終了した上田さんは、すでにぴあを退職して自宅でのんびりしていらっしゃる。番組収録時以外でも、映画に関してわからないことがあれば僕は迷わず上田さんに連絡をして情報を得るのが習慣になっていた。この人ほど映画についてのあらゆる情報に明るくて、かつ説得力のある説明で映画を紹介できる人を僕は他に知らないからだ。とにかく昨夜は、デジネバを通して僕が大変お世話になった二人が去るという、一応名目だけはとても寂しい会だったのだ。
 しかし別に誰が涙を見せるわけでもなく、会はいつもどおりの盛り上がりを見せ、仕事のことなど忘れて僕も喋りまくった。この番組はいろんなタイプの人間が集まっているから話をしていて実に飽きない。ところで大きな問題だったのは、スタッフが執拗にタバコを勧めてくることだ。僕のためにわざわざ一箱買ってきて、「どうぞ」と差し出してくる。「おまえだけに禁煙などさせない」という妨害行為に他ならない。もちろんそんな誘惑に心が揺らぐことなど一瞬もなく、現在も無事に禁煙続行中。

6月18日(水)

 朝からベッカムの来日で大騒ぎ。あれだけ否定していたレアル・マドリードへの移籍が結局決まったものから、今の彼には世界中の注目が集まっているらしい。素人目に見てもあのチームにベッカムのプレイするポジションはなさそう。フリーキックでさえ彼がチームで4番手の立場になるというのだから妙な話である。この移籍にベッカム本人の希望がどこまで反映されているのかいまいちわからないが、競争の激しいチームでプレイすることで刺激を得たいという彼の気持ちも理解はできる。やりがいのあるサッカーができて、楽しい生活を送れれば、それが彼にとって一番の満足なのだろう。まったく理解できないのはレアル・マドリードとかいうチームの考えだ。あのチームにベッカムがなぜ必要なのか。単にサッカー界の有名選手を独占したいだけなのか。そうやって一つのチームにいい選手を集めることで、興ざめする人間の方が多いのに。
 それにしてもベッカム様の声は変わっている。あの整った顔と芸術的なプレイで誰もが惑わされているが、声だけは僕の方がかっこいいと思うぞ。というより世の中の大抵の人の方が。

6月17日(火)

 最近は恋愛ネタのテーマが続いていた火曜ROCK KIDSのbbs。締めくくりとなる今週のテーマは、「修羅場」だった。テーマは番組前にスタッフとの話し合いで決められる。先週が「あこがれのラブラブシチュエーション」なんてハッピーなテーマだったから、「今日はもっとやばいので行こう」ということになり、考えた末に「痴話喧嘩」というアイデアが浮上。そこから発展して、「見たor経験した、男女の修羅場」というテーマに決定した。
 番組が始まると、メッセージを紹介したり呼び込んだりしなくても、殆ど絶え間なく書き込みが続いた。それも到底オンエアでは紹介できないような、生々しく痛々しい内容ばかり。書き込まれるネタの大半が、不倫とか浮気のトラブルから発生した修羅場である。こういう話は周囲の友達にはしづらいが、誰かに聞いてほしいと誰もが思っている。匿名性の高いbbsは発表の場として完璧なのだろう。比較的ライトで笑えるものをチョイスしていくつか放送でも紹介したが、途中から怖くなって番組の後半ではもうbbsについて触れなくなった。ROCK KIDSという番組のカラーとあまりに合わなすぎるのだ。FM802の夕方の番組で扱う話題としては問題があるが、しかし今日の書き込みは客観的に見ると非常におもしろかった。

6月16日(月)

 スペシャルウィークス中のFM802では、番宣スポット(番組のCM)がよく流れる。多少の内輪ウケは自覚した上で、インパクトの強いスポットを作るために各番組スタッフが趣向を凝らしている。インパクトばかりで何の番組なのか伝わらないのでは意味がないし、平凡すぎては内容がスポットを聞いた人の耳に残らない。難しいバランス感覚を要求されるわけだ。
 今回のOSAKAN HOT 100のスポットは評判になっているらしい。さりげなく僕の歌声がBGMとして使われるからだ。
 CHEMISTRYと平井堅をゲストとして迎える、という告知をする部分のバックに、それぞれの曲(「Life is」と「MY GIFT TO YOU」)が流れる。よく聞いてみると歌っているのは本人達ではなく、実はDJである僕、というわけ。これを提案したのは当然僕ではなくディレクターである。スタジオのマイクを使って、シングルに収録されているカラオケバージョンに歌を乗せる。しかも必要以上にリバーブをかけていかにもカラオケっぽく。高音はどうしても音程が不安定で、何度歌っても下手に聞こえてしまうのが心残りだったが、たかが5秒のBGMのためにあまり何度も録り直すというのも逆に恥ずかしいので、適当なところで妥協した結果が、放送で流れているあれである。
 生放送中にノリで歌うのは躊躇しないが、録音したものがオンエアに乗っているのを自分で耳にするとたかが5秒でも耐え難い恥ずかしさを覚える。そりゃあ「上手いね」って言われたらお世辞でも嬉しいけどさ。歌いやすい曲とかキーが合ってる曲とかを選ぶ自由は僕になかったということも声を大にして言いたい。

6月15日(日)

 FM802、夏のスペシャルウィークスといえば、MEET THE WORLD BEATのチケット応募用キーワード。ここ数年は100倍を超す応募が寄せられる激戦のチケットだが、番組名とキーワードを書き添えて応募しなければ当たらない。このキーワードを決めるのは各番組のスタッフである。その日の番組の内容やDJの好みで決められることが多い。しかしちょっとでも発音が不明瞭だったり、難しい言葉だったりしようものなら、「もっとはっきり言え!」とか「わかりにくい!」とかといったクレームが殺到する。2年前にそういう事態を経験したROCK KIDS 802は、以来MTWBに出演するアーティストの名前を振り分けるというシンプルな作戦に出た。キーワードのおもしろみはないが、クレームは殆ど来ない。
 この日のOSAKAN HOT 100のキーワードは、番組が始まる10分前に僕が決めた。前の週からあれこれ意見は出ていたが、結局いいアイデアが出ず、決まっていなかったのだ。何というキーワードになったのか、ここで書くわけにはいかないが、こちらもROCK KIDS並みに「わかりやすい言葉」という要素を重視。文句を言われるのはもうごめんだから。来週はどんなキーワードにしようかしら。さらにわかりやすいのを考えなくちゃ。

6月14日(土)

 別にお化けや殺人鬼が登場しなくても、想像しただけで背筋が寒くなるような恐ろしい状況というのは案外よくあるものだ。「暴走族に追いかけられる」「生理がこない」「足のつかないプール」「長くて急な階段」「電車で眠っていて起きた時、よだれで服が濡れている」「封筒の中身を間違えて送ってしまった」「飛ぶゴキブリ」「紙で指先を切る」など、怖いと感じるかどうかは人によって違うにしても、日常は恐怖に満ちている。そういう細々とした恐怖を909個集めた「909の恐怖」という本があった。学生時代にひょんなことからもらったこの本、どうやらもう手に入らないらしいが、けっこう笑えるので今でも大切にしている。
 今週、僕はこの本に載っていてもおかしくないような怖い体験をした。すなわち、「毎日乗っている車が、この2ヶ月間保険の効いていない状態だったことに気づく」というもの。引っ越しのゴタゴタで(電話がなかなか開通しなかったことが関係している)自動車保険の満期が過ぎていることをすっかり忘れていた。銀行の明細を見ていて保険会社の引き落としがなくなっているのに気づき、電話をして発覚した事実。そんなことも知らずにこの2ヶ月、平然と荒い運転をしていたものである。大慌てで他の保険会社と新たに契約したが、契約スタートは翌日の夕方4時から。それまでの26時間は引き続き無保険車という状態だったが、その間にも僕は運転をする必要があり、その日だけは異常なほどに安全運転を心がけた。車間は広く、スピードは遅く。運転であんなに緊張したのは久しぶりのことだ。

6月13日(金)

 BEAT SHUFFLEには1年ぶりにPIERROTが登場。今回は番組史上最大の大騒ぎとなった。8日の日曜日、ネット会員ではない一般リスナーへ観覧整理券を配布した際に、トラブルが発生したものである。朝早くから並んだのに整理券が手に入らなかった人は当然、本来は反則である徹夜をした人や、後から割り込んできた人に、整理券が渡ったことに対して怒り心頭の様子。協議の末、最も公平と思われる措置を取ったスタッフの努力は報われず、番組の姿勢やリスナーへの対応に対して厳しい批判が相次いだ。
 今回の一件について僕は今日までこの日記でも掲示板でも一切のコメントをしていない。あまり詳しい事情を理解していない立場で火に油を注ぐようなことはしたくなかった。自分の番組のことを不当に非難されるのは無論、僕だって気分のいいものではないが、PIERROTに会いたい一心でさんざん苦労した末に、その努力が水泡に帰したファンの心情も理解はできる。
 書き込みとかメールを見ていると、BEAT SHUFFLEという番組を聞いたこともないのに、自分がPIERROTに会えなかったことを番組の責任のように感じている人が非常に多いことに驚いた。アーティストに一目でも会いたいという意識だけで周りが見えないその熱心さには頭が下がるが、BEAT SHUFFLEはそういうファンのために放送している番組ではない。自分たちの仕事に向かう姿勢にまで文句をつけられてプライドを傷つけられたスタッフが、怒りをこらえて書き込んだ内容も、僕から見ればやはり100%が正論である。
 番組を応援してくれるリスナーに、限られた予算で(←ここ大事)少しでも満足してもらう放送をするために、スタッフ達は涙ぐましい努力をしている。無料でネット中継を見ている諸君よ。警備員に罵声を浴びせた諸君よ。カメラを回しているスタッフや警備員達の給料がどこから出ているのか、もう少し冷静に考えてほしい。しかしながら、僕のこんな声は盲目的なファンに届くものではないということも、僕は知っている。
 今回のトラブルについて、番組ではあえて僕の意見は何も言わず、スタッフの用意した原稿を読むだけにとどめた。そんな問題が起こっていたことなどまるで知らないメンバーと、ごく普通にゲストトークができたことが救いだった。

6月12日(木)

 上田さんがデジネバを去ったのを機に、番組のリニューアル案が進んでいる。番組の基本的なコンセプトは変わらないが、スタジオや番組の雰囲気は大きく変化することになるだろう。この夏、デジネバはかなり大胆なイメチェンをはかるので、ご期待あれ。
 今日はそのリニューアルについて、スタッフとミーティングが行われた。場所はABCの会議室。こういう場に僕のような出演者がいるというのもめずらしい。テレビ局の会議室で、喫茶店に紅茶とか注文して、番組についてあれこれ意見を戦わせるという、このいかにも「仕事してます」な雰囲気にちょっと酔っている僕であった。
 ところで、夏恒例のデジネバオリジナルTシャツ、「デジT」の2003年バージョンが完成した。「とりあえず作ってみました」の2000年、「いろんな色で作ってみました」の2001年、「ちょっとロゴの雰囲気を変えてみました」の2002年に続き、今年は「絵のタッチ自体を新しくしました」という感じ。手書きのイラストで、サングラス姿の僕が描かれている。今月下旬のデジネバからプレゼント開始。応募してね。

6月11日(水)

 昨日発売になったばかりのフィルムキャンディー「COOL SHOCK」がマイブーム。アメリカ発の新しいお菓子で、けっこう前から一部のお店では輸入ものを扱っていたようだが、今回ロッテが日本人向けに発売したのがCOOL SHOCKである。指先に載るくらいの小さなビニールフィルムのようなシート。口に入れたらあっという間に溶けて、その後数分間は口の中に強烈なミントの味が持続する。おもしろいし、おいしい。フリスクのようなタブレット状のものと違って瞬時に溶けるから、番組中にも食べられる。大きさがコンパクトだし、ポケットに入れてもジャラジャラ音がすることがない。これが流行らなかったら嘘だ。すごい物を開発する人がいたものである。

6月10日(火)

 僕は外出する時は大抵、歯ブラシやコンタクトのケア、ヘアワックス、髭剃り、石けんなどが入った「お泊まりセット」とタオルを持ち歩く。テレビの収録や公開放送など、たくさんの人の目に触れる機会が仕事柄わりと多いから、というのが理由だ。仕事の合間にトイレに行っては、歯を磨いたり顔を洗ったりする。寝不足で頭がぼぉーっとしていても、こうすることでスッキリとリフレッシュできる。まあそんなわけで、僕が出先でトイレを利用する場合、洗面台の前に居座る時間が長い。ここまでが前置き。
 僕がたとえばFM802でトイレに入って顔を洗おうとする。その時、3回に2回ぐらいの割合で個室に誰かが入っている。念のため書くが男子トイレで個室を利用する理由は一つしかない。で、他にトイレの利用者は誰もいなくて、だからトイレの中にいるのは僕とその個室の中の誰か、二人きり。この時、個室の中にいる人は、一切音を立てることなくじっと僕が出て行くのを待っている。普通に小さい方の用を足すだけなら1分もあれば出て行くが、僕の場合はそんなにさっさと出て行くわけにもいかない。僕としてはゆっくり歯磨きも洗顔もしたいのだが、個室の中で座っている男から「頼むから早く出て行ってくれ」という無言のプレッシャーを感じる。とても強く感じる。問題なのはこの男が、かなり高い確率で僕の知り合いである、という点。だってここはFM802のトイレなのだから。さらにこの時、他の誰かが入ってきて、小さい方の用だけを足してさっさと出て行ったとする。そういう場合は去り際に「お疲れ様です!」なんて挨拶を交わすもんだから、その声を聞いた個室の中の男は「ちぇ。浅井かよ。だらだら歯磨きとかしてんじゃねーよ。さっさと出て行け」と心の中で悪態をついているに違いない。そのプレッシャーに耐えきれず、僕は猛烈なスピードで洗顔を済ませ、逃げるようにトイレを後にするのだ。どうして僕がそんな思いをしなければならないのか。個室から出て僕と顔を合わせ、自分が大きい方をしていたことを知られるのが、そんなに恥ずかしいのだろうか。
 わざわざ日記で詳しく説明する必要などどこを探してもなさそうな、本当にどうでもいい話だけど、僕にとってはけっこう大きな悩みなのだ。

6月9日(月)

 知り合いの一人が結婚することになって、二人へのお祝いのメッセージを書いてほしいと頼まれた。適当にコメントを書いて渡そうかと思っていたのだが、すでに揃っている僕以外の人のメッセージはどれも非常に凝っていて見応えがあるという。僕のページだけしょぼいという事態は何としても避けたい。結婚する二人はどちらもhideさんのファンだったことを思い出し、久しぶりに絵を描いてみることにした。
 文房具店で一番細い絵筆を1本と、黒の水彩絵の具を購入。他に用意するものは大量のティッシュと、空き缶に入れた水。僕が絵を描くのに使う道具はこれだけである。10年ちょっと前までは、よくこうしてイラストを描いたものだった。誰に教わったわけでもなく、我流で考えた方法で。あまりに久しぶりだったからコツを思い出すのに時間がかかり、失敗も多かった。それでも2時間ほどで何とか完成。ああ、投稿常連時代はもっともっと上手に描けたのに。
 ちなみに、黒の濃淡でしか絵を描かないのも、RoxiteがモノクロのHPなのも、理由は同じだ。僕は色彩の感覚が普通の人よりも弱いのである。

6月8日(日)

 OSAKAN HOT 100の番組後、今日は心斎橋のミューズホールへ犬神サーカス団のライブを見に行った。犬神さんといえば一昨日のBEAT SHUFFLEでゲストに迎えたばかり。ニューアルバム「神の犬」もしっかり聞き込んだし、メンバーに詳しく話も聞けたところ、まさに絶妙のタイミングで単独興行を拝見できる運びである。今回のアルバムは、「神の犬」を名乗るカルト宗教団体が、死んだロックスターを蘇らせ、滅亡寸前の地球を救うという壮大な物語を軸としたコンセプトアルバムになっている。ドラマの部分が非常に重要なウェイトを占めるアルバムで、過去の彼らの作品と比べてもかなり難解なシロモノ。それをライブでどう表現するつもりなのか、僕の興味はそこにあったわけだが、さすがは百戦錬磨の犬神サーカス団。綿密なリハーサルを積んだとみえ、演技、振り付けなどすべて完璧だった。特に間延びを感じさせることもなく、アルバムの世界観を丁寧に表現しつつ、過去の定番曲も織り交ぜていた。
 今日のライブはすごく楽しかった。犬神のライブといえば「怖い」というイメージが定着しているが、最近は怖さと可笑しさが同居した雰囲気になっている。無理にキャラを作っているわざとらしさはなく、独特のダークな世界の中でも自然に笑えるのだ。メンバーの優しい人柄がそういうところにも表れている。

6月7日(土)

 僕は中学時代、3年間テニス部に所属していたのだが、その時の同期は妙に仲が良い。クラスの友達とは殆ど、というより全く、連絡を取り合うこともなくなったというのに、テニス部の連中とだけは卒業してからも定期的に集まって飲んだりしている。今日はその中の一人、女性で唯一独身だった友達の結婚披露宴が行われた。新婦の中学時代の男友達が披露宴に呼ばれることなんて滅多にないと思うが、なんと僕はその披露宴の司会を頼まれたのである。昔の友達が大勢いる前で仕事モードの喋りをするのは少々照れたが、まあ何とか無事に終了。
 披露宴の最中、司会者は何も食べられないので、腹を満たすのは二次会でということになる。二次会の会場に入ってみると、いるわいるわ、かすかに名前と顔だけを覚えているぐらいの同級生が何人も。あまりの懐かしさに食事などそっちのけで談笑していた。昔は図体がでかくてうるさくてジャイアンみたいだった男が今はお役所に勤めていたり、おとなしくて目立たなかった人が東大を出て一流メーカーに就職していたり。みんながそれぞれに15年間を重ねてここまで来たのだ。そうして一番驚かれるのがやはり僕のDJという職業である。中学生だった頃に特別音楽が好きだったわけではないし、どちらかというと無口な方だった。その僕がラジオで喋っているのはなかなか想像できないのだろう。

6月6日(金)

 最近、洋楽のロックを素直にかっこいいと思えるようになってきた。90年代に入ってオルタナやグランジがアメリカのロックを制覇した頃から、僕は洋楽のロックにあまり興味を示さなくなった。しかしOSAKAN HOT 100のDJを担当するようになって、自分の番組で洋楽を紹介する機会が増え、聞いておかなければならない新譜の量も必然的に増えた。かっこいい曲はかっこよく紹介したいと思うのがDJの本能だ。話題の新譜は聞くのが楽しみな今日この頃。ここ数日よく聞いているのが、来週発売となるMETALLICAの新作「st.anger」である。ヘビーメタルのシーンから現れたバンド達が総じてセールス面で苦戦している中、唯一トップの座に君臨し続けているバンドである。近頃流行りのヘビーロックも、そのサウンドの原点はメタリカにあると断言していいだろう。解散の危機を乗り越えて作られた今作も、持ち前のヘヴィネス健在。それも、スタジオで緻密に作り込まれたという感じがまるでなくて、今目の前で演奏しているかのような生々しい音である。変拍子のオンパレードで、普通に口ずさめるような曲は1曲もないと言っていい。セールスを少しでも意識したらこういうアルバムにはならないはずだ。しかしだからこそ、その荒さとマニアックさは、メタリカならではの圧倒的な説得力に変化する。個人的にはもう少しビートの速い、激しい曲が聞きたかった。
 悲しいのは、これだけ聞き込んでも、OSAKAN HOT 100にチャートインしてこないということもよくあるという現実。実際マリリン・マンソンもかけたことないんだよなぁ。

6月5日(木)

 犬神サーカス団が今日の「うたばん」に出演することは知っていたが、僕は見なかった。自分の好きなアーティストがあの番組に出て、不愉快な思いをしたことが過去に何度もあったからだ。この日の放送における犬神の扱いもひどいものだったと聞いた。
  僕は親しいアーティストにはわりと失礼なことを無意識のうちに言ってしまうタイプのDJで、そこが自分の欠点だと自覚している。しかし僕としてはどんなアーティストも最低限の敬意をもって接しているつもりではある。「うたばん」には、ミュージシャンに対する敬意や愛情は微塵もない。あるのは、有名な人のおもしろい喋りで視聴率を稼ごうというはっきりした目的のみである。あんなふうに人を蔑むような扱いを受けてまで、音楽家がテレビに出ることにどれほどの意味があるというのだろうか。

6月4日(水)

 「NANA」の9巻は一体いつ出るのだろうか。きっともうストーリーをだいぶ忘れて、興味が薄れてきたころに発売されるのだろう。何だか矢沢あいの「かわいおもろい」漫画がとても読みたくて、過去の作品の単行本をたくさん借りてきた。貸してくれたデジネバ編集担当山添女史いわく「どれも、NANAほどは入り込まないと思いますよ」とのことだったが、それでもやはり読み始めると止まらない。一晩かけてまずは「天使なんかじゃない」全8巻を読破。いかにも「りぼん」に連載されそうな、絵に描いたような女子中高生向け恋愛漫画だった。なのに何度か泣いてしまう浅井。生まれ変わったら共学の高校に行こう。

6月3日(火)

 先週に引き続き、番組後はZEPP大阪へ。今日はBUMP OF CHICKENのライブを拝見した。今の彼らの人気を考えれば、大阪城ホールを2DAYSぐらい打っても余裕でソールドアウトしそうな気がするが、このバンドはスタンディング、それもライブハウスに徹底したこだわりを見せている。そして出演するメディアも慎重に選んでいる。そういう姿勢が、彼らの人気を長く持続させるために不可欠であることは間違いない。今日のライブを見ていても、彼らがインディーズ時代から重ねてきたライブとおそらく何ら変わりない、過度な演出を排したシンプルなステージだった。彼らがブレイクした要因は、タイアップでもルックスでもキャラのおもしろさでもなく、楽曲の圧倒的な説得力に尽きる。他のどんなアーティストにも真似のできない、強さと痛さを表現できるバンドだ。
 ツアーグッズのキャップがとても気に入ったので買おうかと思っていたのだけど、楽屋で挨拶をしてから会場を出たらすでに物販が終わっていた。悔しい。

6月2日(月)

 今週末に結婚式を挙げる友人がいて、僕は披露宴の司会を頼まれている。打ち合わせをしているうちに、BGMの選曲も僕がすることになった。新郎新婦入場、ウェディングケーキ入刀、お色直し入場という3つの見せ場でのBGM。DJのプライドにかけて、「誰でも使いそうな定番」で逃げるのは避けたかったし、かといって「誰も知らない隠れた名曲」もかえって脳がない。「そこそこ知られていて、だけど結婚式ではあまり使っている人のいない曲」の中から、シチュエーションに合うものを選ぶという作業は、思いのほか時間がかかり、しかし楽しかった。僕の編集したMDを聞いて、当人達も喜んでくれたようである。ちなみに、入場時のセレクトはピーター・セテラの「GLORY OF LOVE」。ピアノのイントロがドラマチックなわけよ。

6月1日(日)

 去年の「JAPANESOUL」に続いて今年も、大阪城ホールでは大規模なイベントが行われた。今年のタイトルは「JIVE THE KEYS」。鍵盤楽器をバックに、日本を代表するシンガーがマスターピースを歌う、というライブである。出演アーティストそれぞれが自分の曲ではなく、他のアーティストの曲を、他のアーティストとコラボレートして歌うというレアなライブであると同時に、普段は縁の下の力持ちであるスタジオミュージシャン達が主役になるイベントでもある。この日は小田和正や矢野顕子、宮沢和史、鬼束ちひろといった豪華なアーティストが出演した他、当日までシークレットの扱いになっていた出演者として、佐藤竹善や森山直太朗、川村結花、そしてCHEMISTRYの堂珍嘉邦も登場した。こういうイベントは、本当に音楽を愛している人にしか作り出せないと思うし、このイベントに来て感動できる人は音楽を心から愛している人だけだろう。FM802にはそういうイベントに命をかける人がたくさんいて、リスナーもその熱意に応えてくれる。今日で開局14周年を迎えたFM802とは、そういう放送局である。
 さて、開局記念日といえば忘年会と並ぶ「派手な飲み会がある日」でもある。今年は、イベント関係者や出演アーティスト周りとは別に、番組制作スタッフだけが集まって飲む場が用意されていた。その店には殆ど若手しか集まっていなかったから、僕も気兼ねなく盛り上がることができた。終わったのは朝の4時。その時間まで残っていたDJが僕の記憶する限り8人いた。みんな、喉は大丈夫なのだろうか。