
Diary(03.07.) 7月31日(木)
8月と9月の2ヶ月間、DJの山添さんが休養を取ることになり、その間僕はPRIME HITS 802の木曜日を彼女の代わりに担当することになった。水曜日のPRIME HITSは西田くんや大抜くんをはじめ、802の若手DJ達が代わる代わるピンチヒッターを務めるようだ。この日はその休養を前にして、山添さんを囲んでみんなでお食事。山添さんという女性は、音楽の趣味などは僕と正反対だが、性格は非常に似通っているのではないかと僕は勝手に思っている。この日一緒に飲みながら、あらためてその思いを強くした。僕は802の「男版山添まり」を目指そう。
ところでこの席で気づいたことが一つある。WEEKEND A GO-GOを担当しているDJ加藤真樹子は、「NANA」の主人公ハチ子にとてもよく似ている。髪型もそうだが、かわいい顔で手足がやたら細いところなんか特に。7月30日(水)
今週末放送される回からリニューアルとなるデジネバ。セットが新しくなっていることが何といっても大きいが、もう一つの大事な要素がアシスタントの登場である。高倍率のオーディション(僕は審査していない)を通過して抜擢されたのは、吉井弓香という22歳の女の子。アイドルというかタレントというか、とにかくこういう番組に出ることを生業としているプロである。身長が僕よりもはるかに高いモデル体型。座って進行する番組でよかった。憎まれ口が得意な毒舌派で、どうやらそのへんを買われて僕の助手として選ばれたようだが、今のところまだその毒舌ぶりは充分に発揮されていないようだ。まだお互いのことをあまり知らないこともあって、トークは何だか手探りという感じ。思えば上田さんとの掛け合いも当初はぎくしゃくしたものだった気がする。互いに慣れてくればこの吉井くんも強烈なキャラを前面に出してくることだろう。
それにしてもやっぱりプロのタレントさんはかわいい。街ですれ違ったら見とれてしまうようなこういう女性と、普通に仕事をするという状況に、慣れるまでにはまだまだ時間がかかりそうな浅井であった。7月29日(火)
僕がOSAKAN HOT 100のDJを担当するようになって、3回目の100曲特番の日。今日は平日だが番組の時間はいわゆるホリデイ・スペシャルと同じで、朝10時から夜の7時まで。9時間で、今年上半期のOSAKAN HOT 100チャート、上位100曲を紹介する。
僕は例によって「イントロのある曲はすべて乗る」というルールを自分に課した。ペース配分を全く考えずに、いきなり全力疾走から始める長距離走みたいなものだが、常に自分を追い込んでいかないと、僕の場合すぐに眠くなってしまいそうな気がする。食事をする時間もあえて作らない。「まだ●時間もあるのか…」というようなことを考える暇がなければ、9時間などそれほど長くは感じないものだ。喋りをイントロの長さに合わせることなどDJの力量を計る物差しにはならないだろうし、聞いている側にとってはどうでもいいことに違いない。それでも僕はやっぱり、うまくいった時の気持ちよさが好きだから、何度でも挑戦するのだ。そこに曲がある限り。
番組後、スポンサーのTU-KAの方から嬉しいプレゼント。僕のTK31に貼るタイガースシールである。これをきれいに貼り付けると、携帯がタイガース仕様になるというもの。先日ユーザーにプレゼントしていたから僕も応募したが、手に入らなかった。ちゃんとTK31という機種に合わせてデザインされているから、貼りやすいしかなりクール。いっそストラップも阪神タイガースのものを購入して、虎仕様にしてしまおうかと思案中。ちなみに今のストラップは、CUSTOM CULTUREのタグをぶら下げただけのお手製だ。7月28日(月)
今日は急に頼まれたスポットのナレ録りを昼間にしただけで、仕事は殆どなかった。明日が100曲特番だから、早めに寝て備えたいとは思いつつ、明後日収録のデジネバで収録するゲームを練習する必要があった。
そのゲームとは、「ワールドサッカー ウィニングイレブン7」。言わずと知れた定番サッカーゲームの、待望の新作である。コナミの人から「今度のは、難しいっすよ」と耳打ちされていたこともあり、そもそもシリーズの過去の作品を極めていない僕としては大きな不安があった。とりあえずトレーニングモードである程度ボタン操作を練習し、最も簡単なレベルに設定して試合をしてみたところ、あっさり勝てた。ただし相手のレベルは本当に低すぎて、目の前でドリブルをしている敵を動くこともなく呆然と見送ったりする役立たずの選手ばかり。こんなチームに勝つのは当然だが、それでも点が入る喜びは実感できる。そういう弱いコンピューターを相手にスルーパスとか壁パスを練習し、徐々にレベルを上げていくのだが、どうにも時間が足りない。
それにしてもこのゲームのリアルさは本当に見事なものだ。選手一人一人の動きはもちろん。体格や髪型、顔まで忠実に再現している。キーパーのキャッチのしかた一つをとっても、100通りぐらいあるのではないか。カビラ氏による実況もあいかわらずよく出来ている。あらゆるサッカーゲームの中で、ダントツの売り上げを誇っているのもうなずける。7月27日(日)
日曜に番組のあるスタッフは、MEET THE WORLD BEATを最初から最後まで見ることが出来ない。ライブの模様はスペースシャワーで生中継されているが、FM802の局内で衛星放送の映るテレビはスタジオからずいぶん離れたところにある。僕はOSAKAN HOT 100の放送中に暇を見つけては何度もその場所へ走り、イベントの進行具合を確かめながら番組を進めた。今現在ラジオを聞いている人はイベントに参加できなかった人、ということになるが、FM802最大のお祭りが行われている最中に、DJがまったく無関係に放送をしているのも不自然だと思ったからだ。
今年のMEET THE WORLD BEATは非常に天候に恵まれた。雨は降らず、時折陽が陰ってこの季節としては涼しい方だ。当日まで番組制作スタッフさえ知らされなかったサプライズゲストには矢沢永吉が登場し、山崎まさよしもシークレットで登場。他にもチャゲアスやスカパラ、スガシカオ、コブクロ、MINMI、さらに大ブレイクを果たしたHYなど、今年も出演者は豪華な顔ぶれ。チケットの当たった人達は満足して帰ったことだろう。
僕は番組が終了してから急いで万博に向かい、後半だけ現地で楽しむことができた。そして例によって打ち上げにも参加。たくさんの人で賑わう中に、コブクロの二人が802のDJやスタッフ数名と盛り上がっているテーブルがあった。僕も何となくそこに近づいたら、唐突にビールの一気を迫られた。僕はアルコールには強いほうだが炭酸が苦手。1杯だけ飲んで、「ビールの一気飲みはしんどいんだけど」と泣き言を言うと、今度はコップに移された缶チューハイ。促されるままこれも無理矢理飲み干した。すると間髪を入れずにまたビールが出てくる。死にそうな思いでその1杯を飲み下すと、胃袋が破裂するほど気体で膨らみ、僕はトイレに駆け込んでガスをすべて吐き出したのだった。思えばこの時点でそのテーブルについていた面々はかなり酔っていて、僕もその蟻地獄に足を踏み入れていたのだ。すっきりした晴れやかな表情でトイレから戻った僕は、さっきのテーブルに戻り、コブクロの小淵くんとしばし談笑した。小淵くんは呆れるほどに酔っていたが、スケベになるわけでもなければ、説教をたれるでも、絡んでくるでも、泣き出すでもなく、ただひたすらに上機嫌だった。僕も気持ちよく酔っていたので、コブクロについて自分の思うところを洗いざらい喋った。コブクロの曲を聞くたび、その感想や僕なりの意見を彼に伝えたいと常々思っていたから、腹を割って話せたことはすごく嬉しい。ただし、その会話の内容を彼がどこまで記憶しているかは定かでない。
念のために付け加えるが、MEET THE WORLD BEATの打ち上げは、偉い人もよく知らない人も大勢集まる席だから、一気飲みなどして盛り上がる集団はまずいない。彼らのテーブルの盛り上がりは明らかに会場内で最も目立っていた。客観的に見ていいことか悪いことかの判断は難しいが、飲まされた僕は大変楽しかった。7月26日(土)
朝、後ろ髪を引かれる思いで雨の苗場を後にした。去年と同じように、朝9時台のバスで越後湯沢に向かう。駅はこれから苗場に向かう人でごった返していた。このタイミングで帰る奴などまずいない。しかし僕は日曜に番組があるし、明日はその後MTWBにも行かねばならない。今年はフジロックとMTWBが重なった関係で、FM802のスタッフも大半がフジロックの参戦を諦めている。
東京を経由して新幹線を乗り継ぐルートだが、一度東京駅で降り、広尾で洋服の買い出し。僕がいつも着ているブランドの夏服がファミリー価格で放出される半年に一度のセールの日なのだ。そういえば去年もへろへろの身体を引きずってフジロックの帰りに寄った覚えがある。今年は靴もジーンズの裾もドロドロに汚れていて、我ながら身なりがみすぼらしかった。何着かの服は買ってその場で着て帰ることにした。値札を気にせずにバンバン買えるほどの価格なのである。ノースリーブだけで5着ほど購入した。
東京の天気は曇りだったが、東海道新幹線に乗ってうとうとしているうちに、気がついたら窓の外はピーカン。聞けば近畿地方の梅雨はすでに明けたとか。新潟の長い雨が悲しい。明日のMTWBはいい天気に恵まれそうだ。やっぱり野外ライブは暑いくらいの方がいい。7月25日(金)
9時ぐらいに起きて、祈るような気持ちでカーテンを開けたけれど、雨は昨日よりもひどくなっているようだった。朝食を取ってすぐに出発。グリーンステージの開演は11時だ。
雨の中、昨日と同じ道を歩いていたら呼び止められ、「ここから先はスタッフ以外通れません」と門前払いをくらう。今歩いてきた数百メートルを引き返して別のルートで歩かなければならない。イライラしながらもひたすら歩き続け、やっと辿り着いた入り口にはどうやら長い列が出来ている。フジロックというイベントはこういうことの繰り返しで、たとえそれが主催者側の不手際のせいであっても、自分たちの予定通りにいかない事態にいちいち腹を立てていると身が持たない。うんざりしたり、がっかりしたり、そういうマイナスの感情を、全身に溜め込みながら、彼方で聞こえる音に導かれて人々はひたすら歩く。だんだん音は大きくなって、ついに巨大なステージが眼前に広がった瞬間、さっきまでのマイナスの感情が全部プラスに転じて爆発するのだ。足首まですでに泥にまみれて、多分もうこの靴は使い物にならないだろう。寒いし、疲れた。高い金を出してチケットを買い、これだけの苦痛に耐えてここまで来たのは、ライブを見るためだ。意地でも楽しんで元を取ってやる。悪くいえばやけくそというやつだが、ポジティブなパワーを爆発させた群衆を前にすれば、誰もが「来て良かった」と思うだろう。この日のグリーンステージ、オープニングアクトはミッシェルだった。やはりこういうイベントにはロックが似合う。2曲ほど聞いて、ホワイトステージまで足を進めてみると、ここではTHE MODSがこれまた渋いロックを演奏していた。爆音を前にすると、雨に濡れることがちっとも気にならなくなるから不思議なものだ。
それにしても今年のフジロックは、去年と比べると明らかに人が多い。金曜の昼間の段階ですでに携帯電話が全く使い物にならないのだ。これだけ規模の大きなイベントになると、携帯が機能しないのは本当に辛い。特に、キャンプサイトを利用する連中の中で、仲間と別々に来て現地で合流する予定だった者などは悲惨である。無数のテントの中から自分の仲間を見つけるのは至難の業だし、何時間も探す暇があったらライブを見たいと思うはず。そうしているうちに夜になり、探すのはもっと困難になる。キャンプサイトに設置された伝言板には、「●●へ。もう着いた?携帯繋がらないけど、ライブ見たいから行ってくるわ。分かれ道の所に陣取ってます。1時間に1回ぐらい戻ってくるから頑張って探してくれ。こっちも頑張る」というような汚い字の置き手紙が貼られている。雨はいっこうにやむ気配すらなく、地面のぬかるみはひどくなるばかり。気温もどんどん下がって、夜には息が白くなるほどになった。将来、自分の娘がフジロックでキャンプをすると言い出したら、僕は断じてそれを許さないだろう。
とにかく今年は、コンディションが悪く、そのくせ客の入りは過去最高だった。土曜日のチケットは完売したらしいが、フジロックでソールドアウトが出たのは初めてのことではなかろうか。多くの人で賑わうのは喜ばしいことだろうが、問題も多かった。来年以降、是が非でも改善して欲しいのはオフィシャルグッズの販売方法だ。去年は5分も並ばずに購入できたフジロックTシャツが、 今年は手に入らなかった。番組プレゼント用にどうしても購入する必要のあったディレクターは、雨の降る中、一人で、しかも携帯さえ使えない状況で、2時間20分並んでようやくグッズを手にしたという。グッズを買った人々は、それのために何本ものライブを見ることを諦めているのだ。あれだけの広大なスペースを使いながら、オフィシャルグッズの売り場が1カ所しかないというのも解せないし、売り子のアルバイト達の手際の悪さには怒りを通り越して呆れてしまう。おまけに初日の今日は、テントの雨漏りがひどく、売り物のTシャツが水浸しになってしまったとかで、予定より4時間も早く店を閉めてしまった。このご時世に、客が「お金を使いたいのに使えない」という信じられないような状況である。7年も続けているイベントで、どうしてこんなに初歩的な問題が起きてしまうのか。来年は改善されていることを切に願う。
普段BEAT SHUFFLEの放送されている7時からは、二日目となった特番。この日ゲストに迎えた外タレゲストはASIAN DUB FOUNDATIONだった。昨日のTHE LIBERTINESと同じイギリス出身のアーティストだが、実に社交的で陽気な連中。こちらに口を挟む隙を与えないほどによく喋り、しかも聞き取りやすい英語だった。終わりよければすべてよし。気持ちよく特番終了。この日も結局3時まで飲んだ。7月24日(木)
去年に引き続き、NACK5のFUJI ROCK特番でDJを担当することになった。しかも今年は二夜連続。僕は前日のうちに東京に移動して実家に泊まり、昼前の上越新幹線に乗って苗場に向かった。大宮からスタッフも合流してくる。バスに揺られて現地に到着したのは3時前だったろうか。ポツポツと雨が降り出していた。まだ昼間だというのに、空はどんどん暗くなっていく。
僕らが放送もする苗場プリンスホテルはライブ会場のすぐ横に位置していて、大半の関係者は滞在中ここを根城にする。160組のアーティストが出演し、全国各地の放送局が取材に訪れるイベントだから、巨大な苗プリの客室は半数以上を関係者が占めている状態だろう。開催前日の今日、苗場プリンスにやってくる人は関係者の方が多い。僕らが入った時にロビーにいたのはMTVチーム、しばらくするとFM802の連中や、スペースシャワーの袋を持ったグループも到着した。
小雨のぱらつく中、会場の様子を見に行くと、まだゲートは開いておらず、7時からの前夜祭に向けての準備が着々と進められていた。途中のキャンプサイトには早くも無数のテントが並んでいる。開催前夜、誰もが昂揚を必死で抑えているような表情だ。
ホテルの一室から放送する僕らの特番は8時半にスタートした。準備には抜かりなかったはずなのに、最初のゲスト、THE LIBERTINESが登場した時点でトラブル発生。通訳をできる人間がいなかったのだ。ゲストが到着して3分後に出演、という時になってその事実が判明し、しかたなく僕が通訳を兼ねることになった。簡単な英語なら通訳など要らないよという自信はあったが、僕は甘かった。このカールとかいう男、時差ぼけなのか何なのかつい5分前まで寝ていたとかで、全身から不機嫌のオーラを発散している。ラジオを盛り上げてやろうなどというサービス精神は無論ゼロ。そして困ったことに、話す言葉が、僕がこれまで聞いたことがないほどにアクの強いイギリス英語なのだ。長い質問をしても、返ってくる答えはたった一言。その一言がまるで聞き取れないときたもんだ。「what?」と聞き返しても、返ってくる言葉はさっきと何の変化もない。相手が聞き取れていないから、よりわかりやすく言ってあげようという意識がない。「日本の土地ではどこが印象に残っているか」という質問の答えも、2回聞き返したがわからなかった。横にいたレコード会社の人間が、「(多分)キョウト(です!)」と囁いてくれなかったら、僕はこの質問の答えは訳さずに次へ進んでいたことだろう。日本の地名さえ聞き取れないほど、こいつの声はか細く、発音も難解だったのである。そもそも外タレのインタビューをする時、僕はたいてい相手が答えている間はまともに聞いていない。アーティストが喋っている間に次の展開を考え、通訳が喋る時に集中して聞くようにしている。それが習慣になっているから、質問を終えたら無意識のうちに集中力が切れてしまう。相手がペラペラと英語で喋っているのをぼーっと聞いて、半分ぐらい喋ったところで「はっ!僕はこれを日本語で言い直さなくてはならないんだ!」と気づく。ただでさえ聞き取りづらい英語なのだから、ぼーっと聞いていたのではまともな訳などできるはずがないのだった・・・。難しいものだ。
そんなこんなで前途多難なスタートを切りはしたが、とりあえずは事故もなく番組終了。その後3時すぎまで部屋で飲んだ。7月23日(水)
この日の収録分から、デジネバが大幅にリニューアル。これまでにも何度かリニューアルをしてきたが、今回ほど大胆に変化を遂げるのは初めてのことだ。大きく変わった要素の一つが、スタジオ。以前のデジネバを収録していたスタジオは、ナレーションを収録するための場所であって、セットと呼べるものではなかった。今回は大枚をはたいて市内の別の場所にデジネバ専用のスタジオを新設、もちろんこの番組のためのセットも作られた。「2001年宇宙の旅」のような近未来SFのイメージで、かつてのデジネバのような木目のテーブルはもちろんない。カメラも2台を同時に回しており、以前とは比べ物にならないほどの凝った編集ができるに違いない。
スタジオに合わせて僕自身のビジュアルイメージも一新しようと思い立ち、この日からヘッドセット(ヘッドホンの耳のところからマイクが伸びているやつ)でトークをすることに。サングラスも取ろうと思っていたのだが、「やっぱりかけた方がしっくりくる」というスタッフの説得に応じて、この日は今までどおりサングラスをかけて収録。しかし今後、サングラスを外して喋ることもあるだろう。
そしてもう一つ、大きなリニューアルが出演者。惜しまれつつ引退した、ぴあ上田さんに代わり、この回からレギュラーで僕の助手が登場することになった。この助手についてはまた後日。7月22日(火)
ROCK KIDS終了後、食事に誘おうと思ってディレクターに電話をかけたところ、今夜はビリヤードをやることになっている、と言う。僕の記憶する限り彼がビリヤードに凝っているという話を聞いたことはないし、今夜一緒にやるというプロモーターや802受付嬢もしかりだ。どうやら全員が初心者だというので、どのみち暇な僕は仲間に入れてもらうことにした。焼き鳥屋で軽くアルコールを体内に摂取してから、4人で梅田のプールバーへ。こういうところで本格的にビリヤードなどするのは一体何年ぶりだろうか。
いざ始まってみるとすぐに、4人の実力には大した差がないことが判明した。おまけに、さっきまでやたら自信ありげだったa社プロモーターS氏は焼き鳥屋で明らかに飲み過ぎたとみえ、玉を突いてはファウルばかり、自分の番が来るまで座って待つうちに眠ってしまうというていたらく。僕はというと意外に好調で、前半は4人の中で最もいい成績を残していた。ビリヤードもダーツと同じで、自分に酔うタイプのナルシーゲームだ。手玉がかろうじて通過できるかどうかという僅かな隙間を縫って的玉に命中し、しかもそれが狙い通りに入ったりすると、もう気分はポール・ニューマン。たまにやると案外おもしろいものだと思った。7月21日(月)
この夏話題の映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の試写会に出席した。海賊の映画と聞いただけで、「あーそういうのあんまり興味ない」と拒絶する人が日本には多いだろう。しかしそういう人も、ディズニーランドに行けば「カリブの海賊」には乗るのではないか。「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、あのアトラクションのストーリーをそのまま映画化しているものだ。だから当然、映画を見れば、あのアトラクションで登場する一つ一つの場面の意味がわかるはず。この映画を見終わった後、ディズニーランドに行きたくなる人は少なくないだろう。
スケールの大きさやCG技術の精巧さは僕がここで紹介するまでもない。ジョニー・デップの飄々とした演技の見事さ、オーランド・ブルームの非の打ち所のない男前ぶりも、特筆に値する。しかしこの映画の魅力は何といってもストーリーに尽きると僕は思った。ディズニーらしいおとぎ話であり、破天荒な冒険活劇でもある。最終的に「まあ、海賊と一口に言っても、悪い奴ばっかりじゃない」みたいなところに落ち着くのは、結局ワンピースと一緒じゃんと思わずにはいられないが、アニメではなく実写でこの映画を作った気概には脱帽。ブラッカイマーの手がける映画には駄作がない。7月20日(日)
夏が始まるのは7月20日で、終わるのが8月31日。それは小さな頃から頭の奥の方に刷り込まれた習慣のような暦だ。
新居に引っ越して初めての夏を迎えた。春から住み始めて、日本にこれほど住み心地の良い住宅地があったのかと感動するほどの環境だったが、夏を迎えていくつかの問題に直面している。この界隈は僕の住む宅地以外はまだ開発が進んでいなくて、今のところ見渡す限り空き地のような状態だ。道が広くて車通りが少なく、しかし公園などはすでに充実している。最近は週末の夜中になると、裏の公園で花火に興じる若者が後を絶たない。僕も花火は好きだからやりたい気持ちはわかるが、音の出るロケット花火が深夜1時を回っても飛び交っているのはあまりにも常識を欠いている。さらに困ったことに、家のすぐ近くの大通りで、凄まじいエンジン音を轟かせて暴走行為をする車がいる。広い直線道路だから、ゼロヨンにはちょうどいいのだろう。このままそういう車が増えるようなら、警察に通報する以外にない。そう、自治会長だから。かんべんしてよ、ほんと。7月19日(土)
発売されたばかりのPS2用ソフト「実況パワフルプロ野球10」に挑戦。実はパワプロをプレイするのは10作目にして初めてのこと。ルール自体が他のスポーツと比較して格段に複雑な野球だから、ゲームの操作も当然決してシンプルではない。投球、守備、打撃、走塁、すべてのシチュエーションでボタンの使い方が変化するから、それに慣れるまでにはかなりの時間を要した。パワプロは登場する選手の姿が二頭身にデフォルメされているため、ビジュアル的には懐かしのファミスタを彷彿させるが、ゲーム性は細部にまでリアルさにこだわっていて、とても良くできている。みんゴルにしろパワプロにしろ、かわいいキャラクターが登場するソフトが、それぞれのスポーツゲームの分野で一番売れている。リアルさを追求するだけがスポーツゲームではないということだ。
今作のパワプロは当然、最新のデータが登録されているから、今年のタイガースの1軍登録選手はほぼ全員が実名で登場する。しかし悲しいかな各選手の実力は去年の成績に基づいており、あくまで「セリーグで4位のチーム」のアベレージでしかない。ただでさえ初心者の僕が操作しているのに、去年のタイガースの実力でコンピューターを相手に勝つなど無謀といっていい。下位チームを相手に、無様に三振を喫する猛虎打線。今日タイガースが負けたうっぷんをゲームで晴らそうと考えたのは浅はかだったのか。7月18日(金)
昨日の昼、今夜の夜行バスを予約しようと思ったら、全便満席だった。そう言われてから、明日からが夏休み最初の週末で、しかも三連休であるということに思い当たった愚かな僕。夜行で帰るのは早々に諦めて、今夜は実家に泊まることにした。
金曜の深夜の新宿駅は酔客だらけでひどい混雑だ。小田急線に乗ったら、読売ランド前付近で人身事故が発生したとやらでいっこうに発車してくれない。さんざん待ってようやく動き出したが、生田に到着した時点で30分近い遅れ。別に急いでいる用があったわけではないが、疲れた身体でいつまでも待たされるのはかなり苦痛だった。やっぱり東京の満員電車はちょっと異常。7月17日(木)
ROCK KIDS 802は、ゴスペラーズをゲストに迎えてHMVユニバーサルシティウォークからの公開生放送。古い付き合いの5人だが、何だかんだで僕が彼らにインタビューをするのはまだ3回目ぐらいのことだ。今の彼らの人気ときたら本当にとんでもない。そして彼らの立ち振る舞いもすっかりスター然としており、大物らしい風格さえ漂わせるようになってきた。しかしトークはあいかわらず気さくで、どんなネタに展開しても完璧に切り返して盛り上げるあたりはさすがである。この日は最後に生歌を1コーラスだけ披露してくれたが、これは当初予定になかったものだ。観客の「歌が聞きたい」という暗黙のリクエストを無視できないところに、歌のエンタテイナーゴスペラーズの本能が垣間見える。久しぶりにすぐ隣で聞く彼らのコーラスはやはり見事なものだった。
それにしても今日の大阪は、もう梅雨など明けたかと思うほどの好天だった。前回SOPHIAの松岡くんをゲストに迎えた時は真冬で閑散としていたシティウォークも、この日はけっこうな賑わい。放送を終えて帰る道すがら、USJにしばらく行ってないなぁと思った。7月16日(水)
Zy.の連載で爆発寸前NIGHTについて書いた途端、Roxite VOICEでにわかに盛り上がり始めた爆寸復活待望論。当時の常連は大半がすでにバンギャルを卒業していると思われ、たとえば現在のBEAT SHUFFLEリスナーは大多数の人がこのイベントの存在を知らないだろう。ここ数日の懐かしいハンドルネームの書き込みを見て、かつての常連達が今もRoxiteにアクセスしてくれていることに驚いている。
はじめのうちは正直なところ全くと言っていいほど開催する意思などなかった僕だが、ここまで盛り上がってしまうと引くに引けない。とりあえず「阪神が優勝したら復活」ということにして、開催に向けて重い腰を上げた。といってもまだハコさえ押さえていない。それ以外にも問題は山積みだ。集客はどの程度見込めるのか。いつも借りていたライブハウスの機材はまだ健在なのか。選曲はどういうバランスにすればいいのか。東京と大阪でどれだけ内容を変えればいいのか。全部考え中。考えるのも、答えを出すのも、すべて僕一人。それが爆寸。
しかしそんな折り、昨夜は爆寸の夢を見た。見切り発車で開催に踏み切ったものの、選曲はおざなりだし、肝心のCDがまるで足りない。いざ始まって選曲しようと思ったら、かけたい曲の皿が見つからず、ステージの上で慌てふためく僕。冷ややかな視線を浴びせながら次の曲を待っている観客達。脂汗が止まらない。そんな悪夢を見るほど、爆寸復活は僕にとって大きな重圧になっているようだ。7月15日(火)
ここ3日連続でFM802に登場している。今週は明後日にROCK KIDSでゴスペラーズのインタビューもするから、1週間で4日も出るということになる。やはり昨晩と比べると、自分のレギュラー番組は気分的に楽だ。ここ最近の僕は完全にスランプに陥っていて、番組が終わった後に反省してばかり。こういう時は慎重に喋るようにしている。
一年ぶりにゲストに登場したサーフィスの二人。一時期の迷いからはすっかり解放されたようで、充実した思いで音楽に向き合っているのが表情からわかる。シンプルな音作りに戻して制作されたニューアルバム「WARM」は、誰の模倣でもないサーフィスの個性が完璧に構築されたことを物語る出来。彼らの曲は詞先と曲先の両方がある。そういうアーティストの楽曲は必然的に幅が広くなるから聞いていて飽きない。椎名慶治は作詞家としてなかなかおもしろい才能の持ち主で、彼の詞を読むのが僕はけっこう好きなのである。
ところで、今日もその椎名くんから「ジムとか通ってるんすか?」と聞かれた。僕の腕を初めて見た人は7割ぐらいの確率でそう聞いてくる。そう言われて悪い気はしないくらいに、腕に関してだけは僕も一応ナルシストである。夏場に僕がもっぱらノースリーブを着るのは、腕を晒した方が得だと思うから。僕の両腕はなぜか生まれつき筋肉質で、特別に鍛えたことはないのに、腕だけは妙にマッチョな印象を与えるらしい。7月14日(月)
夏休みをとって渡米しているKIYOMIさんに代わって、PRIME HITS 802のDJを担当。夜7時からという時間帯でDJをするのは、ROCK VISION以来ということになる。
PRIME HITSのスタッフは基本的にOSAKAN HOT 100と同じだから、リラックスした気分で番組に臨むことはできたが、慣れていない番組というのはどうしてもやりづらい部分があるものだ。番組名を口が言い慣れていないし、番組の内容も細かく違っている。たとえば、曲紹介の時にリクエストをした人の名前がないとか、順位を言わないとか、そういう当たり前のことに戸惑ってしまう。こういうオーソドックスなタイプのFM番組でDJをするのが、けっこう久しぶりなんだと実感した。
先日この日記でも紹介したAORのコンピレーションCDを9時台に特集した。ROCK KIDSやHOT 100では古い洋楽を特集するチャンスなどない。自分が好きな曲を思い入れたっぷりに紹介できるという、DJとしての幸せを噛みしめながら喋った。7月13日(日)
OSAKAN HOT 100のゲストに迎えたのはFLOWの面々。番組前に台本の下読みをしながら彼等のデビューシングル「ブラスター」を流していた時、3曲目のトラックを聞いて「この人ら、hideさん好きなんちゃうん?」と思ってプロフィールを見てみたところ、そもそもこのバンドがXのコピーバンドから始まっていることが判明。「ピンキッシュ」の名でhideさんのコピバンとして活動していた時期を経てオリジナルに転向、それから今のメンバーが揃ったそうである。X好きのバンドマンはいろんなところにいるものだ。
初めて会ったFLOWの5人は実に礼儀正しく、好印象だった。加えて、メンバーのルックスが非常にいいことに驚いた。特にボーカルのKEIGOくんやギターのTAKEくんは俳優のような二枚目。さぞ女性ファンも多いことだろう。FM802の番組に生出演したのは初めてだったようだが、ノリもいいし話す内容も実におもしろい。予定の時間があっという間にすぎてしまった。Xの話でも肴に、ぜひ一度ゆっくり飲みたいものだ。
このバンドのメンバーのうち二人は埼玉の出身で、浦和近辺に住んでいるらしい。「NACK5でもギタリストを迎える番組やってるから、今度出てよ」と言ったら、「あ、聞いたことありますよ!夜やってるやつですよね?」とTAKEくん。「G-SPOT」を知っているアーティストは初めてだったのですごく嬉しかった。7月12日(土)
夜行バスが梅田に到着して、阪神電車に乗った瞬間、携帯電話をバスの座席に置き忘れていたことに気づいた。自分の愚かさを呪い、落ち込みこそすれ、うろたえることは一切なかった。なぜならば、ちょうど1週間前に、僕は全く同じ失敗をしていたからだ。そう。同じ夜行バスに、同じ携帯電話を。
先週は単純な忘れ物だったが、今回のはどちらかというと「落とした」に近い。僕が降りようとして荷物をまとめていたら、隣のオヤジが「前を通って降りるなら早くしろよ」と言いたげな顔で睨んでいるのに気づき、気の小さい僕は携帯が毛布の下に落ちていることも忘れて降りてしまったのだ。
しかしそんな言い訳を誰に聞いてもらったところで携帯は戻って来ない。先週の経験から、こういう時に自分がどうすべきかは悲しいほどよくわかっている。管理事務所に電話をかけ、忘れ物の確認をしてもらい、取りに行く日時を伝える。1週間で全く同じ忘れ物を繰り返すバカな客を、事務所のおじさんがどんな対応で迎えたかは想像にお任せする。
ネックストラップにすれば忘れずに済む、というようなアドバイスをしてくれる人もいるが、僕が忘れるのは携帯電話ばかりではない。財布も、鍵も、帽子も、ハンカチも、ペンケースも・・・何でもかんでもそこここに忘れてしまう。シャレにならない局面に突入して、実はけっこう久しい。7月11日(金)
再来週の木曜と金曜は、FUJI ROCK FESTIVALの会場である苗場から、NACK5の特番を放送することになっている。NACK5のFUJI ROCK特番のDJに、去年に続いて僕が抜擢されたのだ。しかも今年は、BEAT SHUFFLEやG-SPOTのスタッフがそのままこの特番も担当する。NACK5では地味なポジションにいると自覚している我々が、ずいぶんと大きな仕事を受けたものだ。去年に引き続き僕は、新大阪から東京経由で新幹線を乗り継ぐハードな移動となる。去年よりは多少、現地でライブを楽しむ時間がありそうなのがせめてもの救いか。何といっても今年は2晩番組があるという点が大きい。
そんなわけで再来週はBEAT SHUFFLEの放送がなく、僕は浦和にも大宮にも行かない。G-SPOTは休みにならないから、今週まとめて2週分を収録した。2組のアーティストに連続でインタビューするというのは精神的にかなり疲弊するが、この日のゲストは二人とも、なかなか楽しいトークを聞かせてくれた。来週放送分が白鳥マイカ、再来週はママスタジヲが登場する。G-SPOTも気がつけば放送からすでに二年。この番組がどうしたらおもしろくなるのか、あれこれを悩んだ時期もあったが、最近は僕自身がすごく楽しいと思えるようになってきた。アーティスト自身が楽しそうに喋ってくれるし、興味深いトークを聞ける場合が多い。特におもしろいのが、最終日恒例の「ギターキッズへのアドバイス」というやつ。ギタリストによって言うことがこうも違うものかと驚かされると同時に、その答えからギタリストとしての特性や人間性がかいま見えてくる。苦手だったインタビュー番組を楽しんで出来るようになったのは大きいと思う。7月10日(木)
7月16日に、「Melodies The Best Of AOR」という2枚組のコンピレーションCDが発売される。これが何というかもう、たまらないCDなんである。ジャケットが鈴木英人であるという時点でAORファンのツボを見事に突いている。
AORという言葉は明確に音楽のジャンルを表すものではなく、「Adult Oriented Rock」あるいは「Album Oriented Rock」という、日本の業界で勝手に作った俗称にすぎない。70年代後期から80年代にかけて、アメリカのウエストコーストを中心に流行したオシャレなロックを指す。他に扱うジャンルがないから一応ロックということになっているだけで、ソウルやジャズの要素が加味され、あくまで都会的で洗練された大人の音楽だ。僕は大学生になったばかりの頃、こういうアルバムを聞きまくった時期がある。もちろんリアルタイムではない。
多分一番最初に聞いたのはボズ・スキャッグスの「シルク・ディグリース」だ。それからは、何かの解説書でも読みながら、名盤とされるアルバムを片っ端から買いまくった。聞いていてこんなにも気持ちがよくて、聞いている自分にこんなにも酔いしれる音楽に触れたことがなかった。AORを聞きながら車に乗っていれば、湘南の汚い海が西海岸に見えたし、新宿がマンハッタンに見えた。僕にとってAORは、一人前の男に成長していく過程で、BGMとして常に流れていた音楽だ。
今回リリースされるコンピレーションには、AORにカテゴライズされるアルバムや楽曲の中でも、特に有名で評価の高い曲をわかりやすくセレクトしている。ボズとボビー・コールドウェル、ドナルド・フェイゲンの曲が同じCDで聞ける、というのは昔では考えられなかった。日本でもレーベルを越えたコンピレーションがこうして続々と発売されていることは、とても喜ばしいことだ。ニック・デカロやスティーリー・ダンなど、収録されなかったAORの代表的アーティストもいるが、僕のような人間が、ノスタルジーに浸るには充分すぎる内容だ。ケースの中の写真には、各曲がオリジナルで収められていたアルバムのジャケット写真36枚が並んでいる。数えてみたら僕は、そのうち半分以上の19枚を自分で買っていた。こんなコンピレーションは初めてである。AORをこよなく愛した人間にしかできない完璧な選曲がなされており、このアルバムを企画したスタッフにはファンの一人として感謝と敬意を表したい。
アルバムの帯の部分に書かれた17文字が、このアルバムの魅力を端的に物語っている。「あの海と、このサウンドで、大人になった。」7月9日(水)
新しく生命保険を契約することになって、今日はそのための健康診断を受けるために病院へ。病院といっても先生と看護師が一人ずつの小さな内科だ。どんなことをさせられるのかと思って少しドキドキしていたのだが、軽く触診して血圧を測り、尿を採っておしまい。身体測定もするというから、正確な身体の大きさを知るチャンスと思っていたのに、「身長はどれくらい?体重は?」と聞かれて僕が口答している始末。いろいろ質問されたけど、やっぱり僕は健康体らしい。去年は結石で一泊入院をしたし、おたふくもやったけど、そんなのは治ってしまえば何の問題もないのだ。
だから安心、というのではなくて、むしろその逆。「いつかでかい病気になりそう」という不安はだいぶ前からずっと抱いていて、昨秋のおたふくがそれだと思っていたけど、もっと重い病気や怪我をする危険を最近になってつくづく感じる。それで入った保険でもある。7月8日(火)
僕が今FM802で担当しているレギュラーは、ヒット曲のリクエストに応える番組と、ヒット曲をカウントダウンする番組の二つ。売れていないアーティストを紹介するチャンスは正直言って殆どない。だから必然的に、有名なアーティストや注目されているアーティストに対する興味も知識も偏る。それはもともとポップな(つまり人気があってわかりやすい)音楽が好きな僕にとって、むしろ好ましいことかもしれない。
しかしそんな僕も、10年以上ずっと大切にしている「全く売れなかったアーティスト」のCDがある。花岡幸代という名のフォークシンガーがその人である。大学生の時、バイト先でサンプル盤を拾ったのがきっかけだった。透明な歌声と優しいメロディー、そして何より女性ならではの上品な歌詞が美しい。派手なアーティストではないし、曲に特別な華もない。そういうアーティストはプロモーションにもきっと満足な予算をかけてもらえないだろうから、なかなかセールスに結びつかない。彼女のCDを人に薦めたことはそれこそ何十回とあったけれど、僕の周りにいる人には一度も認めてもらえなかった。僕だって「売れないだろうけど、いい音楽」と、「売れても不思議はない、いい音楽」の区別ぐらいはつく。彼女のCDは僕の中で絶対に後者で、だからなぜ彼女の音楽がここまで過小評価されたのか、いまだに理解できずにいる。
10年以上アマチュアでライブ活動を重ね、91年にメジャーデビューを果たしたが、2枚のアルバムをリリースして姿を消した。今はどうやら音楽活動をしていないようだ。僕は一度も彼女の歌を生で聞くことが出来なかった。2枚のCDはとっくに廃盤になっていて、もう買うことはできない。FM802のライブラリーにも2作目しか入っていなかった。今持っているCDにキズでもつけてしまったら、もうこの人の歌を聞くことは二度と出来ないかもしれない。だから彼女のCDを、CD-Rに焼いた。こういう違法コピーなら、きっと本人も許してくれるはずだ。
こんなふうに音楽を紹介する仕事に就いたからには、彼女みたいなアーティストが市場からも正当な評価を受けるように僕は尽力しなければならない。7月7日(月)
第3期SEX MACHINEGUNSが、解散ツアーで全国を回っている。今日はグランキューブ大阪で、大阪最後のライブが行われた。
最後に4回目のアンコールがあって、演奏した曲の数がこれまでと比べて多かったことを除けば、過去のツアーと何ら変わらない、今までどおりのSEX MACHINEGUNSだった。渡されたチケットが「立ち見禁止」の2階最前列でなければ僕も一緒になって拳ぐらいは振り上げたところだが、さすがにそこまでテンションを上げることも出来ない環境。腕組みなどしつつ、5年間のSEX MACHINEGUNSの軌跡を回想していた。
僕がこの日着ていたのは、SEX MACHINEGUNSが初めて作ったTシャツ。ANCHANGがデザインしたオレンジ色のドクロが背中にプリントされているもので、事務所の社長氏いわく「当時は金がなかったから、安藤に1色で書くように言ったんです」と。そしてそのイラストは「HANABI-la大回転」のプロモを撮影している合間に書かれたそうだ。そのANCHANGさえもう持っていないというレアなTシャツ。自分でもよく保管しておいたと思う。SEX MACHINEGUNSはツアーのたびにグッズのTシャツをくれるのだが、基本的にサイズが大きすぎるから滅多に僕は着ない。今日こそ着なければ意味がないという気がしたから、思い切って袖を切り落とし、裾もバッサリと短くして改造したのだ。
今も抽出に何枚ものツアーTシャツが保管してあり、1枚を広げるたび、当時のライブの景色が脳裏に蘇る。思い出を挙げればキリがないけれど、今はそれをする時期でもない気がする。僕の第3期SEX MACHINEGUNS見納めは今月下旬の神戸国際会館になるだろう。その日はどれを着ていこうか。7月6日(日)
OSAKAN HOT 100の若手AD岡井ちゃんが、ついにパソコンの購入を決意。この番組のスタッフは世話好きで教えたがりのMacユーザーが集まっていて、番組後、彼女の買い物にぞろぞろとついて行くことになった。一台のパソコンを買うのに大の男が4人も同行する理由はいまいちよくわからないが、まあこんなのもたまには楽しい。
いざMac売り場に到着し、機能もデザインも多彩なあらゆる機種を前にすると、ある程度買いたいパソコンに目星をつけていた岡井ちゃんの意志も揺らぎ始める。iBookとG4ノートの両方を持っている僕としては、多少の無理をしてでもG4を買うべきだと強く勧め、今のうちはG3で充分だと主張するNくんと激しく対立。還元ポイントの差に目を眩まされた格好になり、結局岡井ちゃんは予算オーバーのG4ノートを購入したのだった。同じ20万円の買い物でも、30歳の僕と20歳の彼女では金額の価値が違う。僕は彼女の年齢で20万円もする物を買ったことはなかった。一世一代の大きな買い物を指南した責任が僕にはある。しかし僕自身も正直なところ、まだG4ノートを完璧に使いこなしているとは言い難いのだった。
それにしてもここ1〜2週間で僕は何回ヨドバシ梅田に来たのだろう。7月5日(土)
絶好調のタイガースを応援するために、行ってきました甲子園!この日のためにタイガースショップであらゆる応援グッズを購入。金額にして12000円余りという買い物だ。抜かりのない準備で、ついに僕もあの熱狂を生で体験したのだった。
普通野球場というものは一塁側と三塁側で応援団が双方のチームに分かれるものだけど、甲子園のタイガース戦にそんな常識は通用しない。5万人で埋め尽くされた客席はぐるりと360度殆どすべてが阪神の応援団で、アウェーであるヤクルトの応援をしている人など100人もいないのではないか。タイガースが守備をしていても、ストライク一つ、アウト一つを取るたびに、ホームランでも打ったかのような大歓声。この雰囲気に圧倒されて敵ピッチャーがうろたえるのも無理はない。この日の試合も序盤にタイガースが大量得点。先発の藪が打たれて一時は逆転を許すも、取られた点はすぐに奪い返し、終わってみれば7点差の圧勝だった。
いつもテレビでしかその姿を見ない選手達を、肉眼で拝めるのはなかなか興奮するものだ。それに、内野ゴロの時の外野手や満塁の時のランナー達など、野球中継ではあまりテレビには映らないあらゆる選手を観察できるのもいい。ちょっと打たれ出すと汚い野次が飛ぶのは少々不愉快だが、それがタイガースの伝統なのだからしかたあるまい。今日はなかなか貴重な体験をした。7月4日(金)
BEAT SHUFFLEのゲストにJさん登場。予想通りのノースリーブ姿だった。LUNA SEAの5人の中では一番喧嘩っ早くて人情派、そして何より不良ロッカーというイメージが強かった彼だが、その実最も紳士なのも彼だったりするからおもしろい。若手のバンドマンなどは売れていなくても変に人見知りが激しいことが多くて、スタッフが打ち合わせをしようとしてもろくに聞いていないとか、変なわがままを言い出すとか、そんなふうに裏では手を焼くことも少なくない。しかしJさんは、学生アルバイトのスタッフに対しても、笑顔で真面目に接し、相手に決して悪い印象を与えない。それでいてこの人の周囲に漂う空気はちょっと普通の人とは違っていて、言葉にすると「男」と「ロック」の匂いがぷんぷんしている感じ。何年経ってもこの人には男ながらに惚れ惚れする。
7月3日(木)
昨日の話の続きになるが、OS Xになって使えなくなったのはアプリケーションソフトだけではない。周辺機器も大半がアウトになった。ずっと使っていた小型プリンターも、OS Xに対応したドライバが出ていない。パソコンを買い換えたからといって、壊れてもいない周辺機器まで新しく買いそろえるのはすごく悔しいが、プリンターだけはどうしても必要だ。
実際にいくつかの機種を調べてみて、最近のプリンターは高性能で値段が安いことに驚いた。値段、印刷速度、解像度など、それぞれに差があって、自分に合ったものを選ぶのは非常に難しい。僕の場合はあまり写真を印刷しようとは思わない。用途はどちらかというと仕事の書類のプリントだ。でも写真もそこそこきれいに刷れるに越したことはない。さんざん迷った結果、予備のインクを買っても合計で2万弱と、比較的安い機種に決めた。
AirMacカードは直ったし、iBookはきれいに初期化したし、プリンターも新しくなった。これで新パソコンもだいぶ快適な環境になったはずである。7月2日(水)
もう何度か書いていることだけど、OS XとOS 9はものすごく違う。両方で同じように動くアプリケーションは殆どない。だから使うソフトも変更を余儀なくされる。今一番困っているのがワープロソフトだ。僕が使ってきたのはすごく古いソフトで、だから当然今度から使い始めたのはそれよりもずっといいものだ。しかしそのぶん使い方は複雑になっている。ページのレイアウト、行間、表示の拡大…。この前まで簡単に出来ていたことができないというのは苛立たしいものだ。
シーケンスソフトCubaseも、OS Xに対応した新しいバージョン「SX」をインストールしたのだが、こちらも今まで愛用していたVSTとはかなり勝手が違っている。おまけにこちらは日本語のマニュアルがなくて、始終手探りで使い方を学んでいる状態。やり方がわからないことに直面するたび、メニューバーやボタンの一つ一つを試したり。簡単なジングルを作るにもかなり時間がかかってしまう。
OS Xの操作自体にはだいぶ慣れてきた。しかしそれぞれのソフトに慣れるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。7月1日(火)
あれこれと悩んだ末に昨日購入したROCK KIDSの番組プレゼントは、PS2用ゲームソフト「熱チュー!プロ野球2003」と、矢沢あいの「NANA」1〜8巻(7.8巻も含む)、そしてGLAYのTAKUROくんの著書「胸懐」の3種類。インドア派を公言しているこの僕が、リゾートグッズみたいなものを買ってくるのも何だかわざとらしいから、わざと「室内で楽しむ物」で統一。金額が一番高かったのは当然プレステのソフトだったが、最も応募が多かったのは「NANA」だった。全国で100万人近い人がすでに全巻を揃えているはずで、この漫画に興味のある人は大半が「もう持ってるよ」ってことになるだろうと思いきや、案外そうでもないらしい。男性からの応募も多く、中には「買いたいけど書店でレジに持っていくのが恥ずかしい」というメッセージも。そういう、自意識の強い時期が僕にもあった気がする。
今日のゲストは倉木麻衣嬢だった。去年の秋にHMVで彼女にインタビューする予定だったが、あの時僕はおたふく風邪で仕事を休んでしまった。夕方メールで3ヶ月間メールの交換を続け、ついに念願のご対面。30年生きてきて、今まで見た中で一番の美女だと思った。本気で。頭の大きさが、ソフトボールぐらい。
彼女は京都に住んでいる。「あなたの住んでいるところで、FM802の電波は入るの?」と聞いてみたところ、「入りますよ。よく浅井さんの番組も聞かせていただいてます」と言われた。おそらく社交辞令ではあろうが、ここは額面通りに受け取って自慢しまくることにしよう。へへ、やったね。
そんな彼女も「NANA」は読んでいるみたい。「おもしろいですよね」と。