
8月31日(火)
起きたら、昨夜の台風が嘘のような晴天が広がっていた。昨日なら各地で交通機関も乱れたようだが、今日の日帰りの東京出張には支障がなかった。
東京のホテルに全国各地の音楽業界関係者やディーラーを100人以上も招待し、9月15日に発売となるゆずのニューアルバム「1〜ONE〜」の試聴会なるものが行われた。新作を全曲フルコーラスで聞いてもらい、アルバムの魅力を全国の媒体の人間にいち早く伝えようという趣旨。アルバムのプロモーションとしてはめずらしい形だと思う。言ってみれば僕は、1枚のアルバムを聞くことだけを目的として、新幹線に乗って東京までやってきたことになる。しかしそれだけの価値は充分にあった。
1曲ずつ、歌詞を見ながらじっくりと堪能していった。シングル5曲を含む13曲。どの曲にも強い個性があり、時間が過ぎるのは早かった。もっと退屈するかと思っていたけど、たくさんの発見があって、以前よりもさらにゆずが好きになった。ちなみに、試聴後の公開インタビューでインタビュアーとして登場したのは、先日のGLAY特番でご一緒したライターの田家氏だった。
前作で原点回帰を試みた二人が、それを越えるべく次作に取りかかる時、「とにかく曲を書きまくる」ことから始めたという。その数十曲から選りすぐられた作品群は、確かに質が高く音楽の幅も広い。ボブ・ディランから始まって、モータウンもあればシンプルな弾き語りもあり、鼓弓やホーンなど使用した楽器も多彩。ジェット機が演奏するロックチューンも。歌詞のテーマもいろいろで、喪った人へのレクイエムや、同世代へのメッセージソングが目立つ一方、シンプルなラブソングもまたゆずらしくて爽やかだ。難しいことや大きなことは歌わない。数字の1と同じように、真っ直ぐでひねりのないアルバムだと思う。8月30日(月)
世界最大のスポーツの祭典が閉幕した翌日、日本中がその余韻を楽しんでいる。ROCK KIDSのメッセージテーマもそういう内容だった。番組が終わった後には、スタジオ前にいた他のいろんな番組のスタッフやDJともオリンピック談義に花が咲いた。オリンピックは夜中の放送が多かったから、印象的な場面の一つ一つを、ほとんどの人が一人で見ていたと思う。その感動について、誰かと話したいとみんなが思っているはずなのだ。あれがすごかった、これがおもしろかったと、話し始めると止まらない。オリンピックが終わって、テレビをつける気も起きなくなってしまった。本当に、楽しい2週間だった。
ところで今、窓の外はすさまじい暴風雨。庭の植木や裏の物置が風で飛ばされないかと心配でならない。家が揺れている。公園でビニールシートの家に住むホームレスの人達は大丈夫なのだろうか。いや大丈夫じゃないだろうな。8月29日(日)
OSAKAN HOT 100終了後、メガ神戸で開催されているRUSH BALLを見に行った。到着した頃には日が暮れかかっていたが、トリのBUMP OF CHICKENを含む最後の3組ぐらいは見ることができた。
野外フェスは「気持ちよさ」が一番大事な要素だと思う。心配されていた台風は意外に進みが遅く、この日のメガ神戸はきれいな青空に心地の良い風という理想的なコンディションとなった。観客エリアの後ろの方は芝生に座ってのんびり見ている人ばかり。その後ろには食品ブースが建ち並ぶ。星空の下でビールを飲みながら、遠くのライブを眺めるもよし、気に入ったら前に行って踊ればよし。そういう自由な雰囲気が好きだ。
食料販売ブースの端っこにDJテントがあり、メインステージのセットチェンジ中に、出演を終えたアーティストが皿を回していた。これが、時にメインステージよりも目立っちゃうぐらいの盛り上がり。最後のBUMPが始まる前にDJブースに登場したのはペンパルズの林氏だったようだが、始まるなりユニコーンを歌い始め、DEAD OR ALIVEだのXだのという、完全に「ヨゴレ」な選曲。後ろから見ている感じでは、客はみんな「曲は何だかよくわかんないけど、とりあえず盛り上がっとけ」みたいなノリで、とにかく楽しそうだった。こういうイベントって、アーティストも客も「難しいことは考えずに、楽しんだもん勝ち」なところがあるから、みんな異常にテンションが高い。ちなみにXは「オルガスム」というまったくもって意味不明な選曲だったが(まあ単に好きな曲なのだろう)、ダンスエリアにいた数百人の客の中でその曲を知っている者は5人もいなかったのではないか。「どうやらこれはXらしい」と理解した者が、サビのところで、両手を頭上に交差させて跳んだりしている。「違う!Xジャンプはこの曲じゃない!この曲じゃないんだよみんな!」と悔しがる僕だった。ああ爆寸が恋しい。
それにしてもメガ神戸はいいところだ。電車で行くとさすがにけっこう歩くらしいが、会場からわりと近い場所に駐車できるし、開放感も眺めもすばらしい。下が芝生だから敷物がなくても寝転がれるし、砂埃も舞わない。野外イベントはああいう場所がいい。8月27日(金)
昨日、日本武道館で行われたPIERROTのライブで、10月にリリースする新曲「MYCLOUD」が初めて披露された。その前のMCでキリトが語った内容を、BEAT SHUFFLE宛てに届いたリスナーのメールで知った。彼らがインディーズの時代に良くしてもらったという人物。「自分は地を這う蜘蛛だけど、空に浮かぶ自由な雲になりたい、翼が欲しい」と語ったその人は、今では本当に雲の上に行ってしまった。業界の醜い駆け引きのために信念を曲げるなというその人物からの忠告を思い出しながら、「MYCLOUD」は作られた曲らしい。そんな話を、彼は武道館のステージでしたというのだ。キリトはあえて名前は出さなかったようだが、どう考えてもhideのことだとわかる。
PIERROTのメンバーとの間で、hideさんの話をしたことは一度もなかったので、正直言って僕はけっこう驚いた。意外だった。彼らがhideさんを直接知っていて、影響を受けていたことも、そのhideさんに関係のある曲を作り、その話をファンに明かしたことも。僕の中で、PIERROTというバンド、キリトという男の、イメージからは少し遠いことだった。昔のPIERROTだったらしないことだと思う。
僕は新曲を聞いたわけではないが、この話はもちろん嬉しい。そういう曲を作り、こういうことをファンに話すのは、半端な気持ちでしてはならないことだ。彼らにはそれなりの自信と覚悟があったのだろう。今は「MYCLOUD」を早く聞きたい。8月26日(木)
友人から「(題名)ナナ読んだ?(本文)子供が子供が…!」というメールが届いた。そんなメールを読まされたらどうにも気になってしまって、書店で買ってしまった。クッキー10月号。齢31の男が、少女漫画雑誌を買い、電車の中で読む姿は、一般的に見て正常ではないだろうが、そんなことはもうどうでもいいというぐらいに、気になってしまったのだ。ナナとハチの再会がどうなるのか。
読み終えて、僕も友人と同じように、手当たり次第にメールを打ちまくった。それぐらい、驚く展開を見せていた。11巻までの進みがのろいという批判を受けてのことなのか、クッキーの売り上げアップ作戦なのか。ともあれ、絶妙なさじ加減で、読者に先のストーリーを予想させる。矢沢あいという漫画家は天才だと、初めて思った。
僕は11月号も買ってしまうのだろうか。このままオタクくん街道を歩き始めるのだろうか。とりあえず、ブラスト1st CD型メモパッドは宝もの。もったいなくて使えないわ。8月25日(水)
映画「スクール・ウォーズ HERO」を拝見。もう20年も前の名作ドラマを、なぜ今になって映画化する必要があるのか、今ひとつ腑に落ちないところだったが、見終えて納得。なるほどこれは新鮮かもしれない。
全26話が放送されたドラマを2時間の映画にまとめるのだから、ストーリーはかなり端折られている。ドラマにおける展開はノンフィクションと称するにはあまりに劇的で、まあそのありえなさがこのドラマの良さでもあったのだが、映画ではそのへんのありえない逸話を廃して、極力リアルに、実話に近い形で再現している。しかしやってることは全部ドラマと同じと思っていい。改心した不良少年が泣きながら先生と抱き合うみたいなシーンの連続。今の時代に、ここまでど真ん中ストレートに青春している映画って他にないと思う。
ドラマで山下真司が演じた熱血教師に、映画では照英が扮しているのだが、これがもうオリジナルの山下と見紛うほどのハマりぶり。不良を演じる若い役者も美少年揃いだが、関西弁の不自然さも手伝って、全員の演技が何だかぼくとつ。平たく言えば下手。それがまたドラマを彷彿させて良いのである。
難を言えば音楽。スクール・ウォーズといえば「HERO」。劇中、一番感動的な場面で、必ずあの安っぽいドラムの音色が流れ、それを聞けばほとんど条件反射で涙が出てきたものだ(これを聞け)。映画では同じ曲を大黒摩季がカバーしているが、イントロはあのドラムではないし、曲はエンドロールで流れるのみ。オリジナルのファンとしては、物足りなさを感じる部分ではある。8月24日(火)
残念ながら長嶋ジャパンは準決勝で敗退してしまった。好投の松坂は1点だけを許し、打線は1点を奪えなかった。とても惜しくて、悔しい負け方だった。このドリームチームが本当に好きだったから、最後まで勝たせてあげたかった。
金メダル獲得をほとんど宿命のように背負っていた彼らが、格下のオーストラリアに二度も負けた屈辱をやり玉にあげて、今回のオリンピック野球日本代表について批判的に論じるコラムなどがさっそく登場している。負けたら誰かが責めなければならないから、その役目を買って出ているんだとでも言いたげな文章だ。スポーツは、どんなに強いチームでも勝てるかどうかわからないからこそおもしろい。結果を理屈で論じることはばかげている。
ただし、オリンピックはやっぱりアマチュア同士で戦うべきだ、という意見には一理ある。サッカーがそうであるように、プロを含めた本当の世界一決定戦は、ワールドカップを開催して見せるべきだと。それは確かにそうかもしれない。数千人の客しか入らず、草野球みたいな声援が聞こえる中での戦いは、何だか見ていて安っぽかった。何もオリンピックという場にこだわる必要はない。野球の盛んな国だけでワールドカップを開催すればいいことだ。もちろん大リーグ選手はアメリカ代表となり、イチローやゴジラは日本の代表として出場する。日米野球のようなお祭りではなく、国の威信をかけた真剣勝負を見たい。8月23日(月)
女子マラソンを最後まで見たせいで、今日もまた心地よい寝不足。室伏のハンマー投げも見たかったが、僕は睡魔に負けてしまった。起きたら、彼は銀メダルだったというではないか。僕が見ていない時はどうして金メダルを取れないのか。今大会、ここまで陸上男子が振るわないのはとても残念だ。
ROCK KIDS 802でBUMP OF CHICKENがゲストに登場。作詞家として僕が今最も注目している人物が藤原基央である。新作の「ユグドラシル」は2週間ほど前にサンプルをもらい、すでに殆どの曲の歌詞を覚えた。佳曲揃いの名作である。一つ一つの楽曲について、聞きたいことは山ほどあったが、あいにくそれほど時間はないし、メンバーを全員迎えている時にする話でもない。小難しい話はジャパンにでも任せるとして、ROCK KIDSはリスナーの質問を元に、徹底的に遊ぶ内容だった。これはこれで、楽しかったと思う。
あんな奥の深い詞を書くわりに、彼らは見るからに平凡な若者達だ。近寄りがたい威圧感もないし、内向的で暗いという印象も与えない。BUMPの詞を読んで多くの若者はその意味を考え、自分の生き方の参考にしているに違いないが、書いている本人がその影響力をどこまで自覚しているかはわからないし、そういう存在になってしまっていることに戸惑いもあるのかもしれない。とはいえ、凡人には絶対に書けないと思えるようなあの言葉の数々が、今目の前にいるこの男の脳から生み出されたのだと思うと、僕は多少の緊張をせずにはいられなかった。8月22日(日)
番組後、来週のROCK KIDS 802でゲストに決まっている光永亮太くんと会った。四角いテーブルを囲んでの中国産卓上遊技。半荘4回という短い戦いだったが、僕は2位、3位、4位、4位で惨敗。最後の2回はともに光永くんに振り込んで飛ばされた。早い順目でわりといい待ちの聴牌ができたからと思ってリーチをかければ追っかけられて振り込み、ダマで張っても当たり牌はいっこうに出て来ないという情けない状態で、焼き鳥を逃れるのが精一杯だった。まあこういう時もある。しかしながら、光永くんは非常に弱いので手加減をするようにと事前に聞かされていた僕としては、プライドも何もズタズタである。これはいずれリベンジをしなければなるまい。ちなみに、先日、プライベートなネタで世間の注目を浴びた彼だが、その話はしなかった。ということにしておく。
8月21日(土)
ここ1週間、陽が暮れてから自宅にいる時は、ほとんど常にオリンピックを見ている。信じられないようなペースでメダルを量産し続ける日本選手だが、僕はここまで、金メダル獲得シーンを一度も見逃していない。
注目する種目は人によっていろいろあるだろうが、僕が最も楽しみに見ているのは野球だ。プロ野球が好きな人間にとって、長嶋ジャパンはまさにドリームチーム。上原と松坂、岩隈、和田の4人が同じチームにいるというのだから、たとえ大リーグ選抜のアメリカが出てきても負ける気はしない。打線は打線で各球団の主力バッターが名を連ね、上位も下位もない。どこからでもホームランが狙える長距離砲揃いのラインアップだが、その中で、唯一の地味なバッターともいえる阪神の藤本が、ホームランを含む多くのヒットで勝利に貢献し続けているのは非常に嬉しい。
今日は台湾を相手に、序盤からリードを奪われる非常に苦しい戦いだったが、福留がファインプレーで流れを引き寄せ、不調だった高橋由伸の派手な一発で形勢が逆転した。まさに日本を代表する一流の野球選手達が、国の威信を賭けて戦う姿は壮絶で、鬼気迫るものがある。プロ野球選手がこんなにかっこよく見えたことは過去になかった。
ベンチで語り合う選手達の様子を見ていると、チームとしての一体感も成長したのがよくわかる。オリンピックが終わった後、代表チームはまたバラバラになり、互いにペナントレースを戦うことになるだろう。このチームでの戦いが見られるのもあと3試合だけ。そう思うと、とても寂しい。最後の試合は、結果がどうあれ、泣いてしまうと思う。8月20日(金)
発売中の音楽雑誌「ワッツイン」で「夏に効く音楽大解剖」という特集を組んでいる。暑い時季に聞くと、テンションが上がる音楽とか、涼しい気分になれる音楽について、いろんな業界人がコメントしたり寄稿したりしている内容。前月号にL'Arc-en-Cielのミニライブレポを載せてもらった縁で、僕にもCDセレクトの依頼がきたので、僭越ながら僕も2枚、「夏に効くCD」というのを選ばせてもらった。で、選んだのが押尾コータローと、例によって犬神サーカス団。だって効くじゃん。涼しくなれるじゃん。
ラジオ局で働く立場の人間が選んだのが、インストとエンタメホラーバンドの2枚で許されるだろうかという思いもあったが、何とかボツにはされずに済んだ模様。見本誌を拝見したら、しっかり僕のセレクトもジャケ写入りで掲載されておりひと安心。しかし、もうコメント依頼は来ないような気がしている。8月19日(木)
ここのところちょっと運動不足ぎみなだけでなく、毎晩オリンピックばかり見ているせいか、妙に腰が痛い。ホッケーでもして痛みを解消しようと思っていたがあいにくの台風。これはきっと神の思し召しと判断し、部屋の片づけをすることにした。
僕はよく「几帳面そう」と言われる。自分でも、どちらかというとそういうタイプだと思う。居間とか洗面所とか、複数の人間で共用する場所に関しては徹底的にきれい好きだ。スタジオや打ち合わせスペースも、散らかったまま去るのは許せない。しかし、散らかっていても誰にも迷惑をかけない場所、すなわち自分の部屋だけはダメ。一つ何かを片付け忘れたまま放置したら、その上にどんどん物が積み重なっていき、やがて何がどこにあるのかさっぱりわからなくなってしまう。今日はもう限界だった。
好きなCDを流しながら掃除をするのは案外楽しい。行方不明だった物が次々に発見され、床も机もすっきり。天気がよかったら掃除なんかできなかったな。雨よありがとう。8月18日(水)
夏休みの間、学校の授業はもちろんないのだが、体験入学イベントがある。いわゆるオープンキャンパス。来年度以降に入学を希望する高校生などが、学校へ見学に来る。今日学校に来てくれた高校生の一人は、僕が以前ROCK KIDS 802でかけた「クジラ」を聞いてCORE OF SOULのファンになったという。「クジラ」のストーリーを紹介して、あの曲をかけたのは、もう2年近くも前のことだ。確かに驚くほどの反響があったが、あの日の放送を今でも覚えてもらえているのはとても嬉しい。
そして今日、たまたま入ったお店の有線で「PURPLE SKY」が流れた。早く新曲も聴きたいなぁと思いつつ、帰りの車でちょっと久しぶりに「3」を聞いた、コアオブな一日。8月17日(火)
神戸チキンジョージへSEX MACHINEGUNSのライブを見に行った。第4期を旗揚げして最初のツアー。僕がこのメンバーになってからのライブを見るのは、先日、なんばハッチで行ったファンクラブ会員向けのお披露目ライブ以来、二度目になる。演奏のテクニックは過去最強といわれるラインアップだけに、速い曲でも出色の安定感を見せた。新加入のKENJILAWの、MCにおけるテンパり加減も板に付いてきて、第4期としてのバンドカラーが明確になりつつある。新曲も2曲ほど披露。中でも「出前」という曲が気になった。男性客がまた増えた気がする。というよりも、ルックスや話題性から飛びついたミーハーな女性ファンが離れたせいでそう見えるのだろうか。コアファンだらけの閉鎖的なライブ、という印象はすでになくなった。硬派のヘビーメタルバンドとして正当に評価されるかどうかは、今後の活動にかかっている。
8月16日(月)
僕が生まれたのは、ミュンヘンオリンピックで世界が沸いている時だった。産婦人科のテレビで、母は東洋の魔女の活躍に熱くなったという。その僕が生まれて初めてオリンピックをリアルタイムで楽しんだのが84年のロス五輪。体操の具志堅や森末が金メダルを獲得した瞬間の感動は、今も鮮明に覚えている。そして今年、日本が体操競技で20年ぶりの金メダルに輝いた。団体での頂点は28年ぶりのことらしい。
決勝は夜中の2時半に始まった。明け方まで続くのがわかっていたので、早い時間に寝て仮眠までとって見た。その価値はあった。最後の鉄棒を残して上位3チームは僅差で並び、失敗した者が脱落するという、精神面の強さを競う展開。首位のルーマニアが痛恨の落下で後退し、3位アメリカもミスを連発。最後の日本は、普段通りの演技をしさえすれば勝てるという状況になった。しかし見ている側はまさに胃が縮む思い。リレハンメル五輪のスキージャンプで原田が最後のジャンプを失敗した映像が脳裏をかすめた。僕は画面を正視できないくらいに緊張し、心臓も痛いくらい高鳴ったが、日本選手の演技は平常心そのものだった。3人とも最後の最後でこの日最高の演技を見せ、結果的には圧勝。土壇場で見事な集中力を見せて突き放した日本を、敗れたルーマニアやアメリカの選手が笑顔で祝福しているのは実に美しい光景だった。
明け方というのに、大声で雄叫びを上げて泣いてしまった。スポーツでこんなに感動したのは初めてかもしれない。起きていてよかった。どんな映画やドラマより、オリンピックはおもしろい。8月15日(日)
オリンピックが開幕して、さっそく睡眠不足の日々が始まっている。世界の隅々から、いろんなスポーツの選手が集まって、それぞれに世界一を目指す。どの選手も、アテネに来るまでに自分なりのドラマがあるはずで、勝負を終えた時の表情から、そのドラマが垣間見える。初日から日本選手のメダルラッシュが続いているが、敗れた外国人選手の涙もまた美しい。
オリンピックといえば大抵の場合、ひどい寝不足に悩まされる。しかし今回の場合、アテネと日本の時差は6時間。現地で昼から夕方までに行われた競技が、日本で夜、いわゆるゴールデンタイムに放送される。現地時間で夜の場合、日本では真夜中過ぎということになるが、明け方や午前中に行われるよりはよほどいい。新聞社は結果の速報を朝刊に間に合わせるために大変だろうが、もともと夜型人間のスポーツファンとしては理想的な時差といえる。今大会はいろんな種目を楽しめそうだ。8月14日(土)
世間はお盆休みのまっただ中。今日は朝からキャンプに出かけたが、中国道はひどい渋滞だった。
兵庫の山奥でのキャンプだった。子供が所属するホッケーチームの合宿で、大人と子供を合わせて人数は80人近い。その人数でのバーベキューは豪快そのもの。半畳分ぐらいはありそうな網を3枚。食材は袋を逆さまにしてゴロゴロと撒いていく。木炭もいい具合に燃え始め、肉がうまそうにこんがり焼き上がった頃、ポツポツと雨が降り始めた。そして30秒もしないうちにどしゃ降り。すぐに降り止むスコールだと思って待っていたが、いくら待ってもいっこうに上がる気配すらない。バチバチとテントを打つ滝のような雨が1時間以上も降り続き、みんな服を着たまま泳いだようなずぶ濡れになってしまった。肉も野菜もびしょ濡れ。途中から屋根のある場所へ移動して再開した。
天気は最悪だが、雨が降るとかえってテンションが上がるのはバーベキューも野外ライブも同じ。大勢で狭い場所に集まって、ずいぶん盛り上がった。そのまま風呂にでも入って、夜はテントで飲みたかったところだが、翌日が番組なので僕は一人で先に帰路についた。帰りは帰りで、Uターンの渋滞の中を。8月13日(金)
一昨日発売された「NANA」の11巻。今回も発売日に購入して、いろんな友達とメールで感想を語り合おうとしたが、僕より先に読み終えている人はほとんどおらず、今日になってようやく返信が来始めた。総じて展開ののろさを嘆く声が多い。内容は濃くてストーリーの進展はあるのだが、時間としては1冊で2週間も進んでいないのではないか。まだ2001年の10月。このペースではどんどん昔の話になってしまう。
バンドの世界の裏側が、あいかわらずリアルに描かれていて興味深い。ブラストのゲリラライブのシーンなどは本物の映像を見ているような興奮さえ覚えた。しかしテレビ局の駐車場で、メンバー車の中でミュージシャン同士がセックスというのは、いくら何でもありえない。「腹上発射したのか?」とか「ティッシュはあったのか?」といったリアルな心配事が頭に浮かんだのは僕だけだろうか。いずれにしろ、少女漫画とは思えないアダルトな方向へ進んでいるのは確かだ。性描写はともかく、麻薬のことをあんなふうにレクチャーしてしまうのは教育上問題ないのだろうかと心配になってしまう。
あれこれ物議を醸しつつ、続きが気になって夜も眠れない。いい歳してクッキー買っちゃうかも。8月12日(木)
エキスポランドの期間限定お化け屋敷「八つ墓村」に行ってきた。毎年夏恒例の、プロの役者が演じるお化け屋敷。四谷怪談やバイオハザードなど、過去にもあらゆるホラー作品がテーマになってきたが、今年は僕の大好きな金田一シリーズが題材になっていることもあり、ずっと楽しみにしていた。
八つ墓村の忌まわしい物語は、戦国時代に遡る。村に住み着いた8人の落ち武者を、褒美に目が眩んだ村人が殺したことで、村が代々呪われる話。狂った村長が村人を7人殺して自殺。祟りを恐れて落ち武者の霊を供養し、八つの墓を立てたことで八つ墓村と呼ばれるようになった。しかし祟りは終わらない。数百年後にはその村長の子孫が32人を殺し、そして30年後、またも連続殺人が村人を襲う…。
お化け屋敷は、その恐ろしい祟りの物語をなぞる形で展開していく。しかしそのストーリーを理解する余裕などまるでない。ただひたすらに、怖いだけ。あちこちにお化けのメイクをした人が潜んでいて、脅かしてくる。お化け役の役者と同じぐらいの数の人形がそこここに横たわっていて、一見しただけでは見分けがつかない。近づいても動かないから人形だろうと安心して通り過ぎたところで突然、後ろから奇声を発しながら追いかけてきたりするからたまらない。いかにもお化けが飛び出してきそうな祠なんかもあるが、来るとわかっていても、飛び出してきた瞬間にやはり泣くほどびびる。おののいて後ろの壁に激突すること数回。外に出てしばらくしてから、肘にケガをしていることに気づいた。出血。びびりすぎて。
ちなみに、中に入る前の説明で、「どうしてもダメだと思った時は、手を挙げて、大きな声で『リタイア!』と叫んでください」と言われる。そういう人がいた場合、どう対処するのか興味があるところだ。8月11日(水)
BIG CATで、久しぶりにLaputaのライブを見た。彼らは現在行われているツアーをもって、活動の停止を発表している。「ALKALOID」から「MASTER」という爆寸のような序盤の流れ。その後はこれまでのLaputaを総括するセットリストになっており、東芝に在籍した時代のシングル曲はほとんどが披露された。「揺れながら…」や「meet again」、そしてデビューシングルの「硝子の肖像」など、久しく聞いていなかった曲の数々を聞いて、V-ROCK時代のいろんな思い出が脳裏に蘇った。ヘビーメタルの流れをくむサウンドとゴシックテイストの歌詞やビジュアルで、暗黒系バンドの先鋒として96年暮れにメジャーへ進出したLaputa。多くのライバルバンドが失速していく中で、打ち込みを多用したデジタルロックへ徐々にシフトし、一定のセールスと動員を維持し続けた。そんな彼らの変遷を感じるライブは実に見応えがある。ビジュアル系の進化の仕方はバンドによってそれぞれだが、Laputaの選んだ道は誰の真似でもなかった。その世界観のかっこよさをあらためて実感できる、楽しいライブだった。
長い付き合いのバンドだから、思い入れのある曲も多い。秋の爆寸での選曲は大いに悩むことになりそうだ。8月10日(火)
話題のタイ映画「マッハ!!!!」を拝見。世界最強最速と言われる格闘技、ムエタイを扱ったアクション映画だ。ワイヤーアクションやCGを駆使して、現実の世界ではありえない華麗な動きを見せるアクション映画が多くなってきたが、その流れに逆行するように、すべてを生身の肉体だけで演じているところがこの映画のウリ。僕らぐらいの世代が幼い頃に誰しも夢中になった、ジャッキー・チェンのカンフー映画を彷彿させる。
主演のトニー・ジャーがとにかく凄い。両足が燃えているのに格闘したり、崖下に転落していく車から飛び降りたりと、危険なシーンのてんこもりだが、スタントマンを一切使っていない。見せ場の格闘シーンも、キックやパンチが明らかに当たっており、本当に痛そう。受けている方の役者もよほどの訓練を積んでいるのだろう。とにかく真剣勝負で身体を張っている役者達の根性に脱帽。
ちょっと凄いシーンになると必ずスローでもう一度見せるのが時折鼻につくし、ストーリー自体は稚拙で、スクリーンから漂う雰囲気はB級映画の域を出ていないと言わざるを得ないが、小細工を排した命がけのアクションは、安全を重んじるあまり、撮影技術に頼りすぎている昨今のハリウッド映画に対する強烈なアンチテーゼだ。
このページ(メニューの右から二番目「マッハ!ここが凄い!」→「炎キック篇」)でその命がけぶりを確認されたし。僕が小学生の時にこれを見ていたら、ムエタイを習いたいと思ったかもしれない。8月9日(月)
最近、寝室のエアコンが動かないことがある。日によって動いたり動かなかったりする。動く日は快調に、正常に作動するところを見ると、問題があるのはどうやらリモコン。リモコンさえ交換すればきっと直る。しかし10年近くも前に購入したエアコンなので、今もその機種のリモコンが買えるかどうかはわからなかった。メーカーに問い合わせたら、今でも扱っているから電機屋で注文すれば手に入るとのこと。ひと安心。
テレビでもビデオでも、本体に最低限のボタンがついているものだ。エアコンは、リモコンがないと一切操作ができない、数少ない(ひょっとすると唯一の)電化製品である。蒸し暑い日に部屋が散らかっていて、エアコンのリモコンが見つからずにイライラしたという経験があなたにはないだろうか。あの高価で大きな機械の運命を、ちんけなリモコンが握っている。リモコンの乾電池がなくなったら、エアコン自体が動かなくなる。けっこう不安な構図だ。一応本体の横にも、ある程度操作できるボタンをつけるべきだと思う。
まあ僕は基本的にエアコンはつけない派なんだけど。窓を開けて寝ると蝉の声がうるさくて明け方に起きてしまうので仕方なく、少しだけ冷房をかけながら寝ている今日この頃。8月8日(日)
朝の5時すぎに起きて、大阪へ向かう。夏休みということもあって、東京駅は早い時間からけっこうな人出だった。3時間ぐらいしか寝ていないため、ちょっと気を抜くと睡魔に襲われるような状態で、スタジオに入った。睡眠不足で4時間の放送はけっこうしんどい。体調のことも考えて、サマソニに行くのは断念した。
6日ぶりに帰宅し、パソコンを開いた。メールを受信したところ、600通を超えるメールが届いていた。そのうち、メーリングリスト以外で削除対象にならなかった、僕個人宛てのメールは2通。つまり95%ぐらいがジャンクメールとウィルスメール。大事なメールをうっかり削除してしまわないように、件名と差出人を確認する必要があり、これがとにかく面倒。休みから帰ってまず最初にするのが、迷惑メールの削除というのも、何だか情けない話だ。8月7日(土)
今日は実家でのんびりして、夕方ぐらいに大阪へ帰るつもりだったのだが、どうしてもサッカーの試合が生で見たくて、泊まることにした。土曜の夜に泊まると、日曜の朝が辛いのだが、それも覚悟の上で。
サッカー・アジアカップ決勝戦。予想以上の壮絶なブーイングにもめげず、日本は冷静な試合運びで快勝し、連覇を決めた。客席から理不尽な非難を浴び、腹の立つことも多々あっただろうに、感情を一切殺して、あくまで紳士的にプレイをし、しかもしっかり試合に勝つその姿は実に立派だった。
それにしても、試合後の後味の何と悪かったことか。審判に抗議して、中国は表彰式に出なかった。反日感情だか何だか知らないが、試合に負けたことを審判の誤審のせいにするのはスポーツマンとして愚の骨頂。日本人から見れば、あの試合の審判は明らかに中国に対して甘かった。それに抗議する日本人選手は一人としていなかったというのに。
それにしても、一部の中国人の日本に対する意識には恐ろしいものがあると思い知らされた大会だった。過去に日本が中国を侵略したことは事実だが、サッカーの日本代表選手には何の関係もない昔の話であり、試合後に日の丸を焼いた若者達もまた、直接的に侵略の被害を受けた年齢ではもちろんない。つまり中国の若者が日本に対して抱く憎しみは、幼い頃からの教育と偏った報道によって、反日感情を脳みそに擦り込まれた結果ということ。憎しみという感情の根深さを感じずにはいられない。
いずれにしろ、国家間の歴史とスポーツを切り離して考えるべきなのは言うまでもない。何が代理戦争だ。サッカーは球技としては面白いが、国と国の威信をかけたりするのは実にバカバカしいと思う。たかがボールの蹴り合いじゃないか。8月6日(金)
沖縄から羽田へ帰り、直接大宮のスタジオに向かう。生番組を休もことはしないが、一日も無駄にせずに遊んでやろうというこの意欲。
沖縄に着いた日、こんなことがあった。BEAT SHUFFLEの前に放送されている「OLEっち」という番組でもお馴染みの、アウトレットモール「あしびなー」でお昼ご飯を食べようとしたときのこと。沖縄そばを注文したら、カウンターの中にいたおばちゃんが僕を見て、「あ!あなた有名人でしょ!」と言う。沖縄でデジネバが放送されているわけもないので、意味がわからずにキョトンとしていたら、「わかった!スキーの人!」と嬉しそうな表情のおばちゃん。ああ、荻原健司のことか。「よく似てるって言われますけど、全然違いますよ」とすぐに否定したが、「あら。ごめんなさい」。しかしこれで会話が終わらない。一瞬間を置いてから、合点がいったという顔で、「あ、弟さんの方?」「いや、だから違いますって。(弟さんもスキーの人だと思うが)」「うそ。絶対そうよぉ」「違うってば。本人だったら別に隠さないでしょ!」一生懸命否定する僕をまるで信じる様子はなく、おばちゃんは他の従業員にまで、「ほら、あの人。スキーで有名な…」とか耳打ちして広めてしまう始末。そのうちサインでも求められそうな気配だったので、「本当に。違うから」と言い置いて、沖縄そばの載ったトレーを手に僕は退散した。
似ていると言われたことは何度もあるけど、間違われたのは初めて。ああいう時は、どうしたらいいのだろう。サインでも書いてあげればよかったのか。ともあれ、似ているのが、好感度の非常に高い荻原さんであったことはラッキーだ。8月2日(月)
明日から、僕は夏休みに入る。沖縄で3泊。僕も年に一度ぐらいは人並みに旅行がしたくて。
ただし仕事を休むわけにはいかない。火曜から木曜までの間に入っている仕事は、とりあえず休みの前にずらしてもらう。今日はROCK KIDS 802の後にOSAKAN HOT 100の準備をし、それから移動してデジネバの収録を行った。深夜に帰宅してから急いでこの日記を書いている。
国内旅行は携帯が使えるのがいい。もし何か起こっても、容易に連絡はつくので安心できる。気がかりなのは、パソコンから1週間近くも離れること。別に大したメールは来ないだろうけど、最近は一日に100通ぐらいのジャンクメールが来るのだ。旅から戻ってまず最初にすることは、何百通というジャンクメールを削除する作業だと思うと、それは何だか今からうんざり。8月1日(日)
GLAYファンのリスナーも僕も、昨日の余韻に浸るばかりの一日。番組のbbsは別のテーマがあったのに、書き込みは昨日のEXPOの感想ばかりだった。新聞各紙でも昨日のライブの様子を報じていたが、やはりどの記事も、何人集まって、制作費がいくらかかって、といった数字を機械的に伝えるばかり。主観を加えないことが報道の姿勢なのだから当然といえば当然だ。別に事件や事故が起きたわけでもないロックバンドのコンサートについての記事を、一般紙が写真入りで載せるのだから、それだけでもイベントの巨大さをあらためて実感する。
数字であのイベントの「すごさ」は伝わるかも知れない。でも「素晴らしさ」は絶対に伝わらない。番組に届く感想のメッセージには、ステージの大きさやパフォーマンス、特効などの演出についての文言はほとんど見受けられなかった。オープニングのムービーにしたって、手間もお金もかなりかかっていて、ファンも充分に楽しんだはずなのに、それについて触れているメッセージは一つもない。記者会見でTAKUROくんは、「エンタテインメントの聖地であるユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、日本のコンサート技術の最高峰のものを見せたい」と豪語し、その言葉に恥じないスケールのロックショウを彼らは実現したと思う。しかし終わってみれば、何千万、何億の金を費やした特効や演出よりも、メンバーの流した数滴の涙が観客の心には残るのだ。
お金をかけるだけのライブなら、GLAYでなくても出来る。高さ40メートルの巨大なセットも、数え切れないほど上がった特効の花火も、スタントやパフォーマンスも、EXPOを盛り上げるための余興に過ぎなかった。料理に例えれば調味料と付け合わせぐらいのもので、皿の中央にでんと載っているものはGLAYという名の分厚い肉の塊なのだ。どんな調味料がかかっていて、横にどんな付け合わせがあったのかなんて忘れてしまうくらい、素晴らしい味の肉だった。そういうことだと思う。
僕も自分の番組を通して、僕なりに昨日のイベントの「素晴らしさ」を伝えようとするのだけど、途中から、どう頑張って無理だという気もしてきた。そもそも言葉で表現できる種類のものではない、と言ってしまっては身も蓋もないだろうか。今はただ、10万人の一人として感動を共有できたことを誇りに思う。