
9月29日(水)
近鉄バファローズが長い歴史にピリオドを打ち、いろんなテレビ番組が、過去の近鉄球団の名場面を繰り返し放映している。最も劇的とされるのは79年の「江夏の21球」のようだ。広島との日本シリーズ最終戦、1点を追う9回裏、無死満塁という圧倒的有利な状況から、江夏の投じた21球に没して日本一を逃した。僕は残念ながらこの伝説の試合をリアルタイムで記憶していない。僕がよく覚えているのは、88年の「10.19」だ。今思い出しても涙が出そうになるくらい、壮絶な試合だった。
ロッテとの最終戦。ダブルヘッダーで連勝すれば、西武をかわして逆転優勝。このプレッシャーのかかる試合で、第1試合でサヨナラ勝ち。2試合目は延長までもつれ込んだ末に引き分けた。近鉄ファンでなくても悔し涙が出るような名勝負。テレビ朝日が急遽ドラマの放送を中止し、劇的な試合を生中継していた。あの日の映像をあらためて見ると、別に近鉄のファンでなかった僕も、やはりそれなりの感慨がある。
今シーズンから北海道日本ハムに入団したSHINJOは、高らかに「これからは、パリーグです」と言い放った。スター性のある選手はパリーグの方が多い気がする。パリーグの人気が出ないのは、要するにテレビ中継がないせいだ。地上波の民放キー局は全国どこへ行っても巨人戦しか中継しない。パリーグのオーナーがしきりに1リーグ制を唱えるのも、巨人と試合がしたいから。しかし、関西に住んでいる僕に言わせれば、巨人の一党独裁時代はとうに終わっている。巨人戦が金になると思っているだけ浅はかだ。
ケーブルテレビや衛星放送の普及率が高まり、さらにインターネットでのライブストリーミング技術が進歩すれば、どのチームのファンでも生中継が見られるようになる。阪神はそうやって巨人に対抗できる人気を獲得した。冷静に考えると今の阪神なんて地味な選手ばかりで、巨人のようなスター選手集団とはずいぶん異なる。地元に愛されるチームになれば、必ず球場は埋まるのだ。楽天やライブドアの社長が目指しているのも、結局はそういう球団なのだろう。
一つの球団を犠牲にして球界を変えようとするなら、失敗は許されない。来シーズンの巨人戦のテレビ中継がなくなることを祈りたい。9月28日(火)
今年のカンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した韓国映画「オールドボーイ」を見た。拉致され、15年間監禁され続けた中年男。何の理由で監禁されたのかもわからぬまま、突然解放された彼は、見えない敵への復讐を開始する。
日本の青年漫画を原作としており、思っていたよりもかなり過激なバイオレンスと性描写が頻出する。「殺人の追憶」に似た、非常に暗い雰囲気の漂う作品。誰が監禁したのか。なぜ監禁したのか。そして、なぜ解放したのか。凄惨な暴力を重ねながら、一つ一つの謎を解いていく。この映画の最大の売りは「衝撃的な結末」であるらしい。だから観た者はそのラストについて厳しい箝口令が出される。確かに最後の急展開には大いに驚かされた。
決してハッピーな映画ではない。というよりも非常に重い気分にさせられる。9月26日(日)
番組終了後、ZEPP OSAKAへBUMP OF CHICKENのライブを見に行った。ニューアルバム「ユグドラシル」は、目下のところ今年一番よく聞いているCDだ。そのアルバムに収録された曲を、生で聞ける日がようやくやってきた。
このバンドのライブはテンポがあまりよくない。曲の連発をほとんどせず、1曲終わるごとに数十秒のインターバルを置くせいだ。たたみかけるような盛り上がりが欲しい場面では、上がりかけたテンションをそれによって殺がれるところもある。しかしそうやって「溜め」を作るぶん、曲が始まった瞬間の感動は大きい。ピンスポを浴びた藤原がアドリブでギターをかき鳴らし、それを食い入るように観客が見つめる。そして唐突に、「何回転んだっていいさ」と歌い始める。ファンにとってはたまらない一瞬だろう。
ライブ後、メンバーに挨拶をした時、大物らしい風格とかオーラを感じなかったのはこの間と同じ。しかしステージではやはり途轍もなく大きく見えた。9月25日(土)
フェスティバルホールで、Janne Da Arcのライブを見た。伝統のあるこのホールでJanne Da Arcを見るというのも何だか新鮮。やや違和感を感じるところもあるが、やはり音響の良さは文句のつけようがない。
Janne Da Arcのツアーは1年ぶり。僕は春のコピーバンド大会でも彼らのライブを見ているが、本編は初めてライブで聞く新曲がほとんど。フロントマンとしてのyasuの成長ぶりに驚かされるライブだった。歌唱力もさらに上達した気がするし、パフォーマンスもまたかっこよくなった。最前列の女の子の頭を抱えてワンフレーズ歌っていたのが印象的。ファンなら失神しかねないようなサービスだ。外タレみたい。彼は最後に着ていたTシャツを客席に投げたが、露わになった上半身の筋肉の美しかったことよ。あれだったら脱いでキャーキャー言われたくなるのもうなずける。ハードロックは肉体美が大事。9月24日(金)
以前、「じゃんけん」とか「グッパー」、「どちらにしようかな」などの言い方をめぐって、周囲の人と論争を巻き起こしたことがあった。育った地方によって多様なバージョンがあり、馴染みのないものを聞かされて驚いたりしたものだが、最近、僕の周囲でまた新たな論争が勃発した。それが「あんたがたどこさ」。子供の頃に誰もが一度は歌う、手鞠唄である。問題は、唄の最後の部分。「煮てさ、焼いてさ、食ってさ。それを木の葉で」の後、人によって違うということが、突如判明したのである。僕は「ちょいとかぶせ」だったが、人によっては「ちょいと」が「ちょっと」だったり、「かぶせ」が「隠せ」だったり、「おっかぶせ」だったりと何種類かある。「隠せ」は他にも、「隠そ」「隠し」「隠す」とすべての活用形が存在するらしい。地方によって違うというものではなく、大阪だけでも何種類もあったりするというから不思議だ。こういうのは、どれが正解というものではなくて、伝言ゲームのように各地に伝わりながら徐々に変化していった結果なのだろう。
日本全国どこで歌う人も「ちょいとかぶせ」だと思い込んでいた僕としては、軽い衝撃を受けた。幼い頃から蓄積されてきた常識というものは、意外に脆い場合もある。9月23日(木)
昨夜は番組の打ち上げで、かなり深い時間まで飲んだ。ちょっと二日酔いぎみの一日。最近、酒が翌日に残ることが多くなった気がする。
1次会で喋り疲れた後は、遊ぶに限る。2次会で行ったバーには、ビリヤード台やダーツなど、遊べるゲームがいろいろと置いてあって、ほろ酔いのスタッフ達が大声をあげて熱中していた。ビリヤードにしろダーツにしろ、よほど練習を積んだ人でない限り腕前は似たり寄ったりだから、こういう時にはよく盛り上がるものだ。僕もいろいろ遊んだけど、この日一番おもしろかったのはフーズボールだった。人形が串刺しになった棒をくるくる回して、ボールを入れ合う定番のテーブルサッカーゲーム。昔、僕の好きだった小説に出てきたりして、ちょっと憧れていたゲームではあったが、あんまり面白そうに見えないから今までやったことがなかった。しかし始めてみると、けっこうあのシンプルさがクセになる。続けざまに4試合ぐらいやったら、右の上腕筋がパンパンに張っていた。けっこういい運動になるらしい。あれ、欲しいかも。9月22日(水)
先日、ゴスペラーズの北山くんにインタビューした時(まだ放送されていない)、彼が最近読んでいる本の話になった。ノンフィクションばかりを読んでいるようだから、「小説は読まないの?」と聞いたら、「ツアー中はノンフィクションしか読まないようにしている」と言う。理由は、小説だと続きが気になってやめられなくなるからだそうだ。なるほど、その気持ちはよくわかる。変に熱中するミステリーなど読み始めてしまうと、睡眠時間はどんどん削られてしまうものだ。体調管理が大切なツアーの最中に、そんな状態になることは好ましくないだろう。
今日、電車の中で本を読んでいたら、もう少し、あと40ページぐらいでその小説が終わるというところで、目的地の駅に着いてしまった。物語はラストの急展開が始まったところ。やっと犯人が明らかになり、主人公がピンチに立たされながら戦っている。そんな場面に差し掛かった時に、目的地に着いたからってパタンと閉じて鞄にしまえるはずがない。まして特に急いでいるわけでもなかったので、僕はホームに降り立つと改札へは向かわず、近くのベンチに座って続きを読み始めた。それから30分ぐらいはそこにいたと思う。その間、何台もの電車が、目の前に止まっては出て行った。そういえば高校生だった頃に、同じような「駅読み」をした記憶がある。
面白いことに、ホームのベンチで僕の隣に座っていた女性も、電車に乗ることなく熱心に文庫本を読みふけっていた。電車が行った後、誰も居なくなったホームで、ベンチに並んで本を読んでいる二人。向かいのホームにも、ずっと座って漫画雑誌を読んでいる男性がいる。「駅読み」って、僕が思っているよりもポピュラーなのだろうか。喫茶店かどこかに入った方がずっと落ち着くのだろうけど、そこまで移動する時間すらもどかしい状態。北山くんの言うとおり、忙しい時に読む本は、ジャンルを選んだ方がいい。9月21日(火)
先週に引き続き、802の連中とテニス。と思ったのだが、始めて20分もしないうちに雨が降ってきた。自分が雨に濡れるのは別に気にならないが、ハードコートがツルツル滑って危険なので、やむなく中止になった。せっかくスポーツをする気満々で準備してきたのに、この程度の運動量では身体が満足しない。他の連中も口々にそう言うので、オートテニス(テニス版のバッティングセンターみたいなもの)と、隣接のバッティングセンターでひとしきり汗を流した。先日は初挑戦でホームランまで飛び出したバッティングだが、今日はなぜか全然調子が上がらずじまい。何だか釈然としないので、奥にある的当てのピッチングゲームに挑戦。こちらは絶好調で、ほとんどの番号を抜き、高得点で賞品をもらったぞ。ただしスピードは最速で時速76kmと非常に情けない数字だった。まあ天才はパワーよりも技術で勝負するものだ。天才の証として手にした賞品は、ミッキーマウスの目覚まし時計。
9月20日(月)
敬老の日で、ROCK KIDS 802はお休み。FM802では、ゆずと加藤真樹子が特番を放送している。邦楽の名曲を紹介している番組で、僕も仲間に入りたくなった。
昨日の夜から明け方にかけて、めずらしくたくさんの酒を飲んだため、気分が優れない。外出する気にはなれなくて、再来月あたりに作ってみたいと思っている番組の企画書とか、今度やる番組の特集台本なんかを書いた。物を書くという作業はちっとも苦にならない自分に改めて感心した一日。9月19日(日)
OSAKAN HOT 100でthe pillowsのトリビュート盤「シンクロナイズド・ロッカーズ」を特集した。結成15周年を記念して制作された今回のアルバムには、同世代のMR.CHILDRENやBUMP OF CHICKEN、GLAYのJIROといったビッグネームから、GOING UNDERGROUND、ELLEGARDEN、ストレイテナーといった期待の若手まで、なかなか面白い顔触れが参加し、それぞれのテイストでthe pillowsの代表曲をカバーしている。the pillowsは、世間一般での知名度は決して高くないが、アーティスト仲間からは非常に信望が厚い。その理由はどこにあるだろう。
目立ったヒット曲を持たない、どちらかというと地味なバンドである。しかしメジャー契約を切られたことはないし、ライブにおいても一定の動員をキープしている。15年も経てばファンも当然年を取るもので、結婚して母になりライブに来なくなる人もいるだろう。the pillowsのファンが減らないのは、常に新しいファンを獲得し続けているからだ。これほどまでに、人気の波がなく、メジャーのフィールドで長続きするバンドは他に類を見ない。
ヒット曲が欲しくて信念を曲げたことは一度もないし、思うように売り上げが伸びないからといって腐ることもなかった。曲を作ってレコーディングをし、全国のライブハウスでツアーをする。ただひたすらにそのルーティーンワークを繰り返している。しかし彼らはマンネリを感じさせない作品を必ず作り、その都度ファンに新鮮な感動を与え続けている。「好きなように音楽をやって、ファンになってくれる人に届けているだけ」という、ミュージシャンにとっては最も基本的な姿勢だが、これを15年間続けられるバンドが滅多にいない、ということだ。多くのプロミュージシャンが敬意を表するのは、もちろん、彼らの才能と実力に対してでもあるが、15年間で歩んできた真っ直ぐな道のりとか、築き上げたファンとの信頼関係に対してでもあるのではないか。今回のトリビュート盤に収録された珠玉のカバーを聞きながら、そんなことを考えた。
近頃、「トリビュート盤」という言葉の意味を履き違えている、ただのカバーアルバムが多い。この「シンクロナイズド・ロッカーズ」には、純粋で無償の友情とリスペクトを感じた。素晴らしいアルバムだと思う。9月17日(金)
昨日買った本を、あろうことか家に忘れてきてしまったので、新大阪でまた本を買ってしまった。行きの新幹線車内であっという間に読み終えてしまったその本は、ライブドアの堀江社長が書いた「稼ぐが勝ち」。この手の本は滅多に読まない僕だが、「現預金で512億」発言は僕の中で目下のところ今年の流行語大賞だし、彼の生き方や会社の運営の仕方にはある程度の興味があった。
本の内容は、彼がどのようにして会社を立ち上げ、ここまで大きくしてきたのかを説明し、成功できる起業家の絶対条件を説いている。最終的な結論はやはり「稼ぐが勝ち」である。人間なんて金に跪くと言わんばかり。世の中を牛耳るものは金であると断言し、自分以外の人間の生き方を真っ向から否定するような書き方は、はっきり言っていけ好かない。ただ説得力はある。彼の言うことはすべて正論に聞こえる。そこがまたむかつく。自信たっぷりな発言の背後にあるのは、彼が自分の力で稼ぎ出した巨万の冨という「結果」なのだ。
しかし、ライブドアにしろ楽天にしろ、社長がああいう形で有名人になることは、会社のイメージ戦略として正しいのだろうか。野球再編問題で彼らのとっている行動は大いに応援するが、あの二人のキャラに好感を抱く人は少数派だろうと思う。僕がお金を払う顧客なら、ライブドアは敬遠するなぁ。9月16日(木)
ここのところ漫画ばかりを読んでいたせいか、何だか脳が活字を欲しているのを感じたので、書店で本を買った。読み始めたのは「13階段」という江戸川乱歩賞受賞作。失効寸前の死刑囚のえん罪を晴らす話だ。死刑制度の是非は、古くから刑法の世界では最も重要な問題として掲げられてきている。内容は殆ど忘れてしまったが、僕も大学時代にそれに関するたくさんの講義を受けた記憶がある。
ちょうど先日、宅間守という史上最悪の死刑囚に刑が執行されたところだ。この小説には、死刑にまつわる無数の参考文献をもとに、死刑囚が拘置所においてどのような暮らしをし、執行の朝がどのように迎えられ、そしてどのように殺されるのかが、克明に綴られている。必死の命乞いをする囚人の首に無言で縄をかけ、ボタンを押して、殺す。心臓が停止したのを確認して、遺体を運ぶ。そうした一連の作業を任せられる刑務官の苦悩が、実にリアルで恐ろしい。たとえ相手が極悪非道な罪人であったとしても、人間を殺すことが職務なのだ。そこに、1%でもえん罪の疑いがあったなら…。死刑制度についてあらためて深く考える機会にはなる小説である。9月15日(水)
朝にとても悲しい出来事が起こって、ひどく落ち込んだ一日。周囲の人は「ついてなかったねー」と慰めてくれるが、運が悪かったというよりも、明らかに自分に落ち度があった。神様に責任転嫁せず、素直に反省しようと思った。ちょっと真面目に頑張ろうっと。
この日収録したデジネバに、bonobosがゲスト出演。あの浮遊するようなサウンドから、もっと変わった人柄を想像していたが、ボーカルの蔡くんはとても切り返しの上手な面白い青年だった。ドラムの松井くんが加入する前、メンバー同士の関係がうまくいかず、バンド内は非常に重いムードが漂っていたが、彼の加入によってその空気が和んだ、という話をした。同じバンドのメンバー間でいざこざが起きたり、仮面夫婦のように関係が冷え切っていたりという話は、この業界で仕事をしていると本当によく耳にする。チェッカーズ時代の高杢みたいにストレスを溜め込んでいるメンバーが、どんなバンドにもいるのかもしれない。けれど表向きは、そういう話は絶対禁句だ。メンバー間の関係がぎくしゃくしているとわかっていたら、僕らも絶対にそこには触れないようにインタビューをするのが常識。それが過去の話であっても、あえてそこに突っ込むことは普通しない。ところがbonobosはそんな暗い過去をプロフィールにまで載せて、すっかりネタにしてしまう。「こいつが入る前はひどくってさぁ」と笑い話にしてしまう。こういうところが関西バンドのノリなのかなと勝手に思ってしまった。9月14日(火)
FM802には古くからテニス部がある。部員らしい部員が今では殆どいなくて、まったく活動していないような状態だった。それでも年間契約で借り続けているコートがある。毎週火曜の夜、とあるテニスクラブのコートが1面、無料で使えるのに全く無駄になっているのだ。それを聞きつけた某プロモーターが、「そんなのもったいないからみんなで使おうよ」と言い出し、誘い合ってテニスをすることになった。集まったのは、各レコード会社のプロモーター数人と、番組スタッフ2名、そしてDJは小嶋晶子と僕。
大半が僕と同じく「一応経験者」というレベルだった。大学生の時以来、10年ぶりぐらいでテニスをする奴もいれば、生まれて初めてラケットを握ったという完全な初心者も。彼らの服装ときたら、大阪で屈指の高級テニスクラブには場違いなことこの上ない。どう見てもサッカー用のウェアにフットサル用のシューズ。他のコートでプレイする人達と自分たちを見比べて、気後れする奴は一人もいなかったところが一番凄い。その様子を例えるならば、卓球の名門クラブの選手達がハイレベルな練習をしているすぐ横で、温泉旅館の浴衣を着てスリッパで卓球をしている感じ。そして、温泉の卓球と同じくらい楽しんだ。呆れるほどの素人テニスだったが、みんな口々に「テニスおもろいわー」を連発。来週以降も都合がつけば集まるらしい。この業界の人は総じて運動不足なのである。9月13日(月)
昨日、OSAKAN HOT 100のスタッフから贈られた誕生日プレゼントは、新品の麻雀牌だった。しかも、雀打ちなら誰もが一度は憧れる、黒牌。表も裏も黒一色で、何とも言えない重みがある。僕の家にある雀牌は古い上に小さくて、とても積みづらいものだったので、これは実にありがたいプレゼントであった。家で積み込みの練習でもしようかしら。一方、ROCK KIDSスタッフからいただいたのは、何と図書カード。漫画でも本でも買って、今後もマニアックぶりに磨きをかけてくれというメッセージが添えられていた。僕ってそんなにマニアックに見えるのだろうか。ともあれこれもありがたく活用させていただくことにしよう。
ところで、最近お気に入りの1曲はマボロシの「SLOW DOWN!」。RYMESTERのMUMMY-DとSuper Butter Dogの竹内朋康によるユニットのファーストシングルで、10月6日に発売される。別に凝ったことは何もしていない、シンプルなファンクラップ。メロディーがあるわけでもなく、同じようなフレーズを繰り返すだけのサビなのだが、最後まで飽きさせない不思議な曲だ。とにかくかっこいい。
少し気になってこの曲の歌詞を書き出してみたところ、思わず吹き出してしまった。タイトルの「SLOW DOWN」は、ベッドインした相手の女性が激しすぎるから、「落ち着いて、もう少しゆっくりやろうぜ」という意味で言っている。女の積極性に戸惑いつつも奮闘した彼だが、最後には「第2回戦まさかのおねだり 寝かしてくれ すげーだりー」というオチが待っている。僕が一番気に入っているのはverse2の「思い出せども出せども効果なし マスマティックの公式」という一行。公式とか年号とか四字熟語とか、関係のない何かを思い浮かべて懸命に堪えるというこの感覚、女性には絶対にわからない。したがってこの歌詞の意味も男性にしか理解できないはず。その愉快なエロさが楽しく、韻の踏み方もまた圧巻の一言。やるやんけマボロシ。9月12日(日)
番組後、フェスティバルホールでゴスペラーズのライブを見た。59本に及ぶ「号泣」ツアーの大阪公演。この長いツアーを、彼らはもうじき終えようとしている。
お得意の演劇の要素をからめたシアトリカルな前半と、アップテンポな曲を中心にライブのノリを重視した後半、そしてアンコールを合わせると、トータルで3時間に及ぶステージ。今年でデビュー10周年を迎えるゴスが、これまでに培ってきたスキルのすべてを出し切ろうとするような内容の濃いライブだった。
2700人に埋め尽くされた会場が一瞬静寂に包まれ、5人の歌声がそれを破るという場面が幾度も繰り返される。その緊張感こそゴスのライブの醍醐味なのである。咳払いはおろか、鼻をすすることもできない状況下で、彼らは完璧な歌を聞かせる。ミスをしないからこそ彼らと観客のテンションは上がっていく。学生だった頃から彼らが夢に描いていたステージが、10年をかけて、ここまで高い完成度で実現したんだなと感じた。
こんなライブを、半年かけ、59本もまっとうしようとしている点が一番凄い。全国区で売れた後は、各地方に住んでいるファンを大切にするというのが当然のセオリーで、全都道府県を回るツアーも別段めずらしくはない。しかしたいていのアーティストは、そういう長いツアーになると、トラブルに悩まされ、メンバーの誰かが体調を崩し、最終日には辛かった辛かったとこぼすものだ。ゴスペラーズはそれをしない。5人全員が歌うのだから、ツアー中に誰か一人でも風邪を引いたりしたらアウト。小さなほころびさえファンには見せないのは、プロ意識を通り越してプロ根性の賜物である。もっとも、だからといって連中が体調管理に過敏なほどの神経を使っているかというとそうでもなくて、ライブ後は朝が来るまで飲んだりもするという。ライブに向けての「身体の作り方」も、10年の間で自然に身に付いたテクニックということか。
ゴスは来月ニューシングルを、再来月にはベストアルバムをリリースする。来月上旬にはOSAKAN HOT 100にゲスト出演する予定なのでお楽しみに。9月11日(土)
OSMの体験入学で特別講師をするお仕事の日。家を出るときは快晴だったのに、車を降りる頃にはどしゃ降りだった。学校から徒歩3分の駐車場に車を停めたが、その3分でずぶ濡れになってしまう降り方だった。しばらく車内で雨が落ち着くのを待ったが、止みそうな気配がない。仕方なくコンビニで傘を購入した。コンビニを出て、買ったばかりのビニール傘を広げようとしたら、雨は止んでいた。信じられないようなタイミングで。
だいたいここ数日の僕はついていない。ガソリンを入れようとしたら、後輪に釘が刺さっていて空気が抜けていると指摘され、他のタイヤもほとんど寿命だからこの際全部買い換えるべきだと言われた。しかたなく4輪ごと購入し、4万円近い出費。さらに同日、自室のコンポの左側のスピーカーからしか音が出ていないことに気づいた。ヘッドホンを繋いでも左耳しか聞こえない。スピーカーではなくアンプのトラブル。こうなったら買い換える方が修理に出すよりも格段に安い。コンポは商売道具なので、故障した以上は迷っている場合ではない。ネットで新しいのを即購入。これまた2万を越す出費。
誕生日の翌日というのにアンラッキーな出費が続いている。早く運気が再浮上することを祈るしかないのか。9月10日(金)
32歳になった。日付が変わった瞬間から今日一日で、たくさんのメールや書き込みでお祝いのメッセージをいただいた。皆さんありがとう。32という数字を見ると、さすがに自分も年を取ったのだなぁと感じずにはいられない。この1年半ぐらいは、大人になってから最も熱心にスポーツをしているので、身体はむしろ若返っているという気もするのだが。
この日はBEAT SHUFFLEの放送があり、スタッフがローストビーフの入った最高級の弁当を御馳走してくれた。そして食後には食べきれないほどのケーキも。さらに、ゲストだったShullaからは、初対面なのにワインのプレゼントまで頂戴した。自分の誕生日に番組があるのは、幸せなことだ。9月9日(木)
この秋、話題になりそうなアメリカ映画「ソウ」を試写で見た。スリラーものだ。僕がこれまでに見たすべての映画の中で、一番怖かったかもしれない。
目覚めるとそこは老朽化したバスルーム。足首に鎖が繋がれていて動けない。そのバスルームの対角には別の男が、やはり繋がれていた。二人の間には自殺死体が横たわっている。困惑する二人が発見した、犯人からの贈り物と、指令。リミットまでにどうにかして相手を殺せという。
「『CUBE』meets『セブン』」と囁かれるこの映画、確かに怖くてややこしい。登場する殺人の手段はどれも目を覆いたくなるほど残虐で、正視できないような惨いシーンもある。しかし、怖いだけではないところがこの映画の素晴らしさ。散らばった謎だらけの手掛かりと、蘇ってくる二人の記憶。すべてのピースを繋ぎ合わせて、初めて「正解」に辿り着く。その正解がまた恐ろしいものなのだ。
上質な映画の絶対条件は、脚本が優れていること。逆に言えば、脚本さえ優れていれば、どんなに低予算でもおもしろい映画は作れるだろう。「ソウ」にドル箱俳優は出て来ないし、派手な爆発シーンもない。撮影日数はたったの18日だった。低予算で成功したサスペンススリラーの名作というと、「メメント」や「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」があるが、アイデア勝負ではこの「ソウ」も負けていない。スリリングでスピーディーな展開に、謎解きの要素を絡め、エンディングまで一気に引っ張る。「ユージュアル・サスペクツ」とか「シックス・センス」のように、見終わった後にしばらく考え込んでしまう、ラストの衝撃的などんでん返しがまたお見事。
公開は10月30日ということで、ホームページもまだオープンしていない。しかし時期に世界中の映画ファンの間で騒がれることになるだろう。9月8日(水)
OSAKAN HOT 100用に、aikoのインタビューを収録。スタッフが考えたトークのテーマは、「aikoと浅井のオススメ漫画TOP3」というものだった。ここ最近、僕が妙に漫画をよく読んでいたのはそのせいである。彼女が事前に挙げた作品は、「有閑倶楽部」、「まっすぐにいこう」、「花田少年史」の3つ。「花田少年史」は初めて聞くタイトルだったが、彼女が1位に挙げていたので、書店で購入して読んだ。幽霊が見えるようになってしまったバカな子供が、成仏できないたくさんの幽霊を手助けしてやる話だった。下品なギャグ漫画の体だが、その実とても泣けるいい話が満載。なるほどこれはいい漫画だ。他の二つはともに少女漫画でどちらも非常に長いため、漫画喫茶で斜め読みするにとどめておいた。
ちなみに僕の挙げたTOP3は、「YASHA」、「パラダイスキス」、「サンクチュアリ」の3作品。他にも語りたい漫画はいくらでもあるのだが、とりあえずバランスを考えてこんな感じになった。今考えてみれば、子供の頃に夢中になった漫画とか、スポーツものを一つぐらい入れておいてもよかったかも。
この日、aiko嬢は風邪を引いて非常にテンションが低かったが、それでも漫画トークは大変盛り上がった。好きな漫画についてとなると、誰でも小一時間ぐらいは語りたくなるものだろう。「サンクチュアリ」をaiko嬢は読んだことがないというので、僕の文庫版全巻をプレゼントした。読んでくれただろうか。9月7日(火)
今年の爆発寸前NIGHTまで1ヶ月を切ったところで、新しいCDJが届いた。これまで愛用してきたPioneerのCDJ500は、2台のうち1台がひどい音飛びを起こすため、爆寸では使い物にならない。それで1台を新調したわけだ。
僕がCDJを買い換えるのはすでに3回目。原因は全部音飛びである。これまでにいろんな機種を買ってきたが、学んだことが一つある。「DJ機材は消耗品」ということ。自宅で趣味としてDJをする人はいくらでも高い機材を買えばいいけど、クラブだのライブハウスだので使うと、確実に壊れる。タバコの灰や汗、酒などが乱れ飛ぶ暗いDJブースで、プレイ中に機材のことを気遣う余裕はない。つまりプロの使い方は自宅派DJとは比較にならないほど乱暴なのだ。すぐに壊れるとわかっている機材なのだから、満足な機能さえついていれば、安いに越したことはないと思う。だから今回は、「揺れに強く、値段が安い」ことを条件に機種を選んだ。買ったのは、geminiというメーカーのものである。
僕が最初にCDJを買ったのは大学生の時で、その頃はVestaxが先端を行っていた。ターンテーブルはTechnics、ミキサーはVestaxのほぼ独占状態で、値段もいっこうに下がる気配がなかった。その後、DJブームの到来とともに、CDJの開発でPioneerが他社をリードし始め、需要の拡大とともにどの機材も群雄割拠になってきた。
たまたまヤフオクで見つけたgeminiは、日本のDJ市場ではまだあまり知られていない新興勢力。ヨーロッパやアメリカではすでに知名度も高いようだが、日本の大手の量販店では販売されていない。届いたCDJをさっそく使ってみたが、機能はPioneerのものと全く同じで(どちらかがパクってるんちゃうかと思うほど)、操作性なども問題は一切ない。このメーカーが今後、日本におけるDJ機材の過酷なシェア争いに加わってくるのか、楽しみなところだ。何といっても価格が、Pioneerの半額以下なのである。9月6日(月)
ROCK KIDS 802に届くメッセージは、大半が昨夜の地震に関するものだった。震災の記憶がまだまだ生々しい関西だけに、揺れに対する反応は鋭い。確かに昨夜の地震は恐ろしかった。
僕の住んでいる兵庫県南東部は、それほどひどい揺れでもなかったが、普通の小刻みな振動が収まった後に、ゆったりとした揺れが後を引いた。船に乗っているような感じで、本当に酔ってしまいそうな揺れ方。平衡感覚がおかしくなってきて、自分が酒に酔っているのかと思った。そんな揺れが、1分以上も続いたと思う。これまでに経験したことがなかったから、ひどく不気味だった。僕の住んでいる家は埋め立て地の人工島にあり、地盤はかなり柔らかいはずだから、あの揺れはそれが原因なのだろうと思っていたが、本土に住んでいる人も同じような揺れを体験したというので少し安心した。
地震といい台風といい、自然の猛威が襲いかかる2004年9月。大きな災害にならないことを祈るばかり。9月5日(日)
OSAKAN HOT 100で、宇多田ヒカルに生インタビュー。この秋、UTADAの名で海外デビューを控えている彼女が、JFL5局で日曜午後に放送されている5つのHOT100に、東京のスタジオから、順番に生出演するというめずらしいキャンペーンだった。これまでの「宇多田ヒカル」と「UTADA」は、レコード会社が異なる。UTADAは海外で活動する上での名前だから、UTADAとして出てもらう以上、彼女は洋楽アーティストとして扱わなければならない。事前にその点だけを注意され、インタビュー中は僕も気を遣って「今、UTADAさんはプロモーション来日中ということですが」なんてわざとらしいことを言ったりしてみたが(その言い方をするようにと言われたからね)、案の定彼女はそういう言い回しに戸惑いを隠さず、「外タレじゃないんだからさ〜」と笑い出した。レコード会社は「宇多田ヒカル」と「UTADA」の区別にこだわり、彼女自身は「どっちも私なんだから名前なんてどうでもいいの」と言う。ちょっと振り回されてしまった。デリケートな大人の問題も豪快に笑い飛ばしてしまいそうな、彼女の奔放さが面白かったからいいけど。
世界のUTADAに生インタビュー。さすがに少々緊張した。9月4日(土)
ここのところ、また妙に漫画づいている日々。今度映画が公開される「下弦の月」の原作漫画を今日、読んだ。他の矢沢作品とはいろんな意味で路線が異なり、少女漫画らしいロマンチックな話だった。基本的に、幽霊とか超能力といった非科学的なストーリーには興味がない僕だが、矢沢あいの繊細なタッチで書かれると、うっとりと入り込んでしまう。彼女の他の作品が実写で映像化されることになったら、その時点でげんなりしてしまいそうだが、なるほどこの漫画なら映画化してみたいと思う気持ちも理解できる。冒頭から登場する美しい西洋人のロックミュージシャンを、映画ではhydeが演じるらしい。
9月3日(金)
他人に言われて初めて気づく癖というものが誰にでもあると思う。最近、僕はよく貧乏揺すりをするらしい。貧乏揺すりをするような奴は僕も嫌いだったはずなのに、ふと気づくと確かに足が小刻みに動いているのだ。自分でも気味が悪くて寒気がする。ああ早く治したい。
もう一つ、最近気づいた僕の癖は、思い出し笑い。最近気づいたのは、思い出し笑いというものを普通の人は滅多にしないのだということだ。僕はもう本当に自分でも呆れるくらいに、よく思い出し笑いをする。「思い出し笑い帝王」の称号をもらった。何もない時にいきなりふふんと笑い出すと、周囲の人は決まって「気持ちが悪い」と騒ぎ立てる。そうやって怪訝な顔をされても、周りに友達がいる時は「あ、ごめん。思い出し笑いだから」というエクスキューズができるけど、知り合いが一人もいない状況だととても困る。電車の中、エレベーターの中、駅のトイレでおしっこしてる時、思い出し笑いに襲われそうになったら、僕は口の端を歪めながら、必死の思いで吹き出すのをこらえなければならない。
でも僕から言わせてもらうと、なぜ他の人は思い出し笑いをしないのかが不思議。楽しかったことは何度も思い出して、その都度愉快な気分になりたいと思わないものだろうか。年がら年中わけもなく笑顔でいる人は、周囲を幸せにするとか言って好印象なのに、わけもなく声を上げて笑い出したら途端に変人扱いだ。「思い出し笑いは素敵なもの理論」を提唱したい。9月2日(木)
近所のバッティングセンターで汗を流した。実は31歳にして、初めての経験。勝手がよくわからなくて、入り口で多少あたふたした。球の速度によって入り口が分かれていて、成人男性は140キロの打席に入る人が多いらしい。小学校の頃に近所の野球チームに入っていた記憶ぐらいはあるが、基本的に僕は野球に関してはずぶの素人である。バッティングも見よう見まねにすぎない。とりあえず110キロぐらいで様子を見ることに。
投球開始から5球ぐらい、続けざまに空振りした。そんなバカな。とりあえず自分を落ち着けて、大振りをせず、確実に芯に当てる打ち方に変更。するとようやく前に飛ぶようになった。25球のうち2球ほどがいい角度で上がり、「ホームラン」のファンファーレを鳴らした。景品は150球分のタダ券。これってけっこうすごいことではないのか。まあ110キロなんだけど。
その後、奥にあったストラックアウトにも挑戦。9つに区切られた的をめがけて野球のボールを投げる、テレビでおなじみのあれだ。どちらかというとピッチングの方が自信はあったのだが、12球を投げて倒れたのは5枚だった。
というわけで、25球のバッティングと、12球の投球。日頃しているスポーツと違う筋肉を使ったせいか、たったそれだけの運動で右腕が痺れるように張っていた。そもそも、右打ちならば引き手となる左腕が疲れる方が正しい気がする。何度か芯に当たったのは、テニスのフォアハンドの要領で打ったから。次回はバックハンドの要領で、左打ちに挑戦してみよう。野球ってけっこう楽しい。9月1日(水)
以前から周囲の人々に強く勧められてきた漫画「20世紀少年」をついに読んでしまった。完結していない、つまり連載の続いている漫画を読むのは僕のポリシーに反するのだが、今回ばかりはついに誘惑に負けてしまった格好である。
「モンスター」の時も思ったことだが、浦沢直樹の作品は、タイトルから受けるイメージと内容のギャップが大きい。「20世紀少年」は、主人公のコンビニ店長達が、幼少期に夢見た絵空事の冒険物語が、暗躍するカルト宗教団体の陰謀に繋がっていくという不気味な話。謎が謎を呼びながら話がどんどんエスカレートしていき、やがては途轍もないスケールに発展する。数え切れないほどの伏線で読者を引っ張る、浦沢作品ならではの技術は見事というよりほかない。少し荒唐無稽にすぎる嫌いはあるが、平凡なミステリー小説など比較にならないほど複雑でよくできた話である。14巻まで読んで、やはり完結してから手を着けるべきだったと少々後悔したのは言うまでもない。
今日から僕の携帯の待ち受け画面は、ともだちの目玉マークになった。