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Diary(04.12.)
12月31日(金)

 2004年最後の一日。ここ数年、この日記では恒例となっている「マイブームベスト10」を書いてみよう。今年、出会ったモノ、知ったモノの中で、僕が特にハマった10点をカウントダウン!
(10)黄金糖
 今年一番好きになったお菓子は多分これだ。原材料が砂糖と水飴のみ、という非常にシンプルな飴で、縁日のべっこう飴のような、とても懐かしい味がする。今年は年頭から鼻風邪に悩まされたが、のど飴よりも重宝した。売っているお店がなかなかないのが難点。
(9)BUMP OF CHICKEN
 もともと好きなアーティストだったが、今年は過去の作品も改めてじっくり聞き直し、その魅力にどっぷりと足を踏み入れた一年だった。藤原の青臭い歌詞はいつも感動的で、思春期の頃に出会っていたら、僕はきっと大きな影響を受けていただろう。
(8)缶入りブラックコーヒー
 ブラック無糖の缶コーヒー自体はけっこう昔から販売されていたと思うが、この1〜2年でその質は急速に向上したと思う。濃さや風味が淹れたてに限りなく近い。もう少し安くてもいいだろうという気もするが、高級な味わいも悪くない。最近は移動中にもっぱらコーヒーを飲む。
(7)ホリ
 最近人気のあるピン芸人のネタを見ても、笑ったことがほとんどない僕だが、モノマネ芸人は別格。彼の持ちネタを全部見てみたくて、勢いでLIVE DVDまで買ってしまった。一番好きなのは、「愛という名のもとに」に出てくる、チョロの上司の加藤さんの真似。誰も知らないマニアックなネタなのに、似ていそうな気がして笑えた。
(6)漫画喫茶
 暇潰しの文化は、僕の知らないうちにかくも進化していたかと驚いた。パーテンションで仕切られた個室で、漫画でも、ゲームでも、映画でも、ネットでも楽しめる。ゆったりした椅子で、フリードリンク。仕事の空き時間には必ずといっていいほど利用した。
(5)いま、会いにゆきます
 悲しい話なのに、とても暖かい気分になれる小説。「世界の中心で〜」があまりにも直球すぎていささか拍子抜けした直後に読んだぶん、強烈に印象に残った。読んだ当時は映画化の話はまだなかったが、ここまで流行ると若干興ざめ。
(4)PSX
 迷いに迷って購入したHDDはPSX。03年末の発売当初は欠陥も多かったようだが、購入して数ヶ月、不具合らしきものは一つも発生していない。操作は非常にわかりやすく、どの機能も便利。特に番組表予約の簡便さは感動に値する。ソニーの意地を見た。
(3)マリア・シャラポワ
 最初に彼女を見たのは、ウィンブルドンの準々決勝で杉山愛を破った試合。まさかそのまま優勝するとは思わなかった。17歳とは思えぬ大人びた美貌に思わずうっとり。試合中は勝ち気な性格が表情に出るのがまた面白い。ウィンブルドンの終わった翌週には、必死に写真を探してパソコンの壁紙にした。
(2)Mr.インクレディブル
 ここ数年、僕の選ぶ映画の年間ナンバー1はいつもピクサー作品のような気がする。今回はピクサーで初めて人間が主人公となったが違和感はなく、期待以上に楽しめた。奇想天外なストーリーと、リアルな家族像。年末は僕の周囲がインクレディブルもので溢れかえり、年賀状もこの映画のパロディにしてみるという凝りよう。我ながら子供っぽいハマり方。
(1)プロジェクター
 今年した一番高い買い物。それでも、ちょっと大きなプラズマテレビで30万という時代だから、スピーカーセットとあわせて20万以内で揃えたのは正解だった。もともとあった白い壁にテレビやDVDの映像を映しているだけだが、自宅の居間が映画館になったようでかなりゴージャスな気分を味わえる。自慢の品。
 以上が今年の僕のマイブームベスト10。ミーハーなところはとことんミーハーに、マニアックなところはマニアックに。来年も積極的に、いろんなものにハマるぞ。

12月30日(木)

 BEAT SHUFFLEのライブイベントが、大宮ソニックシティで開催された。ビジュアル系の勢いはすっかり衰えたと言われる中、2300人のソニックが売り切れたのは嬉しい。この日は、Psycho le Cemu、ムック、Kaggra,、ナイトメア、DAIGO☆STARDUSTの5組が出演した。どのバンドもうまく会場を盛り上げてくれたので、人気のばらつきはそれほど感じなかった。目立ったトラブルもなく、気持ちよくイベントは終了。正直なところ、番組や、DJである僕の人気が、以前と比べてだいぶ低下したことも強く感じたが、それもまた抗えない時代の流れという気もした。
 先週末に行われた別のビジュアル系イベントでは、一つの出演バンドによる信じがたいような愚かな演出が原因で、イベント自体がめちゃくちゃになってしまったと聞く。今日はそういう悲惨なミスが起こらなくてよかった。
 ここ数年、ビジュアル系のインディーズバンドは、「グロさ」とか「エグさ」を競っているようなところがある。僕の記憶では、cali≠gariが台頭してきた頃から系譜は変化した。不気味なメイクや、積極的に放禁用語を使うことがかっこいいとされるような風潮。本来はアンダーグラウンドの世界でカルト的に扱われるべき音楽が、何の因果かトレンドになってしまった。シーンの変化に呼応して、リストカット大好き少女が大量発生し、ゴスロリ娘による両親殺害などという惨たらしい事件によって、ビジュアル系はますます世間の鼻つまみ者になってきた。
 グロさをかっこいいとする方向性を打ち出すことは、非常に危険で、慎重さを要する。マリリン・マンソンだって犬神サーカス団だって、踏み越えてはならないギリギリの線をきちんと把握しているから、大手を振って活動できる。キリトや京もそのへんは狡猾で、過ちは決して犯さない。しかし、彼らから影響を受け、雨後の竹の子のように出てくる若いバンド達は、えてして限度を知らない。自分達のしていることがどれほど反社会的で、どれほどの責任を伴い、どれほど危険かを、理解していない。そういう浅はかなバンドの見せるグロさは、ものすごくかっこ悪いと思う。そんなバンドに限って、演奏や歌が呆れるほど未熟なせいもある。

12月29日(水)

 2日の日曜まで大阪では仕事がないので、実家に帰ることにした。あろうことか東京は大雪。雪は大好きな僕だが、パソコンの入ったスーツケースを引いて雪の降る道を歩くというのは、できることなら避けたい事態だった。地元の駅を降りた瞬間、スキー場みたいな冷気が体を包んだ。実家には何とか無事にたどり着いたが、厳しい寒さだ。
 実家に着いてからパソコンを使っていたら、突然電源が落ちた。電源ボタンを何度おしてもまったく反応がないので、再起動もできない。ここのところずっと、非常に調子の悪い状態が続いていたこのMacだが、ついにクラッシュしたかと泣きそうになった。修理を出すのも買い換えるのもまあ仕方がないと諦めはつくが、バックアップを取り損ねたものがいろいろある。LEMONed RADIOのジングルもまた作り直しか…と呆然。まったく今年は最後までロクなことがない。いつまでも落ち込んでいたところでどうにもならなそうだったので、年明けにでも新しいパソコンを買おうと開き直った。でも、寝る直前にふと思いついて、ACアダプタを接続し直して電源ボタンを押したところ、気持ちのいい起動音が聞こえてきた。パソコンの電源が正常に入ることがこんなに幸せなことだなんて、僕はすっかり忘れていた。年明け、自宅に戻ったら、いの一番にデータのバックアップを取ろうと決意する僕であった。

12月28日(火)

 秋に放送が終了したデジネバのスタッフが久しぶりに集まって、忘年会が開催された。僕は連夜の忘年会で宿酔気味だったが、こちらも番組は終わったというのにあいかわらずの盛り上がり。二次会のカラオケが終了する頃には終電もなくなっていて、二夜連続のタクシー帰宅となった。
 昨夜は序盤から日本酒をくいくい飲んだ僕だったが、今日はずっとバーボンを飲んでみた。もともとビールや発砲系の飲み物が総じて苦手な僕は、ここ数年、酒を飲むときは迷わず焼酎の類かワインを頼むようにしていたのだが、それはそれが最近の若い人の間でトレンドになっているからであって、正直言ってさほどおいしいとも思っていない。最近読んだ小説の舞台が昭和三十年代の東京で、登場人物達が仕事の後に必ず「ダルマ」を飲んでいた。それが何ともクールに思えたので、今後はウィスキーを中心に飲むようにしてみようかという気になっている。大人のお酒。

12月27日(月)

 OSAKAN HOT 100の年間チャート、100曲すべてを9時間がかりでオンエアする年末恒例の特番が放送された。
 この特番はいつも、準備には大変な時間がかかるが、本番中はそのぶん単調である。ひたすら曲をかけ、合間にゲストコーナーや特集コーナーなどの録音素材を挟むだけ。その単調な作業が長時間続くことで、眠気や疲れを感じることのないように、僕はあえて全曲のイントロで喋る。無理矢理にでも喋る。9時間の中に100曲を収めるため、ほとんどの曲は2分半とか3分ぐらいまでしか流さないから、DJの休憩時間は極めて少ない。トイレに行く時間を見つけるのもけっこう大変だ。3時ごろにパンを一つ食べた以外、番組中は食料も補給しなかった。そんな、わりとハードな番組であるはずなのに、回を重ねるごとに楽になっていくから不思議だ。今日は最後までしんどいと感じることはほとんどなかった。声も最後まで問題なく出た。
 この日の番組限定でプレゼントしたオリジナルグッズは、熱百ニットキャップ。夏の上半期チャート特番の時の、熱百タンクトップに続く、熱百シリーズ第2弾。今回も黒地に赤い刺繍で「熱百」、後頭部に「八零弐」の文字が入っている。75%ぐらいはウケ狙いで作っているグッズである。番組中はおもしろがってみんなかぶっていたが、放送が終わってから打ち上げ会場に向かう頃には、かぶっているのは僕一人になっていた。

12月26日(日)

 明るい陽が差しているのに、びっくりするほど風が冷たい。大阪の冬もいよいよ本格的な寒さになってきた。
 番組後の予定が突然キャンセルになったので、夕方には帰宅して、家でのんびりテレビを見ていた。本当はのんびりしている場合じゃないんだけど、明日も特番があることを考えると、自宅に帰ってまであくせく作業をする気にはなれなかった。
 初めてM-1というやつを見た。関西では毎年、これをチェックしておかないと話題について行けなくなる。今年は島田紳助も松本人志も審査員を辞退しているため、例年とはいろんな意味で違うという話だったが、例年を知らない僕にはよくわからない。どのコンビもそれなりに面白かったが、腹を抱えるほど笑ったのは優勝したアンタッチャブルぐらいだった。
 それにしても、見ていてつくづく思ったのは、生放送番組の難しさだ。進行があわただしいから、肝心なところで司会者が噛んでしまう辛さもよくわかる。一番頑張っていたのは司会の二人だったと思う。

12月25日(土)

 ネットニュースを見ていたら、「ハウルの動く城」の不振を伝えている記事がった。公開から1ヶ月。やっと出たかと思った。
 試写を見た段階で書いたとおり、この映画のストーリーはわかりにくい。18歳の少女が、魔女に魔法をかけられて90歳の老婆になってしまうところから物語は始まる。それが一つの主題であるように打ち出していたのに、映画の途中から老婆の年齢はどんどんあやふやになっていく。若返ったのが幻覚なのか真実なのかが判然としない。原作本を読まないとまったく意味のわからないシーンも多かった。そもそも、原作のハウルはとんでもない女ったらしで、ソフィーの妹を口説いていたのだ。そういう根本的な設定を省いたために、感情移入しにくい話になってしまった。人によっては「このあやふやさがいい」と思うらしいが、説明不足とあやふやさは違うと思う。見る価値がないとは言わないが、期待は裏切られた。何年も待ち望んだ宮崎作品なのだから、彼自身がストーリーを考えて欲しかったと思う。
 だが、ハウルを批判する人は意外に少ないし、問題のないレベルで興行収入も伸ばしている。「それでも宮崎作品というだけでありがたがり、批判を許さない宮崎信仰がある」という評論家の言葉は一理ある。

12月24日(金)

 クリスマスイブだったが、大宮の駅前はいつもとさほど変わらない雰囲気。BEAT SHUFFLEもほぼ普段通りの放送だった。たくさんのカップルがロマンチックにデートをしている夜なのに、スタジオで喋っている僕にはなかなか実感として沸いてこなかった。切り離して考えてしまえば、クリスマスなどそんなものだ。そして、そんなイブにメンバー全員揃っての生出演を快諾してくれたゲストは犬神サーカス団。あいかわらずの爆笑トークが炸裂。前髪を伸ばし、富士額のおでこを出している凶子嬢がかわいくて惚れ直した。
 番組後、一人で夕飯を食べることになってから急に、今日がクリスマスイブであるという事実が重くのしかかってきた。どうせならとことんむなしい思いをしてやれと思って、吉野家にでも入ろうかと覗いてみたら、けっこう混んでいた。ラーメン屋の店先にも普通に行列ができている。こんな特別な夜でも、いつもと変わらず牛丼やらラーメンやらを一人で食する人がこんなに多いことは意外だった。そんなものだ。

12月23日(木)

 先日裏面デザインが完成した年賀状の件。宛名の更新作業、ラベルへの印刷も完了し、光沢ハガキを150枚購入してきた。あとはこのハガキに印刷し、ラベルを貼れば投函できる。写真の印刷にはけっこう手間暇がかかるもので、150枚を数回に分けての印刷には結局数時間を要した。
 刷り上がった150枚を束ね、その出来映えにうっとりしていたら、あろうことか誤字に気づいた。いわゆる変換ミスで、小学生でもわかるような間違いだった。よりによって赤いバックに黄色い字で書いた部分。修正の方法は思いつかない。この150枚を捨てて刷り直すことは、とりもなおさずそれだけのハガキ代とインク代と時間を無駄にすることを意味するわけで、さすがにそこまで悠長なことは言っていられない。そのまま出す以外にないようだ。誤字があると知りながら、そのまま投函するしかないこの屈辱。しばらくの間、ショックで茫然自失だった。

12月22日(水)

 音楽や映画にお金をかける必要がほとんどないからそのぶん、僕は本とか漫画の類にはわりと惜しみなくお金を遣う。文庫化されている本を読んでも古すぎてネタとしては使えないため、主にハードカバーを買う。当然かさばるから、もともと微々たるスペースしか用意されていない本棚はとうに溢れかえり、部屋は収拾のつかない状態になっている。来年は、CDばかりでなく本の収納方法、あるいは処分の方法もちゃんと考えよう。
 ところで最近、古書店で本を探す楽しさを覚えた。802の近くに「どれでも100円」の古本屋がある。壁一面に古い文庫の文芸書が並んでおり、作家別になっているのでけっこう見やすい。狭い店の奥で、眼鏡をかけたおじさんが座って新聞を読んでいるという、絵に描いたような古本屋。店内で802が流れているのは少々場違いだったが、それはそれで嬉しかった。
 実はまだ一冊も読んだことがないなんて恥ずかしくて言えないような超有名作家の作品を、この店で何冊か買ってみた。当たり前のことだが、安くて驚く。あまりきれいではないけれど、カバーをつけかえればさほど気にならない。よし。来年からは、新刊と古い文庫を交互に読むようにしよう。

12月21日(火)

 だいたい2ヶ月に一度の頻度で更新しているhide MUSEUMのLEMONed RADIO。今放送しているぶんは11月の下旬に送ったものだった。しかし、ひどい鼻声の時に収録したこと、パソコンがクラッシュして素材をすべて急いで作り直したこともあり、納得のいかない出来だった。クリスマスや年末年始の時期にあれが使われるのも気が引けるので、普段のペースよりは1ヶ月早い計算になるが、今日新しいものを作った。オープニングやジングルも一新。全体的にアメリカのFMのようなスピード感を意識して、喋りも少し減らした。そういう作り方をしても、全く違和感がない番組に仕上がるところにも、hideさんの才能を感じている。今回のLEMONed RADIOは、40歳になった彼も満足してくれるのではないだろうか。

12月20日(月)

 昨日でスペシャルウィークスが終わって、FM802は局の中も放送内容も、通常の雰囲気に戻った。スペシャルウィークスの期間はどうしても、知名度の高いヒット曲に選曲が偏る。その反動というか何というか、今日は古い曲をいっぱい選んだ。
 クリスマス前の放送ということもあり、選曲の半分近くをクリスマスソングが占めた。クリスマスソングというのは邦楽だけでも無数にあり、ほとんどのアーティストが1曲か2曲は歌っている。多くはアルバムの中にひっそりと入っていて、そのアーティストのファンにとっては特別な曲だったりする。そういう曲でも遠慮なくリクエストして欲しいのに、並んでいるリクエストカードを見てみると、届いているリクエストはもうほとんど聞き飽きたようなベタな曲ばかり。ワム!とかB'zとかジョン・レノンのクリスマスソングなんて、この時期どこでも、本当にどんな場所でも流れているのだから、わざわざリクエストするなら別に曲にしてくれたらいいのになぁと思わずにいられない。僕は特にクリスマスソングが好きで、定番とされる曲以外にも名曲がたくさんあることを知っているから、なおさら歯がゆさを感じるのかもしれない。
 岡村孝子の「クリスマスの夜」という曲にリクエストが来ていて、あまりの懐かしさにかけてみた。そうそうこういうのを待ってたんだよとか言いながら。岡村孝子は、僕が高校生の頃になぜかやたら好きだったアーティスト。彼女の歌を聞いたの自体が多分15年ぶりぐらいで、いろんなことを思い出したが、記憶に蘇ったのはあんまり思い出したくもないようなことばかりだった。つまんないバイトに明け暮れて、彼女もいなくて、あか抜けない田舎のガキだった15歳の夏。

12月19日(日)

 先日購入した宛名作成ソフトを使って、ついに年賀状制作に取りかかった。宛名は毎年打ち込んでいるものを更新すればいいとして、問題は裏面。どのような写真を使って、どのようなレイアウトにするか。一つ、おもしろいアイデアが浮かんだのだが、そのデザインを具現化する方法がわからない。僕はフォトショップとかイラストレーターの知識がないので、写真を切り取ったり加工したりといった基本的な技術も手探りの状態だ。慣れていればごく簡単なことのはずなのに、一つ一つの作業に試行錯誤していたので、ずいぶん時間がかかった。近年、個性的で凝りまくった年賀状を作る人が多いから、見劣りしないように頑張った。
 しかし作り終えて実感したのは、予想以上に楽しかったということだ。最近の宛名作成ソフトは本当によく出来ている。「謹賀新年」とか「賀正」といった題字だけでも数百種類。一つに決めるのもけっこう大変だ。せっかくだからもう一種類作ろうかな。

12月18日(土)

 ホッケーチームの忘年会があった。去年は車で参加したため酒を飲むことが出来ず、そのうえ終電を逃したメンバーを3人も家に送り届けたために、帰宅が朝の6時ぐらいになった。その反省から、今年は電車で参加し、早い時間からしこたま飲んだ。
 1ヶ月ぐらい前にニュージーランドからワーキングホリデーで日本に来たという大男が、新しくチームに入った。僕のすぐ近くに座っていたので、初対面だったがその彼といろいろと話した。ニュージーランドといえばラグビーの国。プロレスラーのような体躯の彼なら当然ラガーマンとして引く手あまたはずだ。実際彼は学生時代、フランカーとして活躍したらしく、今でもラグビーは大好きだとか。その彼が、ホッケーなどという本国ではおそらく超マイナーなスポーツを始めたきっかけは、自宅の隣に素晴らしく恵まれたリンクがあったからだそうだ。考えてみれば、人気のあるスポーツの種類が国によって違うのは当然のこと。日本では野球が最も盛んなプロスポーツだが、ニュージーランドでは野球のルールさえ知らない人の方が多いという。それにしても、たまに英語で外国人と会話をするのは勉強になるしおもしろい。
 去年同様、二次会はボウリングだった。1ゲーム目で148、2ゲーム目が128。去年もまあまあいいスコアだったのに、1位にはなれなかった記憶がある。まあそれでも、日頃ホッケーでは初心者として足を引っ張る立場の僕が、ボウリングならそこそこ目立てるのだから満足。

12月17日(金)

 明け方の5時までかけて、「破裂」という小説を読み終えた。医療問題を扱ったサスペンスものである。
 二段組みで500ページ近い。一冊で完結する小説としてはかなり長く、内容も医療にまつわる専門用語が頻出するので、決して読みやすい本ではないかもしれない。しかし面白かった。医療問題を扱った小説というと、ドラマも大ヒットした「白い巨塔」が有名だが、大ざっぱにいえばあれに近い。「白い巨塔」には浪速大学という架空の大学病院が登場したが、今作では「阪都大学」。ともにモデルとなっているのは大阪大学であることは瞭然だ。この「破裂」の筆者は大阪病院の医学部出身の医師なのだ。
 医師が書いた小説だけあって、内容は実にリアルだった。医療の現場では、患者を死なせる重大なミスがどのような感覚で起こり、どのように処理されているのかがつぶさにわかる。加えて、医療ミスを暴く裁判がいかに患者にとって困難なものであるのかも。小説はもちろんフィクションだ。この小説にあるようなことがすべて真実だとは、想像したくなかった。
 この小説が鋭く切り込んだのは、医療ミスよりも日本の少子老齢化の問題と安楽死である。日本は今、穴の空いた船に乗っているような状態。高齢者の占める割合が今のペースで増えていくと、僕などが老人になる頃の日本は大変なことになるだろう。若肉老食とはよく言ったものだ。医療が発達しすぎたせいで、本人は死にたくても死なせてもらえない老人が長生きをする。今の状況を黙って見守っていたら、取り返しのつかない事態に発展するだろう。周囲に迷惑をかけ、家族の重荷となって、苦しい病気と闘いながらいつまでも生き続けたいと思う人よりは、そうなる前の元気な時に、苦しみのない安らかな死を迎えたいと願う人の方が多いだろう。死は誰もが避けられない、人生のゴールなのだ。笑顔でゴールテープを切ることができたら、こんなに嬉しいことはない。
 いろいろ考えさせられ、勉強にもなる小説だった。白い巨塔が好きだった人にはオススメ。

12月16日(木)

 ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモン、そしてアンディ・ガルシアという、ハリウッドの主役クラス5人が共演した「オーシャンズ11」の続編、「オーシャンズ12」を見た。今作はこの5人に加えてオスカー女優のキャサリン・ザタ・ジョーンズも出演、さらに豪華なキャストとなった。監督はもちろんソダーバーグだ。
 前作は、ルパン三世並みに緻密で大胆な怪盗ぶりが大きな見どころだった。今作はずいぶんストーリーが入り組んでいる。敵と味方が入り乱れたり寝返ったり。時間軸も複雑に前後する。最後まで見ればなかなかおもしろいのだけど、全体的に意味が把握できなかったという印象が残った。もう一度じっくり見よう。

12月15日(水)

 CORE OF SOULの新曲「アゲハ」を聞いた。FM802では僕と同じく彼らのことを応援している女性ディレクターがいて、彼女が担当しているこの日のROCK KIDSからオンエアも解禁になった。ここ2年ぐらい、音作りの面ではあらゆるアプローチを試みてきたCORE OF SOULだが、デビュー4年目となる05年のスタートは、シンプルなロックサウンド。蕗子ちゃんらしい、前向きなラブソングだ。歌詞の中に冬を意識させる言葉がいくつか出てくるが、キラキラとかシャンシャンみたいな、ありがちな効果音はあえて使わない。テーマは冬ではなくて、冬の間に力を蓄えて春になって羽ばたく蝶だから。
 英語で歌うサビから始まるが、その後は同じメロディーを日本語でも歌っている。同じ曲に複数の言語の歌詞を充てることは「PURPLE SKY」でも彼女は経験しているが、それが生かされたということかもしれない。日本語と英語では発音の仕方が根本的に違う。はじめから英語の歌であるように、同時にはじめから日本語の歌であるように、どちらも自然に音符に言葉が乗っている点が見事。簡単そうでけっこう難しいことだと思う。
 けど僕はやっぱり、カップリングの「粉雪のきもち」で聞ける、とことん優しく、儚げで、それでいて時に力強い蕗子嬢の声が好きだ。何が好きって彼女の「ラ行」の歌い方が好きだ。例えて言うなら、日本人の「ラ行」でなくて、アメリカ人の「L」の発音で歌う感じ。いつもではなくて、たまにその歌い方をする。うっとりしちゃう。どう説明しても僕以外の誰にも、おそらく本人すら理解できない微妙な違いだけど。

12月14日(火)

 某テレビ局でナレーションの仕事をしてきた。昨日、「明日空いてる?」と突然のオファーを受け、「全然大丈夫っすよ」と引き受けた仕事。しかも初めての人々、初めての局で。デジネバで一緒だったスタッフからの紹介のだった。年明けに放送される、とあるテレビ番組のVTRで、僕の喋りが数分だけ流れる。
 ナレーターとか声優なんて、関西だけでおそらく何百人もいる。たくさんいる中で、わざわざ僕にそういう仕事のオファーが来る場合というのは大抵、「DJっぽい喋り」が要求されるとき。今回も例外ではなかった。僕は日頃、アナウンサー並みにお堅い喋りしかしないタイプだが、こういう時はもう遠慮なく、世の中の人々が抱くDJのイメージそのものみたいなトークをする。今どきそんな絵に描いたようなDJいねーよってぐらいに、わざとらしくノリノリな。最近はそういう喋り方も開き直って楽しめるようになった。

12月13日(月)

 番組後、なんばハッチでスキマスイッチのライブを拝見。デビュー当時から僕は彼らの大ファンだが、考えてみればワンマンライブを見るのは初めてだった。喋り好きの彼らならではのトークも楽しくて、気持ちのいいライブだった。彼らはとにかくわかりやすいポップスを歌う。詞もメロディーも奥が深くて、かといって奇をてらわない。スキマスイッチには、嫌う要素が見あたらない。
 デビュー曲が802でヘビーローテーションになっていた影響もあって、彼らのCDはその売り上げの1/3を関西が占めるらしい。普通のアーティストなら関西占有率が12〜15%ぐらいであることを考えると、いかに彼らの人気が大阪に集中しているかがよくわかる。出身は名古屋なのに。その人気を裏付けるように、驚くほど多くの関係者が見に来ていた。誰からも慕われる彼らの人なつっこさもまた、人気の秘訣である。

12月12日(日)

 品川駅近くのホテルに宿泊し、まだ夜が明けきらない6時に起きて新幹線に乗った。とてつもなく眠いのに、なぜか新幹線の車内ではよく眠れなかった。
 荷物が大きいので、階段の上り下りが煩わしい。我慢できなくて梅田駅からタクシーに乗った。このタクシーの運転手が、僕を朝から著しく不愉快な気分にさせてくれたのである。
 地下鉄に乗ればひと駅分の距離だったが、僕はちゃんと「近距離の方」専用の乗り場から乗ったのだから、行き先を告げてムッとされる道理はない。しかし「南森町までお願いします」と言った僕の言葉に、返事がなかった。その時点で嫌な予感はあったのだ。
 僕が持っていた荷物はキャスター付きのスーツケースだったが、後ろのトランクには入れずに後部座席にそれを持ったまま乗っていた。座席の上に乗せると、キャスターの車輪やスーツケースの底部にある汚れがシートについてしまうから、僕はスーツケースを座席の下の足場に立てて置いていた。
 そのスーツケースを持って僕がタクシーを降りた後、金を払ってもお礼一つ言わなかったその運転手は、僕のいなくなった後の座席の上を手でパンパンとはたいていた。ドアを開けたまま、僕に見えるように。僕のスーツケースのせいで汚れてしまったことを怒っている、というアピールをしていたのだ。スーツケースは座席の上に置いていないのだから、当然シートは汚れてなどいないのだが、運転手はそれに気づいていない様子だった。唖然とする僕を置いて、タクシーはいなくなった。残された僕の顔→(><)むきー!
 この時、僕は沸き上がる苛立ちをどう処理したらよかったのだろう。勝手に誤解されたせいで、乗っている間も降りた後も僕は不愉快な思いをし、おそらくは運転手も不愉快だったに違いない。「若造が朝っぱらからタクシーなんぞ乗りやがって。大事なシートカバーが汚れちまったじゃねえかよ」彼はそう思っている。おそらく今でも僕を憎んでいる。僕は何も悪くないのに。
 こういうことって、特に運転している時によくある。一方通行でないことをよく確認してから、細い路地に進入しようとしたら、向こうからトラックが来る。こちらが端に寄せて道を譲ってあげたら、そのトラックにすれ違いざま、お礼を言われるどころか、「一通だよ!」と吐き捨てるように文句を言われ、そのままトラックは走り去る。一瞬「あ、すいません」と言いそうになって、慌てて確認したら、やっぱり一通じゃなかった。おいちょっと待てこらぁ!しかしもう遅い。とっつかまえてごめんなさいを10回言わせたいがもう遅い。残るのは、やり場のない怒りだけ。
 ともかく、出張帰りの朝からものすごくむかついたので、番組スタッフに聞いてもらった。文字通り汚物のように吐き出して、少しだけスッキリした。大事なスペシャルウィークスなのに、冗談じゃないよ本当に。

12月11日(土)

 昨夜は東京に泊まり、BUMP OF CHICKENのライブを見に行った。会場は千葉の幕張メッセである。15000人のスタンディングライブ2DAYSの初日。チケットはもちろん即日でソールドアウトした。BUMPのワンマンライブとしては過去最大の規模だ。客の数と会場の大きさはツアーファイナルにふさわしいもので、ステージの後ろには各メンバーを映し出す大きなビジョンも設置されていたが、ライブの内容そのものは、普段の彼らと何も変わらず、気負いを感じさせないマイペースなものだった。
 「オンリーロンリーグローリー」で始まって、序盤はヒットシングルの連発。中盤に新作からの曲を散りばめ、今回のツアーでは封印していた「スノースマイル」、そして「fire sign」で本編を終了。その後、アンコールで2曲。MCらしいMCや、ショウ的な演出はほとんどなく、いたってシンプルな構成だった。それでも一抹の物足りなさすら感じさせず、一曲一曲で感動を与えるところはやはりBUMPならでは。今の彼らの勢いと、楽曲の質の高さを十二分に味わうことの出来るライブだった。
 しかしこの日のライブ、始まって数曲もしないうちに、担ぎ出される人が続出したようだ。後ろからの強烈な圧力に耐えられなくなった人達。そもそもBUMPの曲は、モッシュが起こるような激しいものではないはずだ。それでもこういうことが起こるのは、観客全体がスタンディングライブに慣れていないせいでは、と訝る向きもあるだろう。BUMPは一貫してスタンディングのライブにこだわっているバンドの一つだが、僕はあまりその必要性を感じない。むしろ座ってじっくり聞きたい曲が多いくらいだ。厚年や城ホールで、というわけにはいかないものだろうか。

12月9日(木)

 昨日のGLAYに続き、年間チャート特番用のインタビューを収録。今度はデビュー15周年のDREAMS COME TRUEがゲストだった。僕は二人とは完全な初対面だった。802で10年も働いていて、ドリカムと仕事をしたことがない人はなかなかいない。
 表に出ている陽気なイメージと違って、普段は無口だったりピリピリしていたりというアーティストが、いないわけではない。しかし、ドリカムがもしそんな人達だったら、さすがの僕も人間不信になる。二人は予想以上にフレンドリーで、暖かい人達だった。吉田美和さんは、男から見ても女から見ても魅力的な、嫌味のないかわいらしい女性だ。その美和さんの魅力を最大限に引き出す、中村正人さんの人柄や才能も素晴らしい。
 今回のアルバム「DIAMOND15」は、日本語詞のオリジナルアルバムとしては3年ぶりになるという。サウンドもよく出来ていて楽しいが、何といってもやはり歌詞がすごい。吉田美和の歌詞には、他の人には真似のできない個性がある。昭和50年から55年生まれぐらいの人の大半は、吉田美和の歌詞に共感し、感動した記憶があるはずだ。今回のアルバムの歌詞を聞いても、きっと同じくらいの感動はある。一点の曇りもなく吉田美和節が炸裂しまくっている。ちなみに、実質1曲目の「朝日の洗礼」という曲は、「決戦は金曜日」の続編だ。ドリカム健在。

12月8日(水)

 年末に放送されるOSAKAN HOT 100の年間チャート特番のゲストパートを収録するために、FM802へ。ゲストは、シングル「ホワイトロード」がリリースしたGLAYである。出演は、TAKUROくんとHISASHIくんという、FM802ではけっこう珍しい組み合わせ。10周年となったGLAYのこの1年を振り返るとともに、エキスポの思い出やバラードベストのこと、そしてドームツアーとインテックス大阪のライブのことなど、放送予定時間の倍ぐらいをかけてたっぷりと語ってもらった。編集するスタッフが泣く泣く大幅にカットすることになるだろう。
 来年1月リリースのバラードベストアルバムに収録される唯一の未発表曲は、「つづれ織り〜so far, yet so close」というタイトル。「HOWEVER」を彷彿させる美しいラブソングで、ピアノではなくストリングスとソプラノサックスが印象的に使われる。長年TAKUROくんの曲を聞いていると、歌詞を書くのに時間がかかったものとそうでないものが、何となく見分けられるようになる。「つづれ織り」を初めて聞いたとき、「歌詞はすらすらと書けたが、タイトルがなかなかつかなかった曲」という印象を持った。本人に確認したら、やはり概ねその通りだったようだ。
 TAKUROくんは、美しい響きを持った、けれど若い人がほとんど使わなくなったような古い日本語を、とても大切に使う。GLAYの歌詞を通じて若いファンがその言葉を知り、化石になりかけていた言葉は息を吹き返すのだ。今日、彼に会う前から僕が一番聞きたかったことは、なぜこの曲に「つづれ織り」というタイトルをつけたのか、ということだった。
 インタビューの模様は、12/27(月)に放送される。

12月7日(火)

 来年の正月に、三菱自動車提供の特番を担当することになった。番組全体を通して紹介していくのは、世界で最も過酷な自動車レース、パリ・ダカールラリーである。
 1月のスタートを前に、三菱のチームドライバー・増岡浩氏に、東京の三菱本社でインタビューを敢行した。一昨年と昨年、2年連続で優勝し、現在パリダカで最強のドライバーと言われる有名人だ。プレッシャーも大きくて緊張したが、話し好きな、とてもクレバーな紳士だった。
 今回のインタビューのために、僕もパリダカについて一夜漬けながら勉強した。ラリーというのは、複数の車が同時に走るサーキットのレースと違い、1台ずつが順番にスタートしてそれぞれのタイムで競う。一日に走る区間が決められており、パリダカでは一日に1000km近くを走る。
 砂漠の真ん中を走るこのレース、運営している人や、車のメンテナンスをするチーム、食事を作る人、そして報道陣など、レースに出るわけではないが一緒に移動しなければならない人々は、主に飛行機で着いていくそうだ。朝、各車がスタートを切った後、20機もの飛行機でその日のゴール地点に先回りし、テントを設営して車がゴールしてくるのを待つのだ。だからパリダカのゴール地点は常に飛行場のある所なのだという。
 舗装されている道路ではなく、岩も穴も地雷もある砂漠を、時速150kmというスピードでぶっ飛ばす。ハンドル操作を少し間違えれば大事故に繋がるという状況で、朝から夕方まで、休憩もなく走り続けなければならない。タイヤがパンクしたら、3分で直す。エンジンから煙が出ても、応急処置を施して何としても走り続ける。これは素人には到底想像のつかない過酷さである。
 そのパリダカで、すでに三菱パジェロのチームは5連覇を果たしている。他メーカーの車が次々に壊れてリタイアしていく中で、パジェロは抜群の強度と安定感でたくましくトップをひた走る。オフロードの帝王なのである。
 三菱自動車は、度重なるアクシデントや不祥事で傷ついた会社の信頼を取り戻そうと必死になっている。増岡さんのパジェロの走りが、三菱に吉兆をもたらす日は近い。

12月6日(月)

 FM802のスペシャルウィークスが始まった。ヒット曲増量、豪華なプレゼント、そしてゲスト。テレビの番組改編期のように、全番組が特番態勢になる。局内はお祭りのように騒がしい。
 最近のテレビを見ていると、CMの入り方がけっこうえげつない。一番の見せ場の直前でCMに入る。この続きが見たかったらCMの後も見てね、という手法。別に、切りの良いところでCMに行ったところでチャンネルを変えるつもりなどないのにそういう見せ方をされると、僕などは次からは見る気が失せてしまう。あの露骨な姑息さがものすごくイライラする。
 でも今日はスペシャルウィークスだったから、ROCK KIDSでもちょっと似たようなことをやってみた。CM後にかける曲の、イントロだけを流して、「この曲はCMの後で」というやり方。賛否両論。
 これはこれで、リスナーを引っ張る一つの方法である。ただ僕がリスナーだったら、あまり興味はそそられない。次に何がかかるかわからないから面白いのがFMだ。「CMの後は、○○の新曲をお送りします!」というのも、本当はあまり好きではない。○○というアーティストに興味がないリスナーが、他局に変えてしまうかもしれないから。
 CMの間にどうやってリスナーをつなぎ止めるか。もちろんラジオに限らず、民放の放送局が抱える永遠の命題かもしれない。

12月4日(土)

 もう12月だというのに、台風が近づいているらしい。吹く風はちっとも冷たくなくて気持ちが悪い。昼過ぎから、篠突く雨が降り始めた。
 今日は802のスタッフの結婚披露パーティーがあった。カジュアルな格好で行って浮いたら嫌だと思ってパリっとスーツに身を包んで行ったら、他の出席者はほとんどみんなラフだった。新郎さえネクタイをしていない。先に言ってよ。新婦は性格の良さが顔に出ているかわいらしい女性で、その顔とよく似合うフリフリのかわいいドレスをまとっていた。式の日がこの天気とは気の毒だった。そういえば彼の会社の上司が結婚した日も、雨が降っていた。今日結婚したのは、かつてROCK VISIONを担当していたディレクターである。彼とは多分6年ぐらい同じ番組を担当していた。付き合いが長いぶん、彼とはいろんな話をした記憶があるから、感慨もひとしおだった。彼はすごくいい亭主になりそうな性格をしている。
 それはそうと、帰りの車の中でしみじみ思ったことがある。僕の「影の薄さ」をそろそろどうにかするべきなのかもしれない、ということ。いやぁ今日の僕は我ながら存在が薄かった。卒業して2年ぐらいで名前を忘れられてしまう高校のクラスメイトみたいだった。いかんいかん。一応DJなんだから、もうちょっと目立っとかないと。

12月3日(金)

 久しぶりにヤングな本を読んでみたくなって、たまたま書店で平積みになっていた「Teen Age」なる短篇集を買ってみた。最近注目されている七人の若手女流作家によるオムニバス。主人公が中学生や高校生ばかりの、瑞々しい小説が集められている。話の内容も高校生向けという感じだったので、2時間ぐらいで読み終わってしまった。非常にわかりやすい、誰もがノスタルジーに浸れる本だと思う。帯に書かれた某ミュージシャンのコメントだけ意味不明だったけど。
 それぞれの作家の書き方に個性があって、中にはどうも僕の肌に合わないような文章もあったが、実力派と呼ばれる人達だけあって、とにかく上手い。やはり女流作家は、男性には書けない視点というものを持っていると思う。現実主義的な僕なんかは絶対思いつかないような比喩がたくさん出てくる。その美しい発想力は羨ましいと思う。

12月2日(木)

 中島美嘉の主演で「NANA」が実写映画化されるらしい。共演には松田龍平や成宮寛貴など。中島美嘉はほぼ間違いなくナナを演じるのだろう。ハチは別に誰が演じてもいいような役だが、男優陣の配役はさすがに気になる。監督は「期待は裏切りません」と強気な発言をしているが、この映画に本当のところで期待するNANAファンが果たしてどれくらいいるのだろうか。矢沢作品の世界観を実写化するのは土台無理だ。ナナの歌声や登場するバンドの曲は、読者のイメージに任せておかないと、あのマンガは感情移入ができなくなりそうだ。
 コミックにしろ小説にしろ、ちょっとヒットするとすぐに映画化されてしまうのはいい傾向とは言えない。最近話題になった日本映画で、ストーリーが映画オリジナルなものっていくつあるだろうか。キャシャーンとかデビルマンを今さらリメイクするのも、結局は原作のネームヴァリューを借りなければヒットを狙えないからだ。すでに有名な原作の映画化なら、そのタイトルを浸透させる宣伝は必要ない。原作の知名度にあやかって、人気のおこぼれを映画がいただく。映画には独自のストーリーを加味して、「原作を読んだ人も楽しめます」という作りになってはいるが、それも考えてみればとってつけたような演出に見えてしまう。
 小説やマンガで展開したストーリーを映像化したものでなく、はじめから映画にするためにストーリーが練られた映画の方がおもしろいはずだ。そんなことは誰でもわかっているはずなのに、原作頼りの映画が後を絶たないのは、それだけ日本映画に活気がないということだろう。

12月1日(水)

 世界エイズデーの今日、大阪城ホールで今年もAct Against AIDS LIVE IN OSAKAが開催された。あいかわらずたくさんの感動が得られる、気持ちのいいイベントだ。今年の出演者で最大の注目は、何といってもKAN。ここ数年フランスに行っていたという彼が、人前で歌うのは実に3年ぶりだった。開局当時から彼はFM802で「MUSIC GUMBO」という人気番組のDJを担当していた。その番組を聞いて育ち、KANの大ファンだと公言してきたaikoが、この日は初めてステージでそのKANと共演した。「カブトムシ」を一緒に歌っただけの短い出演ではあったが、とても貴重なライブだった。
 この日最大の盛り上がりを見せたのは、やはりBEGINのライブだった。毎年このイベントで彼等のライブを見るが、いつもたくさん笑わせてくれるし、彼等の歌を聞いていると自然に涙が出てくる。この日も栄昇さんのMCに会場は爆笑しきり。たくさん持っているハワイアンシャツの中から、なぜか去年と同じのを着てきてしまったこと。BEGINが今年の紅白に出演できないと知り、本人達は別に出たいと思っていたわけでもないのに、地元の石垣島ではみんなが意気消沈していること。沖縄ではニキビ面の中学生を「ゴーヤみたいな顔」などと呼ぶこともあり、ゴーヤはあまりいいイメージではない。沖縄人が誰でもゴーヤ好きだと思うのは間違いなのだということ。そういったネタの一つ一つを、あの木訥とした独特の語り口で聞かされると、笑いが止まらなくなる。そんなふうに笑った後でも、「島人の宝」を聞いていたらやっぱり泣けてくる。沖縄の歌には、やはり不思議な力があると思う。