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Diary(05.09.)

9月30日(金)

 友人に勧められて、リリー・フランキーの著書を読んでいる。名前はリリーだが1963年福岡生まれの男性イラストレーターだ。ナンシー関ばりにシニカルで鋭い視点の持ち主。あまり頭を使わずに、漫画のように読める文章だが、小技と小ネタの連発で笑わせる。勢い任せで書いているようにも思えるし、緻密に計算されている文章にも見える。非常に下品な話題が多いのが特徴で、セックスやドラッグの話、下(トイレ系)の話も頻出。大人のブラックユーモア満載で、かつてのスネークマンショーに似たノリがあるかもしれない。たまにこういう人の文章を読むのもけっこう勉強になる。

9月29日(木)

 阪神タイガース、2年ぶりの優勝。特別ファンでもない人まで巻き込むようなミナミの乱痴気騒ぎに全然興味がない僕は、自宅で勇姿を見守った。序盤から圧勝のペースで、完璧な形で巨人を下しての胴上げ。ファンとしてこれほど気味の良い優勝はない。
 20年前に阪神が優勝した時、クリーンアップの一角を担っていた岡田監督は、現役を引退した後、解説者やタレントの道には一度も進まず、オリックスのコーチ、阪神の二軍監督として現場一筋、指導者の経験を積んできた。一昨年は1番だった今岡を5番に据えて打点王に導き、JFKの3人を抑えに固定させ、さらに2年目の鳥谷を徹底的に起用し続けた。主力選手の多くは岡田監督が二軍監督時代に手塩にかけた生え抜きであることを考えても、今年の優勝は岡田監督の手腕によるところが非常に大きいことがよくわかる。インタビューでの発言に、星野SDのような華がないのは残念なところだが、歴史に名を残す名監督になりそうな人だと思う。
 阪神はまさに黄金時代に突入した。今のところ、下柳、矢野、金本といったベテラン勢に頼っている感があり、彼らが引退を余儀なくされる数年後を危ぶむ向きもないわけではないが、1軍を狙っている生きのいい若手が2軍にうようよいるのが阪神の強みだろう。主砲候補の喜田や、レッド二世と呼ばれる赤松は、すでに今年のファームでタイトルを獲得し、1軍の鉄壁レギュラー陣に空きができるのを虎視眈々と狙っている状況。いずれは今のソフトバンクのように圧倒的なチームに成長するのではないか。
 シーズン途中でチームを去った沖原選手は、どんな思いでかつての同僚達の胴上げを見ていたのだろう。今季は終盤で故障があり、戦列を離れたようだが、来シーズンこそフル出場して欲しい。目指すはパリーグ首位打者。頑張れオッキー。

9月28日(水)

 機動戦士Zガンダム、劇場版三部作の第2弾、「恋人たち」の試写を見てきた。前回と違い、しっかりテレビ版を見て予習してあったので、すべてが見たことのあるシーンだった。初めて見る人にとってはやや難解な印象かもしれないが、この難解さこそがガンダムの真骨頂。リアルに政治や経済が絡んでくるからこそ面白いのだ。
 ハリウッドでは「三部作のパート2は恋愛ものになる」という通説があるが、このZガンダムもその法則に従っている。サブタイトルに「恋人たち」とつけられた通り、序盤からラブシーンのオンパレード。しかもけっこう赤面するような。Zに登場する女キャラの数はファーストガンダムの倍以上だという事実に今さら気づく。全登場人物が誰かと恋愛しているような印象だ。ファーストでいうところのララァのようなイメージのフォウ・ムラサメが中軸となるが、エマ、レコア、サラ、ファなど、いい女が次々に出て来る。個人的にはベルトーチカ・イルマが好みだな。今回の作品で唯一、髪の長い女性。主要キャラの声優はTV版とほとんど変わらないが、女性に限っては大胆に一新されていて面白かった。
 ファーストガンダムでの硬派なイメージを払拭する、ちょっと色気のあるストーリーのこの映画。大人のカップルで見に行くにはいいかもしれない。

9月26日(月)

 僕がFM802でDJをするようになって12年が経った。当初僕は大学生だった。そのデビューの頃から、長いこと一緒に仕事をしていた内藤ディレクターが、この日の番組を最後にディレクター業から身を引いた。
 僕がFUNKY JAMS 802という新人向けの深夜枠でDJをしていた頃は、彼もまだADだった。その後、ROCK VISIONからは彼もディレクターとして僕と一緒に番組を制作するようになった。SADSのUKツアーに一緒に行ったのは彼だし、ROCK VISIONが仕掛けたあらゆるイベントも彼が企画したものだ。V-ROCKからROCK VISIONにかけて、同じ制作会社でディレクターは3代に引き継がれたが、彼は番組に一番勢いがあった頃の、快進撃を支えたディレクターといっていい。付き合いが長く、親しく仕事をしていた分、彼との思い出は尽きない。あの頃、僕らが本気で応援していたアーティストの多くはもういなくなっており、アーティストによってはFM802のCDライブラリーに入っていないものもある。あんなに名曲だと思ってかけまくっていたのに、おそらくもうこの先、802で流れることは二度とないのだろう。そうやって隠れた名曲が隠れたままで埋もれていくと思うと無性に寂しくなった。せめて内藤さんには、僕達が番組を通じて紹介してきた素晴らしい曲達を、どうか覚えておいて欲しいと思い、特に印象深い曲をCDRにまとめた。彼が802で担当してきた番組は数多いが、その中にはROCK VISIONという奇抜な番組もあって、男ばかりのチームでただひたすら真っすぐに硬派に、ジャパニーズロックを追いかけていたということを、CDRに収録された曲を聞くごとに思い出してもらえたら嬉しい。
 彼の最後の番組は、深夜2時から5時までの「FUNKY JAMS 802」。DJはいつも僕のROCK KIDS 802でレポーターをしてくれている早川さんである。内藤ディレクターの最後の番組だけはスタジオで見学したいと思い、僕は朝まで付き合った。久しぶりの深夜で眠かったけど、人が少なくてまったりとした局の雰囲気は懐かしい。せっかくだからと僕も番組に出してくれたので、「HURRY GO ROUND」をかけさせてもらった。

9月25日(日)

 ここ数日、突然ハマっているアーティストがいる。その名はマキシマム・ザ・ホルモン。ラジオではてんでかからないバンドなので僕は最近まで名前すら知らなかったが、すでにメジャーデビューもしており、かなりの人気らしい。先頃発売されたライブDVDはオリコンのDVDランキングでも首位を獲得しているほどだとか。
 自分の番組のMINAMI WHEEL特集のために、ホームページであれこれと試聴しているうちに出会ったこのサウンド。ハードコアパンクといわゆるミクスチャーを行き来する感じで、ものすごくキャッチー。速くて激しくてデス声、歌詞など何を歌っているのか皆目わからないが、それなのに、信じられないほどキャッチーなのだ。さっそく入手したCDを聞きまくっているが、アルバムに収録されているどの曲も素晴らしい出来映え。そんなに素晴らしいのに、彼らがメディアでほとんど注目されないのには理由がある。聞いているだけでは何を歌っているのか全然わからないが、歌詞カードを見ると、そこにある言葉がヤバすぎるのだ。ヤバいのが歌詞だけならば、聞き取れない以上は無視して番組でかけてもいいのだが、タイトルからしてデンジャーゾーンに片足を突っ込んでいるので、どうしても敬遠してしまう。僕が試聴して一発で惚れ込んだ曲はアルバムのタイトル曲で、「ロッキンポ殺し」という。ロックで勃起しなくなったインポ野郎を殺してしまえという歌(?)。もっとかっこいいのが、「包丁ハサミカッターナイフドスキリ」とか。「川北猿員」という曲は表記こそ猿員だが、歌はどう聞いても「サリンサリンサリン♪」である。もうとにかくかっこいいと思う曲はことごとく、全っ然ヤバい。犬神サーカス団なんかとはまた違った路線の危なさ。この歌詞をユーモアとして楽しめるのはごく一部の大人だけだと思うが、大人が聞くのに適したサウンドでもない。つまり、不道徳を青少年にまき散らしているということになる。でも曲がかっこいいのだから売れるのは当然。歌詞を聞き取ることは不可能な歌ばかりなので(というより、適当に歌った英語に後から日本語をこじつけたとしか思えない)、さほど目くじらを立てる必要はないのだろう。
 このバンドのライブは、CDで聞くよりさらにかっこいいのだとか。テクニックはすごいし、ドラムが女性で、その子がたまに歌ったりしているところがまたかっこいい。ミナホで早く見てみたい。
 しかしここまで激しいサウンドは、あんまり長く聞き続けているとしんどくなる。これも僕が年老いている証拠か。

9月24日(土)

 インターネットの普及に伴って、あらゆる業界が影響を受けている中、レンタルDVDの世界にも面白いシステムが生まれている。
 livedoorが以前から始めている「ぽすれん」は、ネットで注文したDVDが自宅に届き、見終えたらポストに投函して返却するというシステム。ネットビジネスの多くがそうであるように、一般的なレンタル店と違って店の家賃を格段に安くできるし、人件費もしかり。そこで浮いたお金を送料に充てることで、普通のレンタルショップと変わらない価格設定を可能にしている。ただしこのサービスは月会費制。毎月決まった金額を支払うとなると、元が取れるかどうかが不安で二の足を踏む人が多いだろう。
 もう一つ、最近おもしろいなと思ったのが48DVDなるもの。新作のDVDが、600円で買える。ただし、開封してから48時間が経過すると、再生できなくなる。東京近郊のコンビニではすでに販売が始まっており、ネットでの注文なら全国どこからでも送料はその600円に含まれているという。メール便で届くから、もちろん受け取りの印鑑は必要ない。2泊3日のDVDレンタルに比べれば割高だが、買ってから開封するまでの時間は自由に決められるし、返却する手間はない。それに何といっても新品だ。見ず知らずの他人の手に触れ、他のデッキに挿入されたDVDを、自分のDVDプレーヤーに挿入することを嫌うような人にとっても、600円で新品を購入できるという仕組みはありがたいのではないか。再生できなくなったとはいえ、一度しか見ていないDVDをゴミとして捨てるのは憚られる、という人は、返信用の封筒に入れて投函すればリサイクルの処理を施してくれるらしい。
 面倒な会員登録や会費が必要ないこのシステム、僕としてはぜひ定着してほしいところだが、今のところ3タイトルしか発売されておらず、ラインアップ的にあまり魅力的ではないのが残念。今後に期待しよう。

9月23日(金)

 昨日、夕方のニュース番組を見ていたら、かの有名な「イマイ」くんによる架空請求業者追求レポートを放送していた。イマイ記者の天才的な話術を初めて見た僕はいたく感動したのだが、やっとのことで敵の住所を聞き出し、そこに乗り込むという一番面白いところで、「この続きは明日」と中断されてしまった。どうしても見たかったので、番組前にスタジオのテレビでスタッフと一緒に見た。一同爆笑。
 振り込め詐欺を企む悪質業者を相手に、一歩も引かない男、イマイ。罠にかかった気弱な男を演じながら、相手の矛盾点を残らずつまみ上げ、徹底的に質問する。イライラした業者は徐々に言葉遣いが乱暴になり、脅迫めいた発言さえするようになるが、イマイが金は用意してあると言った途端、敬語に戻る。しかしイマイは絶対に払わない。何十回も電話をかけているうちに、相手は根負けして、イマイを避けるようになる。それでも食い下がり、追及の手を緩めないイマイに、「ああ、振り込め詐欺だよ。払う馬鹿が現れるまでやってんだよ」とついに自分の正体を認める業者。低姿勢な被害者を装いつつ、絶対に負けないイマイはかっこいい。どんな局面でもしっかり食い下がって電話を切らせない。
 彼の追求レポートをまとめた著作は大ヒットになっているとか。一躍時の人になってしまった日本テレビのイマイ記者。どんな顔をしていて、何歳の男なのか、気になってしょうがない。

9月22日(木)

 起きたら午後だった。ひどい目覚めだ。起きて最初にしたことは歯磨き。その後、顔を洗って、コンタクトを外した。
 昨夜、横須賀から渋谷に移動して、Spread Beaverの皆さんとの打ち上げに参加させてもらった。たくさんのスタッフが来るのかと思ったら、ほんの10人ぐらいのこぢんまりした宴だった。メンバーや裕士さんといろんな話をしているうちに、かなり飲んだ。車ではないし、翌日は休みときているから、ブレーキになるものが何もない。記憶が途切れ途切れになるほど酔ったが、CHIROLYNさんが家の近くまで送ってくれたことは覚えている。そこからタクシーをつかまえて、明け方実家に着いた。そのまま、洗面所に寄ることことさえなく眠って、昼過ぎにようやく起きたというわけだ。
 さほど辛い二日酔いでもなかったが、出かける気分にはなれず、一歩も実家から出なかった。非常に贅沢に、時間を無駄遣いした一日。

9月21日(水)

 25日に閉館するhide MUSEUMで行われた最後のイベントは、Spread Beaver全員によるトークショウ。この日リリースされた、シングルのボックスセットと、98年のツアー「TRIBAL Ja,Zoo」の模様を収めたライブDVDのプロモーションイベントだ。先日の爆寸の際に僕はそのイベントでのMCという大役を依頼されていた。
 2階のミュージアムにステージを設置して30分ほどのトークイベント。抽選の結果中に入ることができた500人のファンは、その後1階のCafe Le PSYENCEへ移動する。そこでは僕による20分ほどのDJショウ(ミニ爆寸)を挟み、当日までシークレットにされていたSpread Beaverによるライブが始まる。ステージ上に12台設置されたモニターの中で歌うhideに合わせて、「Rocket Dive」「ピンクスパイダー」「everfree」の3曲。ミュージアムの閉館直前ということもあってメディアからも注目され、テレビ局や新聞社の取材も多かった。
 hide不在のまま行われたあのツアーをトークで振り返ったところで、楽しい話にはなかなかならない。どちらかというとメンバーにとっても辛い思い出であったようで、台本通りに進めようとすると話はまるで続かず、いろんな意味で難しいトークショウだった。その後のミニ爆寸も、爆寸を知らない人にとってはどう楽しんだらいいのかわかりにくい部分があったのか、微妙な盛り上がり…。しかし最後のライブで会場は一気に沸き、終わってみれば大成功だった。
 楽屋はSpread Beaverの皆さんと一緒だった。僕の隣ではKIYOSHIさんが村上春樹を読んでいて、その向こうではCHIROLYNさんが納豆を載せた弁当を食べ、D.I.E.さんやKAZさんがメイクをし、I.N.A.さんがカップヌードルを食べてながらJOEさんと談笑している。6人のメンバーと個別にインタビューなどをしたことは何度もあるが、この部屋の中に自分がいるという事実は、冷静に考えると非常に興奮するものがあった。自分があの怪人達の一員になったような気分。メンバーは皆さん本当に優しくて、何かと僕にも気を遣ってくれたので、緊張することは全然なかった。この6人が一堂に会する機会が、次に訪れるのはいつになるかわからない。今日の自分の体験を大切にしたいと思ったから、持参したメッシュキャップに皆さんのサインを書いてもらった。
 おそらく、横須賀という町に行くのはこの日が最後になるだろう。営業が終わった後のミュージアムの周囲をうろうろ歩き回り、どっぷり陽の暮れた横須賀の海を眺めながら、5年間横須賀で体験したいろんなことを思い出した。「もう最後だから」と言ってKAZさんがミュージアムの写真を撮っていたので、「KAZさんが入った写真、撮りますよ」と僕がシャッターを押してあげた。本当に、もうなくなるんだなと今さらながら実感した。
 さらばhide MUSEUM。

9月20日(火)

 先日の誕生日、番組スタッフが買ってくれたプレゼントは、ゲームボーイミクロ。もちろんファミコンカラー。誰もが一目見て「懐かしい」とつぶやいてしまう、あのコントローラと同じデザインだ。大きさは、携帯電話を折り畳んだ状態ぐらい。薄さは、携帯電話を開いた状態ぐらい。とにかく小さくてかわいい。ゲームキューブを出した頃まで、頑なに子供向けのゲームづくりにこだわっていた任天堂が、少子化の憂き目を見る前に、ターゲットを大人にシフトしてきたことが如実にわかるデザインといえる。「ファミコンミニ」シリーズの、1つ2000円という価格設定も見事。経済的に多少豊かになった若者達が、「懐かしい」という感情で思わず出してしまう金額の上限を完璧にリサーチしている。元手は一切かかっていないことを考えると、2000円なら任天堂はボロ儲けだろう。憎らしいほど商売上手。
 そしてもう一つ、別に番組チームからもらったプレゼントが、DJ用ヘッドホン。「弘法筆を選ばず」とか言って、実のところ単にめんどくさいだけで、いつもスタジオに据え置きのヘッドホンを借りてDJをしている僕だったが、ついに自分専用のヘッドホンを持つことになったのだ。かなりふかふかの密閉型で、電話の受話器のようにコードが螺旋状になっているやつ。ヘッドホンなんてだいたい何でも同じだとか思っていた僕は間違っていた。低音の響き方が凄まじくて、自分の声も実物以上にかっこよく聞こえる。おかげでちょっと喋り方が変わってしまった今日この頃である。
 どちらのプレゼントも、大事にします。ありがとう。

9月19日(月)

 ハッピーマンデー。敬老の日。ROCK KIDS 802はお休みだったので、昼間はホッケーで汗を流した。
 802をつけると、ヒロトさんと加藤真樹子ちゃんが、和歌山マリーナシティから特番を放送している。天気もよく、気持ち良さそうな様子が伝わってきた。和歌山からの特番は毎年放送されており、スタッフもDJも毎年同じ。それは、毎年いい番組を作り続けているからそうなるのだが、この特番を作る彼らは本当に楽しそうだ。9時間の特番ともなれば準備も大変だし、体力的にもさぞしんどいはずだが、それらの苦労を補ってあまりある楽しさなんだと、彼らの表情が語っている。はっきり言って羨ましい。1分しか出演しないレポーターの仕事でも喜んでやるから、僕も連れて行って欲しいと、過去に幾度となく懇願しているが、今年も和歌山出張の夢叶わず。
 リゾート地を紹介する特番というのは、現地に行っているスタッフが本当に楽しそうに見えなかったら意味がない。そういう意味で、完璧な番組だった。

9月18日(日)

 2週間ほど前から、地味に受け付け始めている爆発寸前NIGHTのリクエスト。考えてみれば去年もそうだったが、大阪の爆寸はリクエストがほとんど来ない。興味深いのは、そのわりにチケットの売れ行きがすこぶるいいという点だ。すでにチケットぴあの前売りはほぼ完売に近い状態で、今はBRAND NEWでの店頭販売で対応している。もちろんすべてのチケットが売り切れるということはないので、当日券も出す予定だが、番組を使って宣伝したわけでも、DMを送っているわけでもないのに、発売から1週間あまりでこれだけ売れてしまうのだから不思議。毎年このイベントを楽しみにしてくれている人がそれだけ多いということだろう。そしてリクエストが来ないのは、「リクエストなどしなくても、だいたいかかる曲はわかっている」ということか。リクエストが来ても来なくても、どのみち僕は自分の好きな曲しかかけないと思われているのか。まあそれは確かにその通りなのだが、どんな曲を求める客が来るのか、参考にはしたいと思うので、すでにチケットを持っている人は気軽にリクエストメールを送っていただきたい。
 投票しなかった有権者が政治に口出しをする権利を失うように、リクエストをしない人は、好きな曲がかからなかったとしても文句を言う権利がないのだぞ。

9月17日(土)

 昨日、ヒロトさんのHAPPY FUN RADIOで、映画「トップガン」のサントラを特集したところ、大変な反響があったらしい。実はその前日(つまり一昨日)、ヒロトさんと会った時に「『トップガン』ってどんな映画だったか、浅井覚えてる?」と聞かれた。その2分後には、そんな質問を僕にしてしまったことを彼は後悔していたに違いない。なぜなら、それから10分以上にわたり、僕は「トップガン」のあらすじと見どころを、それこそ唾を飛ばさんばかりに語り、サントラの曲解説まで始めてしまったからである。昭和40年代生まれの男性であれば、大概の人は見ている映画だろうと思っていたが、案外そうでもないらしく、周囲で聞いていた人は、一人で熱くなっている僕に若干辟易した様子すら見せていた。
 「トップガン」の最大の魅力は、俳優達のかっこよさ。ストーリーそのものよりも、トム・クルーズをはじめとするパイロット達の男前ぶりに熱中したものだ。GIカットやMA-1などの米軍ルックに憧れ、上半身裸にジーンズの姿でのビーチバレーに憧れ、離陸直前に親指を立てて地上のクルーに挨拶をして飛んでいく姿に憧れた。劇中で使われる音楽はどれも魅力的で、曲を聞くたびに映画の場面とシンクロする。あの頃のアメリカ映画のように、効果的に音楽を使ったアクション映画を、久しく見ていない気がする。
 ヒロトさんとそんな話を聞いたらまた見たくなって、家に帰ってからDVDを引っ張り出して最初から最後まで見てしまった。久しぶりに見て、おもしろい再発見があった。トム・クルーズの相棒グースの妻の役で、まだ無名だったメグ・ライアンが出ていることはよく知られているが、もう一人、今は非常に有名な役者が脇役で出ていた。序盤、トム扮するマーヴェリックより成績がよかったが、飛行中のトラブルが原因で飛ぶことが怖くなり、引退していった同僚…の、相棒。グースが亡くなった後、最後の戦闘シーンでマーヴェリックとコンビを組むのもその時の相棒である。戦闘中の会話ぐらいの台詞しかなく、ほとんど顔が映らないその相棒を演じているのが、この9年後に「ショーシャンクの空に」でオスカー俳優となるティム・ロビンスなのである。かっこいいパイロットがたくさん出演していた中で、トム以外で出世したのはバル・キルマーぐらいだと思っていたが、こんなところに大物が隠れていたとは。

9月16日(金)

 日頃からよくライブを見に行く音楽ファンは、「ライブハウスはなぜドリンク代を徴収するのか」という問題について、一度は考えたことがあるのではないだろうか。
 実態がないのに金額だけは高い電話の加入権や、引っ越すたびに意味もわからないまま払っている敷金や礼金のように、さしたる疑問もないままにみんなが払っているお金。ライブハウスのドリンク代がそれと一緒だと断ずるのは行き過ぎかもしれないが、僕はわりとその必要性については懐疑的だ。いつからドリンク代制度が施行されたのかは知らないが、単なる惰性で続いている慣習のように思えてならない。
 観客全員に500円の1ドリンクを買わせるのは、飲み屋でいうところのチャージに似た発想だと思う。席料。居酒屋のお通し。ライブハウスが、生演奏つきのバーみたいなところだったらそれも納得がいくが、落ち着いて酒を飲む場所などなく、もみくちゃになってライブを見るだけの客から、すでに支払ったチケット代とは別に席料を取るというのもおかしな話だ。わざわざ入り口でお金を払うから入場に時間がかかり、終わった後にドリンクバーに殺到するから退場も遅くなる。買えと言われたから買ったドリンクなのに、飲んでいる最中に早く帰れと外へ放り出される。ドリンク代を入場料の一種と考えるならば、当然、はじめからチケット代に含めるべきだ。大阪爆寸ではドリンク代を徴収しないシステムになっている。
 だったら爆寸東京も1ドリンク込みにしろという意見も多いだろう。僕もそう思う。これまで、何となく世間のしきたりに従い一般的なシステムにならってきたが、来年からは(来年も開催するならばの話だが)1ドリンクつきで少し値上げすることにしよう。
 ドリンク代徴収制度がすべて悪いと言うつもりはないし、ライブハウスの人から詳しい話を聞いたわけではないから、言い分は立場によっていろいろあるのだろうけど、少なくとも、当たり前のように続いている慣習としてはナンセンスなものを僕は感じている。

9月15日(木)

 2年前に購入したファックス電話機の調子があまりにも悪いので、新たに1台購入した。同じメーカーのものを買ったが、たかが2年で電話機も驚くほど進化していた。今回買ったのはいわゆる複合型の機種で、子機2台つきのファックス電話の他に、プリンタ、スキャナ、コピー機能がオールインワン。便利な時代になったものだなぁと感動しながらさっそく設置した。ところが、受話器を上げるとブツブツと妙な雑音が聞こえる。いろいろいじってみるが原因がわからない。とりあえず明日メーカーに電話してみようと自室に戻り、パソコンの前に座ったら今度はモデムに回線が繋がっていない。またまたあれこれといじりまくる。1階の電話線を抜くとネットが復活し、モデムに繋がっている電話線を抜くと受話器から聞こえるさっきの雑音がなくなる、ということに気づくまでに数時間かかった。要するに、並列で繋いでいたことに問題があったらしい。仕方なくモデムを1階に下ろし、スプリッタを使用すると、問題はすべて解決した。AirMacの電波が届くかどうか不安だったから2階にモデムを置いていたのだが、こうなったらやむを得ない。幸い電波は問題なく届くようだ。それにしても、たかが電話を繋ぐのにこんなに時間がかかってしまうことが情けない。

9月14日(水)

 先週、サッポロビールから発売されたばかりの「ザ・フルーツ・スパークリング」というお酒にハマっている。お酒に関しては、「飲もうと思えば飲めるが、自分から好んで飲もうと思わない」というタイプの僕だから、自宅でお酒を飲むということを滅多にしない。その僕が、ここ数日毎晩必ず飲んでいるのがこのお酒なのだ。こんなことは初めて。飲む理由は、言うまでもなくおいしいからだ。
 チューハイとは根本的に違う飲み物。このフルーツスパークリングは、果汁とアルコールを混ぜたものではなく、果汁をそのまま発酵させてアルコール飲料にしたお酒。特徴として、炭酸がきつすぎず、全然甘くない。レモンとグレープフルーツ、アップルの3種類があるが、甘いというよりはどれもけっこう酸っぱい。バーベキューの時に缶チューハイを1本飲み切ることさえ出来ない僕が、このフルーツ・スパークリングは気がつくと1本空けている。ジュースを飲むような感覚で、気持ちよく酔いが回ってくる。トゥードッグスとかZIMAに近い味だが、それらよりはるかにフルーティ。
 サッポロが自分の番組のスポンサーで、たまたま頂いたのがきっかけだったが、これほど美味しいと思うお酒に初めて出会った。サッポロは、他社とは異なったアプローチで、全く新しいお酒を作る会社。ドラフトワンと同じように、どうかロングセラーになりますように。

9月13日(火)

 先週放送されていたビッグイシュー日本版のドキュメンタリーを見た。関西テレビで、真夜中に放送されていた1時間の番組である。フジテレビで放送されている「FNSドキュメンタリー大賞」はという枠は、全国28の放送局のスタッフが、55分にまとめたドキュメンタリー番組の質を競うもので、扱う内容は多岐に渡る。時にはメディアで敬遠されがちな危険なテーマや、誰も注目してこなかった小さな問題にスポットを当て、これからの日本について深く考えさせるような番組も数多い。テレビ番組を製作するスタッフ達の、ジャーナリストとしてのプライドを感じる。子供のころ、報道を志したこともある僕としては、憧れと尊敬の念を持って見てしまうような番組なのだ。
 その枠で、ビッグイシューを取材した番組が放送された。タイトルは、「路上に賭けた人生〜ビッグイシューという挑戦〜」。ホームレスの自立を支援する目的で創刊されたビッグイシューという雑誌を、根付かせるために奮闘するスタッフと、中高年のホームレス達。そのふれあいも描きながら、これまでとは異なったホームレス支援の在り方を紹介し、それぞれの「ビッグイシュー」に賭ける思いを描く、という内容だった。自ら好んでホームレスになった人は一人もいない。それぞれに事情を抱えている。そんな当たり前のことを思い、胸が痛んだ。
 創刊から2年が経ち、僕が思っていた以上にこの雑誌の経営状態は厳しいのだということを知った。販売員にとって、この雑誌が1冊売れるかどうかは文字通り死活問題だ。そういう販売員達のためにも、何とかして、売れる雑誌を作らなければならない。「内容が面白いから」という理由で買ってもらえる雑誌を作らなかればならない。以前にも書いたとおり、次号から、僕はこの雑誌で連載のコラムを担当することになっている。この雑誌の誌面作りに、ほんのわずかでも携わることになった一人として、責任の重さをあらためて感じた。

9月12日(月)

 この夏、唯一見続けていたドラマが「スローダンス」だった。初回は好調だった視聴率も徐々に下がってしまったようだが、僕は辛抱強く見続けた。僕ぐらいの世代なら共感できるちょっとした台詞がおもしろかったし、深津絵里の演技も好きだった。最終回、ここまでの二人の歩みを回想シーンで振り返っておいて、クライマックスで「順番、守ってくださる?」という二人の出会いの台詞を繰り返す演出もお見事。楽しそうで微笑ましい、こういうライトな恋愛ドラマって、年に一度ぐらいは見たくなる。特に今回は、主役が自分と同世代だったこともあって、若い人とのジェネレーションギャップに戸惑う場面などは共感できて面白かった。
 最後に登場した妻夫木聡の愛車はプリウスだった。ついに月9ドラマの主人公がプリウスに乗る時代到来といったところか。

9月11日(日)

 選挙の開票特番が見たくて、急いで家に帰った。
 最近の出口調査は正確で、しかも速い。自分の番組を終えてどっぷり日も暮れた頃に投票に行ったりすると、帰宅してテレビをつけたらすでにその選挙区の当確が出ていたりして、自分の一票は何だったのかと虚しくなったりする。だから今回は期日前投票をしておいた。僕が予想していた通りの、自民圧勝。小泉首相の人気を侮ってはいけないのだ。
 各局の特番をザッピングするように見ていたが、やはり一番面白かったのはTBSだ。筑紫哲也と久米宏、さらに田丸美寿々が一緒に司会をするというのは豪華で興味深い。実質的にはほとんど久米と田丸が進行していて、スローテンポな筑紫は非常に陰の薄い立場だったように思う。チームとしては若干アンバランスだったと言わざるを得ないが、他のどの局よりも見応えはあった。残念だったのは、途中で、MBSによる関西ローカルの特番に切り替わってしまったことだ。平日夕方の「ちちんぷいぷい」とやらは大阪のお茶の間にはさぞ人気番組なのだろうが、肝心の開票特番を芸人だらけのその出演者に任せる必要がどこまであるのか。そのせいでTBSの特番が見られなくなる事態は勘弁してほしかった。

9月10日(土)

 日付が変わってから、たくさんのメールや書き込みでお祝いしてもらった。どうもありがとう。浅井博章、33歳になりました。
 今年の誕生日は仕事を入れなかった。めずらしく外食をしようということに。どうせなら「誕生日に行くと特別なサービスをしてくれそうなところ」がいい。真っ先に頭に浮かんだのが、ハードロックカフェだった。従業員達が賑々しく客の誕生日を祝っている様子をいつも見ていた僕も、たまには祝福される側になってみたいと常々思っていたところだ。食事を終えた頃合いで、店内にアンドリューW.K.の「PARTY HARD」が流れ、ウェイター達が行進して来た。花火の差してあるパフェ風のシャーベットがテーブルに置かれ、マイクを通して店内で一斉に「1、2、3、ハッピーバースデー!」と叫んでくれる。これは想像していた以上に恥ずかしい状況で、全身から汗が噴き出したが、この派手さこそがアメリカン。お土産もいろいろくれるし、愉快な気分にさせてくれるお店だと思った。
 33歳も健康な1年でありますように。

9月9日(金)

 10月に入ってから10日間、西九条BRAND NEWでは、オープン10周年を記念したイベントが連日開催される。古くはヤンタ鹿鳴館の名でV系の創世記を見守ってきた老舗ライブハウスが、BRAND NEWと看板を変え、幅広いロックを扱うライブハウスとして生まれ変わってから、ちょうど10年。爆発寸前NIGHTがBRAND NEWで初めて開催されたのは8年前で、以来20回以上は開催してきたはず。一時はBRAND NEWの名物イベントと呼ばれた爆寸を、今年は10周年記念イベントの一環として開催させてほしいとの打診を受けたのが春のこと。これまでこのライブハウスでお世話になったいろんなバンドのライブが予定されており、その中に爆寸のようなマニアックなイベントを組み入れてもらえるのはありがたいことだ。人気バンドのワンマンライブも組まれており、週末のスケジュールはそういうライブが優先。今年の爆寸が平日の開催となった背景には、そういう事情もある。
 陰陽座やWaive、ドレミ團など、BRAND NEWゆかりのバンドが名を連ねる今回の10周年イベントで、見逃せないのはRavecraftという名前があることだ。かつて関西のインディーズシーンを盛り上げた人気バンドが、この日だけ復活を果たす。それも、Yo-YoやAtsuyaが在籍した5人のメンバーで。
 BRAND NEWのOさんから電話をもらって、今回の10周年イベントの内容を最初に聞いた時、「Ravecraftの再結成とか!?」と冗談で言い出したのは、実は僕だった。このハコにゆかりのあるバンドと聞いて、最初に思いついた名前だったから。突拍子もないことを言い出した僕に対して、Oさんは一瞬唖然として「いや、それはないんですけど」と苦笑まじりの様子で返した。その電話の後、まんざらでもないと思ったのか、Oさんはかつてのメンバーに連絡を取り、一日限りの再結成ライブ実現がすんなり決まったようだ。どんな衣装で、どんな曲を演奏するつもりなのだろう。「Just My Revolution」とか「When I Feel」など、初期の人気曲も聞けるのか。V-ROCK 802が始まった当初からこのバンドを応援していた僕としては大変気になるところだが、復活ライブは金曜日。言い出しっぺとしてはぜひとも見届けたかったが、番組と重なってしまった以上は仕方がない。
 今ごろ、あの5人は久しぶりに集まって、忘れかけていた古い曲を練習しているに違いない。かつてのファンの人達も、純粋に懐かしみ、楽しめるライブになることだろう。

9月8日(木)

 新しく幅広の食器棚を購入したので、それに伴って部屋の模様替えを敢行した。これまで台所で使っていた家具を他の部屋で再利用。嵩のあるレンジ台を、背板に穴を開けてAV&ゲームラックに変身させ、最上部の戸棚の中にプロジェクターを入れたら、テレビ周りがかなりすっきりした。とにかく「居間に余分な物は一切置かないこと」が浅井的インテリアのこだわり。テレビドラマに出て来る家庭のような、物が少なくて生活感の希薄な居間とダイニングが理想的なのだ。では、余分な物はどこにあるかというと、全部2階。お客様の目に入らないうちの2階の部屋は、空き巣でも入ったかのような散らかり具合である。浅井的インテリアのこだわりは、「見えるところさえきれいであれば良い」と言い換えることもできる。
 これは、僕の生活スタイル全般に通ずるポリシーでもある。たとえばスポーツにおいても、見栄え重視。道具が大事という意味ではなくて、フォームの美しさを追求し「上手く見える」ことを美徳とする。どんなに薄っぺらくてもいいから、とにかく一見しただけだと金に見えるメッキを目指すのだ。自信たっぷりに語るようなポリシーでもないけど。
 当然のことながらメッキというものは簡単に剥がれてしまう。
 お隣に住む家のご夫人が、「浅井さんとこのご主人は、ギャップがおもしろい」と証言したらしい。仕事に出かける時などの「人に見られることを意識した服装」と、ちょっと新聞を取りに出たりゴミを出したりする時の「人に見られることを意識していない服装」との間には、どんな人でもそれなりの差があるものだと思うが、僕の場合はその落差があまりに著しくて、笑えるのだと。そそそそんなに僕の普段着ってやばいすかと尋ねたいところだが、おもしろいと言ってもらえて光栄ととるべきか。人呼んでメッキDJ。

9月7日(水)

 大阪府に暴風警報が出たら学校が休みになると聞かされていたが、朝の7時になっても注意報までしか出る気配がない。窓の外はびゅんびゅん風が吹いているというのに、雨がまるで降らない。逆に時折晴れ間がさすというよくわからない天気。台風はどうやら日本海側に抜け、近畿直撃は免れたようだ。ほんの少しでも休講を期待していた僕はひどく落胆し、「なんでこんな風の強い日に学校行かなあかんねん」などとぶつぶつ文句を言いながら出勤。ところが、40分以上もかけて学校の最寄り駅まで到着した頃になって、「やっぱり休講です」というメールが届いた。そうならそうと早く言ってくれ。僕の朝を返してくれ。かなりの時間を無駄にした気分。
 この日は、サッカーの日本対ホンジュラス戦、野球の阪神対中日戦、ともに大変見応えのある好ゲームだった。特に野球の方では、終盤にきわどい判定による両チームからの抗議が相次ぎ、一触即発の緊迫したムードだった。こうやってスポーツの中継を見ていていつも思うのは、「審判も大変だよな」ということ。テレビカメラの映像をスローで再生してもはっきりとわからないような曖昧なジャッジを、その場で、瞬時に下さなければならない。どちらの判定を下しても、一方からの抗議は避けられないだろう。素人の僕がテレビを見ていた限りでは、中村豊、アレックス両者のホームへのスライディング、福留の3塁への盗塁、どれもセーフに見えた。しかしどんな抗議を受けたとしても、一度下した判定を覆すわけにはいかない。自分の目と判断に自信がなければ、審判は務まらないだろう。
 ウィンブルドンの時も、ラインズマンがアウトと叫んだボールを主審がインと訂正し、当然選手からクレームが出たが、そんなのは無言で一蹴。CGでスロー再生してみると、確かに数ミリほどラインにかかっており、実況席の二人が主審の冷静かつ正確なジャッジに唸るという場面があった。一流の大会は審判も格が違うのだなと思った。
 選手が本気であればあるほど、審判も本気だ。一つ一つのジャッジに命がけ。僕みたいに意志の弱い人間には絶対に出来ない。「あ、今のアウトっぽかった?ごめんごめん、じゃ、アウトってことで。え?やっぱセーフ?だってこの人アウトって言ってるよ?ダメ?じゃあもういいよ、やり直し〜」とか言ってしまいそう。即クビ。

9月6日(火)

 17日から公開となる、映画「深紅」の試写を見て来た。
修学旅行中でたまたま一家惨殺の難を逃れた少女。死刑判決を受けたその犯人には、同い年の娘がいた。一家惨殺の生き残りと、犯人の子供。二人が、大人になってから知り合う、という話。僕が昨年読んだ中でも五指に入る素晴らしい小説だった。そして、原作者である野沢尚自身が、この小説を脚本化したのが今回の映画。この脚本が彼の「遺作」にあたるらしい。
 この小説は、少女が事件の全容を知り、家族の無惨な死を受け入れる序盤と、犯行にいたるまでの経緯が赤裸々に明かされる被告の上申書の部分が、極めて衝撃的だ。そのせいで、後半の印象がやや希薄になる。そうした批評は発刊当初から多かったらしく、実際文庫の解説にも書かれていた。
 野沢はおそらくそれらの批評を受けてから脚本化を始めたのだと思う。前半と後半の間にあるインパクトの落差をなくすため、時間軸を巧みに入れ替えて、ショッキングな場面が物語のクライマックスに重なるように作られている。どのようなストーリー展開にすれば視聴者の興味が最後まで持続するか、完璧に計算された脚本だった。もともとは脚本家が本業である野沢の、意地とかプライドのようなものを強く感じた。
 長い小説を2時間の映画にまとめるために、殺人を犯すまでの犯人の物語や、二人の女が出会うまでの経緯など、いくつかのエピソードは大胆に端折られており、そのせいで現実味が多少減ってしまっている感はある。しかし、原作を書いた野沢自身が映像化を見据えて削除したのであれば納得もいく。原作とは異なる結末を迎えるところがまたニクい。
 配役や監督については、特に触れる必要もないだろう。野沢尚の渾身の遺作というだけで見る価値は充分だ。原作小説を読んだ者さえも物語に引き込まれる脚本。さすがは野沢尚としか言いようがない。

9月5日(月)

 ROCK KIDS 802のゲストにm-floのVERBALが登場。彼は、いつ誰と会っても礼儀正しくフレンドリーな好青年だ。新作「BEAT SPACE NINE」が大ヒットを記録し、今や押しも押されもせぬビッグネームだが、それを鼻にかけるような態度は一切見せない。トークもおもしろいし、話題が豊富だ。彼の近況について事前に情報をもらっていたので、その話をするつもりでいたが、それとは全く別の方向に会話が転がっていくうちにずいぶん時間が経ってしまった。
 楽曲ごとに異なるアーティストをフィーチャーするスタイルとなって、2枚目のアルバムを作ったm-flo。今後もこうしたコラボレーションの形態を続けていくかどうかは、まだ決めていないという。ファンにとってはあらゆるサウンドが楽しめて面白いが、外部のアーティストと組んでいるばかりでは、レコーディングもライブも自由度が低くなる。今作も、レコーディングの段取りと、楽曲の共同制作にかなりの時間を費やしたことは想像に難くない。
 それらの作業がスムーズに進行するのは、やはり二人の人柄によるところが大きいと思う。一度脱退したLISAが、古巣での再共演を快諾したことからも、彼らの性格の良さがうかがえる。こんないいヤツらの頼みを誰が断るだろう。まして二人と共演できることは、多くのシンガーにとっては憧れでもあるのだし。
 このニューアルバムで、彼らは初めてオリコンの首位を獲得した。前作よりも自由度が増し、TAKUの幅広い音楽性が存分に発揮された力作だ。売れて然るべきアルバムが、市場で正しく評価されたと見るべきだろう。

9月4日(日)

 予想はしていたが、それを上回る首の激痛。思うように首が動かないから、運転が危ない。今日は車線変更も必要最少限。
 昨日の爆発寸前NIGHTの感想を、引き続きありがたく読ませてもらっている。特に爆寸初参加だった人から、「MCが面白かった」という感想が非常に多くて驚いた。爆寸を始めて丸8年になるが、ついぞ言われたことのない言葉という気がする。まあ確かに昨日は、いつもよりよく喋った。
 ところで、ちょっと笑える後日談。
 昨日のそのMCの中で、「案外身近なところに、潜んでいるhideファン」の話をした。以前にもこの日記に書いた、OSMの女性講師やNACK5の警備のバイトくんのほか、FM802のテレオペの話も。OSAKAN HOT 100やROCK KIDS 802でリクエストを受け付けるオペレーターの女の子。名前も知らず、会話を交わした記憶もなかったのだが、先日出し抜けに「3日の横須賀のイベントって、チケットまだあるんですか?」と尋ねてきたのだ。聞けば彼女は過去にも爆寸に来たことがあると言い、昔からhideのファンだったそうだ。以前から、一度ミュージアムにも行ってみたかったのだと。まさかそんな身近なところにバンギャルを発見するとは思っていなかった僕は大いに驚き、「チケット、超〜余ってるよ!おいでよ!」と熱心に誘った。しかし彼女の態度ははっきりしない。「来られないの?」と聞くと、彼女は浮かない表情で「行きたいことは行きたいんですけどぉ、私、レストランに行きたいんです…」と。つまり、Cafe Le PSYENCEがライブやイベントで使われる日はレストランの営業がないので(本当は一応あるのだが)、どうせ行くなら別の日にしたいということだ。気持ちはわかる。爆寸がドライカレーに負けた瞬間だった。この敗北が悔しかったので、僕はその時のハートブレイクをMCのネタにしたのである。その場に彼女がいないのをいいことに、喋り方などに若干の脚色を加え、ちょっとかわいげのない無愛想な子風にアレンジして。どんなアレンジだったかは、来てくれた人は覚えていると思う。
 ところが昨日、帰宅してパソコンのメールボックスを開いてみると、なんとその子からメールが来ているではないか。以下抜粋してコピペ。「名前も名乗らず、先日は急に話しかけてしまい、すいませんでした。・・・って今日行ってたんですよーーー!!!!!(`Д´) あたし、あんなしゃべり方ですか!?(笑)まぁ…ネタにしていただけて光栄です(´∀`;)」とのことだった。しまった…。いたのか。申し訳ない。二度もネタにして。だっておもしろいんだもん。

9月3日(土)

 ついにやってきた横須賀爆寸の日。運良く天候にも恵まれた。
 発売直後は信じられないほど売れていなかったチケットだが、当日券での入場者も含めて、結果的にはいつもの爆寸よりも多くの観客が来てくれた。BRAND NEWやCYBERの倍ぐらいの広さはありそうなCafe Le PSYENCEだが、スカスカという感じではなかったので、カーテンが開いて始まった瞬間、僕は安堵していた。開催直前で動員が伸びたのは、ミュージアムやhide-cityでの宣伝のおかげだろう。
 いつもと違って、爆寸を初めて体験する人が非常に多かった。おそらく、7割ぐらいはそうだったのではないかと思う。このイベントは、慣れていない人にとってはノリ方が難しい。爆音で流れるhideやXを、棒立ちでおとなしく聞いているだけの人が多かった。考えてみれば、CYBERで初めて爆東を開催した時もそうだった。いくら何でもこのままでは失敗だと思ったので、途中で「爆寸の正しい楽しみ方」をレクチャーしてみた。知っている曲、好きな曲が流れた時は遠慮なくはしゃぎ、前に突っ込むこと。歌詞を知っているなら大声で歌い、拳を挙げて、自分がその曲を知っているということを周りに知らしめること。そのMCを境に、後半は比較にならないほど盛り上がった。
 今回の選曲は、hide SPECIALと銘打ちながら、Xが多くの割合を占めた。普段の爆寸では古すぎてかけられないような初期の曲も躊躇なく選曲できる喜び。hideのソロにはヘドバン向きの曲がほとんどないので、ヘドバンタイムでは必然的にXが集中。紅からオルガスム、STAB ME IN THE BACK、Silent Jealousyと速い曲の連打で、首の筋肉にとどめを刺した。自分の。
 今回は、これまでの爆寸で最も男性客の比率が高かった。僕らの世代では、Xは男の子にも絶大な人気があったということを再認識。たくさんの男性が僕のかけるXの曲で暴れ、歌い、そして泣いていた。それは今までに想像したことすらない光景で、DJ冥利に尽きるものだった。
 この日限定で販売したTシャツは、バイトくん達の尽力もあって無事完売。サイズの発注をどうやら失敗したようで、Lサイズが売れ残る寸前だったが、心優しい常連さん達が募金代わりに買い取ってくれたようだ。MやLがあんなに巨大だとは、箱を開けるまで僕も知らなかった。次回Tシャツを作る時は80%をSサイズで。
 今回の爆寸は、初めて昼間に開催した。もとはといえば、僕自身が土曜のうちに大阪に戻る必要があったからなのだが、この時間に開催したのは正解だった。夜行バスで来た人も昼間に時間を持て余すことがあまりなくて済んだようだし、終わってからご飯をゆっくり食べて帰れる。そして、一番気持ちのいい時間帯の横須賀の海を堪能してもらえたことだろう。昼間に開催するなら、「爆発寸前NIGHT」というイベントタイトルには矛盾があるということには、今ようやく気づいた。「爆発寸前DAY」か「爆発寸前AFTERNOON」にするべきだったか。まあ、どのみちもう遅い。
 僕が自宅に着いた頃には日付が変わっていたが、すでに感想のメールや書き込みがたくさんあった。予想以上に暖かい反応が多くて励みになる。特に、初めて爆寸に参加した人から「素晴らしいイベントだった」と褒めてもらえるのは本当に幸せだ。横須賀での開催はもう出来ないけど、いつかまた、hideファンに集まってもらえる爆寸をどこかで開きたい。Xやhideのファンが集まれる場所を作りたい。hideファンの人達がそれを僕に求めてくれるならなおさら。
 横須賀の空の下で、たくさんのhideさんのポスターやパネルに囲まれて、空にいるhideさんに誇れる楽しいイベントができて、本当に良かった。今日を迎えるまで胸の中で渦巻いていた不安がすべて消えてなくなり、気持ちのいい達成感だけが残っている。
 心から、感謝したい。この日、全国各地から集まってくれた多くのhideファンの皆さんに。開催を快諾してくださり、惜しみなく協力してくださったMUSEUMのスタッフの皆さんに。そして、hideさんに。

9月2日(金)

 BEAT SHUFFLEは公開生放送の番組だから、登場するゲストのファンが毎週スタジオの外に集まってくる。その観覧客を誘導し、混乱のないように取り仕切る警備員のアルバイトが何人かいるのだが、僕にとって彼らは直接接点のあるスタッフではないので、ほとんど会話を交わしたことがない。今日も僕はいつものようにほとんど目さえ合わせず、小さな声で「お疲れさまです」とだけ言って彼らの前を通過し、スタジオの扉を開けようとした。すると、バイトくんの中の一人が、笑顔で声をかけてきたのだ。「あ、浅井さん。明日の横須賀のライブ、行くんで、頑張ってください」と。あやうく聞き流してしまいそうだった。「横須賀?ライブ!?君、hideが好きなの?」「はい、大好きなんです!」満面の笑顔で答えるバイトくん。こんなところにもhideファンが。爆発寸前NIGHTは決してライブではないが、あえてそれは言わなかった。ともあれ、明日の本番に向けて、ますますテンションが上がったのは事実。
 選曲も準備も完了。明日のために買った、テンガロンやガイコツの手の指輪もばっちり。伸るか反るか。

9月1日(木)

 実家にかかってきた1本の電話。「こちら、横浜警察の者ですが、おたくの博章さんが、今朝電車の中で女子高生の体を触りましてね。さっきまでずっと否定していたんですが、ついに認めたんですよ。で、示談のこととかいろいろありましてね。ちょっと本人に換わりますから。…(別の男)…もしもし?(グスッ)母さん(グスッ)?おれ…おれ…うわ〜ん!…」我が家に初めてかかってきた、絵に描いたような振り込め詐欺(というより、今どきこんな手口がまだ横行していたのかというぐらいの古典的オレオレ詐欺だ)に、浅井母いたく興奮。受話器を押さえ、横にいる浅井父と「どのような対応をするのが、一番おもしろい展開になるか」をあれこれ相談していたところ、しびれを切らした泣き真似男が、自分の寒い芝居に耐えられなくなったのか、「こっちが必死で演技してんだから、何とか言えよババァ!」と言い捨てて電話を切ってしまった。
 僕の名前で実家に電話をかけてきたところをみると、小学校か中学校あたりの卒業アルバムを手に入れたのだろう。同じ学年の男子生徒全員の家に、片っ端から電話をしているということか。未遂に終わっては次の家にかけ、また未遂に終わって次…ということを、何百回も繰り返すに違いない。横浜駅で女子高生に痴漢を働いたという設定も、演技も多分同じだ。日がな一日、誰かが騙されるまでそんなことを繰り返す。常々思うのは、こういう人って、自分のやっていることについてどう考えているのか、ということ。毎日毎日、痴漢で捕まったから示談金を払わされる男になりすまして、万に一つの確率でそれに騙されるお年寄りがいたとしても、得られるお金などたかが知れている。もちろん罪の意識などはないのだろうけど、仮に犯罪であっても、もっと効率よく金を稼ぐ方法なんていくらでもあるだろう。もう少しマシな商売を考えればいいのに。
 振り込め詐欺の電話がかかってきたら、途中までは騙されている振りをするべし。振込先を聞いて、電話を切る直前に、「詐欺で警察に捕まったときは、あなたのお母さんにそんな言葉をかけてあげるのよ」と忠告するべし。