
11月30日(水)
大阪城ホールでAct Against AIDS 2005 LIVE IN OSAKA」が開催された。例年は12/1の世界エイズデーの開催だが、13回目となる今年は諸事情によりその前日となった。
おなじみのCharやBEGINの他、レミオロメンやSKOOP ON SOMEBODY、去年に続いての登場となるBENNIE K、そしてトップバッターを務めたDEPAPEPEの6組が出演。レミオロメンの披露した4曲はすべて代表的なヒットシングルだったし、BEGINは「恋しくて」を、Charは「気絶するほど悩ましい」を、といった具合に、各アーティストが代表曲を期待通りに歌ってくれるのが嬉しい。
毎年いろんな感動を与えてくれるイベントだが、今年は、全編を通して唯一涙を流したステージが、なぜかBENNIE Kだった。2番手で登場した彼女達が歌ったのは、去年より1曲多い3曲。「Dreamland」と、新作からの「ユートピア」、「サンライズ」という明るくアゲアゲな選曲で、泣かせるようなMCなどなかったし、ライブ自体の出来は、普段のBENNIE Kからすればさして良くはなかったかもしれない。それでも、二人が広いステージを飛び回って、一生懸命会場を盛り上げてくれている健気な姿が無性に嬉しくて、楽しく盛り上がっている客席の中、僕は一人でうるうるしてしまっていた。AAAの物販Tシャツにハサミを入れ、マジックでたくさん落書きをほどこしてカスタマイズした姿にも、彼女達なりにこのイベントを楽しみ、考え、訴えようとしているのが伺えて、何だか胸が熱くなった。
今年出演した6組のうち4組は、過去にも大阪のAAAに出演経験がある。続けていくことにこそ意味があるこういうイベントに、続けて出てくれるアーティストがいることにはさらに大きな意味がある。今年も気持ちのいいイベントだった。11月29日(火)
小さい頃、僕の家の風呂場には、石けんやシャンプーに混じって軽石が常備されていた。幼い僕にはその用途がわからなかった。ところが今年の夏ぐらいに、自分の足の裏にもそういう物を必要とする症状が現れ始めた。いわゆる「角質」というやつ。片方の足の親指の、腹の部分が、固くガサガサしてきたのだ。素足で柔らかい布に触れると引っかかったりして非常に不快。さらに見た目が汚いのも許しがたい。なるほど軽石ってこういうのをこすり落とすためにあるのかと、この年でようやく理解したのだった。でも100円ショップで購入した軽石ではほとんど効果がなく、最近はもうすっかり諦めて、風呂上がりに足の裏を見ることもしなくなっていた。
ところが、である。今日、シャワーを浴びながら何となく足の裏を見たら、あれほど僕が気にしていたゴワゴワの角質が、きれいになくなっているではないか。その痕跡すら見当たらない。ツルツル。舐めようかと思った。舐めなかったけど。治るものだとは知らなかったから、けっこう感動。
人間の体というのは想像以上にデリケートに出来ていて、ちょっとしたホルモンのバランスで突然に変化が起こる。足の匂いとか、水虫、痔、吹き出物などが、突然ひどくなったり、治ったりするのは、栄養のバランスとかいうよりも、ストレスの問題ではないかという気がする。角質は治ったけど、今僕を悩ませているのは、フケだ。いろいろ対策を講じているので、最近はあまり目立たなくなってきた。しかしこれも結局は、早く時間が過ぎて治まってくれるのを待つしかないのか。11月28日(月)
今日のメッセージテーマは「人生最大のモテ期」。実は前々から、一度このテーマでメッセージと募ってみたいと思っていた。
「やけに異性から好意を持たれる時期」のことをモテ期と呼ぶ。人生の中で3回は訪れるといわれる。誰が何を根拠に弾き出した数字なのかは知らないが、言われてみれば確かに、3回ぐらいはやってくるような気もする。どういうわけか、言い寄ってくる男が多い。どういうわけか、簡単に女が落ちる。身の回りにいる異性は全員自分に気があるのではないか、電車で隣に座ったこの人さえ、話しかけたら惚れてくるのではないか。そんなふうに思えてしまう華々しい時期。そういう話を友達にすれば、自惚れすぎだと嫌われてしまうところだが、せっかくのBBSで存分に自慢してもらおうという企画だった。
もちろん、モテ期などとは全く縁がないという人もいないことはないが、この日の書き込みやメッセージの数は、思っていたよりもはるかに多かった。にわかには信じられないようなモテっぷりを告白している人が、「でも今はさっぱりです」とか書いているからなおさら信じられない。しかしいろんな書き込みを見ていると、コンスタントにモテ続けるということはあまりないらしい。異性からの告白が一定の期間に集中するから、その時は迷惑とさえ感じる。モテ期のありがたみに気づくのはそれが去ってからなのだ。
モテ期は偶発的に発生するものではないと思う。外面か内面か、どちらかで異性を引きつけるものがあるから人はモテる。モテ期が過ぎ去って久しいという人は、そのモテ期と今の自分を比較すれば、なぜモテなくなったのかは何となくわかりそうなものだと思うのだがどうだろう。11月27日(日)
来週の日曜日に放送される、「BINTANG GARDEN ROCK VISION 2005」を収録した。各アーティストからのコメントやゲストコーナーはすでに収録済みで、今日は僕の喋りの部分を録った。あとは敏腕ディレクターによる完璧な編集作業を残すのみである。
去年は、オープニングテーマやジングルなどは、すべて僕が作った。懐かしい名曲のフレーズを随所に拝借し、昔からのV系ファンでなければ到底わからないようなマニアックなクイズをかねた素材ばかりだった。今回はそれらの素材作りを、すべてディレクターに一任。彼女なりの思い入れと愛情を持って、去年の僕に劣らぬマニアックなジングルを、1時間の番組でこんなに使えるはずがないというくらい大量に作ってきた。聞かされても、元ネタが何の曲だったのかほとんどわからなかったことはナイショ。
とにかく、熱いようでクールなあのROCK VISIONという番組の精神を思い出しながら、気合いを入れて作っている。かつて金曜の夜に眠れなかった人々には、ご期待いただきたい。放送は12月4日の深夜1時。11月26日(土)
最近、豆乳鍋のおいしさに目覚めた。もともと豆乳という飲み物自体は苦手な僕でも、鍋としていただくのは最高。
土鍋にだし汁を少し入れ、あとは豆乳をどぼどぼと注ぐ。鍋用に薄切りされた豚肉と、水菜、豆腐、キノコ類などの具材を放り込んで、しゃぶしゃぶの要領で早めに引き上げる。それをポン酢で食べる。豆乳が沸騰すると、みるみる湯葉が出来てくるので、それをすくって食べるのがまた絶品。最後、残っただし豆乳にポン酢をかけ、火を止めると柔らかめの豆腐も出来る。
手間がかからず、おいしくて、ヘルシー。この鍋を最初に考案した人は素晴らしいセンスの持ち主だ。料理が大嫌いな僕にも作れるのだから。聞けば去年ぐらいから巷ではけっこう流行っているのだとか。知らなかった。ちょっと時代に乗り遅れた気分。11月24日(木)
朝から東京でいくつかの収録や打ち合わせなど。今日はとにかく時間潰しを多くする一日だった。
東京駅に着いてから、待ち合わせ時間を間違えて早く到着してしまっていたことが判明。同行するディレクターが着くまで、駅の喫茶店で1時間待った。1本目のゲスト収録が終わった後、次の仕事までの空き時間がざっと3時間。ひとまず昼食をとり、半端に余ったので渋谷のネットカフェへ。2本目の収録を終えた後、その次の待ち合わせまで、これまた2時間近く。近所のスタバで本を読みながら時間が経つのを待った。とりあえず、まだ読んでいない文庫本を持って来ていて正解だった。
こういう非効率的なスケジュールで動くのは好きじゃない。しかし相手の予定に合わせていれば当然こういうことにもなる。人とアポとってなんぼの商売をしている営業職の人は、きっと時間を潰す達人なのだろうな。11月23日(水)
秋は祝日が多い。今日は朝から日が暮れるまで、ひたすらホッケーで汗を流した。しかし5時に練習を切り上げると急いで帰宅し、シャワーだけ浴びてすぐにまた外出。大阪城ホールで、モトリークルーのライブを見るためである。
僕が到着したのは7時過ぎで、すでにライブは後半だった。
80年代にブームとなったLAメタルの代表格。能天気でワイルドなノリが身上の不良バンドだ。メンバーチェンジの紆余曲折はあったが、全盛期の黄金メンバーで、何年もかけて世界を回る長いツアーの大阪公演だった。
いやはや、さすがはエンタテインメントの国・アメリカである。まず、特効で使用される火薬の量たるや、消防法を無視しているとしか思えない。メンバー以外にパフォーマーも登場するが、ただ踊るだけのダンサーとはわけが違う。ボディーペインティングした半裸の女性が、宙づりになってくるくる回ったり、松明を振り回したりと、まるでサーカスのような演技。そして極め付きのドラムソロで登場するのは、空中に吊り下げられた2つのドラムセット。さすがは本家トミー・リー。
曲間の演出がやけに多かったのだが、ことごとくブラックユーモアとお下劣路線。ニッキー・シックスのMCなんて、喋る単語の4つに1つぐらいは「f××k」。彼がビデオカメラを持ち出して、「国によってはこれで客が引くこともあるんだけど、東京では盛り上がったから大阪でもやるぜ」と言い、何をやりだすかと思えば、名付けて「乳首見せまショー」。客席(アリーナの最前に近い辺り)で気に入った女性を見つけてはビジョンに大写しにして、乳首を出すように要求するのだ。言っておくが観客の8割ぐらいは男性。ノリのいい女だと笑顔でびろ〜んと服をめくるのだが、もちろん戸惑う女もいる。しかし場内の異様な盛り上がりから、指名を受けた時点でもはや見せざるを得ない。恥じらいながら控えめに露出された乳首を見て、客席の男達は雄々しい歓声を上げ、凄まじいまでの興奮を見せるのだ。これよりタチの悪いセクハラを見たことがないが、僕も一応男だから、やけに楽しいひと時であったことは否定できない。仮に自分の連れの女性がニッキーに選ばれて、胸を露出する羽目になったら、僕は喜ばないだろう。この演出が、どの国で受け、どの国では受けないのか、少し気になった。
選曲はもちろん、惜しげもなく往年の代表曲を披露するヒットメドレー(なぜか唯一「SMOKIN' IN THE BOYS ROOM」がなかったようだが)。がっかりしたのはヴィンス・ニールの体型の変化ぐらいで、悪ノリばかりしているガキみたいなところは笑っちゃうほど昔のまま。客が何を求めているか、よくわかっている人達だなと思った。「俺達の歌が生で聞けるんだから、それだけでもありがたく思え」という態度の外タレとはエラい違い。僕はやっぱりこっちのノリが好き。11月22日(火)
またまたなんばハッチへ、今日はストレイテナーのライブを見に行った。デビュー当時にインタビューをした経験はあるが、まともにライブを見るのは、実は初めて。いわゆるシングルヒットを持たない彼らだが、ライブの動員は着実に伸びている。昔から業界内でもすこぶる評価の高い彼らのライブパフォーマンスを目の当たりにして、その噂に偽りはなかったと実感した。
ハッチのステージが狭く見えるほど、ステージ上のセットはシンプルだった。MCはほとんどない。演出も何もなく、ひたすら曲を披露するだけのライブ。僕が今までの人生で見たライブの中で、おそらく一番テンポよく進んだ。そのテンポの良さが、素晴らしくかっこよかった。
ロックのライブというのは普通、曲が終わる時に、全員がひとしきり楽器をかき鳴らして、最後にドラムが締める場合が多い。「じゃ〜〜〜〜ん……じゃん!どこどこ!」みたいな感じで。ライブの最後にもなると、そのじゃ〜んが1分近く続いたりする。まあそれは別にいいのだが、全部の曲でいちいちそういう未練がましい終わり方をされると、やけにリズムが悪いと感じてしまう。激しい演奏が、じゃん!と突然終わって、一瞬の静寂の後に拍手と歓声が起こる。そういう終わり方が僕は好きだ。そしてストレイテナーのライブは、大半の曲がそうやって終わる。拍手が起こるのを待たずに次の曲を続けたりするのも、たまらなくクールだ。アンコールでもMCは「もう何曲かやらしてもらいます」というひと言だけだったが、最後はドラムの中山が客席にダイブまでする暴れっぷり。3人ともフラフラになるまで疲れ果てたようだ。
余計なものを削ぎ落としたシンプルなライブをするバンドは別にめずらしくない。ストレイテナーのように、そういうライブを重ねてメジャーに進出し、なおこれだけの熱い支持を集めるバンドは、それに見合うだけの面白いライブをする。告白すれば僕は彼らの曲を一曲として口ずさめないが、そんな自分でも最初から最後まで、全く退屈することなくこの日のライブを楽しんだ。見ておいて正解だった。11月21日(月)
その年のベストアルバム5枚を105人のアーティストが選ぶ、音楽雑誌「ワッツイン」の年末恒例企画。今年はアーティスト以外にも、あらゆる音楽業界関係者からコラム的に原稿を集めているらしく、僕のところにその依頼がきた。関西にラジオDJは数多くいるが、その中で僕が指名された理由は何だろう。その理由というやつが、今年リリースされたアルバムの中からどれを選ぶのかの基準に影響してくるから厄介だ。たとえば、「ビジュアル系方面に明るいDJ」として僕が選ばれたなら、そういう音源を中心に選ぶ必要があろうし、「OSAKAN HOT 100のDJ」としてなら、今年のチャートで目立った動きを見せたアーティストのアルバムを重視するべきだろう。そのどちらでもないような気もする。あれこれ考えた結果、ビジュアル系が好きな浅井として1枚、チャート番組の担当として1枚、ただの音楽好きとして3枚、という内訳になった。
正直なところ、1枚のオリジナルアルバムを何度もじっくり聞くということが、僕の場合は滅多にない。ラジオでかからないアルバム曲を何度も聞く時間があったら、ラジオでかかる可能性のあるシングル曲を1曲でも多く聞いておきたい。もうインタビューの終わったアーティストのアルバムを聞き続けている時間があったら、次にインタビューするアーティストのアルバムを何度も聞いて予習しておきたい。多くの音楽ファンがそうするように、やっとのことで手に入れた1枚のアルバムを、口ずさめるまで、歌詞を覚えるまで聞くということは、どこかで他のアーティストをないがしろにしていることをも意味するような気がするのだ。DJという仕事の悲しい性かもしれない。
しかしそんな僕でも、印象に残っているアルバム、思い入れの強いアルバムというのが、もちろん何枚も存在する。もしDJになっていなくても、買っただろうなと思えるCD。そういうものだけを選んだ。我ながら、自分らしいセレクトだと思う。発売は12月14日。11月20日(日)
番組後、なんばハッチへTAKUIのライブを見に行った。「UNPLUGGED LIVE vol.1」と題された初のアコースティックライブツアー。ツアーのサブタイトルには「アンプラグドでしか体感できない、TAKUIの新たな音楽空間が誕生」とあった。
1階にも座席が並び、もちろんステージ上のセットはアコースティック。パーカッションやウッドベースも立っていた。登場したメンバーは全員がスーツ姿。ハードロック全開の普段のライブとは何もかもが違う。披露される楽曲も大胆にアレンジを変えており、歌い出すまで何の曲かわからないようなものが多かった。暴れるのではなく、じっくりと聞き入るライブ。TAKUIの歌唱力が十二分に堪能できる内容だった。
アンプラグドというのは、90年代に一世を風靡したアメリカMTVの人気番組。ギンギンのロックや打ち込み中心のヒップホップの曲を、原形をとどめないほどにリアレンジして、楽曲の違った一面を見せるという好企画だった。以来、アンプラグドはアコースティックの代名詞として使われるようになった。同じ詞とメロディーでも、アレンジが違えば別の曲のように聞こえる。その落差はファンにとっては楽しいものだが、半端な実力のアーティストが手を出すと痛い目に遭うのがアコースティックだ。楽曲の質の高さよりも何よりも、とにかく演奏の技術が一定のレベルに達していることが最低条件。TAKUIの歌がどんなアレンジにも対応できることは今さら書くまでもないが、この日はバックの演奏も見事なものだった。ことにギターのパブロが素晴らしい。TAKUIとはいいコンビだと思う。
TAKUIという男はとんでもない自信家で、そのぶん自意識が強い。周囲からアドバイスを受けることを極端に嫌うので、僕も彼の音楽についての感想を伝えたことがほとんどない。しかしそんな彼が、今は人の意見に耳を傾け、新しいことにチャレンジすることを楽しんでいるという。周囲の助言を受け、周囲の力を借りることで、それまで彼自身が知らなかった新たな自分の魅力を開花させることが楽しいのだと。佐橋佳幸という、ロックとは畑の違う一流プロデューサーを迎えたニューシングルにも意欲は表れている。そして今回のライブでも、ベースを弾き、キーボードを弾き、ビートルズのカバーを歌う。シンガーとして、さらには人として、彼がどんどん大きな存在になりつつあるのを感じた。11月19日(土)
ウィンタースポーツのシーズン到来。この冬初めてアイスホッケーの練習に参加した。やはりインラインとはいろいろ勝手が違って、何しろ止まれない。エッジも研いでいないままだからダッシュもうまくできない。足元がそんなふうに覚束ないので、パスもまともに受けられず、始終メロメロの状態だった。しかしそれでも楽しい。
今日はホッケー仲間から面白いアイテムを入手した。ワンタッチでウィールがシャーシ(金具)ごと外れるようになっているインラインスケート。足首の後ろにあるつまみをひねって、カパっと外せば、見た目は普通のブーツに早変わり。といっても普通なのは見た目だけで、固いプラスチックで覆われているから、歩きにくさはスキーのブーツを履いている時とさして変わらない。それでも、例えば街の中で滑っている最中、咄嗟に脱がなければならない状況になった場合(お店の人に注意されたりとか)など、裸足にならなくて済むのは助かる。
アイススケートの靴にフィギュア用、スピード用、ホッケー用があるのと同じように、インラインスケートにもいくつかの種類があって、ホッケー用のスケートに慣れていると、普通のスケートは滑りにくくてもう履けなくなる。自在に小回りが利くように、足首を自由にして、バックスケーティングも楽にできるように車輪の間隔を狭くしてあるのがホッケー用。転びにくくするために車輪を縦長にして、足首を痛めないようにくるぶしの上まで保護してあるのがフィットネス用。今日借りて来たウィール着脱式はフィットネス用だった。本格的にホッケーを始める前、自分もこういう靴で滑っていたのかと今更ながら驚いてしまう。11月18日(金)
毎週金曜日は最終の新幹線で大阪へ戻るから、帰宅は深夜になる。帰りに、芦屋駅近くのラーメン屋に寄るのが、最近習慣になってきた。いつもBEAT SHUFFLEの番組前にスタッフと食事を摂るのだが、芦屋に着く頃にはどうしてもまた空腹になっている。僕は新幹線の中で物を食べないからだ。
禁煙車も喫煙者も関係なく、新幹線の中は空気が極めて悪い。ことに最終ののぞみなどひどい混雑だ。乗客の多くは出張帰りのビジネスマンだが、僕の見る限り9割以上の乗客が車内で飲食する。ホームで弁当やら缶ビールやらを買って来て、発車するや否やそれらをむさぼり、食べ終わると靴を脱いで寝る。一つの車両にそんな人が50人も60人もいるのだから、そこに悪臭が漂わないはずがない。僕は普通に息をするだけでも時々堪え難いものがある。そんな密室で物を食べるなんてとても出来ない。
なのにみんな平気な顔で冷たい弁当を食べている。わざわざ車内でそんなものを食べなくても、降りてから、あるいは乗る前に、暖かくてもっとおいしい料理が、同じ値段で食べられるだろうに。食事を摂る時間が全くないというくらい忙しい人もいるかもしれないが、みんながみんなそうとも思えない。「新幹線に乗ったら弁当を食べないといけない」みたいな強迫観念でもあるのではないかと疑いたくなるような光景なのだ。
幸い芦屋界隈には深夜も営業しているラーメン屋がたくさんある。太らないように気をつけないと。11月17日(木)
大阪城ホールでオアシスのライブを拝見。イギリスでは90年代のビートルズとまで称される、現代のロック界で最も影響力のある大物だが、僕が彼らのライブを見るのは実は初めてのこと。個人的な好みでいえば、僕はUKロック全般をあまり聞かない。しかし彼らほどのカリスマバンドがせっかく大阪に来ているのに、見ておかない手はないと思ったのだ。
最近見た邦楽のビッグ・アーティスト(オレンジレンジやらミスチルやら)と比べると、ステージセットはいたってシンプルなもので、ビジョンすらない。メンバーの衣装にしてもどう見たって普段着と変わらない。ファンからすれば、本物のオアシスがステージで演奏していれば他に何も要らない、というところか。まあ今回のジャパンツアーは東阪合計4公演のみ。あまり金のかかったセットを組んでも元が取れないというのはあるかもしれない。
リアムの歌う時の姿勢は個性的だ。腰を曲げて猫背になり、顔だけを上に向けて歌う。あの体勢が一番歌いやすいのだとしたら、本当に変わった体の持ち主だと思う。日本にも彼を真似てあの姿勢で歌うヴォーカリストがいないこともないらしいが、そんなところまで影響を与えてしまうところにも、彼らの偉大さが伺える。
今日は客席に外国人の姿がやたら目立った。本国で見るよりもよほどチケットは取りやすいだろうから、たまたま日本にいる外国人の若者にとっては「生オアシス」を見る絶好のチャンスに違いない。そこにいるだけでありがたい存在。11月16日(水)
何年か前から、僕がひそかに憧れていたファッションがロングコートだ。さっそうと着こなすのはなかなか難しい。今は2着ほど薄手のロングコートを持っていて、最近よく着るようになった。僕の場合、ボトムが革パンにごついブーツだったりするから、ずいぶん目立ってしまう。
教員のジーンズを禁じている学校に、そんな格好で出勤してしまう僕は、他の教員からどう見られているのだろう。朝、教員室を出ようとしたら、僕のそばにいる数名の先生達が「浅井先生は…」という噂話をしているのを聞いた。僕の姿に気づいていないというよりは、僕の顔を知らないから目の前にいる僕が当の浅井だとは思っていない様子だった。あるいは僕以外にも浅井先生がいるのか。いずれにしろ、非常に気になる場面。
一方、学校から連絡があって、契約書の提出が済んでいないので至急書類を送ってほしいとのこと。契約書を書くぐらいのことは簡単なのだが、それ以外に履歴書と最終学歴の卒業証明が必要という点が厄介だ。履歴書を書いたのは、おそらく高校の時以来。大学時代のアルバイトでいわゆる面接を受けたことはなかったし、僕は就職というものをしたことがないのだ。そして卒業証書など、卒業してから初めて活用した。本棚の奥からこれが見つかったのは奇跡かもしれない。自分が確かに大学を卒業していたことを確認してホッとした。
こうして、普通の人なら社会に出る段階で当然に経験するような当たり前の事柄を、33にもなって初めて体験している今日この頃。世間知らずを隠すためのロングコートである。11月15日(火)
だいぶ前から楽しみにしていた映画「男たちの大和」の試写を拝見。日本海軍の象徴であり、世界最大最強と呼ばれた戦艦大和が、東シナ海に沈められて今年で60年。その戦艦で命を散らした若者達の壮絶な生き様を描いた大作である。
太平洋戦争末期、連合艦隊の敗北で窮地に立たされた日本軍は、戦艦大和に沖縄の海上で捨て身の特攻作戦を命じた。決死の覚悟で乗り込んだ3000人に上る乗組員がどのように戦い、どのように死んでいったのかを丁寧に描く。かなり感動的な映画であるとは聞いていたが、なるほどこれは泣いてしまう。日本人であればこその感動だ。一人一人の若者が、家族に別れを告げる場面などは特に心を打つ。しかし僕が一番悲しかったのは、クライマックスの激しい戦闘シーンだった。数十機、数百機という敵機の集中砲火を浴びて、決して沈まないと信じられたはずの大和が蜂の巣にされる。乗組員が次々に戦死し、大和が沈んでいく場面は、日本の敗北と過ちを見せつけられるようで胸が痛んだ。CGとミニチュアを駆使した映像の迫力も、ハリウッド大作に負けないくらいすごかった。
反町隆史と中村獅童が主演で、若手からベテランまで、豪華なキャストも話題の映画だ。劇場版の「NANA」で僕が一番「解せねえ」と思ったキャスト、シン役の松山ケンイチが、この作品では主人公の少年兵を見事に演じている。さらにもう一人、印象に残ったのは、達観した精神論で少年兵達を説く臼淵大尉役の長嶋一茂。並み居る演技派に混じって、存在感のあるいい演技だったと思う。
試写室にいたほとんどの人が泣いていたようで、後半は鼻をすする音が絶えず聞こえてきた。だいたい想像した通りの内容だったけど、想像の倍ぐらい感動した。11月14日(月)
マドンナの新作「Confessions On A Dance Floor」を聞き、いたく感動。前作「アメリカン・ライフ」は力作であったと思うが、政治的メッセージ性の強さが影響して、セールスの面では失敗に終わった。その反動か、新作では徹底してダンストラックにこだわっていると噂されていた。その噂に偽りはなく、最初から最後まで全曲がダンスもので、しかも最近はめずらしいノンストップのアルバム。DJいらず。いやはやここまでやるとは。ベテランが、本気で「売れるアルバム」を意識して作ると、こういうことになるらしい。
デビューして23年。紆余曲折はあったが、これだけ長い間、ポップミュージックの最前線で活躍を続けている女性アーティストは、彼女をおいて他にいない。一人も。あらゆる挑戦を続けながら常に先端の音楽を創造し続けるバイタリティもさることながら、47歳になってなお、セクシャルなポーズで男を魅了する美貌を維持している点がすごい。僕は昔から特別この人のファンというわけではないが、ここまでの存在になるともう脱帽せざるを得ない。だってこのアルバム、普通にかっこいいもの。
HUNG UPのヒットにより、彼女は間違いなくまた新しいファンを開拓した。80年代に彼女の虜になったMTV世代は「やっぱりマドンナだよね」と再評価し、今どきのクラバーも彼女の才能とセンスに圧倒される。マドンナは今作で、クイーン・オブ・ポップの座をさらに強固なものとしたはずだ。
近頃は裁判のニュースぐらいでしか注目されなくなってしまった「キング」オブ・ポップの方も、マドンナみたいに、音楽に対する評価でくだらないゴシップネタを塗り潰してほしいところ。かつてのスーパースターが転落していく姿を見るのは、たとえファンでなかった者でも悲しい。11月13日(日)
番組後、大阪ドームへMR.CHILDRENのライブを見に行った。ミスチルのライブをワンマンで見るのはもうずいぶん久しぶりのことだ。彼らにとって初のドームツアーの皮切り。前日に続く二日目となる。
まず驚いたのは、男性客の多さである。曲が終われば「桜井さ〜ん」の太い声。3割ぐらいは男性だったのではないか。ずいぶん客層が広くなったものだ。ドームでのライブともなれば、ホールやアリーナに比べて、コアファンではない人が増える。代表的なヒットシングルぐらいしか知らない客も大勢いると思われるが、ライブの選曲にはそういう人達に対するサービスは見受けられなかった。いきなり古いアルバム曲から始まり、決してメジャーヒットではないような昔の曲を連発するという予想外なオープニング。中盤からは新作「I LOVE YOU」の曲を固め、アルバムの世界観をライブで表現することに徹底的にこだわっている様子だった。スクリーンの映像や演出の一つ一つに、きちんと意味がある。
明確に伝えたいことがあるのはいいことだが、ドームライブでこれをする必要があったかどうかは、正直なところ疑問を感じた。誰もが口ずさめるヒット曲などいくらでもあるようなアーティストなのに、ライブではそのうちの1曲も披露されなかった。本編の後半は代表曲を畳み掛けるB'zや、会場の大きさによって選曲のヒットポテンシャルを加減するGLAYなどのドームライブとは、赴きが明らかに異なると感じた。少なくとも、エンタテインメントを重視した音楽ショウではない。
しかし、内容がどうであれ、会場を一つにまとめ、笑顔で気持ちよく終わらせる点はさすがMR.CHILDREN。向こう10年ぐらいは確実に、今の人気を維持するだろうなと思った。11月12日(土)
友人の結婚披露宴で司会を頼まれた。今回は、挙式がチャペルなどではなく、最近流行りの人前式というスタイルだったので、その式の司会も合わせて僕が任された。やることは普通の式とさほど変わらないが、賛美歌とか神父の説教が省略されている感じ。教会式なら神父が仕切るはずの、指輪の交換だの誓いのキスだのといったイベントを、僕がいちいちアナウンスしていく。慣れていないのでちょっと慌てたが、いろいろ調べて作った台本で何とか乗り切った。
新郎新婦の控えめな人柄を反映して、披露宴もいたってシンプルなものだった。後半の余興も、最初はほとんどノーアイデアで、歌とか楽器の演奏、映像などを使った出し物を、誰かに頼むつもりがないと言っていた。それではあまりに淋しいからと、司会者自ら志願して、二人の写真をスライド上にまとめたショートムービーを作成。最近凝っているiMOVIEを駆使し、テロップをあてながら、二人の生い立ちの写真を交互に映していった。BGMに使ったのは、レミオロメンの「3月9日」。最後のサビ(「瞳を閉じれば あなたが 〜」の部分)だけ、写真ではなく、カラオケのように歌詞をゆっくりと映し出す。これ、もうずっと前から暖めていた案。何とかうまくいった模様。実は作成にかなりの時間を要したが、新郎新婦が喜んでくれたようなので報われた。自分がちょっと時間を割くことで、人に喜んでもらえるなら僕も嬉しい。
披露宴の司会は、準備が大変だし、正装でずっと立っているので、肉体的にしんどい部分はあるが、人々の幸せそうな表情に囲まれ、その人にとって人生最大となるイベントを取り仕切るという、楽しくて責任重大な仕事でもある。これを読んでいる人で、司会の人選で困っている人がいたら、ご依頼はお気軽に。11月11日(金)
僕は洗面用具一式を常に持ち歩いている。その中には、歯ブラシやひげ剃り、コンタクトのケア、爪切りなどが入っているが、最もよく使うものは何かというと、石けんである。
僕は一日に平均10回以上は石けんで手を洗う。ある種の潔癖性なのかもしれないが、手がベタついているのがどうしてもダメ。電車に乗ってつり革や手すりなどには滅多に触れない。物を食べるときは、どんなに素晴らしいおしぼりが出て来ようとも、必ず手を洗う。僕と一緒に食事をしたことのある人は、僕がレストランに入ってまず最初にトイレに向かうことを知っているだろう。そこがラーメン屋であろうと、マクドナルドであろうと、牛丼屋であろうと。
思えば、僕がこうした「手洗い癖」を身につけたのは、車で出かけるようになってからのことだ。ハンドルを握ると、どうしても手がべたつく。べたついたままの手で何かをするのが耐えられなくなったのだ。
先日、僕が大切にしていた洗面用具入れをどこかでなくしてしまった。しばらく探しても出て来ないので、諦めて新しく揃えることに。大概のものは100円ショップにでも行けば買えるからと高をくくったのだが、何でもありそうなダイソーでも、けっこういろんなものが見つからなかった。旅行用の小さな石けんも、旅行用の歯ブラシも、ハードコンタクトの保存ケースも、どうやらなかった。そして一番困っているのは、小さい石けんケースがないこと。仕方なく小さなビニール袋で代用しているが、不便だし見た目も汚い。たかがプラスチックの容れ物なのに、ないとこんなに困るものなのか。
というわけで今一番欲しいものは、スマートな洗面用具セット。11月10日(木)
新神戸オリエンタル劇場で始まった、劇団キャラメルボックスの公演「クロノス」を見た。今年は例年より多くの芝居を見ている気がする。
物体を過去に向けて発射するタイムマシンに自ら乗って、愛する女性の命を救おうとする無骨な男の話。そう書くと何だかありきたりな設定だが、物語の始まり方とその後の展開は巧みに練られていて、最後まで間延びしない見事な台本だった。現在と回想シーンを織り交ぜるだけでなく、そこへさらにタイムマシンが登場するため、時間軸は複雑に入れ替わる。しかしそんなややこしい話を、一つのセットで自然に描ききるあたりはさすがのひと言。さらに、最近注目の若手バンド・OCEANLANEの楽曲を随所で効果的に使用し、スタイリッシュな空気を漂わせる。人気のある劇団は、見せ方も洗練されていると思った。そしてむろん役者達の演技も素晴らしい。静かに呟くような台詞でも、大きなホールの最後列まで届くあの声量と、滑舌の良さには圧倒されてしまった。喋りを生業としている僕としては、見習わなければならない部分である。
ドラマや映画も悪くないが、やはり目の前で生身の人間が演じている演劇には、それらと根本的に異なる臨場感や迫力がある。終始適度に笑わせ、最後にはホロっとくる芝居だった。たくさんの人に見て欲しい。11月9日(水)
生まれて初めて自分で買うCDやレコードは、ほとんどの人がアイドルかアニメ主題歌だと思う。僕にしたって、渡辺美里や尾崎豊といったミュージシャンのアルバムを聞くようになったのは中学二年からのことで、それまではアイドル一辺倒だった。特に、兄の影響で松田聖子はよく聞いた。アルバム曲まで覚えた最初のアーティストは、松田聖子だったと思う。
彼女のアルバムには、ピアノから始まる美しいバラードがよく収録されていて、その演奏を必死で耳コピする、ということをよくやった。ウォークマンで再生して一つ一つの音を拾いながら覚えるので、途轍もなく時間がかかる作業だった。そうやって時間をかけて覚えた曲は、今でもよく覚えている。
先日、そんな昔話を802でしていたら、それを聞いた某レコード会社の人が、松田聖子のアイテムをプレゼントしてくれた。2枚組のベスト盤を2種類と、DVD13枚組のボックスセット。総額いくらですかこれ。こんなに見るんですか僕。しかしもう、曲名を見るだけで涙が出るほど懐かしい。ああ感激。
ベスト盤は、シングル集と、ファンの投票によって選曲された裏ベストの2種類。僕にとっては断然裏ベストの方が感慨深いものはあった。僕が必死でイントロを耳コピした「Sleeping Beauty」も入っているし。ベスト盤をこういう形で2種類リリースするアーティストは多いが、そのアーティストを本当に好きかどうかは、A面集よりもB面集の選曲に喜べるかどうかで判断できるような気がする。11月8日(火)
去年の暮れに購入した宛名作成ソフトがここ最近不調で、保存ができなかったり、ある機能を使おうとすると突然終了したりという状態が続いていた。このままでは年賀状も作成できないので、ソフトの製造元に電話してみた。北海道にある会社にかけるため電話代はバカにならないが、ドコモの無料通話分がたんまりあるのでそこは気にしない。この手のサポートセンターにありがちな、電話口で「混み合っております」のアナウンスを聞きながら延々待たされるということもなく、すぐにお姉さんに繋がった。ユーザー登録さえしていない僕が、正規にソフトを購入したという証拠はないというのに、驚くほど丁寧で低姿勢な対応だった。こちらの症状を説明すると、試してみるべき対処法を一つ一つ順番に教えてくれる。口頭での説明がややこしい操作はファックスで送ってくれた。あれこれ捨てたり、システム環境設定をいじくったりして、7回目ぐらいの再インストールでついにすべての問題が解決。送られてきたファックスには「この方法でも解決しない場合は、お手数ですがご連絡ください」とあり、状況としてはもう電話をする必要はなかったが、あまりに嬉しかったので礼を言うためにもう一度電話をかけた。僕への応対の中で、「過去に同じような症状が出た時に、この方法で直ったお客様がおられます」という発言が幾度かあった。僕の症例も今後に役立ててもらうために、どの段階で復旧したかを伝えておきたかったのだ。
考えてみれば、宛名作成ソフトというのは、一度購入したら定期的に買い足して更新していく必要がある。不満を感じたら他のソフトに乗り換えるユーザーもいるだろう。トラブルが起きたときのサポートで悪い印象を与えて、ユーザーを手放すことのないように、という厳しい指導がなされているのかもしれない。
アップルのサポートセンターに、爪のあかを煎じて飲ませたいと思った。11月7日(月)
冬休み映画の本命、「あらしのよるに」を見た。中村獅童と成宮寛貴が主役の声優を務めるアニメ映画だ。原作は、ロングセラーとなっている絵本。嵐の夜、真っ暗な山小屋で雨宿りをしていたヤギが、同じくその小屋へ嵐から逃げてきたヤギと知り合う。顔の見えない真っ暗な小屋で次第に打ち解けていった二人は、翌日の昼に食事の約束を交わす。顔がわからないから、合い言葉は「あらしのよるに」。翌日、小屋の前に現れて合い言葉を言ったのは、ヤギではなく天敵のオオカミだった。本来なら獲物であるはずのヤギと親友になってしまった心優しいオオカミは、ジレンマを感じながらもヤギとの友情を貫く。というお話。
原作の絵本は第6巻まで発売される長編となっているそうだが、やはり2時間の映画にするには物語が若干短すぎたようで、映画は実にゆっくりと進んでいく印象。風景の描写などがやけに多く、若干間延びした印象も受けるが、子供にはこの方がわかりやすくていいのかもしれない。残念なのは配役があまりにミスキャストである点。主役の二人も声優としての力量は立派なものだと思うが、キャラクターとあまりにも合っていないのが気になってしまった。ヤギのメイなど、どう見ても子供だし、女の子。声だけが成人男性なのだから、違和感があるのも当然だ。オオカミのガブだって、もう少しかわいげのある声にすればいいのに。竹内力や毎度おなじみ山寺宏一の上手さばかりが目立っていた。
オオカミとヤギの友情という、今までにはない切り口がおもしろい。ハリウッドの実写のファンタジーやCGアニメ大作が公開されるこの年末年始、日本の絵本から生まれた新しいタイプのこのアニメ映画は、子供達にどう評価されるだろう。11月6日(日)
今をときめく超人気バンドのライブを、大阪城ホールに見に行った。そのバンドの名は、オレンジレンジ。
楽曲のポップさは群を抜いているバンドだから、ライブのノリは楽しい。二十歳そこそこで唐突に売れたバンドとは思えないくらいに、大きなステージでも堂々としているし、ぎこちなさがない。売れるべくして売れたんだなと思った。
観客の大多数は中高生の女の子で、飛び交う声援もアイドルのコンサートのよう。心底楽しそうなのは見ていて微笑ましいのだが、若いファンというのは、どうして大きな声で一緒に歌いたがるのか。そりゃあ僕だって好きな曲を一緒に歌うことはあるけれど、しっとり歌い上げているバラードは黙って聞くのが礼儀というものだ。アーティストに対するというよりも、周りの客に対する礼儀。その昔、GLAYのスタジアムライブなんかの後も、「後ろの客の歌っている声がうるさくて、TERUの声がよく聞こえなかった」という嘆きのメールをもらったことがあった。ライブの楽しみ方なんて人それぞれではあるけど、他人に迷惑をかけていないかどうかを顧みる余裕は持ちたいものだ。11月5日(土)
ROCK KIDS 802のディレクターが結婚し、そのパーティーが心斎橋で開かれた。オープンしたばかりの大きなレストランで、今どきこんなバブリーな店で経営は成り立つのかと心配したくなるような、必要以上にゴージャスな雰囲気の店だった。そんな店で開かれる結婚パーティーでも、業界の人間の服装はいたってラフ。レコード会社の連中なんか当然のような顔をして普段着で入ってくる。まあそれでもほとんどの人は襟のない服やジーンズ、スニーカーは避け、ジャケットを羽織るなどして多少のフォーマルを意識している。僕の場合、こういう「ちょっとだけフォーマル」な時に着る服をコーディネイトするのが苦手。SEX POT全開のロックな服装か、カッチカチのタキシードかなら楽だが、その中間は案外難しいのだ。結局僕は、会場ではあまり見かけないような堅苦しいスーツ姿だった。何が困るって、ちょうどいい靴がない。厚底ブーツしか買わないから。
11月4日(金)
爆寸が終わった後は、例外なくグロッキー。打ち上げでパーっと飲む、なんて気分にはとうていなれない。イベントの最中、頭をぶんぶん振り回していた影響で三半規管がやられてしまうのか、楽屋に戻った途端ひどい吐き気に襲われ、しばらくそれが治まらない。昨日は、物販を手伝ってくれた番組スタッフに食事をおごることさえ出来ず、額に陰が差した時のちびまるこちゃんみたいな暗い顔で実家に帰った。実家に着いて1時間もすると徐々に気分も冴えてきて、急に食欲が出たので、冷蔵庫を漁ってガツガツ食べた。それを見た母は怪訝な顔で、「いつか体をおかしくするから絶対にやめなさい」と言う。ヘドバンのことだ。爆寸の異様な光景をビデオで見たりしたら、この人は卒倒するかもしれない。
昨夜がそんなふうにふらふらだった割りに、目が覚めてから感じる筋肉痛はそれほどひどくもなかった。こまめに塗っているバンテリンの効果もあるのだろうか。それにしても、33にもなって首を痛めるまでヘドバンをしている自分を、10年前の僕は想像できただろうか。11月3日(木)
今年の爆寸もいよいよ本日がラスト。昨日の不安はすべて杞憂に終わり、忘れ物も大きなトラブルも一切なく、過去最高の動員を記録して爆発寸前TOKYOは無事に終了した。例年は平日の開催だった爆東だが、今年こそは休日に開催できるよう、かなり早い段階でCYBERのスケジュールを押さえた。それが動員の増加に繋がっていることは間違いなさそうだ。そしてもう一つ、9月の横須賀爆寸でこのイベントを初めて体験し、通常の爆寸に興味を持ってくれた人も多かった。その証拠に、今回は過去に見たことがないくらい男性客の割合が高かった。僕がDJをしているだけのイベントなのに、たくさんの男の子が拳を上げたりヘドバンをしたりして暴れている姿は何だかとても新鮮で、素直に嬉しかった。「いつかボーイズオンリーで爆寸を…」と冗談で言ってみたら、雄々しい歓声が上がった。もう8年もやっているのに、爆寸は、どんどんおもしろくなる。
CYBERの最前列には柵がない。あるのはステージの壁だけ。後ろから押されたら逃げ場などない。大阪の爆寸では、曲ごとに最前列をそのファンに譲るという微笑ましい暗黙のルールがあるが、CYBERでは譲ろうにも避ける場所がない。人気のアーティストの曲をかけると、前に突っ込んで来た大勢のファンからの圧力をもろに受け、最前の子達はステージに上半身を投げ出してぐったりしている。その苦しそうな姿を目の前で見ている僕は、けっこうつらい。「残」なんかかけた日には、件の男性達も含めた群衆が渾身の力を込めて逆ダイをかましてくるので、前の方の連中は死にそうな顔になる。目が合うと、「いや、一応楽しんでますから」みたいな顔で無理に笑うのがなお痛々しい。バンドマンの皆さんは、こういう光景を見ていてよく平気でいられますねと思った。
今回の爆寸で初めて導入した新兵器、それはメドレー。爆寸のラストは、各バンドのライブで最後に歌われる定番曲を連発するのが通例だが、これには大きな悩みが伴う。どの曲にもリクエストは必ず来るし、僕もかけたいと思うのだが、いかんせんそうした曲は概して、長い。6分や7分は当たり前。好きな曲をすべてかけていると、全体の半分ぐらいがそういう曲で占められてしまう計算になる。だからといってかけないのは淋しい。そこで思いついた妥協案が、短く編集してそれらを繋ぎ、気分だけでも味わうメドレーという形態だった。今回は、Janne Da Arcの「Stare」やFANATIC+CRISISの「Love Me」など、5曲で合計8分のメドレーに仕上げた。あくまでフルコーラスを愛するファンからは不満が出るのを予想していたが、これが意外に好評。「ちょっとずつでも、たくさんかかる方が嬉しい」という反応だった。このメドレータイムは恒例化するかもしれない。
そんなわけで、無事に終了した爆寸2005の3公演。完全に時代の進化に取り残されたこのイベントに、毎度足を運んでくれる皆さん本当にありがとう。やれオールナイトだ、やれ半年に一度だと、あれこれ要望もいただいていますが、欲張りせずに細く長く。でもきっと、来年も何かやらかしてみせます。11月2日(水)
いよいよ爆寸ツアーファイナルまであと1日。選曲はもう済んでいて、CDもすべてケースに移してある。明日のステージで使用するものや、着替えなど、すべてをスーツケースに詰めていく。何度も確認しているが、それでも何かを忘れている気がして不安になる。万が一にも、使うCD一式を忘れてしまうようなことがあったら、イベントが成り立たなくなる。
爆寸は作業のすべてを僕一人で行っているイベントだから、直前になって僕の脳を襲う「何か起きたらどうしよう」というプレッシャーは尋常なものではない。急病に見舞われて入院する夢、いざ始まったらCDプレーヤーが動かない夢、そして客が一人も来ない夢…。そんな悪夢の夜を過ごす日々なのである。
DJで使用する機材は、僕が東京まで手で運ぶわけにもいかないので、すべて宅配便で送ることにしている。これも実は僕を大いに不安にさせる要素の一つだが、無事にすべての機材が届いたとの連絡がCYBERからあった。ひとまず安心。11月1日(火)
この冬公開の映画「ハリーポッターと炎のゴブレット」の試写を見に行った。その試写というのが、午前8時30分開映という恐ろしい時間。一般の劇場で、営業が始まる前に上映するためだ。夜に予定されている本格的な完成披露試写の前の、いわば試写の試写にあたるもので、夜の試写が都合で見られない僕のような人間は入れてもらえる場合がある。
ワクワクしながら早起きして行ったものの、何せ睡眠不足で行ったから、とにかく心配だったのは映画の最中に寝てしまうこと。しかし見どころ満載のハリポタだけあって、最後まで楽しんだ。オープニングの、クィディッチのワールドカップ決勝を見に行くシーンの迫力に、まず度肝を抜かれるだろう。魔法を使う映画が総じてあまり好みではない僕だが、ハリポタはさすがに一見の価値があると思った。
唯一ウトウトしてしまったのは、エンドロール。史上最長のエンドロールはロード・オブ・ザ・リングだと聞いたことがあるが、今回のハリポタはそれに匹敵する長さではないだろうか。業界人向けの試写会の場合、エンドロールの最中で帰ることはしないのが礼儀。ドルビーデジタルのマークやアメリカ版映倫のあの横長地球のマークが出て来ると、「やっと終わる…」と安心するのだが、今日に限ってはそのマークが待てど暮らせど出て来ない。ひと寝入りしていたところへようやく劇場内の灯りがついた。エンドロールの長さは、大作の証明ということで。