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Diary(05.12.)

12月31日(土)

 ここ数年、毎年発表している「浅井博章のマイブーム」。2005年は以下の通りにまとめてみた。

(10)リリー・フランキー
 今年は例年通り、東野圭吾や野沢尚などのサスペンスを多く読んだ年で、新しくハマった作家が特にいなかった。唯一、初めて読んでみて熱中したのがリリー・フランキーだった。味のある文体とシニカルな視点は僕が目指しているものに近く、参考になった。彼の書く下品なエッセイは腹を抱えて笑ったものだ。そして著書「東京タワー」は、普段は本を読まない人達まで巻き込んで、今年を代表するベストセラーとなった。現実味のない純愛小説が流行る中、深い母子愛を綴ったこの物語には確かに新鮮な感動があると思う。
(9)iMOVIE
 一昨年から使っていたノート型パソコン「PowerBookG4」が去年の暮れぐらいから絶不調で、ハードディスクの初期化を数回試みるも改善されない。業を煮やして購入したのがデスクトップの「iMacG5」。起動するまで3分ぐらいかかった前機とは比較にならない処理速度で、出たばかりのTiger(OS10.4)を標準で搭載しているという超優等生。それでいて価格は前機よりもはるかに安かった。で、この賢いパソコンを買ってぞんぶんに楽しんだのがビデオ編集ソフトのiMOVIEだった。思っていたよりもはるかに簡単に、けっこう本格的な映像を作成できる。新しい趣味の一つになった。
(8)マキシマム・ザ・ホルモン
 今年もっともよく聞いたアーティストの一つ。番組でMINAMI WHEELの特集をするために出演アーティストの曲を聞き漁っていた時、それまでは名前ぐらいしか知らなかったこのバンドのかっこよさを知った。以来、秋から冬にかけて、MP3プレーヤーでもカーステでもほとんどこのバンドばかり聞いていた。速い、激しい、むさくるしい。それでいて、超ポップでおもしろい。歌詞カードに見え隠れするブラックユーモアのセンスが最高に好き。ライブのMCも、ミュージシャンとは思えないほど芸達者。売れているわりにラジオではあまりかからないバンドだが、来年もこっそり応援しよう。
(7)デビル・メイ・クライ3
 ヒット作と呼ばれるテレビゲームでも、ほとんど最初の部分しかプレイしないで飽きてしまうこの僕が、ゴールまで辿り着いたおそらく最初のゲーム。今年の春頃にやりまくった記憶がある。アクションが意外と簡易で、次に進むために必要とされる苦労の度合いが、ちょうど僕のレベルに合っていたということだろう。もっとも、RPGっぽい謎解きは大の苦手なので、ネットで攻略ページを見ながらのプレイだった。
(6)Zガンダム
 テレビシリーズの放映からすでに20年。今年はリメイクされた映画版3部作の公開がスタートした。ガンダムフリークを自称しながら、ファーストガンダム以外を全く知らない僕だったが、これを機にZも見ておこうと、アニマックスで再放送されたテレビシリーズを全話録画して一気に見た。アムロ、シャア、カミーユの3人を演じる声優さんが、OSAKAN HOT 100にゲスト出演してくれたのは、夢のようなひとときだった。
(5)じゃがポックル
 友人からお土産でもらったのをきっかけに、急激にハマったスナック菓子。北海道限定で売られていたカルビー製品で、スライスしたじゃがいもをそのままフライにしているため、一度すり潰しているじゃがりこなどとは明らかに違う新鮮なサクサク感が味わえるのが特徴。一時は空港の土産店でも品薄状態で、なかなか手に入らなかったが、夏には近畿地区などで「ほんじゃが」という名前で、ほとんど同じ味の量産型が発売されたことでブームは沈静化。
(4)筋トレ
 夏場はずっとノースリーブで過ごすくせに、胸板が薄すぎて人前で上半身裸になれない自分が情けなくて、突然初めてみた筋トレ。いや、当初のきっかけは、「激しい運動をすることで眠気を体から追い出す」ことだった。毎朝目が覚めてからベッドを出るまでの間に、腕立て伏せを決められた回数だけするという生活が続いている。徐々に自分の体が変化していくのを、自分で触って確かめるのが面白い。ジムなどには絶対に通わず、あくまでお金をかけずに肉体を改造するのが浅井流。
(3)ザ・フルーツ・スパークリング
 夏を過ぎた頃にサッポロから発売された果実酒。氷結や-196℃といった缶チューハイ市場を狙った飲料だが、これは果汁をそのまま発酵させている、いわばスパークリングワインのようなもの。砂糖の入っていないジュースに限りなく近くて、甘いお酒があまり好きではない人も飲みやすい。これまで、晩酌は決してしなかった僕が、人生で初めて自宅で毎晩飲んでいる。レモンの味がおすすめだが、残念なことになかなか売っているお店を見かけない。頑張れサッポロ。
(2)hide MUSEUM
 今年9月、惜しまれつつ閉館してしまったhideミュージアム。去年から館内で流れるhide限定ラジオ番組の制作出演をさせてもらっていたが、閉館が決まった春以降は横須賀を訪れる機会がまた増加。7月にネットラジオの特番でDJを担当し、9月にはhide限定爆寸を開催、さらに閉館直前にもSPREAD BEAVERのトークショーの司会を仰せつかり、ミュージアムでたくさんの思い出を作った。今までで一番、hideの曲を多く聞いた一年だった。
(1)ダーツ
 年明けに始めて、1年を通してハマった新しい趣味。最初にダーツボードを購入し、それからボトルセンのまあまあ高いダーツ(矢)を購入。後はひたすら練習。毎晩のように練習に勤しんだが、初心者としてはすでに頭打ち。上達のスピードはすごい勢いで落ちている。それでも、ちょっとした息抜きや腹ごなしにはもってこいだ。来年もたくさん練習しよう。

 以上が浅井博章のマイブーム2005。来年はどんなものにハマるのか、自分でも楽しみだ。

12月30日(金)

 今年も仕事納めはBEAT SHUFFLEのライブイベント「LIVE SIDE」。ムック、ナイトメア、メリー、シド、D'espairs Rayという期待の若手バンド5組が大宮ソニックシティに集結した。今、ヴィジュアル系では最も勢いのあるバンドのそろい踏みで、チケットはもちろん即日完売だった。
 ROCK VISION 802が4年前に終了してからの数年間、僕が個人的に魅力を感じるようなバンドがなかなか登場しなくなり、このシーン全体に対する愛着も興味も減退している部分があった。しかし最近頭角を現してきたバンド達は妙におもしろい。この日はたくさんのバンドのライブを見て、各バンドのメンバー達ともいろいろ話をしたが、来年はもっと愛を持ってヴィジュアル系を追いかけてみようという気になった。
 恒例となっている限定販売グッズのバッグは、今年は原油価格高騰の煽りを受けて材質ビニールではなくなったが、よりゴージャスでクールなものとなって販売。途中から売れ行きが芳しくない様子だったので、希望する人にサインを僕の書いてあげた。数年前ならいざ知らず、近頃のバンギャルには浅井博章という名前すら浸透していないと思っていたので、けっこうたくさんの人からサインを求められたのは素直に嬉しかった。来年に向けての励みになるのは確かだ。

12月29日(木)

 車の調子が悪いので、運転するのを諦めて降り、ヨイショヨイショと車を押しながら歩いて、左折をしたら警察が検問中。当然尋問を受け、交通違反の切符を切られそうになったが、必死で弁解をする。そんな夢を見た。悪夢だ。その夢から覚めて、今年は一度も違反や事故を起こしていないことに気づいた。
 交通違反とか事故といったものは、毎日のように車を運転する人間ならば、ある程度気をつけていても、どうしてもやらかしてしまう種類のものだ。去年までは僕も毎年一つか二つは警察のお世話になっていた。スピード違反やら、追突やら。今年は例年よりも電車で移動する機会が多く、運転する機会自体が減ったこともあり、久しぶりに無傷の一年だった。夢のゴールド免許を目指し、来年も慎重に運転しよう。

12月28日(水)

 OSAKAN HOT 100の年間チャート特番が放送された。前日の下準備が功を奏して、本番はスムーズに進行。この番組は生放送だが、抜かりなく準備さえしておけば、本番で慌てることはまずない。
 上位の順位は意外な結果となり、チャート予想をしていた多くの人が脱落した。前週までの傾向からある程度の予想をつけやすい週ごとのチャートと違い、各ポイントの具合を読まなければならない年間チャートは予想が難しい。番組中、ヒントとなるようなあらゆるデータを発表したつもりだが、1000件を超えるエントリーの中で、的中者はたったの5人。有馬記念の三連単に比べればはるかに簡単だと思ったけれど、倍率は似たようなものだったらしい。BENNIE Kの「DREAMLAND」が6位に、ケツメイシの「さくら」が5位にと、候補曲が次々に沈んでいく時は、曲紹介をするだけの僕も、まるで何かの実況をしているような興奮があった。チャート番組はこういうところが楽しい。
 番組をひと通り無事に終えて、最後の挨拶を残すだけという時になって、自分の名前で噛んだ。ゴールテープを目前にしたマラソンランナーが、石も何もないトラック上で転ぶようなものだ。ラストの、ありえない場所でミスを犯したのだから、後味の悪い結末だが、リスナーは大いにウケてくれたようで、最後に笑いが取れたのだから問題無しとしよう。
 さあ、これで今年の仕事は30日の大宮ソニックを残すのみである。

12月27日(火)

 明日FM802で放送される特番に向け、予習の一日。9時間の番組内で100曲をすべてオンエアする特番の場合、全曲をフルコーラスでかけることは到底できない。だから前半にかける曲はどれもせいぜい2分程度である。そのペースで進行していくと、番組中に次の曲紹介を考えている余裕がない。だから前日のうちにある程度頭に入れておく必要があるのだ。OSAKAN HOT 100を担当するようになって丸4年が経ち、番組の準備の仕方もだいぶ熟れてきた。
 ところで、今回も恒例の浅井deラップのクイズを出題予定。僕が、いくつかの曲のラップをワンフレーズだけコピーし、その中から問題のアーティストの曲を番号で選んでもらうというやつ。問題を考えているのはもちろんスタッフで、僕は要求されるままにラップを覚える。今回は何と、選択肢の一つが英語のラップ。やはり覚えるのに時間がかかるし、覚えてもなかなか口が回らない。これに比べれば日本語ラップは楽だが、気を抜くとこっちも間違えそうだ。同じ箇所だけを何十回も繰り返し聞き、ぶつぶつ練習している姿は、けっこう間抜け。出題は完全に生、つまりライブだし、伴奏も何もない状態でラップをしなければならない。恥ずかしい上に焦るし緊張もする状況。カラオケなら楽勝だが、僕の失敗を期待して、あえて過酷な状況でやらせるのがスタッフの仕事らしい。負けないぞ。

12月25日(日)

 トリノ五輪の代表が決まる、フィギュアスケートの全日本選手権。五輪には出場できない浅田真央に主役を奪われながらも、実力のあるベテランが素晴らしい健闘を見せ、実に見応えのある試合だった。安藤の不振が気がかりだが、何とか代表枠には滑り込み、村主、安藤、荒川という、日本のエースが揃った納得のオリンピック代表。表彰台の独占だって夢ではないという、期待に胸の膨らむオリンピックになる。今の日本のフィギュアスケートは黄金期なのだろう。かつて日本が圧倒的に強かったノルディックスキーが近年すっかり衰え、今度はフィギュアスケートで世界を制しようとしている。スピードスケート勢も一時期ほどの勢いを感じない。こうした競技別の強さの波というのは、順番に来るものなのだろうか。
 この日の試合は昼間に行われ、その模様を編集して夜に放送していた。昼間にテレビで生中継をしていても、出かけていて見られない人が多いわけだから、ゴールデンタイムに放映してくれるのはありがたい。問題なのは、その結果を先に知ってしまう場合が多いことだ。ヤフーなどにアクセスしたら、右側のトピックスに「○○が優勝」などとご丁寧にひと目でわかるように表示されている。だから僕はこういう時、試合の放送を見るまでは極力ニュースの類いを目にしないようにするのだが、この日はOSAKAN HOT 100直後のニュースで、アナウンサーが結果を伝えるのを聞いてしまった。目の前で読まれるのだから、耳を塞いだって聞こえてしまう。結果のわかっている試合はどうしても熱くなれない。スポーツは生で見るに限る。

12月24日(土)

 今年のクリスマスイブは、自宅でのんびり。
 近頃の子供は、クリスマスプレゼントはサンタクロースが配っているのだと、本当に純粋に信じている。うちの息子なんてもう小学校3年生なのに、全く疑っている様子がない。
 自分が寝ている間に枕元にプレゼントが置かれ、クリスマスの朝に目覚めてそれを開ける、という経験は、僕の人生では一度しかなかった。それが小学校2年生の時。車をサーキットで走らせるおもちゃだった。包み紙に「Merry Christmas」とマジックで書かれていた。うちの父は子供に対してそういうことを滅多にしない人だったので、幼い僕は父のめずらしい気遣いにいたく感動したものだ。つまり、父がベッドに置いたということを、直感で理解していた。
 今の息子はあの頃の僕よりも年上だが、頑なにサンタの存在を信じている。それは微笑ましいことだし、今後もそういうピュアさを失わないで欲しいとも思うが、いつかすべてが幻想だったと知った時、彼が受けるショックの大きさは、年を重ねるにつれて大きくなるような気がして不安である。

12月23日(金)

 中学時代の仲間が集まっての忘年会。といっても平日の昼間だったので、仕事をしている男連中で時間が作れたのは僕ぐらい。他は全員、今は主婦となった女性陣である。中学で僕が所属していたテニス部の仲間は、こうして何年かに一度は必ず集まって、近況を報告し合ったりしている。いまだに僕を「浅井」と苗字で呼び捨てにする女性は、こいつらぐらいだ。
 そんな連中から、ミクシィを強く勧められた。同じ中学校出身の仲間がミクシィのコミュニティに集っていて、長いこと連絡の取れなかった人とも再会できたりしたそうだ。もちろん僕もミクシィは知っているし、周りでこれに入っている人は非常に多い。実は僕も一度始めたことがあるが、続かなかった。理由は二つある。
 一つは、このRoxite以外で書く内容がない、ということ。この日記の他にも連載を抱えている僕は、今のところ「書きたい願望」は満たされているし、人にものを伝える仕事をしているのだから、何かを発表したいという欲求も充分に満足している。少なくとも、自分の名前と立場を公にして発表できることは、すべてしているといっていい。
 そしてもう一つ、「足跡が残る」というミクシィの特性がどうしても気に入らない。知り合いでもない赤の他人の日記をこっそり見るのが楽しいと考える僕としては、「みんな繋がって友達になる」という発想には同意できないのだ。意外な人に読まれているからこそ、日記を公開するのは楽しい。
 名前を明かさず、別の人格を作って…ということももちろん考えたことはあるが、そんなことをしてミクシィに入ったとしても、作れる人間関係など表面だけの希薄なものになることは目に見えている。
 まあとにかくそんな理由で、僕は今のところミクシィをやる気がない。

12月22日(木)

 全国各地が、12月とは到底思えないような大雪に見舞われている。滅多に雪の積もらない大阪も例外ではなく、交通は完全に麻痺している。京都の山奥なんかは別として、関西の車は冬場でも基本的にスノータイヤなど履かない。スキーやボードの趣味がない人は、車のチェーンなど持っていない。だからたまに雪が降ったりすると、非常に危ない。雪が降ったら車に乗らなければいいのだが、慣れていない人はその怖さを知らないから、つい甘く見て乗ってしまう。結果、つるつる滑って事故を起こす。そのうえ、「雪が積もったら雪かきをしないと危ない」という当たり前の感覚さえないから、駐車場の入り口などにも普通に雪が積もっている。
 バスなんか当然のように止まってしまうし、待てど暮らせどタクシーも来ない。在来線の電車が遅れるのは言わずもがなだ。こんな時は、台風のときと同じように、自宅でのんびりテレビでも見ているのが幸せだが、そういうわけにもいかないのが社会人だ。これを機に、雪かき用のスコップやタイヤチェーンを買った人も少なくないのではないか。
 しかしそれでも、日頃から雪国を走る東海道新幹線などはたくましい。米原近辺で徐行運転をするため、多少の遅れはあったが、それでも1時間以上遅れることはない。

12月21日(水)

 来年は戌年。今の家に引っ越してからずっと、犬を飼いたいと思っていた僕だが、いまだに二の足を踏んでいる。一生面倒を見られる自信がまだ持てない。僕は子供の頃からペットを飼ったことがないから、簡単には決断できないでいる。
 無責任な飼い主のせいで悲惨な運命を迎える犬が、日本にもたくさんいる。飼育を放棄された犬達は、施設に回収され、引き取り手が現れなければ一定期間を経て処分されてしまう。たまたま見つけた里親募集の掲示板には、「誰か、この子をもらってあげてください」という犬が何百頭も載せられていて、身につまされる思いだった。掲示板には、血統に関する内容を書いてはいけないというルールがあるようだが、写真を見る限りは純血の犬が多そうだし、ミックスの犬だってどれも愛くるしい。ちゃんと飼い主さえいれば幸せなペットになれるのに、これらの犬はほとんどがそうならないに違いない。
 僕が飼いたいと思っている犬の種類は一つに決まっていて、他には興味がないのだが、こんな掲示板を見てしまうと、わざわざ人に飼われるために新しく生み出され、売り買いされるペットを飼っている余裕があるならば、気の毒な一生を終えようとしている犬を一匹でも救ってあげたいと思うのが人情だ。ただ、飼い主として初心者の自分が、このような犬を引き取ってきちんとした飼育ができるかを考えて、躊躇してしまう。

12月20日(火)

 先月の日記にも書いた、雑誌「ワッツイン」から原稿を依頼された「2005年ベストアルバム」の掲載誌を読んだ。「音楽関係者によるSELECT MUSIC 2005」の欄を見ると、僕以外のメンツはかなり有名なDJや大御所の業界人っぽい感じで、自分の名前がそこにあることにまず恐縮してしまう。ちなみに僕が選んだ5枚は、RADWIMPS、マキシマム・ザ・ホルモン、Janne Da Arc、レミオロメン、そしてダイアン・ウォーレンのコンピだった。このセレクションは、予想以上に浮いていた。他の人が選んでいるのが、BENNIE KとかL'Arc-en-CielとかORANGE RANGEとか、要するに一般的なヒット作が中心だったせいだ。僕の選んだアルバムだってどれもそれなりのセールスは記録しているはずだが、どうもマニアックで自己満足な趣味を語っている印象が拭えない。狙い通りといえなくもないのだけど。
 先週末から、体調があまり良くない。昨日の番組は、後半で明らかに声が枯れていた。風邪を引いたらしい。
 今年の風邪は胃腸にくるとか聞いたが、吐き気や下痢の症状はなくて、しんどいのは、毎度おなじみ鼻と喉。年末は特番もイベントもあるし、年明け早々番組があって、ほぼ休みなしの時期に突入するので、早めに治さねばと思い、耳鼻科に行った。今年最後にこんな目に遭うとは。何とかしてあと一週間で全快させないといけない。

12月19日(月)

 今日の番組のメッセージテーマは「知らない人に話しかけられたことありますか」。このテーマを決めるきっかけとなった出来事は、先日、電車の中で起きた。
 その電車で僕は座っていた。目の前には、若い女性が吊り革につかまって立っている。年の頃、20代前半といったところか。伊東美咲に似た、目を引く美人だった。携帯でカチカチとメールを打っている彼女は、白いダウンにジーンズというカジュアルな装いだったが、問題が一つ。ジーンズのファスナーが、ほぼ全開の状態だったのだ。他の乗客は気づいていなかったと思われるが、僕は気づいてしまった。見てはいけないと思いつつも、文字通り目の前にあるものだから、否応なくに視界に入ってくる。中の下着が見えなかったのは救いかもしれない。
 やがて電車は空き始め、僕の隣に彼女が座った。荷物を膝の上に置き、あいかわらずメールを打っている様子だ。僕はその横で寝たフリをしつつ、しかし彼女のファスナーのことが気になって眠れない。教えてあげたい。こういう時は気づかないフリをするのがエチケットだとよく聞くが、伊東美咲似が社会の窓を開けたまま街を歩こうとしているのに、それを見過ごすことが果たして正しいエチケットなのか。あれこれ考えているうちに、僕は一つの名案を思いついた。この先、もしも僕の方が先に電車を降りるようなことがあれば、電車が停止する前に、携帯のメール作成画面に「ファスナー、開いてますよ」と打ち、降りる間際にその液晶画面を彼女の前に差し出して、目を合わせずに降りる。そうすれば彼女は、荷物の下でこっそりとファスナーを上げ、唯一気づかれていた僕とも、もう顔を合わせずに済むのだから、特に問題はないはずだ。我ながらこれは粋でクールなアイデアだと思い、ドキドキしながらその瞬間を待っていたが、結局彼女の方が先に降りてしまい、ミッションは未遂に終わった。彼女は帰宅して着替える時まで、気づかなかったに違いない。
 この話をすると、大抵の女性は「そんなのは余計なお世話だ」とつれない反応。女心はわからない。
 ファスナーに気をつけよう。

12月18日(日)

 アーティストとのガチンコ対決企画「O-1グランプリ」の第2試合、コブクロと浅井博章のダーツ対決の模様が放送された。ダーツの腕前には絶対の自信を持つ小渕くんは、僕との対決のためにわざわざ自分のダーツボードを持って来た。収録前日には、空き時間にひたすらダーツを投げて練習していたと言う。お互いに、相当の気合いを入れて臨んだ因縁の対決だった。
 ルールは「ラウンド・ザ・クロック」。ダブルやトリプルは関係なく、それぞれが3本ずつを交互に投げ、1から順番に狙っていく。片方が最初の3本で順調に3まで進んで、もう一方が3本とも1に入らなければ、この時点で3点のリードになるわけだ。順番に入れていって、先に20に入れた方が勝ち。レースと同じ要領のシンプルなゲーム。1回戦はコブクロの二人VS浅井で、2回戦は本気モードの小渕VS浅井の対マン。1回戦、序盤は予想外の正確さでリードを奪ったのが黒田くん。後半からは小渕くんもエンジンがかかったが、中盤の猛追で僕が逆転し、浅井が薄氷の勝利。続く2回戦、先攻の僕は最初の9本で8まで進むという驚異的なペースでターゲットに入れてゆき、必死に追いすがる小渕くんをスタートダッシュで突き放す。最後までこのリードを守り、20-17で圧勝した。
 この試合の収録はFM802の会議室で行われた。過去、これほど盛り上がったことはないというぐらいの熱戦で、収録後も僕はしばらくの間、勝利の余韻に浸って放心状態だったぐらいだ。プライドの傷ついた小渕くんもけっこう本気で悔しがっていて、雪辱戦の約束も交わした。
 そんな劇的な試合の放送だったのだが、オンエアを聞いてみると、全く意味不明でがっかり。投げている本人がマイクを持っていないから、何を言っているのか聞き取れないし、誰かが実況しているわけでもないので、試合の経過も見えない。僕自身が勝負に熱くなりすぎた結果か。あんなに楽しかったのに、リスナーにそれを上手に伝えられなかったことは大変残念。そして深く反省。

12月17日(土)

 スポーツの世界で、新しいスターが次々に誕生するのは、世間を明るくするニュースだ。浅田真央の目を見張る活躍に、日本中が沸いている。僕はウィンタースポーツが全体的に好きなので、フィギュアスケートがこれまでにないほど注目されているこの状況は嬉しい。
 女子スポーツの選手が国民的な人気者になるには、実力と容姿の両方が備わっていることが必須条件。卓球の福原愛やゴルフの宮里藍、モーグルの上村愛子…。さらに海外でいえばテニスのマリア・シャラポワもそうだ。世界の頂点を狙えそうな実力を持っていて、なおかつそこそこ可愛い。それで、飾らない気さくな人柄だったりすると、もう百点満点の国民的アイドルになれちゃう。ルックスがぱっとしないのに、圧倒的に強い選手などは、「強すぎて憎たらしい」などと悪役にされてしまう傾向がある。やっぱり顔がいい人はどんな世界でも得をする。
 浅田真央の、まだあどけなさの残る、品の良さそうな、愛らしい笑顔を見ていて、つくづくそう思った。まさしく妖精。髪を下ろして普段着で過ごしている彼女も見てみたいものだ。

12月16日(金)

 ここのところ、読むのは文庫本ばかりだったが、久しぶりにハードカバーを読んだ。かなり分厚い長編だったが、いつまでも持ち歩くと重たくてしょうがないので、2日ぐらいであっさり読み終えた。今年発売されたばかりの、東野圭吾の「さまよう刃」という本。
 何の落ち度もない娘が、不良少年達に誘拐、蹂躙された挙げ句、死体となって発見された。更正の見込みなど到底なさそうな鬼畜でも、未成年であるというだけで少年法によって保護され、軽い刑罰で社会に戻される日本。被害者遺族には何の救済もない。この問題は、よく小説の題材にされており、その多くが報復殺人の話である。この「さまよう刃」も例外ではない。
 復讐を成し遂げたら警察に出頭すると宣言した上で、犯人の少年を血祭りに上げていく父親。ひょんないきさつで彼をかくまうことになる女。強制的に強姦に加担させられた気弱な少年。そして警察。複数の登場人物が微妙に絡み合い、ラストシーンで全員が一カ所に集まる流れはまるで映画のよう。重厚なテーマをスリリングなサスペンスに仕上げるテクニックは、さすが東野といったところだ。少年達によるレイプシーンの描写は強烈なまでに過激で痛々しかった。仇討ちは当然ただの殺人ということになるわけだが、読者が心理的に主人公に同情し、応援したくなるように出来ているのだ。
 ところで、東野圭吾といえば、「さまよう刃」と同じくらい分厚い長編小説「白夜行」がテレビドラマ化されるんだとか。あの本も一部にかなり過激な描写が出て来た。主人公の二人が幼少期から大人になるまでの物語であり、映像化はかなり難しそうな印象があった。役者の演技とかよりも、とにかく気になるのは脚本の出来。ショッキングな犯罪を重ねるシーンの連続だが、主人公二人の関係、過去は最後まで明かされない。あの原作の面白さを損なわないドラマになるかどうかは、すべて脚本にかかっていると思う。

12月15日(木)

 すっかり社会現象化しているNANAだが、原作はあいかわらず気ままなペースで進んでいる。今日は14巻が発売となった。この1冊でも時間は1週間も流れていない。
 この漫画は、音楽業界の裏側をリアルに描いているように見えて、案外デフォルメしている部分も多い。今回でいえば、「ジャニーズじゃあるまいし、ロックバンドの追っかけを仕切る親分なんかいねーだろ」とか、思わずにいられない。そんなところに突っ込みを入れながら読むのが楽しい。
 毎回、劇的な展開を見せてぐいぐいと引き込まれるのだが、今回はそうでもなかった。主役であるはずのナナとハチよりも、それ以外のキャラが目立っていたせいもあるし、誤解が誤解を生んでみんながブルーになっていくストーリーにイライラしてしまったというのもある。
 ところで、NANAも今度はついにテレビアニメ化されるんだとか。実写の映画が興行的に成功しているのだから、まあ当然といえば当然の流れだが、あのスタイリッシュな世界観をテレビアニメで再現できるのかどうかは実に不安なところ。ブラストやトラネスの歌を誰が歌うのだろうか。

12月14日(水)

 この冬の話題作、映画「Mr.&Mrs.スミス」を見て来た。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー主演のアクション大作。お互いが暗殺のプロであることを知らずに恋に落ちた二人がそのまま結婚し、6年経ってからついに相手の本性を知る。自宅を舞台にした白熱の銃撃戦と殴り合い…史上最悪の夫婦喧嘩が勃発する、というお話。
 おもしろい。ありえない設定、ありえない展開、ありえない動き。全編を通してありえないのオンパレードだが、それが全然安っぽく見えない高級感はさすがハリウッド。主演の二人のスタイリッシュな演技も最高だし、アクションシーンはどれも美しい。物がとことん壊れ、ザコキャラがたくさん死ぬ。ややこしい話は何一つなくて、子供でもわかるような単純なストーリーだから、最後まで一度もウトウトしなかった。カップルで見るなら、こういう映画がいいと思う。

12月13日(火)

 大阪城ホールへ、矢井田瞳のライブを見に行った。
 デビュー6年目。ブレイクしてからもずっと、地元の大阪を大切にしてきた彼女は、おそらく東京よりも大阪の方が動員力が高い。今回のツアーは、大阪城ホールで2公演、日本武道館で2公演が行われる。もちろんソールドアウトである。
 久しぶりのフルバンドでのライブだが、会場の大きさのわりにステージセットはシンプルで、スクリーンも、特効らしきものもなかった。それでも物足りなさを感じない、存在感のある歌をヤイコは歌う。本当に気持ち良さそうに歌う女性だ。MCも少なめで、とにかく曲をたくさん披露していた。
 これだけ人気があるのに、音楽以外の話題が彼女ほど少ないシンガーは稀なような気がする。テレビには滅多に出ないし、プライベートが取り沙汰されることも皆無に等しい。ずっとマイペースに、歌だけで勝負をしてきた人なのだ。それで今もこれだけの人気を維持している点は立派だと思う。
 それにしても、昨日に続き、今日も極寒の大阪だった。

12月12日(月)

 ROCK KIDS終了後、南港のZEPPへ。「Piece & Smile Carnival Tour 2005」の大阪公演を見に行った。僕が到着した段階ですでに5組中3組が出演を終えており、アリス九號.とKagrra,の2組を残すのみだった。
 雅くんとKraの景夕くんが、鼻眼鏡をつけた格好で、張り切って進行役を務めていた。このイベントを何とかして成功させたいという雅くんの意気込みはひしひしと感じられる。まだツアーがだいぶ残っているので詳しい内容は伏せるが、どのバンドも、身内だらけで居心地の良いこのイベントのライブを、心から楽しんでいる様子だった。観客も、目当てのバンドだけを応援するのではなく、最後までいい雰囲気で盛り上がっていた。
 先日のナイトメアで僕が衝撃を受けた「いまどきの手扇子」はこの会場でも豪快に咲き乱れていた。左右交互に縦咲きをしながら踊る「阿波踊り手扇子版」は圧巻。しかも、そのへんのクラブで遊んでいそうな、とてもバンギャルには見えないタイプのギャル達がそれをしているのだから、ビジュアル系も変わったものだと感心せずにはいられない。
 それにしてもこの日の南港の寒かったことよ。台風並みの風が氷点下。吹雪の雪がないやつ。真っ直ぐに歩くことすらできないような強い風で、その風が異常なくらいに冷たいのだ。ライブの後、汗びっしょりのキャミソール姿で出て来た女の子をたくさん見かけたが、彼女達は生きて帰ることができたのだろうか。普段、ライブが終わった後の会場付近には、たくさんのファンがたむろしながらライブの余韻を楽しんで談笑しているものだが、この日ばかりは蜘蛛の子を散らしたようにみんな帰っていて、ZEPP前も閑散としていた。みんな、暖の取れる場所へ避難したのだろう。真冬のZEPPは、野外ライブより辛いかもしれない。

12月11日(日)

 今回のFM802スペシャルウィークス、目玉企画はアーティストとの対決企画「O-1グランプリ2005 アーティスト頂上決戦」。僕がアーティストと何かゲームを競って、その様子をラジオで放送するという企画の第2弾。前回の6月の時はnobody knows+とダーツ、スキマスイッチとウィニングイレブンで対戦し、ともに僕が敗北を喫した。今回は、1週目で矢井田瞳とジェンガで、2週目はコブクロとダーツで勝負。けっこう本気。
 この日の放送ではヤイコとのジェンガ対決の模様が放送された。積み重ねられたブロックから、交互に1本ずつを引き出していくゲーム。彼女のヒット曲「一人ジェンガ」にちなんでこのゲームでの対戦が決まったことは言うまでもない。しかしこんな地味なゲームを互いに無言でやっていても、ラジオを聞いている人は何もおもしろくない。だから、ブロックを取りながら、常に会話を続けなければならない。ジェンガをやりながらゲストトークをするようなもので、僕はけっこう神経をすり減らした。オンエアされたものを聞いてみると、何だか会話が二人ともうわの空。よそ見をしながらキャッチボールをしているような状態で、そのぎこちない雰囲気がリアルだった。
 結果は、僕の連勝。まず1ゲーム目、僕は一応彼女に花を持たせるつもりでやっていたのに、ヤイコの方が無茶な取り方をして崩してしまった。3本勝負だから、残りを連敗すれば彼女に勝利を譲ることもできたのだが、1ゲーム目が終了した段階で収録予定時間を大幅に越えており、できるだけ早く終わらせる必要があった。そこで僕は心を鬼にして、無慈悲にも2ゲーム目で彼女に引導を渡したのである。以上、勝負の裏話。
 この日の放送を聞いていた知り合いから、「いいよなぁ、浅井さんは。矢井田瞳とゲームで遊んで、金がもらえるんだからさぁ」というようなことを言われた。今回ばかりは僕もそう思った。

12月10日(土)

 所属するホッケーチームの忘年会。焼酎のロックをいつの間にか5杯ぐらい飲んでしまい、気づいたらかなり酔っていた。そのまま同じビル内のボウリング場に移動して二次会。僕がボウリングをやる機会は多くて年に2回だが、そのうちの1回は毎年の忘年会の後のボウリング大会である。
 ラウンド1は、絶対にいいスコアが出るように出来ていると思う。一昨年が156、昨年が148。そして今年は、1ゲーム目は138とそこそこのスコアだったが、2ゲーム目では165を出し、ベストスコアを更新。特に練習したことがあるわけでもなく、ただまっすぐ真ん中を狙って転がしているだけの僕として満足のいく点数だ。まして今日は、レーンが水平に見えないくらいに酔っているわけで。ボウリングというスポーツはよくわからないものだ。
 ちなみに、僕はいつも10号ぐらいの、男性としてはかなり軽めのボールを使用する。あの数字はポンドを意味し、ボールの重さは、自分の体重の10分の1ぐらいがちょうどいいとされるらしい。1ポンドは4.5kgだから、僕だったら11か12ぐらいが適当ということになる。重いボールの方がピンはよく倒れるので、ボールの重さをうまく利用して転がすのがコツなんだとか。

12月9日(金)

 BEAT SHUFFLEのゲストがJ氏だったので、番組のオープニングで発表した。来年の上半期中に、LUNA SEA限定の爆発寸前NIGHTを開催することを。
 爆発寸前TOKYOの最後で「WISH」のライブバージョンをかけた時、その場の勢いで何となく口にしてしまった、「いつかLUNA SEA限定の爆寸をやりたいと思ってます」という言葉。予想以上の反響があり、引っ込みがつかなくなった。その翌週には実現に向けて動き始め、候補となりそうな会場に企画書を送りつけていた。爆寸は他にない種類のクラブイベントなので、趣旨や内容の説明にはある程度の時間を要したが、何とか開催のゴーサインを得、スケジュールも仮で押さえさせてもらった。本格的な打ち合わせは年明けに行う予定で、その後に詳細を発表することになるだろう。
 現段階で言えることは、今回ばかりは、チケットの売れ行き次第で中止になる可能性があるということ。イベントを成功させるためには、爆寸の魅力を知っているSLAVEに、昔の友達を大勢連れて来てもらう以外にない。詳細を発表する時にもきちんとお願いする予定だが、「開催を楽しみにしています」と言ってくれた人は、そのへんの事情をあらかじめ理解しておいていただきたい。
 この日のスタジオアルシェ前には当然、Jさんのファンがたくさん集まっていたが、爆寸の開催を発表してもほとんど無反応だった…。いや、何らかのリアクションはあったのかもしれないが、小心者の僕は顔を上げられなかった。爆寸はいつも、期待半分、不安半分。

12月8日(木)

 結局、この秋のテレビドラマで毎週欠かさず見たのは「熟年離婚」だけ。このドラマの高い視聴率を見て、「他局のドラマ担当プロデューサーがショックを受けていた」という話だが、木曜の夜9時といえば、以前は「渡る世間は鬼ばかり」が放送されていた枠なわけで、そこでTBSが「ブラザービート」を放送し始めたのだから、「熟年離婚」が中高年の視聴者をごっそり持っていってしまうことは自明の理だったという見方もある。「仕事一筋で家庭をないがしろにしてきた一流サラリーマンが、家族もそれぞれの悩みを抱えながら頑張って生きているという当たり前の事実に、定年になってから気づく」というお話。この上ない平凡なファミリーものなのに、僕の年齢で見てもこれだけハマってしまうのは、やはり話のリアルさゆえ。僕の周りでこのドラマを見ている人はほとんどいなくて、「そんな年寄り向けドラマ!」なんてバカにされることが多いのだが、見ればわかるのだ。ちなみに、途中からは僕の大好きな小市慢太郎も脇役で出て来た。DVで妻子に逃げられた男の役。どう考えてもこれ以下はないという、全く汲むところのないこのドラマで最低最悪の役だった。そんな悲惨な悪役が見事に似合ってしまうところがさすが。素敵。

12月7日(水)

 12月は本当にライブが多い。今日は久しぶりにライブ会場のハシゴをした。
 1本目は、厚生年金会館芸術ホールのナイトメア。東京以外の都市で初めて経験するホールワンマンだったそうだ。やはり椅子のある会場だとステージや観客の動きがよく見えて楽しい。ナイトメアは、最近動員を伸ばしてきたビジュアル系の中では特にファンの年齢層が低めかもしれない。開演前の客席を見て、バンギャルも時代とともに様変わりしたなぁと感じた。いろんな意味で。そして、もっと様変わりしたのを感じたのはライブが始まってから。まあ「咲く」姿はもうすっかり見慣れているが、手扇子の振り方が何だか違うし(「咲く」との合体形を見た。降り終わった時に掌が上ではなくステージの側を向いている)、ギターソロになると両掌を立ててギタリストに向けてヒラヒラさせるやつなんかずいぶん浸透しているみたいでちょっと衝撃的。曲中のキメの部分で、昔なら人差し指を立ててクイクイっとひねっていたようなところは、マペットが喋るときみたいに手をパクパクさせる。文字にしても全然わからないだろうが、とにかくあまり見た覚えのない動きがわりと揃っている。いつのまにか僕も時代に取り残されていたようで、勉強不足を感じた。
 ナイトメアは本編終了ぐらいのタイミングで出て、BIG CATへ移動。今年下半期、僕を最も熱くさせているバンド、マキシマム・ザ・ホルモンの2マンライブである。ミナホの時は最前近くまで突っ込んでハジけた僕だったが、今日はロングコートに厚底ブーツという、ライブで暴れるには非常に不向きな服装。一番後ろでおとなしく拝見することにした。後ろから見る方が、ステージの演奏をじっくりと見ることができる。女性とは思えない派手なドラミングやチョッパーの掛け合い、そしてヴォーカル。このバンドの演奏はつくづく見事だ。加えてMCのおもしろさが天下一品で、黙って見物しているガガガSPのファンも「なるほど。こいつらおもろいわ」と、近頃の彼らの人気に納得している様子だった。あの芸風は盗みたい。
 最近802でよく流れている影響もあってか、大阪は他の地方よりも心無しか「ブラック¥パワーGメンスパイ」が始まった瞬間の盛り上がりが大きかったそうだ。DJとしては何となく嬉しい話。来年こそは番組のゲストにお迎えしたいものだ。

12月6日(火)

 なんばハッチでムックのライブを拝見。ちょうど一昨日のROCK VISIONでゲストに迎えたばかりだったこともあり、楽しみにしていたライブだ。
 新作では「メロディーを大事に」していたというムック。彼らもメジャーバンドとして、ある程度大衆受けを意識した曲作りをするようになったのなら、それは立派な進化だと僕は受け止める。しかし「鵬翼」を聞いて、失われたムックらしさのようなものは一つも感じなかった。これまで通りに激しさや重さを軸として、新しい要素を随所に取り入れた作品だった。ムックの本質を理解している人が、このアルバムを聞いて不満に思うことはないだろうと思った。
 問題はライブだ。今回のツアーでは、発売前から新作の曲を披露してきたようだが、古い曲と新しい曲では、観客の盛り上がり方が露骨に違う。古い激しい曲になると、スイッチが入ったようにモッシュの嵐が起こるのに、新作の曲は、たとえ速くて激しい曲でも、どこか躊躇している。新曲になるとライブで盛り上がらないのはある意味当然だが、ステージでメンバーがぶち切れた演奏をしているのに、客が黙って見ている光景にはやはり違和感があった。新作の曲が浸透するまでにはまだ時間がかかるということだろう。
 客のノリはそんなふうに微妙なところもあったわけだが、演奏を聞く限り、ムックが「丸くなった」などということは全然ないことはよくわかった。あの強烈キャッチーなシングル「最終列車」さえ、ド迫力のイントロでムックの本領を発揮している。そして僕が予想していた通り、「つばさ」は最後に披露された。「『何も変わらないよ』嘘になった言葉 今の僕になるため 眠らせた歌たち」という衝撃的な歌詞で始まる、美しい曲である。メンバー全員で振り絞るように歌う姿は感動的だった。
 今のムックは、まだサナギの状態かもしれない。スケジュールの過密さからメンバーが「デビリッシュイヤー」と名付けた2006年は、大きな成虫となってくれることだろう。

12月5日(月)

 FM802の下にある天神橋筋商店街にもビッグイシューの販売員がいる。その人がそこに立っているのは発売日から数日だけで、しかも午後の数時間しかいないらしい。僕がその人を見かける頻度は本当に少ない。そのうちこの人はここでの販売をやめてしまうのではないかと心配になる。だから僕は、見かけたらいつも買う。
 この冬一番の寒気がやってきたとかで、今日の大阪は本当に信じられないほど寒かった。でも今日もその人は冷たい風の中でビッグイシューを売っていた。その人の横では、暖かそうなベンチコートを着た若い男性が、どこかのお店のチラシを元気よく配っている。販売員の人は声を出すこともほとんどせず、ただ寒そうにカイロを握って立っているだけだから、当然のことながらほとんどの通行人が見向きもしない。こんな冷たい風の吹く屋外でただ立っている仕事なんて、僕だったら10分で音を上げてしまいそうだ。僕は近くのコンビニで暖かい缶の紅茶を買い、「これ、差し入れ」と言って販売員のおじさんに手渡した。続けて「1冊ください」と言うと、驚いていた様子のおじさんは「買ってくれるん?ありがとう…」と、とても嬉しそうに笑った。缶の紅茶でこの寒さがしのげるとは思えないし、彼にとって飲み物よりも必要なものはあっただろう。もとより押しつけがましい偽善めいた行動の嫌いな僕だ。それでも僕は、彼に応援のメッセージを送りたかった。彼の孤独な戦いを、見守っている人はいると知って欲しかった。
 最近は、ネット通販で物を買う機会が増えた。売り手と買い手が顔を合わせない買い物。そういう無機質な時代に、ビッグイシューは「物を売る・買う」という行為の原点を思い出させてくれる。これも一つのコミュニケーションの形なのだと考えれば、自分の行為に説明がつく気がする。暖房の効きすぎた局に入って、そんなことを考えていた。

12月4日(日)

 昨年に引き続き、ROCK VISION 802が日曜深夜の単発企画枠「BINTANG GARDEN」内で1回限りの復活。メインゲストはムックで、ベテランから若手のインディーズまで幅広くコメントゲストも迎え、たった1時間の間に12曲をオンエアするという濃度の高さ。昨年の番組で紹介したアーティストを避けた。昨年は僕が一人で行った素材作りを今年はスタッふーに任せたが、ROCK VISIONらしさを失わない、スピーディーで熱い番組になったと自負している。しかしやはり1時間では足りないと心から感じた。なかなかフルコーラスで曲をかけられない。
 番組で流れる曲はどれもリリース前後の新譜で、昔からのROCK VISIONリスナーに懐かしんでもらう選曲はできない。そこで考えたのが、随所にはさむジングルやBGMなどに昔のビジュアル系のフレーズを使うことでマニア心をくすぐるという作戦だ。さらに、この日のBBSでは「懐歌詞クイズ」を出題。BBS上部のタイトル欄に、昔のビジュアル系の名曲の歌詞から抽出したワンフレーズを書き出し、それだけを見て曲名を当ててもらう、というもの。正解者が現れたらその時点で次の出題に進む。これに挑戦するには、異常な頻度で掲示板のリロードを繰り返さなければならない。アクセスしていた人達(せいぜい数十人だと思うが)はすっかりこのクイズに熱中し、肝心のオンエアをあまり聞いていなかったという噂もあるが、たった1時間を多角的に楽しんでもらうという、ある種無茶苦茶な計画は成功した。1時間で寄せられた書き込みは220件。3分に一度リロードをしてもすべての書き込みを読みきれないという事態になった。こんなに掲示板が早く回ったビンタンは過去にないだろう。僕はこの録音番組を自宅で聞いていたわけだが、放送終了後は生放送とさして変わらないくらいに憔悴した。
 「一年に一度じゃ物足りない」「せめて2時間」というありがたい声も多数いただいた。この番組を以前のようにレギュラー枠で放送することは、残念ながらおそらく無理だろう。しかし何らかの形で、浅井博章がジャパニーズロックを扱う番組を、大阪からも発信できたらと、最近は切に願っている。それは、楽しかった昔を取り戻そうとしているノスタルジーではなくて、ブームの終焉を迎えてからある程度の年月が経ち、昔と同じくらい面白いシーンに再び成長した今のビジュアル系を、もう一度世間に認めさせたいから、という思いなのだ。
 やっぱりROCK VISIONはおもしろい。たくさんの熱心なリスナーのおかげで、それを僕自身も再確認できた。

12月3日(土)

 銀座の居酒屋で、大学時代に所属したサークルの忘年会が催された。メンバーの少ない地味なサークルだったが、歴史だけは古くて、僕の学年で28代目だった。この日の忘年会には、17代から34代と実に幅広いメンバーが招集された。連絡先のわからない人も多く、集まった人数はそれほど多くなかったが、なかなか楽しい宴会となった。この年になって一気飲みを強要されるような飲み会に出るとは。いろんな意味で、自分が早大生であったことを再確認。
 10年以上会っていなかった仲間とも再会したが、言われることといえば「変わってないね」か「痩せたんじゃない?」のどちらか。かつて雲の上の存在といえるほど遠い先輩だった人が、僕の番組のスポンサーであるサッポロビールに勤めていたり、レコード会社の管理職、大阪のバーの経営者など、けっこう自分の身近なところにいることにビックリ。ちなみに、NACK5でも番組を担当しているDJの長谷川雄啓氏も、僕の11年上の大先輩にあたる人だ。局で会った時は同業者の一人としてフランクに接することもあるが、こういう場ではやけに緊張する僕だった。
12月2日(金)

 再来週から始まる「Peace & Smile Carnival Tour 2005」は、PSカンパニーに所属するアーティストが一堂に会し、全国のZEPPを回る大掛かりなライブイベント。このイベントでは、来場者全員にCDを無料配布することになっている。そのCDに収録されるのは、各バンドの代表者によるラジオ番組風のトークと、最新音源の試聴用ダイジェストである。その進行役としてご指名をいただき、今日、都内のスタジオでそれを収録した。ゲストとして登場するのは雅、Kagrra,、ガゼット、Kra、アリス九號.の全5バンド。バンド内で最もトークを得意とするメンバーが集められた。DJの僕としては準備不足もあり、CDに収録して配ることを思うと若干不本意な進行になってしまったことは否めないが、メンバーはみんな明るく協力的だったので、スタジオ内はなかなか楽しい雰囲気だった。
 同じ事務所のアーティストが一緒にライブをするイベントは他にもいろいろあるが、この会社は群を抜いて所属バンド達の仲がいいと思う。聞けば移動のバスも全員一緒にする予定なのだとか。イベント全体の雰囲気も明るいものになるだろう。

12月1日(木)

 日が暮れると、ご近所の家々はゴージャスな電飾に包まれる時期だ。何の準備もしていなかったうちも、12月に入ったということでようやく解禁。今日は半日がかりでクリスマスの飾りつけを行った。
 イルミネーションは毎年少しずつ買い足していくから、それほど大きな出費になるわけでもない。難しいのは、設置の方法と、電源の確保である。電飾を設置しやすいような場所は限られていて、購入したライトをどう配置するかは案外難しいところ。庭やベランダにそれほど多くのコンセントがあるわけでもない。派手になりすぎないように品良く、全体のバランスを考えながら取り付けていくという作業は、けっこう大変だが楽しいものだ。まあ近所の家に比べれば、かなり地味な我が家だが。
 折しも、この日のTVチャンピオンは「イルミネーション王選手権」。それこそ我が家などとは比較にならないような大量の電飾を、低予算でほどこすという企画。職人がプライドをかけて作り上げるイルミネーションは、かかった費用からは考えられないほどにゴージャスで派手だ。飾り付けのテーマはもちろんクリスマスだが、この競技を収録したのは8月だというのは笑った。秋から冬にかけて、出場者達は本業が忙しくなるため、夏のうちに収録せざるを得なかったというのだ。クリスマスのイルミネーションを作っているのに、画面に映る人はみんな半袖。一般家庭の壁に作ったあの電飾、あの後どうなったのだろう。風の強い日に放置しておくには危なそうだし、クリスマスまで保管する方法もないだろうし。そんなことが気になってしまった。