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Diary(06.03.)

3月31日(金)

 NACK5の番組が放送されるスタジオは、JR大宮駅を降りてすぐのところにある。大宮というのはなかなか面白い街だ。埼玉県下随一の都会だが、駅前にたむろする若者達のファッションは、東京よりも微妙な遅れをとっている。さすがにヤマンバは見かけなくなったけど。
 大宮といえば最近の話題は「駅ナカ」。駅の改札の内側に、デパ地下みたいな惣菜店、食料品店が軒を連ねる。途中下車して立ち寄ってもお金がかからないし、もちろん雨に濡れることもないので、忙しい人にとってはさぞかし便利なのだろう。夕方は買い物客でごった返している。
 仕事でこの駅を利用している僕から言わせてもらうと、はっきり言って邪魔。ホームから階段を上がって改札へ向かう間に、デパ地下のような人混みをかき分けるのは苦痛だ。駅の中に何があってもいいとは思うが、電車を利用する人と食べ物を買う人はセパレートするべき。
 そんな付加価値で客を呼び込もうとする前に、全部の階段にエスカレーターをつけてくれ。

3月30日(木)

 村山由佳の「星々の舟」を読み終えた。2003年の直木賞受賞作。素晴らしい本だった。久しぶりに、すごい作家に出会った気がする。
 テーマとなっているのは、家族だ。同じ家族を構成する一人一人が主人公となった短編が連なっている。それぞれに重たい悩みを抱え、家族に対する思いを抱きながら、懸命に生きていく。姉から見れば時に恨めしいほど呑気な妹も、立場を変えれば、常に明るく振る舞い、道化を演じることに疲れてもいる。自分達は血が繋がっていないと思い込んで恋に落ちた兄妹が、実は異母兄妹であった事実を知る、という重たいエピソードを軸に、それぞれの人生が順番に語られる。
 その視点とストーリーもさることながら、魅力的なのは文章だった。大人の小説だから、性的な描写も頻出するが、決して猥雑な印象を与えず、それでいて表現が妙にリアル。男性の立場のセックスと、女性の立場のそれを、器用に書き分けているところが見事だった。
 この人の小説を、いろいろと読んでみよう。

3月29日(水)

 まもなく受付を締め切る、爆発寸前NIGHT2006のRoxite先行予約。今回は初の試みとして、メールで申し込みを受け付け、僕の口座にお金を振り込んでもらい、僕がチケットを送ることになっている。申し込みのメールを見るのも、入金を確認するのも、宛名を打ってチケットを封筒に入れ、郵便局に持って行くのも、全部僕一人の作業。これが、当初思っていたよりもはるかに楽しい。
 どこに住む何という名前の人がチケットを買ってくれているのか、把握できるのがいい。今回は任意で「意気込み」を書いてもらっているので、それを読むのも参考になるし。初めてこのイベントを知った人も多く、遠方から町田まで来てくれる人も少なくないようだ。お客さんの期待をひしひしと感じて、僕も5月20日が俄然楽しみになってきた。
 実はこの先行予約で、すでにキャパシティーの200に到達しそうな勢いで売れている。いろんなところで宣伝をしてくれた、心優しい爆寸常連の皆様のご協力のたまものだろう。来月下旬あたりから、町田プレイハウスでも電話による一般予約を受け付ける予定になっているが、そこに何枚残せるかは不明。いつも爆発寸前NIGHTでは当日券をあてにしている人も、今回ばかりは先に取っておくことをおすすめしたい。

3月28日(火)

 甲子園球場で阪神タイガースの試合が開催される日、開門してから打撃練習が始まるまでの間に、ビジョンで流れる球場インフォメーションビデオ。毎年お馴染みとなったこの仕事を、またまたやらせてもらった。すでに4年目。大好きなタイガースと仕事で接点を持てるのは大変光栄。
 去年から登場した、「赤星ラーメン」、「誠のつけ麺」、「金本兄貴のスタミナ丼」も紹介した。どれも、各選手がプロデュースした超人気メニューだそうだ。聞いた話では矢野選手のシュークリームというのもあるとか。ファン心をくすぐる商売のうまさも、さすがはタイガース。
 WBC日本代表には藤川と久保田の2投手しか選出されず(おそらく数名の選手は辞退したのだろう)、この時期としては注目度が低い気がする今年のタイガース。オープン戦での各主力投手の戦績も不安を残す内容らしく、去年のような快進撃が見られるかどうか、どうも心許ない。打撃の方は随一の層の厚さを誇るタイガースだから、万一主力が怪我で離脱しても、カバーできる強力な若手選手がいくらでも2軍に控えているだろう。でも野球はピッチャーで決まるもの。
 今年も、日本一の人気球団らしく、ドラマチックでおもしろい野球を見せてもらわないと。岡田監督の手腕に期待。

3月27日(月)

 先日読んだネットニュースによれば、近頃の小学校では男子トイレの個室化が進んでいるのだとか。個人的には悪い傾向ではないと思う。僕は、大でも小でも個室を使いたいと思う方だから。
 小学生の頃、学校で大の用を足すことは、向こう半年ぐらいいじめられることを覚悟するのと同じだった。オーバーでも何でもなく。それは、女性には到底理解してもらえないであろう、辛い状況だったと記憶している。男子は、個室に入るということはすなわち大であることを意味するから、誰かがトイレの個室に入った途端に学年全体が蜂の巣をつついたような大騒ぎになる。学校で、どうしても我慢できずに大の用を足した男子生徒を待ち受ける運命は、過酷なものだ。上から覗いたり、水をかけたりと考えうる限りの妨害をされた上、ことを終えて扉を開けば、百人単位の蔑視に迎えられる。そうなるのが怖くて我慢し続けた後、もらしてしまうという、さらに悲惨な結果を招いてしまう者も少なからずいた。
 トイレに行くなんてことは自然の摂理なのだから、軽蔑されるいわれはない。大をしただけで好奇の目にさらされるなんて、教育の場の在り方として間違っている。
 そりゃあ男子トイレをすべて個室にしてしまったら、膨大なお金がかかるだろうし、変に混雑してしまうかもしれないけど、それぐらいしてでも守ってあげるべき基本的人権だと思う。

3月26日(日)

 一昨日の徹麻が響いている。ひどい時差ボケだ。
 あの日は結局、完徹で飛行機に乗り、帰宅したのが昨日の朝9時ぐらい。それから少し眠ったので、生活のリズムは完全におかしくなってしまった。昼前とか夕方とかの、妙な時間に突然眠気が襲って来る。こういう時は眠気を振り払って運動をするに限るのだが、最近はなかなか身体も動かせていない状況。
 番組のiMODEサイトで紹介する、GacktのライブDVDを見た。去年のクリスマスイブに東京ドームで開催されたライブを完全収録した2枚組のDVDである。何と言ってもすごいのがオープニング。ライブの翌日のスポーツ紙でも大々的に報じられていた通り、Gacktは馬に乗って登場する。それも、大名みたいにゆっくりのそのそ歩く馬に乗るのではなく、数頭の馬がすごい速さで客席を駆け抜けるのだ。
 スクリーンで流れるハリウッドばりのオープニングムービーのシーンから、突然飛び出して現れる本物の馬。Gacktはこのオープニングのために、半年間乗馬の練習をしていたそうだ。彼のこのライブに懸ける意気込みが感じられる。冷静に考えてみると、動物を使うという、不確定要素の多いこうした演出を、オープニングに持ってくるというのは凄いことだ。馬が言うことを聞かなくて走らなかったり、途中で転んだり、予想外の方向へ走ってしまったり…、何度訓練したとしても、そういう不測の事態が起こらないという保証はない。万が一のことがあったら、オープニングでいきなりコケるということになる。そんなリスキーなこと、普通だったらできないと思う。
 このライブ、トータルプロデュースはGackt本人。おそらくほとんどすべてのアイデアが本人から出され、実現に至るまでのプロセスにも彼が携わっていたのだろう。彼は「何でも一人でやってしまいたい」と考える人。僕も同じようなタイプだからその苦労はよくわかる。このライブは、そんな彼の持てる力のすべてをぶつけた集大成だった。お金がかかりすぎて大赤字だったという噂も耳にするが、それだけの価値のある見事なショウであったことは疑いない。

3月25日(土)

 著名なミュージシャンが多く来店する、冨紗家というお好み焼き屋がある。関西に住むようになって十数年、僕もあらゆるお店でお好み焼きを食べて来たが、ここよりもおいしいお店を知らない。
 客がテーブル上の鉄板を使って自分でお好み焼きを作るというスタイルを、僕はどちらかというと好まない。テーブルの上が狭いし、暑いし、作り終えたお好み焼きにずっと熱を与え続けるので、すぐに固くなってしまう。テーブルの横にソースやかつお節が置いてあるのも、何だか不潔な感じがする。お好み焼き屋といえば、まずこういうテーブルになっているものだが、冨紗家は違う。ソースとマヨネーズはかけて、包丁で切れ目を入れたものが、皿に盛られて運ばれて来る。素人には絶対に真似の出来なそうな、絶妙な柔らかさで焼き上げてある。
 もう一つ、ここの有名なメニューが、最初に出てくるモヤシのセイロ蒸し。何のことはない、モヤシの上に豚のバラ肉を乗せ、蓋をして蒸してあるもので、ポン酢につけて食べるだけなのだが、これがもう、一度食べたらやみつき。誰もが家で同じものを作ろうと思うが、どうしても再現できないという代物なのである。冨紗家が各界の著名人の胃袋をつかんで離さない秘密は、このモヤシにあるのだった。
 本店は中央区の谷町にあるのだが、僕の自宅のわりと近くにも支店が出来ていると知り、今日は西宮店に行ってきた。店内は広々としているし、従業員達の接客態度は快活で若々しく、気持ちよく食事のできる店だった。
 本当においしいお好み焼きを食べてみたいと思うなら、絶対冨紗家がおすすめ。

3月24日(金)

 春休みは空も混んでいる。明日の、帰りの飛行機が朝一番の便しか取れなかった。実家に泊まったら、朝の5時ぐらいには出ないと間に合わない。そんな早起きは冗談ではないと思って、徹夜で麻雀。番組後、スタッフと一緒に渋谷まで行って他の友達と合流し、雀荘で夜を明かした。あまり調子はよくなかったが、何とか少ないチャンスをモノにして、若干のプラスという結果だった。
 雀荘はフリードリンクのところが多い。僕はいつもブラックのコーヒーを飲み続けるのだが、雀荘で一番人気があるのはたいてい梅こぶ茶だったりする。そして今回行った雀荘では、フリードリンクメニューの中になぜか「リアルゴールド」の文字。面子の一人であるOさんがそれを注文すると、マグカップに入ったリアルゴールドが運ばれてきた。なぜマグカップ…。調子に乗ってそれを3回も4回もおかわりするOさん。店員もいい加減で面倒になってきたのか、注文するごとにマグカップに入っているリアルゴールドの量が多くなっていく。そのうち「もう、気持ち悪くなってきた…」とギブアップするOさん。ちなみに、僕らの卓のすぐ横には飲み物の自販機もあって、そこではオロナミンCが売られていた。リアルゴールドがタダで飲めるのに、オロナミンCをわざわざ買う人っているのだろうか。
 雀荘の雰囲気は、けっこう好きだ。

3月22日(水)

 デビュー当時から僕の応援してきたCORE OF SOULが、まもなく解散を迎える。ツアーファイナルとなる明後日の大阪公演は仕事と重なっているので、今日は一人で名古屋まで見に行ってきた。
 ツアー前にソンくんから聞いていた通り、最後のツアーだからといって、これまでの集大成のような選曲にはせず、あくまでも新作「ONE LOVE, ONE DAY, ONE LIFE」の曲を中心にした構成。全部で23曲だった。それでも半分は古い曲だったわけで、代表的なシングルもほとんどが披露されていた。懐かしい曲達を聞くたびに、いろんなことを思い出して泣きそうにもなったけど、これが見納めだということを忘れてしまうような、いつも通りの楽しい雰囲気だった。
 CORE OF SOULのファンはびっくりするぐらいおとなしい。曲の間に声援を送ることさえためらうような内気な人ばかりなので、拍手がやむとシーンとする。当然後ろの方にいる観客は、身体を動かすことさえせずにじっとライブを見守っているだけなのだが、そうやってみんなそれぞれに楽しんでいるのだ。名古屋のライブなら僕の知っている関係者もいないから、僕は遠慮なく踊り、手を挙げ、歌った。彼らのライブで、初めてファンという立場でライブを堪能できた気がする。ライブ前にセットリストももらっていたけど、終わるまで一度も見なかった。23曲もあったのに、知らない曲が全くなかったことはやはり嬉しい。
 もうあの3人が、こうして同じステージで演奏することはないんだと、何度も自分に言い聞かせるのだけど、どうしてもピンとこないまま、ライブは終盤へ。アンコールで蕗子ちゃんが、デビューシングルのジャケットやPVで使った衣装をまとって出てきた時、初めて「ああ、最後なんだな」と実感した。
 他にも聞きたい曲はたくさんあったし、メンバーやファンの人達と話したいこともたくさんあった。けれど、僕はもう、CORE OF SOULに触れることはもう出来なくなった。帰りの新幹線で、ベストアルバムを聞きながら、僕もCORE OF SOULを卒業していくのだな、なんて考えた。
 僕のCDの棚には、1段まるごとCORE OF SOULのコーナーというのがある。そこにはもちろん、彼らが発表したすべての音源が並べられている。ベスト盤を含めた6枚のアルバムを、一つの箱に納めて、自前のボックスセットを作ろうかと考え中。レコード会社が出さないなら自分で作るまでよ。彼らと一緒に撮った写真や、思い出の品も一緒に封入して。それを、卒業アルバムみたいに、大切にしよう。

3月21日(火)

 決勝でキューバを破り、日本がWBCの最初の優勝国となる。ベースボールの世界で、ヤキュウがナンバー1になった。相手投手の不安定な立ち上がりを攻め、序盤に大きくリードすると、追いすがる相手を終盤で突き放す見事な試合運び。ここ一番ですばらしい集中力を見せてくれた。野球がどれほど面白いスポーツかを、日本中にアピールできたゲームだっただろう。今日は祝日だったが、これ以外のニュースはどれも霞んでしまった。
 紙吹雪の舞う中、優勝トロフィーを王監督が受け取り、選手達が全員でそれを高く掲げるシーン。サッカーのワールドカップを見るようで、実に感動的だった。一時は崖っぷちに追い込まれた日本だったが、最後には底力を発揮した。イチローを中心としたこのチームの結束力が生んだ勝利だと思う。アクの強い選手ばかりだが、ベンチの様子を見れば、心の底から信頼し合っているのがよくわかった。かつてあだれけ寡黙に、自身の技術の向上だけを目指していたイチローも、「素晴らしい仲間ができた」「このチームはすごい」とチームメイトを絶賛していた。日本中に夢を与えてくれたこのゴールデンチームが、この日を持って解散。最高の結果を残しての解散ではあるけれど、もうこのメンバーでの試合が見られないことが、僕はただただ寂しい。西岡と川崎の二遊間も、もっともっと見ていたい。彼らはすぐに元のチームに合流し、ライバルに逆戻り。今週末からはパリーグが開幕する。
 日本の優勝という、我々からすれば素晴らしい結果に終わったWBCだが、残された課題はあまりに多すぎる。自国が不本意な形で敗退したMLBはその結果を真摯に受け止め、過ちを次回に生かすべきだ。運営している人間はどうしようもなかったが、選手達が最高の大会にしてくれた。

3月20日(月)

 番組の後、心斎橋クラブクアトロへRADWIMPSのライブを見に行った。昨年の暮れにメジャーデビューを果たしたばかりだが、今回の大阪初ワンマンライブは見事ソールドアウト。まだシングルヒットのない彼らだが、FM802のヘビーローテーションが奏効したとみえ、大阪でのセールスは突出した数字を記録しているらしい。デビュー前から見守っていた身としては嬉しい限りだ。
 ライブでは男性客が半分弱を占め、みんな音源をしっかり聞き込んで来ているようで、なかなかの盛り上がりを見せていた。野田のシニカルなMCも冴え、初めて目にした関西人にもいい塩梅でウケた模様。このまま徐々に動員を伸ばし、RADWIMPSにとって大阪が第二の地元のようになることを期待したい。もちろん彼らは弱冠二十歳。演奏面などにはまだ不安定な部分もあったが、これからライブを重ねていくうちに成長していくだろう。
 ライブ後、僕を見つけて話しかけてくれたリスナーが一人だけいた。一昨年のMINAMI WHEELにRADWIMPSが出演した時、僕のすぐ近くで見ていた子だ。それからその子は毎週のように、僕の番組へRADの曲をリクエストしてくるようになった。関東のライブにも足繁く通うようになった彼女は、RADの大阪でのファン第1号かもしれない。彼女は、今回のクアトロがソールドアウトしたことをとても喜んでいる様子だった。「802の力って、本当に大きいですよね」と笑顔で話してくれたけど、RADWIMPSを熱心に応援している彼女のようなリスナーが必ずリクエストを送ってくれることが、僕にとっては頼みの綱だった。ROCK KIDSでは、僕が好きで応援しているアーティストでも、誰かがリクエストしてくれなければ、かけられないのだから。一人のリスナーの情熱が番組を動かし、アーティストのブレイクに繋がるということも、ありえない話ではないと思う。そうやって純粋に音楽を愛しているたくさんのリスナーに支えられているという点では、確かに802の力は大きいといえる。

3月19日(日)

 日本、準決勝でついに韓国に快勝し、初代WBC王者に向けてあと一勝。僕はOSAKAN HOT 100の番組中だったので、スタジオの外にあるテレビでちょくちょく観戦しながらの放送だった。帰宅してから、録画してあった試合を何度も見た。猛打が爆発した7回表、30分近いその部分ばかり、繰り返して4回は見た。福留の起死回生2ランは、何度見ても思わず声が出てしまう。嬉しくて嬉しくて。
 夜に放送されたスポーツニュースも、すべて録画してチェックした。しかしやはり、用意されたハイライトで見るよりも、生中継されていたものを見直す方が臨場感があって興奮できる。実況アナも解説者も、ここで福留がホームランを打つことは知らずに喋っているのだから。
 ところで、今回のWBCは、アメリカのESPNが独占中継しているそうだが、国際映像は妙に心許ない。肝心の場面で妙なアングルでしか撮れていなかったりするのはどうにかならないものか。カメラを切り替えるスイッチャーが、どうも下手。日本のテレビ局の野球中継が、いかに優れた技術でなされているかを再認識する。

3月18日(土)

 NANAの15巻を読んだ。今回は物議を醸すような劇的な展開はさほどなかった。どうやら大崎ナナが死ぬという結末にはならないらしい。それにしてもあいかわらずゆっくりなペースで進んでいる。25巻ぐらいまでは続きそうな気配だ。
 ところで、NANAという漫画には、少女漫画としては異例の頻度で麻雀のシーンが登場する。今回も76ページで、美雨がブラストの面々と卓を囲み、圧倒的な強さで退けている。映画を見たときもそうだったが、麻雀好きとしてはこういう時、手牌を見てあれこれ分析してしまうクセがある。この局面、美雨のあがった手は「対々和・三暗刻」。ツモれば役満という大きな手だが、他家の放銃であがっても満貫止まりになってしまう。待ちは風牌の「西」と、八萬の暗刻で壁ができている「九萬」のシャボだから、かなり出やすい2枚といえる。捨て牌の数から察するにまだ7巡目。この状況になったら、これ以上の伸びは絶対に望めない手なのだから、あがり優先なら一発や裏を期待して立直、そうでなければ役満を目指してとりあえず当たり牌は見逃しツモに懸ける、といったあたりが普通だろう。ところが美雨は、涼しい顔で満貫で妥協してしまう。この後、ノブ達が部屋に戻って寝てしまうところから、これがオーラスで、その前から美雨がトップだったことは推察できる。彼女はリードを守って静かにフィニッシュすることだけを念頭に置き、最後に場を荒らすようなことを避けるために、あえて役満の期待を捨て、立直すらかけなかった。そこには彼女の冷静な判断力と、仲間からこれ以上搾り取ることはするまいという優しさが垣間見える。
 矢沢あいがそこまで考えてこのコマを書いているかわからないが、麻雀好きとしてはそれぐらいの分析はしたくなる。 NANAを書き終えたら、麻雀雑誌の連載も始めて欲しいものだ。

3月17日(金)

 昨日の惜敗から一夜明け、メキシコがアメリカを破ったために、日本の準決勝進出が転がり込んできた。「失点率」というあまり聞いたことのないシステムで、アメリカをわずかに上回った結果らしい。これで、日本は韓国に三たび戦いを挑むことになった。同じ国とばかりこうして何度も対戦するという組み合わせのやり方は、大いに疑問の残るところだが、いずれにしろ勝利の女神はまだ日本を見放していなかった。今週は、本当にテンションのアップダウンが激しい。
 1勝の重みがペナントレースとは大きく異なるから、そのぶん見ている側は熱くなる。しかし出ている選手達に楽しむ余裕はないだろう。野球の短期決戦は本当に難しい。ピッチャーの出来次第で勝負が左右される。実力だけで比較すれば、アメリカがこんなところで敗退するはずはない。ほんのわずかなミスが命取りになるし、気を緩めても、逆に緊張しすぎても、いい結果が出ない。そんな重圧の中で、国旗を背負って戦っている選手達の精神力は、あらためてすごいと思う。

3月16日(木)

 日本代表、WBC2次リーグで韓国に再び敗戦。試合終了後、イチローはベンチで怒りの雄叫びをあげ、日本中は沈鬱なムードに包まれる一日だった。1次リーグの韓国戦、そして先日のアメリカ戦に続く3敗目。準決勝進出は絶望的となった。僕は食欲をなくすほど落ち込み、何もする気力が起きなかった。
 しかし夜、スキマスイッチのライブを見て、少しだけ悲しみを忘れることができた。今回のグランキューブ2公演は即日完売。文句無しの大ブレイクである。アルバム「空創クリップ」の楽曲を中心に、2時間半に及ぶ長いライブだった。会場が大きくなっても、二人の曲間のMCは変わらぬ親しみやすさだ。「何を喋ろうかな」と、少し困った様子で話し始めるのだが、ネタに困って焦っている様子ではないし、何を喋ってもクスっと笑わせる。演奏や歌も素晴らしくて、売れるべくして売れたアーティストであったことを再認識する貫禄のステージだった。
 アンコール、アコースティックで披露された「奏」。鼻をすすることさえ許されないような静寂の中、感動的な歌声がこだまする。こういう時、自分の携帯電話の電源を確実に切ったという確信を持てない人は不安である。絶対にマナーモードにしてあるはずだし、僕のマナーモードはバイブレーションさえオフにしてあるから、何があっても音を発することはない。それでも襲って来る不安…。今使っている着信音は、DJ加藤真樹子ちゃんの「電話だよぅ、早くしないと切れちゃうよぅ!」のエンドレスループ。2700人が「奏」に酔いしれている今、そんなものがここに流れたらどうなるか…。今すぐ鞄の中を確認したいのだが、それすらできないくらいの静けさだった。終わってから携帯を開いてみたら、マナーモードではなく、電源をしっかり切ってあったから、すべては杞憂だったのだが、不安になった人は絶対に僕だけではないはずだと思う。「今、俺に電話をかけてきた奴は、後でぶっ飛ばす」などと逆恨みの準備までして。沈黙は、緊張を生む。

3月15日(水)

 東京で使うのと同じような感覚で「バカ」という言葉を使うと、関西ではマジギレされる。大阪の人はバカという言葉が嫌いらしい。僕は東京育ちだから、目上の人に「バカだなぁ」と言われても別に腹は立たない。ただし、それの上に「親」という言葉がつくと、むきになって否定したくなる。「親馬鹿」は、僕の嫌いな言葉。
 誰かが自分の子供の話をすると、それだけで無条件に「親馬鹿ですねぇ」とか言う輩がいる。家庭内でおもしろいことがあったからそれを話しただけなのに、ひと言で会話を打ち切られてしまう。独身の人にとって、子供の話をされることは嫌味に聞こえるのかもしれない。僕が自分の番組やホームページで家族の話を滅多に持ち出さないのはそのせいだ。
 国語辞典によれば、親馬鹿という言葉の意味は「我が子のかわいさのあまり、子供の的確な評価ができないで、他人から見ると愚かに思える行動をすること」だそうだ。自分の子を大変かわいがることを、子煩悩ともいう。一緒に生活している家族の話を他人にしただけで、親馬鹿だの子煩悩だのと茶化されるのはどうも納得がいかない。「親馬鹿ですねぇ」は、多くの人は「幸せそうでうらやましいですねぇ」ぐらいの意味で使っているのかもしれないけど、僕は「バカですねぇ」と言われるよりよほど不愉快になる。

3月14日(火)

 今日は収録の仕事もあってFM802へ。直接会える女性スタッフには、ホワイトデーのお返しをプレゼントした(リスナーの皆さんには、お会いできないので渡せません…ごめんなさい)。今年はあれこれ考えて、ロクシタンの石けんをチョイス。女性に絶大な人気を誇るフランス化粧品ブランド。天然素材にこだわっているのだとか。男の僕には全く関心のない分野だが、ホワイトデーのお返しはどんなものがいいかと女性の友達に相談したら、教えてくれたのがロクシタンだったのだ。六角形の、はちみつの石鹸をたくさん買った。
 実際にこれを渡してみると、袋を見ただけで「ここの、よく買うんですよ!」と喜んでいる人もいて、なかなか好評だった。ホワイトデーのお返しでこんなに手応えがあったのは初めて。これは勧めてくれた友人に感謝しないといけない。
「はい、ホワイトデー」と言いながら渡すのだけど、渡された瞬間にひどく驚いている女性が一人いた。僕からお返しが来ること自体が極めて意外だったという様子だったので、「あれ?バレンタイン、君からもらってたよね?」と確認したところ、「ひどい。感動半減です」と拗ねてしまった。向かいに座っていた別の女性スタッフも、「今のは余計なひと言やったと思うで」と笑っている。その後、必死に言い訳をする僕だった。世の女性の皆さんには、ホワイトデーのお返しを渡されたときに、「なんで私がもらえるの?」みたいな顔をしないでほしい。渡す相手を間違えたかと思ってドキっとするのだから。
 誰と誰からチョコを贈ってもらったのか、僕は手帳に名前を書いておくようにしている。「私も浅井さんにチョコをあげたのに、私だけお返しをもらってない」という人がいたらそれはまずい。逆に、チョコを渡した覚えもない人に、「この前はチョコありがとう」とお返しを渡すのも、くれなかったことをなじるようで、これも失礼である。

3月13日(月)

 ずっと前から楽しみにしていた、WBCの日本対アメリカ戦。朝の6時すぎにプレイボールだったが、僕はしっかり早起きして最後まで観戦した。始まって3球目にイチローが、文字通り目の覚めるようなホームランを放ち、素晴らしい試合となったが、終わってみれば非常に悔しい、不愉快な結末を迎えた。あんなひどい審判に任せていい大会ではないだろうに。試合をしている一方の国と同じ国籍の審判が裁いている時点でフェアじゃない。しかもその球審が、メジャーリーグではなくマイナーリーグの審判だというではないか。バカにするにもほどがある。これ以上ないというくらい大きな誤審だった。
 野球はアメリカで生まれたスポーツだ。第1回のWBCの開催場所はアメリカ、審判もアメリカ、細かいルールや開催時期を決めるのもアメリカ。この大会、すべての主導権はアメリカにあり、自分達に有利な大会にしている。それで優勝して、自分達が世界で一番強いと胸を張る国がアメリカなのだろうか。
 両国とも、選手達はいい試合をしていたと思う。サヨナラ負けを喫したこと、その敗戦投手が阪神の藤川だったことなど、いろんな部分で悔いは残るが、見応えのある素晴らしい試合だった。それが審判によって台無しにされた。先日の韓国戦も悔しかったが、今日はさらに悔しくて、一日中落ち込んでいた。

3月12日(日)

 運転中に眠くなるのが怖いので、ちょっとでも睡眠不足と感じる時は、電車で仕事に行くようにしている。それと、電車なら渋滞に巻き込まれて仕事に遅れる心配がない。そう思っていたのだが、予定より到着が遅れるのは、自動車より電車の方が多い気がしてきた。電車というより、JR神戸線。時間通りに運行していることの方が少ない。去年あれだけ大きな事故を起こして、過密ダイヤは見直したと言っていたはずだが、相変わらず時刻表などあってなきがごとし。
 今日は、西ノ宮に着く直前で快速電車が突然止まった。摂津本山のあたりで人身事故があったというアナウンス。この程度のことで驚かないくらいに慣れている状況だが、待てど暮らせど電車が動かない。車掌は、警察の現場検証がどうのこうのと言うばかり。実に40分以上の間、僕らは電車の中で缶詰にされた。半分以上の乗客が立っていた。それにしても40分。せめてどこかの駅につけて乗客を降ろすことはできなかったのか。そうすれば急いでいる人はタクシーに乗り換えることもできたし、トイレだってある。もちろん悪いのは自殺した奴だが、こういう時のJRの対応にはいつも不満が残る。
 それにしても、昨日といい今日といい、交通で受難続き。

3月11日(土)

 自宅から神戸空港までのアクセスは最高なのだが、実家から羽田が遠いには大きなネックだった。しかし調べてみると、実家の近くの駅から、羽田までの直通バスが出ているというではないか。さっそく利用してみた。電車賃よりは若干高くつくが、空いてるし快適だった。
 ところが、だ。羽田に着いてみたら、神戸空港は悪天候のため、視界不良で着陸できないとか言っている。僕が予約した便の前の便さえまだ発っていない。飛行機だって新幹線と同じくらいスムーズに運行する乗り物だと思っていただけに、いきなり最初の往復でこの事態には大きなショックを受けた。
 天候が回復し、何とか運行のめどがついたのは約1時間後。キャンセル待ちで前の便に予約を変更し、当初の予定より2時間ほどの遅れで神戸に辿り着いた。品川から新幹線に乗った方がはるかに早かった計算になるが、神戸空港に車を置きっぱなしてきていたので、待つよりほかなかった。結局移動だけで一日が潰れてしまった。やれやれだ。
 着陸の前に、窓から見える海を見てみたが、天気は悪くないのに、確かにひどい霧だった。スモークを炊いたステージのように真っ白。神戸空港は、六甲おろしと呼ばれる横風を受けながら滑走路に入るため、パイロットにとっては着陸も難儀なのだそうだ。やっと始めた飛行機通勤、さっそく心配になってきた。

3月10日(金)

 開港からまもなく1ヶ月を迎える神戸空港を利用しての、飛行機通勤がいよいよスタート。長年、毎週利用し続けた新幹線だが、しばしのお別れということになりそうだ。すでに向こう2ヶ月分ぐらいの飛行機の予約をとってある。
 神戸空港から羽田に向かう便は、スカイマークが圧倒的に多い。JALやANAと比較すると料金の安さは歴然で、当然のように全便満席。しかし事前の座席予約はできないし、チェックインも並ばないといけないという昔ながらのシステムなのはいただけない。マイレージもない。
 飛行機という乗り物は、安く、上手に利用するにはそれなりの知識が必要になる。飛行機会社の選び方、便と座席の選び方、マイルの貯め方、空港での過ごし方。乗り慣れている人が得をするようにできている。これから徹底的に研究しよう。

3月9日(木)

 FM802のスタジオ内はとてもきれいである。生放送をする大きなスタジオは2つあって、各番組が交互に使用する。例えば平日だと、僕がROCK KIDSで使用するFUNKY STUDIO(通称1スタ)は、HITS UP、HAPPY FUN、ROCK KIDS、SONIC STYLE、FUNKY JAMSの順に使われるようだ。それ以外の番組が隣のAMUSIC STUDIO(2スタ)を使う。
 スタジオのブースはDJ達の共有スペースだから、人によってはティッシュを買ってきたり、カレンダーにちょっといたずら書きをしてみたり、小さなクリスマスツリーを飾ったりと、お互い快適に楽しく仕事ができるように、ちょっとだけ遊んだりもしている。僕は、自分が使ったという痕跡をあまり残そうとしないタイプだが、唯一我が物にして遊んでいるのが、パソコンの、壁紙。ブースには、LIVE BBSを見るためのパソコンが置いてある。それを利用するのは基本的にDJだけ。他のDJの皆さんは、BBSを見るだけのパソコンにそれほど興味もないらしいが、僕はこのパソコンをカスタマイズすることにひそかに命を懸けている。中でも一生懸命なのが、なぜか壁紙なのだ。どのDJもスタジオに入った時点ですでにブラウザが広げてあるらしく、壁紙などほとんど誰も気づいてくれないのだが、そんな地味なところだからこそ遊びやすい。
 その時々の話題にからめた壁紙をいろんなところから探してくる。トリノ五輪関係だけで3回変えた。今は何といってもWBCが熱いので、それがらみの壁紙を探すのだが、いっこうに見つからない。でもどうしてもWBCにしたかったから、僕は作った。自作壁紙。テレビ朝日の「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」の壁紙をパクって、そこに野球の日本代表選手達の写真を貼りつけ、「FM802はWBC日本代表を応援しています」なんて一文を勝手に加えてみたり。我ながらよくできたパロディだ。フォトショップ万歳。
 それを見たスタッフの第一声は、「暇なんだね…」だった。否定できない。誰か、僕の入魂の壁紙にオンエアで触れてくれるだろうか。

3月8日(水)

 テレビで見たボクシングの試合は、僕としてはちょっと不快な印象だった。亀田のパンチは明らかに下半身、急所を何度も直撃しており、どう見ても反則だった。撃たれている選手も、そのセコンドもアピールしているのに、審判はそれに耳を貸さないし、亀田も手を休めない。股間を押さえてうずくまるメキシコ人選手はKO負けを宣告され、セコンドにいるメキシコ人の父親が必死に抗議するも、今度は亀田の父親が出て来てすごい剣幕で逆ギレ。最後は選手同士で抱き合って健闘を讃え合っているように映していたが、メキシコ人陣営が「ダメだこりゃ。話にならん」と諦めていたようにしか見えなかった。審判もグルになっているようでは、プロレスと同じ。世界タイトルに挑戦するぐらいの試合になったら、そうは問屋が卸さない。
 それにしてもマスコミの期待度はすごい。久々にボクシング界にヒーローが登場したといわんばかりにもてはやしている。強いボクシング選手には、不良とかガキ大将のイメージがつきものなのはわかっているが、まだ世界王者にはほど遠い位置にいるあの選手をヒーローのように祭り上げるのは、どうかと思う。ボクシングはスポーツであって、チンピラのケンカではない。

3月7日(火)

 一年で最も憂鬱な季節。毎年恒例、確定申告の時期がやってきた。去年、毎月の帳簿作成をあれほど固く心に誓った僕なのに、結局ほぼ一年分の領収書とレシートの山に埋もれ、必死の思いで電卓を叩く羽目になった。税金の計算そのものは税理士事務所の人がパソコンでやってくれるのだが、使った経費は自分で計算しなければならない。毎年、締め切り直前まで先延ばしにして苦しむ作業である。昨夜は帰宅が遅かった上に酔っていたので、いつもより早い時間に起きて一気に片付けた。時間にすれば2時間もかからないのだが、やたら疲れた。
 今日は天気がいいので電車で出掛けた。車内ではいつものように音楽を聞くのだけど、今日ひたすら繰り返して聞いていたのがSOUL'dOUTの「TOKYO通信」。DURAN DURANへのオマージュとして作られたというこの曲の80年代っぽいバックトラックといい、意味はわからないが途轍もなくキャッチーなサビといい、かっこいいのか悪いのかはよくわからないけど、強烈に耳を引く曲なのだ。すぐに口ずさめそうで案外難しいという点に、この連中のスキルの高さがうかがえる。特に2番の超高速ラップはハイレベルで、素人に「歌えるもんなら歌ってみろ」といわんばかり。ようしその挑戦受けて立つぞと練習してみたりして。OSAKAN HOT 100の9時間特番の時に、すっかり恒例となっている浅井deラップクイズの問題にしよう。せっかく覚えても、それぐらいしか披露の場はない。

3月5日(日)

 野球のワールドカップ、WBCの1次リーグで、日本は韓国との試合に敗れ、首位通過を逃した。自宅でスポーツを観戦していてこれほど悲しいと思ったのは久しぶりかもしれない。泣きそうになった。悔しくて眠れなかった。別に相手が韓国だったから悔しいというわけではない。福留、松中、多村、岩村、小笠原…。あれだけの選手が揃っているのに、たったの2点しか取れず、アジアでさえ一番になれなかったことが悲しいのだ。最後のバッターはイチローだった。彼の内野フライで、試合は終わった。プロの選手になってから、常に記録とばかり戦ってきた天才にとって、これほどの屈辱は経験したことのないものだったに違いない。彼がこのままで終わる選手だとはとても思えない。アメリカで始まる2次リーグで、この悔しさを爆発させてくれると僕は信じている。
 記者会見でのイチローの「向こう30年は」という発言で、韓国はずいぶん発奮したのだとか。日本人からすれば曲解も甚だしいという印象で、被害妄想もたいがいにしてくれよと思わずにいられない。スポーツに、国と国の憎み合いを重ねるのはばかげている。デッドボールも多く、非常に後味の悪い試合だった。

3月4日(土)

 めずらしく夜中にテレビをつけていた時、ふと見入ってしまったことがきっかけで、それ以降は毎週録画している番組がある。「恋する日曜日」という短編ドラマがそれだ。もともとはTBSのデジタル放送局BS-iで3年ほど前に放送されていたもので、調べてみるとDVDも発売されているらしい。それをMBSが平日の深夜に再放送しているというわけだ。
「夢で逢えたら」や「ウェディングベル」、「終章(エピローグ)」など、80年代の歌謡曲をテーマにして、1時間の単発ドラマを構成。行定勳をはじめ、新鋭の実力派監督が毎回演出している。
 一般の地上波で放送されている連続ドラマに比べれば、登場人物は少なく、見るからに低予算。しかし脚本が非常によく出来ていて面白い。
 恋人に浮気されて逆上した女が、「私もほかの男に抱かれるわ。そうすればこれ以上あなたを責めなくて済むから」と言って部屋を飛び出す。そんなシーンでの二人のやりとりはやけにリアルで、見ていて愉快なものではない。しかしそれがすべて、男の側が仕組んだ嘘だったとしたらどうだろう。後半で男の浮気疑惑の真相が明かされていく。余命半年と宣告された彼は、恋人が自分の死を乗り越えられないだろうと判断し、死ぬ前に自分が悪役になって別れる覚悟を決めた。数ヶ月後、新しい恋人と幸せそうな笑顔を見せる彼女を、遠くから眺めている車椅子の男。君が笑顔でいてくれるなら、僕は思い残すことはない。そう思いながら、男は静かに死んでいく。これぞまさに純愛。
 こういう爽やかな感動の物語が、毎回展開されるドラマ「恋する日曜日」。60分で終わるのもコンパクトでいい。調べてみると、もうじき最終回。最初から全部録画したかった。

3月3日(金)

 先日の日記に書いたスタッフとのお食事会は結局、広々とした掘り座敷の居酒屋になった。楽しい宴は滞りなくお開きとなり、11時過ぎに大宮で解散。埼京線と山手線を乗り継いで、小田急で実家へ向かうのが僕のルートだったのだが、ADの女の子が一人、同じ小田急線沿線に住んでいるというので、一緒に帰ることに。
 今年に入ってから期間限定で金曜日だけアルバイトをしている子で、21歳。ゆっくり会話をしたことがない。そんな子と二人で、1時間近くも一緒の電車に乗るという状況。「気まずいようだったら、僕が1本ずらそうか?」と冗談で気を遣ったりもした。もちろん彼女は笑って否定する。可愛いし、礼儀正しいし、明るい子だが、やはり僕はそういう状況が苦手だ。よっぽど親しい友達でも、新幹線とか飛行機に二人きりで乗るのは避けたいと思うタイプ。「この人との話はおもしろくない」とか、「退屈だから、早く着かないかな」とか思われることが怖いから。ラジオのゲストトークと同じぐらい疲れる。それでも僕は頑張った。彼氏のことや就職のことや将来のことなど、あれこれ聞き出しては当たり障りのないアドバイスをしてみたりして。けっこう楽しいひとときだった。ところが、会話がそこそこ盛り上がって、僕が「しかもその時にさー!」なんて楽しそうに続きを話そうとしたところで、「あ、あの…」と申し訳なさそうな彼女。間の悪いことに彼女の最寄り駅に着いてしまった。「ああ、ごめんごめん。お疲れさま」と降りる彼女を見送るのだが、車内に残る微妙な気まずさは僕の全身を刺す。周りで聞き耳を立てていた他の乗客は、「あいつ、かっこわるー」と内心で小馬鹿にしているに違いないのだ。いっそ僕も一緒に降りればよかった。いやーでもあれ終電だったからな。
 トークを決められた時間に収めることに関しては、僕はプロ。彼女が降りる駅が近づいたら、自然と話にオチをつけるのがプロの技であるはずだった。若いギャルと一緒に電車に乗っているという状況に舞い上がったのか、僕としたことが彼女の最寄り駅が近づいていることに気づかなかった。僕も、まだまだ甘いな。がっくりと肩を落として家路につく僕だった。

3月2日(木)

 営利目的ではなく、個人が趣味で開設するホームページで出来ることには限界がある。日記や掲示板の他にあるものといえば、自分が好きなものについて紹介したりする程度。大抵のホームページはそんなものだ。Roxiteもそう。
 僕がとても頻繁に活用させてもらっているホームページに「がんばれ凡人!」というのがある。間違えやすい日本語や、美しい言葉を紹介しており、物を書くときによく勉強させてもらっている。このサイト、誰が作っているのかと思ったら、関西に住むサラリーマンの男性だという。学校の先生か塾の講師をしている人ではないかと推測するのだが、言葉の紹介ページ以外にも読み物がたくさんあって、書いている内容がおもしろく、中味が濃い。リンクフリーとのことなので、ここで紹介させてもらおう。
 特に感銘を受けたのは「歴史コラム」の部分。南京大虐殺のことや、新しい歴史教科書のことなど、日本のメディアが怖がって近隣諸国の顔色をうかがいがちな問題について、非常に鋭くわかりやすい切り口で意見している。僕自身が常日頃から思っているところをずばずば書いてくれているので、頷くところばかりで感動した。一番下に「平和運動」という題のコラムがある。産経抄の主張ととても似ている。
 日本の歴史にずいぶん明るい人のようで、どの時代についてのコラムも読み応えがあって楽しめる。それにしてもものすごい分量だ。出版したら一冊の本には収まらないだろう。一人のサラリーマンが単独で作っているとは到底信じられない。
 こういうサイトに出会うと、インターネットってやっぱり素晴らしいなと心から思う。

3月1日(水)

 この春、日本で公開される、全米No.1ヒット作「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」の試写を拝見。過去に3作品が短編で制作されているが、僕は以前からこのシリーズのファンで、我が家にはグルミットのぬいぐるみもある。
 ウォレスという名のおかしな発明家と、言葉は喋らないがウォレスよりはるかに賢い忠犬グルミットの物語。イギリス生まれの、クレイ・アニメーションである。粘土で作られた人形を、少しずつ動かして撮影するというあれ。登場人物達の動きたるや本当にスムーズで、見ているうちにそれが粘土であるという事実は忘れてしまう。人形を動かす作業はもちろんすべて手作業で、手足だけでなく、表情の微細な動きもつけていく。それを1秒間のシーンで24コマ撮影するそうだ。たった3秒のシーンを撮影するのに、丸一日を要する。想像もつかないような根気のいる世界だ。この作品に傾けられたアニメーター達の情熱は凄い。
 クレイ・アニメとしての技術だけでなく、物語としても充分に楽しめるものだった。イギリス生まれなだけあって、子供向けの作品としてはどこかゴシックなテイストも。どちらかというと大人向けかもしれない。笑いありハラハラあり、なかなか見応えのあるストーリーで85分間飽きさせない。グルミットがライバル犬と空中で決闘している最中に、飛行機が止まったので互いにコインを探すシーンが最高(これは見ればわかります)。とにかくグルミットが可愛い。大活躍。
 水や煙などの特殊効果を粘土で出すのは難しいため、今回は過去の作品よりもCGを多く取り入れたのだとか。クレイとCGの融合は見事なもので、決して違和感を抱かせない。ピクサーに代表されるフルCGアニメも素晴らしいが、クレイ・アニメーションはCGにはない暖かみがある。何といってもクレイ・アニメは絵ではなく、実写なのだから。
 ちなみに、この映画が全米で公開になった直後、制作会社であるイギリスのアードマン・アニメーションのスタジオは火事で焼けてしまったらしい(ここ参照)。けが人はなかったが、火の回りが速く、すべてのセットやフィギュアが灰になってしまったのだとか。何とも残念な出来事だ。