
11月30日(金)
還暦を過ぎている実家の両親は、年賀状をスーパーで注文しようとしている。チラシに書かれた値段を見たら、印刷代だけでパソコンの宛名ソフトの金額をはるかに超えている。うちの親は二人とも自分のノートパソコンを所有していて、メールやワープロソフトぐらいはそれなりに使いこなしている。写真を印刷できるプリンタもある。高い金を出してプロに任せずに、年賀状ぐらい自宅で作ってみたらよろしい、と「筆まめ」を買ってきた。僕も実家で使用しているWin機用の宛名ソフトが欲しいところだったし。
最近の宛名作成ソフトは、宛名も裏面デザインも本当に簡単に作成できるし、何より楽しい。初心者でも楽に作れるように、さまざまな工夫がなされている。そんなソフトをインストールしてあげれば、両親は大喜びで年賀状作成に取りかかる・・・と思っていたのに、「覚える時間がないわ」と結局スーパーで注文している母。せっかく買ったのに。
人のことより自分も、そろそろ年賀状のことを考えないと。11月29日(木)
SPECIAL WEEKのスタート前日、12月9日に放送するOSAKAN HOT 100のゲストはB'z。そのインタビューパートの収録が無事終了した。
B'zのお二人と仕事をするのはかれこれ5回目ぐらいになるはずだが、どういうわけかやたら緊張した。ここのところ大物アーティストとの仕事が続いている僕だが、こんなに緊張している自分を感じたのは久しぶりだ。二人はいたってフランク、気さくな人達なのに。なかなか接する機会のないスーパースターが目の前にいると思うと、どうしても硬くなってしまう。
大物と呼ばれるアーティストの大半は、話していると自然体の、いたって普通の人である場合が多いと思う。B'zの二人も例外ではないのだが、周囲を取り巻くスタッフの数と、そのスタッフの醸し出す空気が、アーティストの風格を演出する。そういう気がする。
それにしても稲葉浩志はかっこいい。まじまじと見とれてしまうくらいに。しかも、会話をする時に、じっとこちらの目を見据えてくる。いや、そんなに見ないで。男前なアーティストと接する機会がやけに多い僕は、自分が女だったら幸せだろうか、などと考えてみる。11月28日(水)
来月16日に、今年もFM802のBINTANG GARDENという枠で「ROCK VISION 802」が放送されることになった。深夜0時からの1時間、何とSPECIAL WEEKの締めとなるらしい。ここ数年は恒例となっているロクビビンタン。今回も、2007年のヴィジュアル系シーンを総括し、今現在僕が注目しているバンドを、FM802らしく紹介するスタイリッシュな番組にしたい。
今回、SUPER FEATUREのゲストで登場するのは、新作「ALPHA」で著しい成長ぶりを見せているアリス九號.。そのインタビューを今日収録した。ギターのヒロトくんは、大宮ソニックの楽屋でインタビューをしたことはあったが、スタジオにお迎えするのは初めてのこと。彼は学生時代から僕の番組を聞いてくれていたそうで、打ち合わせで会うなり「楽しみにしてたんです」と言ってくれた。ヴィジュアル系番組を担当するようになってかれこれ11年。「昔よく聞いてましたよ」と業界人から言われることはめずらしくなくなったが、アーティストから言われたのは初めてかもしれない。妙に嬉しかった。11月27日(火)
厚生年金会館でGLAYのライブを見た。このホールでGLAYを見るのはどれくらいぶりだろうか。
今回のホールツアーは、アルバムリリースに合わせたものではないため、非常に興味深い選曲だった。シングル「ASHES EP」の収録曲3曲が核となる構成だが、セットリストは数パターン用意されており、これまでなかなか披露されなかった曲も多数含まれている。一方で、ここ数年のライブでは定番とされてきた曲が漏れているのだが、物足りなさよりも新鮮さの方が上だった。
アンコールでは、観客の一人を指名してステージに上げ、用意されたメニューの中からリクエストを選んでもらってその曲を演奏する、という企画が。指名されたのは、二階席最前列にいた女の子。これが実は、僕の隣にいるグループだった。選ばれた女の子はステージまで行き、メニューの中から「カーテンコール」を選んだ。かなりグッジョブな選曲だ。実は僕がGLAYで一番好きな、思い出の曲。ライブで聞くのは、「HIT THE WORLD」のツアー以来だから、11年ぶりぐらいになると思う。しっとりと聞き入るバラードなのだけど、隣の3人は、自分達が選ばれた喜びと興奮のあまり、ずっと泣いていた。その泣き声が大きいものだから、会場全体に響き渡る。客席全体を包む失笑。曲を聞く前の感動が大きすぎたらしい。ちなみに、大声で泣いていたのは選ばれた本人ではなく、そのお姉ちゃんの方だった。そんな微笑ましい一幕もまた、GLAYならでは。
こういう規模の会場だと、ファンもチケットを取るのに苦労するようだが、ホールのライブにはホールでしか表現できない空気が確かにあると感じる内容だった。年明けにはまた関西に戻って来て、神戸や和歌山でのライブが予定されている。年をまたいで、どんなふうに進化していくか楽しみなところだ。11月26日(月)
番組後、スキマスイッチのライブを見に大阪城ホールへ。アリーナツアーは見事にソールドアウト。まさに人気絶頂である。
二十代後半ぐらいの女性が中心だが、男性客も非常に多い。スキマスイッチもは、メンバーのルックスとか、タイアップを駆使した戦略ではなく、純粋に楽曲の良さだけで売れたという印象がある。それだけに観客の雰囲気も非常にいい。こういうタイプのアーティストが、城ホール2公演を完売させるのだから大したものだと思う。
しかしステージ上の二人は、会場の大きさに萎縮することもなく、かといって気張りすぎることもなく、いつもどおり等身大のスキマスイッチだった。オーラがないところがいい。
いつのまにか、本当に「売れた」んだなぁと実感した一日。11月25日(日)
昨日に引き続き、小春日和という言葉がよく似合うぽかぽか陽気。
連夜放送されていた「点と線」を見た。ビートたけしの主演でドラマ化された松本清張の不朽の名作。テレビ朝日の力の入り方は、キャストに現れていた。台詞のある役者は、ほとんどすべて有名な人。脇役の配役も手抜かりがない。個人的には、日本航空のカウンターにいた男性が天宮良だったのが懐かしかった。
有名な「空白の四分間」というのは、東京駅で、向かい側のホームにいる被害者を目撃したという証言に、作為的な匂いを感じた刑事が、犯人に疑いを持つ最初のきっかけとなるキーワード。ほとんど一日中、電車が入っているホームで、線路を二つ挟んだ向かい側が見通せる時間は、一日で4分間しかない。それを発見したことが、事件解決への最初の一歩になる。
この小説が出版された当時は、こういう発想自体が新しかったのだろう。あらゆる時刻表トリックが語られた現代となっては、さほど斬新とも感じない話。犯人のアリバイを崩すのに苦労していたけど、「飛行機で移動したんちゃうの?まだそういう時代じゃないの?」と思いながら見ていたら、本当に飛行機移動がトリックだったので、やや拍子抜けしたし。推理小説としては、時代が違いすぎていまいちなのかも。
読者が絶対に結末を予想できないような本格的なミステリーを、じっくりと読みたくなってきた。11月23日(金)
BEAT SHUFFLEのライブイベント「LIVE SIDE」が今年も開催される。今年は12月29日。場所は大宮ソニックシティ大ホール。2300人ぐらいは入る、大きなコンサートホールである。過去3年、ムックやナイトメアなどが連続で出演したこのイベントだが、今回はラインアップががらりと変わった。ヴィドール、宇宙戦隊NOIZ、人格ラヂオ、D.、Duel Jewelの5組。すべてインディーズのバンドである。しかしその5組すべてが、大きなホールクラスのワンマンを成功させており、現在のインディーズの中では際立った活躍をしている。インディーズにもこれだけイキのいいバンドが揃っているんだと、アピールできるようなイベントになればいいと思う。
11月22日(木)
放送から半年以上が経過している、テレビ番組の「VISUAL SHOCK」。今回からリニューアルして、メガマソの涼平くんと、モデル風の女の子が、リムジンの中でトークするバラエティ的なパートがメインになったようだ。オープニングの映像がYOSHIKIからhideに変わったのも大きな変化。
この番組、「いつも見てますよ」という声が、案外あちこちから聞こえてくる。特に業界内の人に多いらしい。先日は、GLAYのゲスト収録を行った際、TAKURO氏から、「浅井くん、ヴィジュアル系の番組のナレーションやってるよね」と声をかけられた。彼は一週間の音楽番組をたくさん録画して、時間を見つけてはいろいろ見ているらしく、そのリストにVISUAL SHOCKも含まれているそうな。他にも、レコード会社やイベンターなど、いろんな人から「いつもあの番組は見るんですよ」みたいな話をされる。ヴィジュアル系というシーンと直接の接点を持たず、その手の雑誌やサイトをこまめにチェックするわけでもない人にとって、この番組は、現在のヴィジュアル系事情を短時間で垣間見ることのできるいい資料になるのかもしれない。
特定のジャンルに絞って、専門的に扱う地上波テレビの音楽番組というのは、考えてみると非常にめずらしい。VISUAL SHOCKみたいな番組の存在が、ヴィジュアル系の隆盛を物語ってもいる。そういう番組にナレーションという形で携われるのは、つくづく光栄な話だ。11月21日(水)
水曜日の夜は都内のスタジオでナレーション収録。その後、夜遅くの小田急線で実家に帰るのだけど、これがものすごく混む。一週間で一番憂鬱な時間といっていいくらいに混む。東京で育った僕に言わせると、関西には満員電車というものがほとんど存在しない。首都圏の通勤ラッシュは本当に過酷である。
今日、各駅停車に乗り換えるために急行を降りたら、痴漢が捕まるところに遭遇した。男はそのまま電車に乗って逃げようとしたが、電車のドアは閉まらない。女性の通報を受けた駅員が全力疾走で追いかけ、御用となった。捕まった男は「まじかよ。勘弁してくれよ」とでも言いたげ、心底うざったそうな顔で引っ張られていく。誤認逮捕ではなさそうな雰囲気だった。いるんだなぁやっぱり。
痴漢の冤罪裁判が映画になる時代。人ごとでもないよなと感じる。
幸い、女性のお尻を触って興奮する趣味はない僕だけど、あれだけの満員電車になると、「これは痴漢と誤解されかねない」という体勢になってしまうことも、なくはない。鞄の中の携帯を出したいけど、隣の女性の体と自分の腕が密着している状態。下手に動かすと痴漢と間違われそう、みたいな。そんなふうに気を遣わなければならないのも、けっこうストレスなのだ。11月20日(火)
老舗サイト「ReadMe!」が事実上の更新を終了したそうな。
実のところ、僕はこのサイトを知らなかった。個人テキストサイトをランキング形式で紹介するホームページで、ネット上の流行や話題を取り上げるサイトとしては老舗だと。開設が1996年で、それが「ネット草創期」なんだとか。僕のこのホームページも、オープンしたのは1996年の暮れだったと記憶している。老舗なのか。
そんなことより気になったのは、記事の中にあった「作りのHTMLファイルにコラムや日記を掲載する個人テキストサイトは、ブログが普及する以前においては、ネット上の話題の中心的存在だった。」という文言。何だかもう、こんなホームページは過去の遺物みたいな言われ方。まあもちろんその通りなんだけど、現実を突きつけられた感じ。最近は「浅井さんのブログ」とよく言われるし。
Roxiteは今や希少価値さえありそうなレトロな存在だ。こういうスタイルにこだわりがあるわけではないし、本当はもっとかっこよくて現代的なページにしたい気持ちもある。ただ、ネット社会の移り変わりの激しさに、ついていくのが億劫なだけ。どうせブログとかいうのも、そのうち廃れるんじゃないのか。11月19日(月)
12月にやってくるFM802のSPECIAL WEEKと、年間チャート特番に向けて、ゲストトークの収録が立て込んでいる。出演するアーティストのほとんどが、ニューアルバムのプロモーションで、大物ばかりである。おまけにBEAT SHUFFLEも、ほぼ毎週ダブルゲスト。ふと自分のスケジュール帳を確認してみたら、今週の金曜日から来週の土曜日までの間に、僕は8組のアーティストにインタビューすることになっている。各アーティストの新作をいち早く聞けるのはもちろん嬉しいし、インタビューできるのも光栄なことだけど、準備に費やせる時間に限りがあるのは辛いところだ。少なからぬプレッシャーも感じるし。
そんな強行スケジュールの合間を縫って、こつこつと爆寸のリクエストの集計を始めている。そろそろ締め切る予定。11月18日(日)
来月のはじめに、FM802で麻雀大会が開催されることになった。ヒロ寺平氏や久保田コージ氏をはじめ、DJ陣には僕以外にも麻雀を打つ人が数名いるし、日頃はなかなか番組を作っている現場チームと接することのない上役の人達にも、かなりの麻雀好きがいるという噂。ならば一度、みんなで集合して大会にしてみましょう、ということに。何を隠そう、言い出しっぺも幹事も僕なのである。ボウリング大会とか新年会とか、そういうイベントごとで僕は仕切る側に回ったことがないので、せめて麻雀大会ぐらい頑張ってみようかと。
メンバーを集め、近所の雀荘を予約し、賞品を考える。面倒な部分もあるけど、けっこう楽しい作業。しかし苦労しているのがルールの作成である。一応、一般的な競技ルールをベースに、大会向けのローカルルールを設定。麻雀のルールは本当に細かくてややこしいから、事前に完全なものを作ろうとすると、すごい分量になる。トラブルを避けるためには、こういうものを参加者に配布しておく必要があるのだ。
無事に当日が迎えられますように。11月17日(土)
土曜日は一週間で一番早起き。実家を5時半ぐらいに出る。この季節になると真っ暗な時間帯。恐ろしく寒かった。この間まで半袖だったのに、もう真冬じゃないか。
その急激な気温の変化が影響したか、体調がすこぶる悪い。最近、ちっとも運動していないせいで免疫力が低下したかもしれない。体の節々が痛い上に、妙な腹痛も感じ、何と前夜は一睡も出来なかった。あれぇー眠れないなぁと思いながら何度も寝返りを打っているうちに、アラームが鳴る。泣きたくなるほど虚しい瞬間である。
そんなわけで、昼前に自宅に戻ってからはずっとベッドで横になっていた。はっきり言って来週以降の僕は忙しい。風邪なんか引いている場合ではない。ええい冗談ではない!のである。11月16日(金)
一昨日購入したICレコーダーが活用される日がきた。BEAT SHUFFLEの終わった後、都内の事務所で宇宙戦隊NOIZにインタビューをしたのだ。
このたび、僕が音楽コラムを連載させてもらっているビッグイシュー日本版で「インディーズ音楽」の特集を組むことになった。僕もこの特集記事の執筆に携わることに。先日のMINAMI WHEELを紹介するレポート記事と、注目インディーズアーティストのインタビュー。そのアーティストが、最近の僕の心の一押しバンド、宇宙戦隊NOIZなのである。
先日、West21に出演した時も、実はこの宇宙戦隊NOIZを強くプッシュするコメントをしていたのだが、基本的にメジャーデビューしたアーティスト以外は扱わない番組であるため、残念ながらカットされてしまった。
彼らのように、長年インディーズで活動を続け、口コミでじわじわと人気を伸ばしてきたバンドこそ、この特集にはうってつけだと僕は思った。オファーをしてみたら快くOKしてくれたので、念願叶って彼らのビッグイシュー初登場が決まったというわけだ。彼らがインディーズバンドとして長年活動してきた苦労と、喜び、そして伝えたい思いを語ってもらった。話を聞き終わってから、彼ら自身が「楽しかった」と言ってくれたのが何より嬉しかった。
ICレコーダーの録音も問題なく完了。いい記事書くぜ。11月15日(木)
今回のクールで見ている連続ドラマは二つだけ。月9のガリレオと、「医龍2」である。
「医龍」は前作も秀逸だったが、今回は非現実っぽさがパワーアップしていてさらに面白い。浅田ドクターのスーパーマンぶりが正義のヒーローみたいで痛快なのだ。医療を扱うドラマは、リアルさを追求しても限界がある。このドラマみたいに、極端な勧善懲悪の構図を作って、主人公とその仲間達が一致団結してピンチをくぐり抜ける、みたいなエンタテインメントにするのもいいと思う。生きている人間の内蔵をメスで触るなんて、想像しただけでぞっとする。生々しい描写も多くて、そういう意味では刺激の強いドラマ。
こんなドラマを見ると、外科医って医者の中でも花形に見えるけど、個人病院を開業しにくいぶん金儲けという点では損な役どころらしい。うちのお隣に住んでいる外科の先生がそう言っていた。11月14日(水)
今度、また雑誌のインタビューをさせてもらうことになった。前回、BENNIE Kにインタビューした時は、人から借りたICレコーダー。このたびマイオウンを購入した。基本的にラジオの人間は使わない機械である。3000円ぐらいで買えるのかと思ったら、その10倍もするようなやつがずらりと並んでいて、一度は購買意欲がひるんだ。よく探したら、6000円ぐらいのやつ発見。安いものは容量が小さいわけだけど、そうは言っても35時間ぐらいは録音できる。インタビューなんてせいぜい1時間だし、保存しておく必要のないものなんだからこれで充分だ。何百時間も録音できるやつが主流のようだが、そういうのって誰が使うのだろう。講義を録音する学生だろうか。
テレビの報道番組を見ていると、政治家に向けられたマイクに混じってICレコーダーが見える。新聞記者もこれを使う人が増えているようだけど、僕が日頃よく会う新聞社の記者さんはノートにメモを取っている。そっちの方がいい記事が書きやすいのか、録音してしまうと、あとから文字に起こすのが面倒だからか。
いずれにしろ、こういうアイテムを持っていると、紙媒体の人になった気分でちょっといい気分。使い方をしっかり覚えなくちゃ。11月13日(火)
今日、ネットで一番気になったニュースが、「独で新炭酸飲料が大ブーム」というやつ。とある農夫が10年がかりで開発したという新しい発泡系のジュースで、化学添加物を一切使っていないのだとか。ドイツではすでにコカ・コーラ製品を脅かす人気商品になっている。名前はビオナーデ。近々、アメリカや日本にも上陸する予定らしい。
これは、清涼飲料水の世界に激震が走るかも。日本人は「健康」を売りにする商品に弱い。炭酸飲料にはどうしても、体に悪そうなイメージがつきまとうものだ。「健康的で、おいしくて、安い」となれば、多くの日本人が飛びつくのは間違いない。
この農夫、コカ・コーラ社から数億ユーロで買収の打診を受けたが、断ったのだとか。なかなか痛快なサクセス・ストーリーではないか。僕も早く飲んでみたいぞビオナーデ。11月12日(月)
急に風が冷たくなってきた。ようやく、冬が近づいているのを感じる季節だ。
FM802のスタジオはついに改装がすべて終了。僕が日頃使っているスタジオもようやくリニューアルして、使えるようになった。新装スタジオからの初オンエア。テーブルの形が変わったせいか、やけに広くなったように感じるし、もちろん何もかもピカピカ。非常に気分がいい。
気分がいい最大の理由は、匂いだと気づいた。新築の家の匂いがする。おそらく木材の匂いだろう。僕のテンションを上げてくれる匂いの中でも、ベスト3に入る。何週間ぐらいでこの匂いは消えてしまうのだろう。
「新築の家の匂い」がする芳香剤を発明したら、けっこう売れるのではなかろうか。少なくとも僕は買うぞ。何十年経っても、新築の匂いのする家。薄汚れていても、新築の匂いのする家。その匂いが
漂っているだけで、気分はリフレッシュしそう。11月11日(日)
数年前まで僕が出演していたテレビ番組「デジネバ」で、ADを務めていた青年が結婚した。番組後、その二次会に出席してきた。
彼が番組に携わるようになった頃、彼はまだ専門学校の学生だった。みるみる力をつけて立派なディレクターに成長していった。彼はパソコンに詳しくて、僕も彼には並々ならぬ世話になった記憶がある。そんな彼が結婚するのだから、披露宴なりパーティーなりの司会は僕がすることになるんだろうなと勝手に心の準備をしていたが、そういった声はかからず、スピーチの依頼すらなかった。終わった番組なんてそんなものか…と、寂しさを感じずにはいられなかった。
冗談はさておき。テレビのディレクターだけに、自分のパーティーで使用する映像の凝り方が尋常ではなかった。古くからの友人達が次々に登場して新郎新婦にメッセージを送っている映像を、おそらく新郎が自分で編集したもの。それこそ本当のテレビのようなテロップと効果音がテンポ良く入って、おもしろい。羨ましかった。僕もこんなのが作れるようになりたいなと。かつて彼と仕事を一緒にした某有名タレントは、自分の子供を映したビデオテープを10時間分ぐらい彼に送りつけ、5万円を払って30分に編集してもらったとか。こんなに本格的な番組っぽくなるなら、ちょっとお願いしてみたくなる。11月10日(土)
フリーで仕事をしている身なので、経費で落とせる内容かどうかはわからなくても、お店でお金を払ったらとりあえず領収書を受け取る習慣がついている。「領収書ください」の後の、「かしこまりました。宛名はどうなさいますか?」と「但し書きはどうされますか?」という会話が、怖い。
宛名は「浅井」としてもらう。「浅い深いの『浅』に、井戸の『井』で、『浅井』と書いてください」と説明するのだが、この「浅い深いの『浅』」が書けない人が、三人に一人ぐらいいる。「えーっと…」とか言いながら、横線が一本多かったり、少なかったり。字そのものを知らなかったり。こうした気まずい状況を避けるため、最近のレジ係は宛名を聞く前に、裏返したレシートとボールペンを寄越して「こちらに宛名を書いてください」と言ってくる。面倒だがこっちの方がまだいい。
次の問題は但し書き。購入した目的を但し書きの欄に書いてもらうわけだが、例えば衣類を購入した場合は「衣装代」としてもらうことが多い。これも、書けない人が三人に二人ぐらいいる。衣料品を扱う店で働いているのに、「衣装」も「衣裳」も書けない人が。今日のレジの女の子も、「衣」まで書いた後、次の文字をちょっと書きかけて、中断し、「ショウ代」と折衷案に出た。
別にレジ打ちの子が漢字を知らなくても僕にはどうでもいいことだし、そんなことでその店を利用したくなくなるわけでもない。ただ気まずい。「すっげー簡単な漢字のはずなのに、あたし書けないや…」と内心で赤面して焦っているレジ係を前に、待っている側の僕はどういう態度を取ったものか。「こういう字ですよ」と教えるのもデリカシーがない気がするし。黙って苦笑いしているのも失礼だし。気づかない振りができる距離でもないし。まさか苦言を呈するわけにもいかないし。
最近の、小さな悩みの一つである。本当に小さな。11月9日(金)
番組スタートがいつもより1時間遅いので、番組前にいろいろとしたいことがあったのだが、寝不足が溜まっていたせいか、起きたら午後だった。
週の後半を実家で過ごす生活を送るようになって数ヶ月。徐々に実家の一部屋を自分の寝室兼書斎としてグレードアップさせている。パソコンを買い、無線LANを買い、そしてついに今日は机が入ったので、自室にこもって一人で仕事ができるようになった。
で、今購入を検討しているのがワンセグチューナー。この部屋にはテレビがないから、パソコンでワンセグを見られたら便利だ。恥ずかしい話だが僕はワンセグというものがいまだによくわかっていない。携帯電話でテレビを見ることにあまり興味がないせいもある。今回、一応いろいろ調べてはみたものの(普通のテレビの放送内容も見られるということは、今日知った)、どれぐらいの画質で、電波はどれぐらい拾うもので、使い勝手はどの程度のものか、実物を見てみないとわからない。今度、電器店でサンプルを見てみることにしよう。11月8日(木)
僕はスタジオで喋る時、焦って脇の下にびっしょり汗をかくので、仕事が終わった後にTシャツを着替えることが多い。
いつものように着替えていたら、それを見たスタッフの一人から「浅井さんって、変わったおへそしてますね」と指摘された。そうそう。実はちょっとデベソ気味。
子供の頃から、僕は自分のおへその形が大嫌いだった。水泳をする時も、からかわれるのが嫌で、水着をつり上げて無理矢理へそを隠したものだ。大人になってから、そのコンプレックスが払拭されたのには理由がある。レニー・クラヴィッツと、木村拓哉が、同じような形のおへその持ち主であることを知ったからだ。彼らは堂々とCDジャケットや写真集でそのおへそを披露している。これが俺のへそだぜかっこいいだろとでも言わんばかりの、自信たっぷりな表情で。お揃いじゃん。なあんだ、このへそはかっこいいのか。
実に単純な理由でコンプレックスから脱却した僕である。キムタクには感謝しなくてはいけない。11月7日(水)
FM802のDJは一人に一つずつ、ロッカーが与えられている。学校の教室の後ろにあったものと大差ない大きさで、各レコード会社のプロモーターはDJ宛てのサンプル盤をこのロッカーに入れていく。それ以外にも、ヘッドホンとかMDとかCDRとか、いつも仕事で必要となるアイテムはロッカーに保管している。金属製の味気ないロッカーなので、どのDJもそれぞれにステッカーなどを貼りままくる。もはや貼る場所がないくらいに賑やかなロッカーもあるし、ゲストに迎えたアーティストのサインを書いてもらっている人もいる。ステッカーのアーティスト名が、DJ一人一人の個性を表しているようで興味深い。しかしこのロッカーの扉に、僕は一枚もステッカーを貼っていない。長年、あえてそのまま。こういうのが僕のこだわり。ここまでシンプルで味気ないと、かえって目立つような気がするし。まあこれも、性格を表していると言えなくもないか。
先日、局内大改装に伴い、DJ用のロッカーも新しくなった。今のところ、誰もステッカーなどは貼っていないみたい。あと数ヶ月もすれば、みんなまた好き勝手にカスタマイズするんだろうな。11月6日(火)
グランキューブで行われた山崎まさよしのライブを見て来た。先日リリースされたカバーアルバム「COVER ALL-HO!」と「COVER ALL-YO!」に合わせたツアーで、カバー曲を中心とした構成。ジュークボックスを模したセットや、懐かしの洋楽テレビ番組のパロディ風演出など、カバーライブならではの遊び心が随所に見られるライブだった。
この人のライブは、基本的に全曲が本人を含めた3人編成で披露される。固定のサポートベースとドラム以外、ステージにはいない。一見シンプルこの上ないステージだが、出て来る音は実にバラエティに富んでいて飽きさせない。
歌詞とメロディーという素材を、どのように調理して、独創的な料理に仕上げるか。そこに自信が持てないならカバーなどリリースする意味がない。今回の山崎まさよしのカバー曲集は、いずれもオリジナルとは極端に趣向を変えた、にやりとさせるアレンジばかり。本当にジュークボックスやラジオ番組でいろんなアーティストの音楽を聞いているような気分に浸れる、おもちゃ箱のようなライブだった。11月5日(月)
キャロル・キング、メアリー・J・ブライジ、ファーギーという、アメリカを代表する女性シンガー3人が競演する大規模なツアー「3 GREAT AMERICAN VOICES」。大阪城ホールで行われる初日を前に、出演者の一人であるファーギーがFM802へやってきた。
洋楽の大物が局にやってくるときは、扱いが破格だ。局へ何時に到着するかはわからないし、来るかどうかすら直前まで判然としない。B.E.P.が802に来た時も、彼女だけは何らかの理由で来られなかった。ファーギーといえば、今、アメリカで最も大きな影響力を持つ女性アーティストの一人。どんなわがままセレブが来ても対応できるように、局内は張りつめた空気で待ち構えていた。
当初の予定よりも数十分遅れて到着したファーギー姫。ひとまず直接スタジオに入ってもらい、すぐにインタビューを開始した。
これが、驚くほどフレンドリーな女性だったのだ。とにかくよく喋る。壁に貼られた自分のポスターを見て「これは私も見たことなかった!何て書いてあるの?」と聞いてきたかと思えば、僕の使っているヘッドホンを見て、「そのヘッドホン、よさそうね。私もヘッドホンは持ち歩いてるんだけど…(ガサゴソと鞄の中を探る)見て。このノイズキャンセルは気に入ってるんだけど、音はそっちの方がいいと思う。あ、番組スタッフからのプレゼントだったの?素敵じゃない!」といった具合に話が止まらない。iPodでは何を聞いているのかを尋ねたら、カニエのアルバムが好きでよく聞いているという答えが返ってきた。このへんの会話、すべてインタビュー前のCM中に交わされたもの。
二人の敬愛する先輩シンガーとともにステージに上がることを、心から嬉しそうに語るファーギー。日本滞在をとても楽しんでいる様子で、食べ物ではカレーと海鮮料理が気に入っているとか。「ライスも一緒に食べるの?」と聞いたら、「少しだけ。あんまり食べると太るから…」と意外かつ可愛い返答だった。ホテルでは毎日エクササイズをしているらしく、あのナイスバディーはかなりの努力の賜物であることが伺えた。
終わってみれば、さっきまでのピリピリした空気はどこへやら。明るく気さくな彼女と話していて、急に元気になっている僕だった。彼女はすでに32歳。過去には薬物中毒に陥り、二十代で無一文の時期も味わった。自身がファンだったBEPに接触する機会を得て、その後加入し、幼い頃からの夢だったソロ作を発売するに至った。泥沼を経験した後、アメリカンドリームを実現させた苦労人だからこそ、セレブになってもあの人柄を維持できるのかもしれない。本当に素敵な女性だった。11月4日(日)
番組後、大阪城ホールで開催されていたイベント「Your Songs, Our Songs」を見に行った。ここ数年、FM802が得意としている、固定バンドに著名なヴォーカリストが代わる代わる登場するパターンのライブイベントである。今回は、森俊之、亀田誠治、佐橋佳幸という日本を代表する3人のプロデューサー軍団「森亀橋」を中心としたスーパーバンドで、集められたヴォーカリストは、小田和正、藤井フミヤ、奥田民生、トータス松本、スガシカオ、矢井田瞳、CHARAなど錚々たる顔触れ。そんなアーティスト達が、「ラブストーリーは突然に」や「True Love」、「イージューライダー」、「夜空ノムコウ」、「My Sweet Darling」といった自身にとって最も有名なヒット曲を歌ってくれる。それぞれの曲に、他のシンガーがコーラスとして参加する。小田和正とCHARAがオフコースの「YES NO」をデュエットし、トータス松本とET KINGで「ガッツだぜ」を歌う。どのコラボレーションも、おそらく最初で最後という貴重なものばかり。これ以上ない贅沢なひとときだった。
今年で還暦を迎えた小田和正氏と、この日最も若い出演者だったSalyuとは、3回りぐらい離れている計算。それだけキャリアに差があると、日頃はなかなか接点もない。音楽番組に出ても楽屋は別で、お互いを知ってはいても会話を交わすことさえないのだとか。だからこういうイベントの存在はアーティスト達にとっても貴重で、横の繋がりを深めるチャンスらしい。アフターパーティの時は、ほぼ全出演アーティストが同じテーブルに座って談笑していた。傍目に見ていると目を疑うような光景だった。とても近寄れない。
こういう凝ったイベントはFM802でなければ絶対に実現できない。MINAMI WHEELとはまた違ったタイプだが、これも802ならではのイベント。自分はつくづくすごい放送局で仕事をしているのだなと改めて実感する僕であった。11月3日(土)
BOOWYの「FILM GIGS」は無事に終了した。
12月24日に発売されるDVD BOXの内容が詳しく発表され、その未発売映像の一部を上映することがメインのイベントだ。しかし発表されたその内容は一部のファンにとっては満足できるものではないらしく、不満の声が上がっているのも事実。そんな中での開催だったので、野次や罵声が飛んでくる状況も覚悟していたが、幸いそういう事態にはならなくて済んだ。大音量でライブ映像が流れている間も、観客は非常におとなしい。体でリズムを取る人すらいない。聞いたところではBOOWYのフィルコンはいつもこんな感じなのだとか。
リアルタイムでBOOWYを聞いていた世代の僕にとって、今回のようなイベントで司会を任されることは、大きな栄誉。でも意外と緊張せずに、楽しんで喋ることができた。
バンドの解散後にリリースされるアイテムは、その一つ一つがファンにとっては賛否両論の対象となる。20年も前に解散したバンドの映像を発掘するのは楽なことではない。それが純粋に、今もバンドを愛するファンのためを思っての努力であっても、拝金主義と揶揄され、やり玉に挙げられてしまうこともある。バンドが解散してしまっている以上、すべてのファンが満足するアイテムを制作するのは、土台不可能なのだ。
解散して20年も経っているのになお、これだけの影響力が持続している、BOOWYというバンドの偉大さを痛感している。11月2日(金)
僕がヴィジュアル系博士として出演した音楽番組「West 21」は無事にオンエアされたらしい。たくさんの人から「見ましたよ」という内容のメールが届いた。僕は東京にいたので放送は見ていない(番組は関西ローカル)。ROCK VISIONが終わって早7年。若い関西のバンギャルの間で僕の知名度はゼロに等しい。「おめー知ったかぶってんじゃねーよ」的な厳しい反応がありそうで怖かった。しかし番組側の扱いは存外に丁寧だったようで、バンギャルの反感を買うような演出は、僕の出演部分も含めて特になかったとのこと。
僕が勝手に使った言葉で、番組では字幕まで出してフィーチャーされてしまった言葉に「暗黒時代」というのがある。僕の認識の中で存在しているだけで、他の誰かがこういう表現を使ったことがあるわけではない。
仮に、XとLUNA SEAの二大巨頭の時期を「第一期」、GLAYやL'Arc-en-Ciel、黒夢がブレイクし、四天王のメジャーデビューで世間の注目を一気に浴びた時代を「第二期」、そしてガゼットやシド、ナイトメアの人気で再び注目されている現在を「第三期」とした場合、第二期と第三期の間に存在する「ヴィジュアル系が終わりかけた時期」を、僕は勝手に「暗黒時代」と呼んだのである。
90年代末期に起こった空前のヴィジュアル系ブームの、終焉は無惨だった。CDが売れなくなると、レコード会社に青田買いされたバンド達は次々に契約を切られ、その大半が解散に追い込まれる。それに呼応してメディアが撤退し始める。ROCK VISIONを含めたあらゆるヴィジュアル系番組が終了し、Viciousをはじめとするヴィジュアル系雑誌も次々に休刊に追い込まれた。一番気の毒だったのは、まさにその時期(2001年から2003年頃)に頭角を現したバンド達である。Psycho le Cemuやcali≠gari、Due'le quartzなど、伸び盛りの時期とヴィジュアル系不遇の時代が重なってしまったバンド達は、ブーム終焉の引き波をもろに受けてしまった。あと3年早く、もしくは遅く登場していたら、違う結果になっていたに違いない。
今現在ヴィジュアル系はまたブームの様相を呈しているが、数年後に暗黒時代が訪れるような事態は避けなければならない。ネオ・ヴィジュアルだ何だと煽ってシーンを過度に盛り上げると、またしっぺ返しがくるぜ。11月1日(木)
日本シリーズ第5戦。王手をかけた中日が、結局そのまま4連勝で日本ハムを破り、日本一に輝いた。
僕はこの試合、4回の表から見ていた。先頭打者が1番の森本だったので、3回までパーフェクトなのかと少しだけ驚いた記憶がある。時々ヒットを打たれたり四球を出すダルビッシュとは裏腹に、中日の山井は一人のランナーも出さないまま試合が進んでいく。終盤になると、見ている側もハラハラしてきた。9回、いよいよあと3人で完全試合という時に、何とピッチャー交替。さすがに、見ていた僕も「まさか」と思った。僕はプロ野球をテレビで観戦していて、完全試合を見たことは一度もない。聞けばペナントレースを含めても94年の槇原以来一度もない快挙なのだとか。そんなすごい記録が、よりによって日本シリーズの、勝てば優勝という大事な試合で達成されようとしている。なのにピッチャー交替だなんて。賛否両論ありそうな采配。まあ確かに、僕も最後まで山井に投げさせて欲しいと思った。
マメが割れようと腕が折れようと、走者を出すまでは投げてみろという采配をするのが普通の監督だと思う。落合監督だってそんなことは百も承知で、それでも替えることが最前の策だと判断したのだろう。誰よりも、下がった山井自身が満足気な笑顔を見せていたのが素晴らしい。本人が続投を希望しなかったのに、無理に投げさせる方がかわいそう。山井を続投させて万一逆転を許したら、日本シリーズで三度目の失敗ということになるし、逆に継投策が裏目に出て岩瀬が打たれても、落合監督の責任が問われる。とにかく勝てる可能性の高い方を選択するしかない。結果としてその選択は間違っていなかったのだから、重責を背負った監督の采配を批判するのは無礼というものだろう。絶対に優勝するんだというチーム全体の強い意志が感じられた。最後まで元気のなかった日本ハムは少々気の毒だったけど、シーズンを締めくくるにふさわしい、名勝負だったと思う。
