Diary(09.02.)
2月28日(土)
昨日、東京駅で警察官から職務質問を受けた。
新幹線の改札を出て、構内を普通に歩いていた僕を呼び止めた警官二人。荷物を調べさせてほしいという。断ったら別室に連れて行かれそうな雰囲気だったので、「はあ、どうぞ」とバッグを渡した。コンサート会場の入口でカメラチェックをするように、中身をちらっと見ておしまい、という荷物チェックなのかと思ったらとんでもない。中に入っている財布、ペンケース、ポーチなど、すべて開いて細かく中身をチェック。当然ポケットの中身もすべて出して、さらに警官が触って他に何も入っていないことを確認する入念さ。ポーチの中には常備している頭痛薬や胃腸薬が入っており、その袋を発見した時の、警官の目の鋭さはなかなかすごいものがあった。僕は別に刃物も麻薬も所持していない。当たり前だけど。
3分ぐらいかけて僕の荷物をすべて調べ、警官達は僕を解放した。「どうもありがとうございました」がなかったらひとこと言ってやるところだった。この日の東京はあまりに寒かったから、帽子を深めにかぶっていたのだが、それがどうやらいけなかったらしい。それにしたって、見回せば僕より怪しい雰囲気の人物はいくらでもいそうなものなのに、なぜ僕が選ばれたのか、非常に気になった。これだけ大勢の往来がある中で、危険人物に認定された気分は断じてよろしくない。
しかし、何の罪もない人間を3分も足止めさせ、荷物をジロジロ見ておいて、手ぶらで帰すものなのか。今日び、街頭でアンケートに答えたら現金がもらえる時代。せめてちょっとしたお菓子とか、ティッシュぐらいくれてもよさそうなものなのに。そうすれば、希薄な根拠で疑いをかけられた不快な気分はある程度中和されるかもしれない。よし、この粗品案を警察庁に提案してみよう。と思ったものの、よくよく考えたら、そんなシステムが定着してしまうと、その粗品欲しさに、職務質問を受けそうな怪しげな格好をわざとする輩が横行する恐れがある。不審な人物が増えてしまうのでは本末転倒。粗品案は僕の中で早くも却下されるのであった。2月27日(金)
宇宙戦隊NOIZの生ゲスト。当初は全員で出演する予定だったが、先週になってメンバーの脱退が発表されたことで、出演はANGEL-TAKAと叫の二人ということになった。
まだ気持ちの整理がついていないファンが多い中、発表後初めて公の場に姿を現した彼らは、さすがに幾分緊張している様子だった。僕という聞き手がいて、発表直後の生出演である以上、脱退の話をなおざりな説明だけで済ませることはできない。打ち合わせでそう伝えると「ある程度ストレートな質問をされても、ちゃんと対応はできる」とのことだったので、脱退に至る経緯についてもそれなりに切り込んで尋ねた。
「今後、新しいメンバーを加える用意がある」という話をすることは想定外だったとみえ、その件に触れた時にANGEL-TAKAは一番動揺していた。ブログ用の写真を彼の携帯で撮った後、僕がその写真を見せてもらったついでに、「メール届いてるじゃん。見ていい?」と言って僕がメールを開くふりをした時(もちろん冗談だけど)と同じくらいの狼狽ぶりだった。
結局、ファンが100%納得できる説明ではなかったけど、メンバー間で話し合われた全てをファンに明かすことなどできるはずがない。真摯な態度からは彼らなりの誠意が、時折うろたえたり、答えにつまったりする様子からは、メンバー自身もまだ戸惑い、苦しんでいる現状が、ファンの人達に伝わったと思う。「3人になってから、サポートメンバーを入れてライブをするのか、新しいメンバーを迎えるのかはまだわからない。いずれにしろ、3月22日のライブを終えてからきちんと発表したい」という答えが、冷静に考えれば一番妥当だもの。
観覧に来ている人達の表情が思いのほか明るかったので、僕もメンバーもそれで少し気分が楽になり、脱退の話をする以外の時間は普段と変わらない調子でトークができた。あとは一人でも多くの隊員が、宇宙戦隊NOIZとS@TT-ONとTAKEswiyの旅立ちを前向きな気持ちで見守ってくれることを祈るばかり。
2月26日(木)
今さらながら、アカデミー賞を受賞した話題作「おくりびと」を見て来た。遺体を棺に納める「納棺師」を描くという地味さから、なかなか見る気が起きなかったが、オスカーを獲得したとなれば見ないわけにはいかない。
全体を通して静かな映画で、お金も全然かかっていない。「死」と向かい合う人々の心の動きを丁寧に描いているが、見ていて全然退屈を感じなかった。意外にテンポのいい脚本もさることながら、10年以上前から映画化を画策していたという、主演の本木雅弘の力量によるところは大きいと思う。適度にコミカルに、適度に美しく。正座をして背筋を伸ばした姿勢が彼ほど似合う役者はいない。チェロの演奏シーンもリアルだった。
劇中で、男の始めた納棺という仕事に対し、妻や幼なじみは激しい拒絶反応を示す。おそらくそれが現実なのだろう。しかしこれが僕には理解できない。葬儀社や火葬場、霊園など、人の死を扱う商売はいろいろあるが、それらに従事する人を蔑んだり、忌み嫌ったりする理由がわからない。人の死体に触れることを、汚いとか気持ち悪いと考えることも理解できない。納棺師にしても、楽しいと感じることは絶対にないだろうけど、やりがいのある、尊い仕事だと思う。映画を通してその尊さ、美しさを表現しようとした意気は素晴らしいし、それが世界で認められたことも喜ばしいことだ。2月24日(火)
京セラドーム大阪で、WBC日本代表とオーストラリア代表の強化試合を見て来た。練習試合に過ぎないが、ほぼ満席の賑わい。先発のダルビッシュが早々に降板した時は驚いたが、野手はほぼ全員が出て来たし、岩隈や田中、岩田など、投手も半分近くが登場したので満足。9回に登板したクローザーが藤川ではなく馬原だった時は「ここは大阪やぞ!」という会場内で壮絶なブーイングが起こった。まあ気持ちはわからなくもないが、この試合はファンサービスのために開催しているものではないのだから無茶な要求である。
それにしても、イチローが打席に立った瞬間のフラッシュの量はすごかった。撮るのは構わないが、フラッシュは何とかならないものか。そんな遠いところでフラッシュを焚いたところで光が届くはずなどないのだから、何の意味もない。まぶしい閃光が選手の集中力をそぐばかりである。妨害にしかならないことを、ファンはなぜ理解できないのか。今どき、どんなカメラだって、ボタン一つでフラッシュを使わないモードに切り替えることができるのに。
先日神戸で行われたコールドプレイの来日公演もカメラの持ち込みが許可されており、公演中にフラッシュ撮影している人がたくさんいた。照明の美しい演出も台無しだった。「空気読めない」という言葉は、ああいう輩のことを指すんじゃないのか。2月23日(月)
長いことこういう仕事をしていると、「昔、浅井さんの番組をよく聞いてました」とか、「爆寸に行ったことがあるんですよ」みたいなことを言われることが、たまにある。もちろんこれは、とても光栄なこと。今日も、とあるプロモーターの女性がそういう話を僕にしてくれた。
嬉しいのだが、そういうことは最初に言って欲しい。「私、今月いっぱいで会社を辞めるんです。私、昔○○のファンだったので、浅井さんと一緒に仕事ができるのは特別な気持ちでした」なんて言ってくれた。「そうなの!?早く言ってよ!」何も辞める時に言わなくても。そうとわかっていたら、お互いもっと打ち解けて会話ができたかもしれないのに。引っ越すクラスメートの女の子が、明日で転校という日になって「実は好きでした」と告白してきたような虚しさ。そういうことさえも切り出しづらい近寄りがたさを、日頃の僕がまとっているということか。2月22日(日)
日本代表メンバーが決定して、野球ファンの間で熱い議論がかわされている。まあ、どんなメンバーになっても、ファンは不満を言いたくなるものだ。実績から見れば是が非でも残しておくべきと思われた選手が外され、一方で残っているメンバーに疑問符が残る。今回は、巨人の選手が攻撃の的になっている。監督とコーチ陣が、選手達の状態を冷静に判断して、よほどの自信を持って選んだはずの最強メンバー。その眼力を信じるしかない。
今回のWBC、日本の盛り上がりは他国と比べると異常らしい。アメリカの新聞ではそれを茶化すような記事も掲載された。日本の野球ファンがWBCに熱くなっている要因が、漫画「巨人の星」の影響だと指摘しているようだが、これはとんでもない勘違いだと思う。今の野球選手や野球ファンのほとんどにとって、「巨人の星」は大昔の作品だ。僕がWBCでの日本の躍進に期待するのは、大リーグ選手と日本のプロ野球選手が混じって、エキジビションではない本気の戦いをするからだ。大リーグに挑戦できる日本人選手は、必ずしも日本で最高の選手だけではない。FA権を獲得する頃には、多くの選手は全盛期を過ぎている。資格に関係なく一番優れた日本人野球選手が集まって、海外の選手と真剣勝負して、負けるとは思えないのだ。
アメリカだって、オリンピックのたびに、スター選手が集まったバスケットボールのドリームチームに沸くではないか。それと同じだと思う。2月21日(土)
無性に卓球がしたくなって、近所で卓球ができる場所を探した。尼崎のJJクラブ100は潰れてしまったようだし、卓球台を置いているゲーセンも思い当たらない。調べてみたら、うちから車で10分ぐらいの所に、卓球センターがあるというではないか。さっそく行ってみた。
それこそ映画の「ピンポン」で夏木マリが経営していたような、レトロな卓球場だった。中に入ったらまず靴を脱いでスリッパに履き替える。歩くだけでミシミシと音がしそうな木の床は、ところどころ色が剥げていて、歴史を感じさせる。不潔な印象はなかったけど、とにかく古い。昭和の雰囲気が何とも楽しかった。
建物は2階建てで、合わせて10台以上の卓球台が並んでいた。こういうところで卓球をするぐらいだから、プロみたいに上手な選手がすごいスピードの球を打ち合っているのかと思いきや、僕とそう変わらない素人ばかり。近所の子供が多いようだ。たっぷり2時間打ったら、何だかちょっと上達した気分。マイラケットも買おうかな。1時間400円だった。2月20日(金)
番組が終わってから、宇宙戦隊NOIZのメンバーが脱退する旨を知らされた。そういうニュースとは無縁の仲良しバンドに思えたし、メジャーデビュー間近の今発表するのはタイミングとして最悪だから、非常に驚いた。ファンの混乱も用意に想像できる。
ライブで大阪へ来る際にREDNIQSに出演できないかと打診を受けたのは一昨日だった。何より、NOIZは来週のBEAT SHUFFLEの生ゲストではないか。30分間も、どんな表情で何を話すつもりなのか。これは僕の憶測だけど、今日発表するということが先に決まっていたら、東名阪のライブまではラジオなどのメディアへの出演は控えたはずだ。急に発表せざるを得ない、やむにやまれぬ事情があったのだろう。重たい気分になる話だが、新しいスタートを切る彼らを応援するしかない。2月19日(木)
花粉症の季節が到来しているらしい。去年の秋にどうやら花粉症デビューした僕は、もちろんマスクを手放せない毎日を送っている。
といっても、どうにも不思議な症状なのだ。天気予報で「今日は花粉が大量に飛びますので要注意」なんて言うから覚悟して外出するのに、屋外をマスクせずに歩いても平気のへーざだったりする。そうかと思えば、室内に入ってしばらく経ってから、突然くしゃみが止まらなくなったりもする。「誰かが花粉を持ち込んだせいだ」とも言われたけど、特に人の出入りがないような時でも、何の前触れもなくスイッチが入ったように症状が現れることがよくある。というよりもむしろ、そういう予測不可能なタイミングで襲ってくることの方が多い。新幹線に乗っていても、2時間ぐらい経ってから急に、とか。最後に駅に止まったのはもう1時間以上も前なのになぜ今になって始まるのか。
謎だ。原因はきっと、花粉というよりハウスダストに違いない。2月18日(水)
久しぶりに、演劇を見た。プロの公演ではなく、OSM/DAの卒業制作展「We are OSM」で披露された、学生達による舞台である。僕の授業を受けた学生の何人かが出演しており、誘われたので見に行ってみた。
施行ミスでオートロックの扉を逆向きに取り付けてしまったせいで、マンションの一室に閉じ込められてしまう人々。かつて住人が自殺をしたために、すっかり自殺の名所となってしまったその部屋に、吸い寄せられるように集まった10人の若者達が、すったもんだの騒動を繰り広げる。1時間近い劇だったが、テンポのいい会話で飽きることなく楽しめたし、予想外の結末には不覚にも少しうるっと来てしまった。題名を「たまたま、素敵」という。この学校の先生が書いた台本らしい。すごい。
たった一度のこの舞台を成功させるために、学生達は何週間も練習を積んできた。専門学校で2年も学んだだけあって、演技も安心して見ていられるものだった。彼らの生き生きとした表情を見ていて、「青春してるんだなぁ」と羨ましくなった。
そう。青春。いつものスタジオに行けば誰かがずっとラジオ番組を放送していて、他の階では作品が展示されていたり、パフォーマンスが行われていたり。人生の中で特に貴重な2年間を専門学校で過ごした多くの学生達が、その成果を精一杯披露している姿を見ると、そのはち切れそうな若々しさに嫉妬してしまう。プロの仕事と比較すれば未熟なものかもしれないけど、何度も試行錯誤しながら、僕らは確実に成長しましたと胸を張っている。僕は独学でDJを練習し、大学には真面目に通わなかったクチだけど、学校っていいものだなぁと今さらながら実感した一日だった。2月17日(火)
WBC日本代表チームの合宿が宮崎で始まった。野球好きとしては期待に胸が膨らむ今日この頃。そんな日本代表が来週、京セラドーム大阪で強化試合を行うとは知らなかった。オーストラリア代表を招いての練習試合を2試合行い、それから東京へ移動して西武、巨人とも強化試合。そしていよいよ東京で開幕を迎えることになっている。調べてみたら、対オーストラリア戦のチケットはまだ発売中とのことだったので、24日の分を購入した。もちろんこれは、本戦で起用するメンバー選びのためのテストマッチ的な試合だが、あのドリームチームのプレイを生で見られる機会は貴重だ。生でイチローを見るのはオリックス時代以来。
その観戦用にと思って、日本代表のレプリカユニフォームやキャップもネットで購入した。届くのはずいぶん先になるようだけど。僕はこういうスポーツイベントの流行には積極的に乗るタイプ。オリンピックの時に購入したキャップもあるのだけど、当然のようにデザインが変更されてしまっている。北京オリンピックの結果はあまりにも悲惨だったので、苦い記憶が蘇る当時のアイテムは不吉な感じがするのは否めない。個人的には、以前のロゴデザインの方が好きだった。
最近は、代表のスタメンを勝手にあれこれ予想して楽しんでいる。サッカーのワールドカップの時よりわくわくしているかもしれない。2月16日(月)
録画しておいた映画「ミッドナイトイーグル」を見た。吹雪の山奥に墜落した戦闘機をめぐる、自衛隊と北の工作員の争いと、そこに巻き込まれるカメラマンの物語。
原作を読んだのがいつだったのか覚えていないが、とにかく読んでいて「寒い」小説だった。一番印象に残るのは、雪山の過酷さだ。敵の銃撃から逃れるうちに、持ってきた装備を失い、携帯燃料や食料、無線もないままに前進するしかない主人公。スケールが大きすぎて現実離れしたストーリーではあるが、生死の境をさまよいながら決死の覚悟で雪山を突き進むあたりの描写は実にリアルで、面白かった。
映画版では、そうした山の厳しさはあまり丁寧に描かれていない。これだけ長いストーリーを一本の映画にまとめようとすれば仕方のないこと。テレビ用にカットされた箇所も多かったとみえ、原作のダイジェスト版のようになってしまっていたのが残念なところだ。
キャラ設定なども映画用に変更されているが、一つだけ納得がいかないのが、竹内結子の役どころが主人公の別居中の妻ではなく、義理の妹となっている点。何だか余計に人間関係を複雑にしているだけで、物語の本質がぶれてしまっているように思えてならない。2月15日(日)
コールドプレイの来日公演を見て来た。ジャパンツアーの最終日で、場所は神戸ワールド記念ホールだった。
2008年に最も稼いだミュージシャンのランキングでは、ベテランが上位を占める中で堂々の10位。今、世界で最も人気のあるロックバンドといっていい。9日に発表されたグラミー賞も3部門を獲得し、まさに今が旬のコールドプレイである。
海外のロックバンドのライブは総じてシンプルなものだ。何年か前に大阪城ホールで見たイギリスの某大物バンドなんて、ただ出て来て歌っただけだった。しかしこのバンドは違う。名前はコールドプレイだが、プレイはコールドじゃない。見に来てくれた人々を何とかして楽しませようという、メンバーの強い意欲が伝わってくるパフォーマンス。シングルや代表曲しか知らない僕でも、全く退屈を感じなかった。
スクリーンを多用した視覚的演出や、バルーン、紙吹雪といった小道具。両側の花道にも何度も出て来た。そして一番驚いたのは、2カ所のサブステージだ。上手側前方と、下手側後方に設置された、四畳半もないくらいの狭いサブステージで、アコースティックライブを数曲。後方の観客も退屈しないように配慮している。なぜかスマッシュマウスで有名な「I'm A Believer」をカバーしたり。そしてアンコールが始まるまでのインターバルも、5分もなかった。とにかく、ファンに優しい。
完成度が高く、適度にアットホームなコールドプレイのパフォーマンスには、クリス・マーティンをはじめとするメンバーの、人柄の良さが多分に影響していると思う。ステージにも客席にも、笑顔が絶えない。彼らのようなスーパースターに愛されている日本に生まれたことが、本当に誇らしかった。2月14日(土)
FM802に行ったら、リスナーからのチョコレートがいくつか届いていた。他の番組スタッフからの羨望が気持ちいいぜ。
すごく高そうなものや、僕の好みを考えて工夫してくれているもの、ウケを狙った面白いものなど、嬉しいものばかりだった。先日の爆寸の時にもプレゼントしてくれた人が何人かいたのだけど、この場を借りて、いつも本当にありがとうございます。
今年何かと話題になった「逆チョコ」。そういうのも悪くないなぁ、ぐらいには思ったけど、考えているうちに当日になってしまっていた。バレンタインにチョコをプレゼントするという日本独自の風習は楽しくて僕は大好きだけど、考えてみれば別に女性から男性に贈るという一方通行である必要性はあまり感じられない。もとより海外のバレンタインは男女の区別なく友情や愛情を伝え合うものだ。ただ「逆チョコ」というネーミングである限り、定着しない気はする。何でもかんでもチョコの前に言葉を入れてジャンル分けするの、やめにしていただきたい。「(監督名)ジャパン」と同じくらい不毛な呼び方。2月13日(金)
荻原浩の「噂」を読了。昨年来、愛読している作家で、今年中にこの人の主な小説は読破したいと思っているところ。クスリと笑わせるテンポのいい文体が好きだ。この「噂」というサスペンスホラーは彼の代表作の一つらしい。
若い女性を狙い、足首だけを切断する残忍な手口の殺人鬼がいる。しかし、とある香水をつけている女は狙われずに済むらしい。それは当初、香水の宣伝のために流したデマゴギーにすぎなかったはずなのに、似た手口の殺人が現実に起き始める、というお話。Word Of Mouth(=口コミ)は最も効果的な宣伝方法の一つで、サクラを使って評判を広めることが、どんな広告よりも威力を発揮する場合があるのは事実。その威力を利用しようとした者達が巻き込まれる猟奇殺人を描いているわけだが、アイデア自体はわりとありふれているのに、ストーリーは意外性に富んでいると感じるのは、キャラクター設定の妙か。娘のためにキャリアの道を捨てて所轄になった男やもめの刑事と、本庁所属の未亡人刑事という不思議なコンビ。生意気なギャル達に翻弄されながら、女子高生殺人の真相に少しずつ近づいていく。そして待っている、意外な結末。
一件落着。ああ面白かった、と思って読み終えようとしたら、最後の2ページぐらいの「おまけ」で何もかもひっくり返された。というよりも最後の一行。いや、最後の四文字だ。たった四文字を眺めて、誰もがしばらくの間、考え込んでしまうだろう。その意味するところを理解するまで、ちょっと時間がかかるからだ。伏線の張り方が巧妙すぎる。「ラスト2行のどんでん返し」で知られるあの「イニシエーション・ラブ」より強烈かも。2月12日(木)
以前、この日記で僕が絶賛したカップ麺「日清スープの達人 焦がし香油豚骨」は、その後すっかり店頭で見かけなくなってしまった。次々に発売される新製品に押しやられ、コンビニの売り場から姿を消したのである。最近はもう探すことさえしなくなっていたのだが、何とそのレアものカップ麺が、近所のスーパーで山積みになっているのを発見した。それも、コンビニで買えば250円以上はする品が、1個100円で。いかにも売れなさそうな、冴えない他社製品と一緒に、特売扱いになっている。在庫処分とは罰当たりな。かつてこれを探し求めてコンビニを何軒もハシゴした愛好家がここにいるのに。何だろうこの虚しさ。昔大好きでよく聞いていたCDが、中古CD屋で100円で売られていた時の感覚に似ている。他の客の様子を見ていると、一度は商品を手に取るものの、「こんなに余ってるところを見ると、美味しくないんだろうな。100円だし。いらねーや」という顔で山に戻したりしている。100円の値段がつけられると100円の価値しかないように見えてしまうのが悲しい消費者心理なのか。ああ何てもったいない。僕がここの従業員なら、試食コーナーを設置してこの場でみんなにふるまうのに。「これ、本当は美味しいんです!100円は不当な安値なんです!」と大声で宣伝したい衝動に駆られた。
結局、かわいそうな「焦がし香油豚骨」を僕は2箱購入した。24個。あの売り場にあるぶん、すべて買い取ってもよかったかなと少し後悔している。久しぶりの大人買いだった。2400円だけど。2月11日(水)
収録の仕事で802に行ったら、歴史的瞬間が終わった直後だった。生でその様子が見られず残念。
この日のFM802はホリデースペシャルを放送しており、昼間の時間帯は持田香織嬢がゲストDJとして生出演していた。そのスタジオにかかってくる一本の電話。それは何と、「笑っていいとも!」のテレホンショッキングで、カトゥーンからの紹介を受けた持田嬢に出演を依頼するものだったのである。両方とも生番組であるので、一時的にフジテレビでFM802の音声が流れ、FM802ではタモリの声が流れていたことになる。前代未聞のコラボ。FM802も20年、ほぼ全時間帯生放送のスタイルを貫いているが、生出演中のアーティストにテレホンショッキングの電話がかかってきたのはさすがに初めて。スタッフによると、LIVE BBSの書き込みは爆発的な数に上ったとか。そりゃそうだろう。2月10日(火)
嬉しいことに、爆寸の感想メールが続々届いている。どんなイベントなのか、期待半分不安半分で初めて参加した人が、「予想以上に楽しめた」という旨を報告してくれるパターンが多い。期待はずれでしたと言われたらさすがにショックなので、そういうメールをもらえるとほっとする。
開演前の影アナは予想通り好評だった。もう一つ、意外に反応が多くて驚いたのが、開演前に流したBGMである。インディーズ・メジャーを問わず、最近のヴィジュアル系バンドのヒット曲をあれこれと集めたCDR。the GazettE、シド、ムックといった有名どころから、SINCREA、東京ミカエル。、vistlip、ゴールデンボンバーなど、僕が個人的に注目しているインディーズも織り交ぜて1時間。先月のDEAD EDISONで開演前に流したものと似ている。そういえば昔は、開演前に最新のビデオクリップをいろいろスクリーンで流していたことを思い出す。
早いとこ次回の日程を決めなくては。「○月ぐらいがいい!」とか、「○曜日でお願いします!」みたいな日程に関するわがままなリクエストをしてもらえると、今ならある程度効果あるかも。2月9日(月)
神戸と大阪を結ぶ一般道の一つに、国道43号線がある。阪神淡路大震災の時、高速道路の高架がなぎ倒されていた、あの下の道。僕は大阪市内に向かう時、基本的にあの道路を利用する。ここ最近、その43号線の工事渋滞がひどい。
今日はもう、我慢の限界だった。尼崎近辺の、ほんの4キロぐらいの間で、4カ所も工事をしていたのだ。すべての工事現場で車線規制を行い、1km近い渋滞が発生している。つまり、やっとの思いで一つの渋滞を抜けると、その100m先には早くも次の渋滞が待っている、といった具合なのだ。この日はゲスト収録の予定があるので、かなり余裕を持って家を出たのだが、局に着いたのはギリギリの時刻だった。
いくら何でも多すぎる。補修工事が必要なら、時期をずらして1カ所ずつやればいいものを、なぜ一度に3カ所も4カ所も規制するのか。そんなことをしたら大渋滞が発生するのは猿でも分かる道理だ。腹は立つが、誰にクレームをぶつけたらいいのかよくわからない。多分どこへ電話しても適当にはぐらかされて、暖簾に腕押しな敗北感を味わうだけなのだろう。
あえて、わざわざ工事を重ねていることの、納得のいく説明が欲しい。とにかく、当分43は使わない。使わないぞちくしょう。2月8日(日)
今年最初の爆寸は満員御礼。天気も晴れ。
今回、初の試みとして、いわゆる影アナを流してみた。事前に女性の声で収録したもので、爆発寸前NIGHTというイベントを楽しむための注意事項をアナウンスしたもの。半分以上はウケ狙いで作ったのだが、予想以上の爆笑が聞こえてきて嬉しかった。意外にめんどくさいので、次回以降も作るかどうかはわからないけど。
そんなこんなでLUNA SEAの「Dejavu」からスタートしたversion Cは、満員のはずなのに、序盤は驚くほど盛り上がらなかった。「僕、何か間違ったことしてますか」と聞いて回りたいくらい不安になった。みんな、一歩引いて楽しんでいる感じ。これはやはり選曲のせいだろうか。
いつもの定番ばかりでは、常連の人達がさすがに飽きるだろうと思って、今回はちょっと意表をつく選曲を心がけた。ヘドバンするわけでも、振り付けがあるわけでもないような曲も、たまにはいいのではないかと。2曲かかるアーティストなら、そのうちの1曲はそんな意図で選曲したりもした。そういう曲は観客があまり動かないから、爆寸では盛り下がって見えるのかもしれない。
後半にはこのイベントでおなじみの激しい曲を固めたので、フロアは普段通りのカオスに。最近、お客さんから「浅井さんはドS」と言われることがよくあって、意味がよくわからなかったのだけど、イベントの終盤でキラーチューンをたたみかけるこの選曲のことを言われているのだと、ようやく気づいた。爆寸では「好きな曲の時は暴れないともったいない」という意識が働くから、みんな後先を考えずに1曲入魂で体力を使ってしまう。しかし、暴れたい曲が後から後から、かかる。最後の方には「もう許して」となる。なるほど、これはSかも。だって、ヘロヘロになりながらも、なかばそれが義務であるかのように暴れ狂うお客さんを見ているのは、DJとして至上の喜びだもの。
そんなドSなDJ浅井は最近、爆寸で見るモッシュが大好きである。古い曲中心のversion Cでは本来見送るべきムックもかけてしまった。洗濯乾燥機みたいになっているモッシュピットに向けてペットボトルの水を豪快に撒くのがこの上なく気持ちいい。CYBERと違ってBRAND NEWは、非常にモッシュがやりやすいハコだと思う。次回は僕も中に入ろうかな。
この日の選曲をあらためて見たら、9割がもう解散しているバンドだった。盛り上がっていないように見えても、その曲が聞けたことを心底喜んでいる人が何人かは必ずいる。自分が青春を捧げたバンドの曲を、たくさんの人と一緒に聞いて楽しめることが幸せだと感じる人々のために、爆寸は存在する。ノスタルジーに浸るならversion C。2月7日(土)
村山由佳の「ダブル・ファンタジー」を読み終えた。
書店の新書コーナーで、東野圭吾や海堂尊といった作家の話題作を、はるかに凌ぐ部数が積まれていたこの本。この1店舗でいったい何百冊売る気なのか、という異常な量だった。分厚くて持ち歩くのは重たそうだけど、店がそこまで自信を持って薦めるならば読んでみようではないか。そう思い、堆い山の中から1冊手に取ってみた。それが2週間ぐらい前。1冊の本を読むのにこんなに時間をかけたのは久しぶり。
村山由佳の作品は、ドキっとするほど露骨な性的な描写が多い。女性にも性欲というものはあって、男性のそれとは明らかに異なる種類のものだというのが、彼女の文章からは伝わってくる。うわべだけの恋愛を描く軽い小説と違って、正直な女性の本音が見える気がするから僕は好きだ。それは前々から感じていたこと。今回の「ダブル・ファンタジー」は、彼女が初めて大胆な「官能小説」に切り込んだ意欲作、らしい。つまり、この人の作品の中でも、僕の好きな要素を重点的に描いている、ということ。
35歳の女性が、尊敬する男性と不倫の関係に陥り、性の快楽に溺れていく。やがて夫と別居を始めた彼女が、それから巡りあう男達との情事と別離を、実に丁寧に描いている。
エロいのに、エロくない。いやらしいことを書いて読者を興奮させようとしているわけではない。30代の後半を迎えた女が、「女としてまだ間に合う間に」、恋愛とセックスを謳歌したいと願ってしまう。そのために味わう苦悩や痛みを表現している小説であって、僕が「官能小説」という言葉からイメージするものとは違った。男でも女でも楽しめる小説。ただし30前の人にはすすめない。
つまらない小説ではないのに、どうしてなかなか感情移入できないのか、そして読み終えるまでに長い時間がかかってしまったのか。考えてみたら、一番最初に主人公が惚れる男が、あまりにも醜い印象だったせいだと気づいた。せめてもう少しルックスと性格の良いカップルにしてほしかったところだ。2月6日(金)
一年に一度、あるかないかの幸運な日だった。新幹線で隣の席に座ったのが、行きも帰りも若い女性だったのである。別に何の下心もないけど、息の臭いオヤジが隣で漫画を読んでいるよりは、女性の方がいいとは思う。2時間半も乗るのだ。
行きの新幹線で隣になったのが、京都から乗ってきた、二十代前半とおぼしきスーツ姿の人。OLか、就職活動中の大学生に見えなくもない。乗ってくるなり、彼女はテーブルに大きな鏡を立て、パタパタと化粧を始めた。あまり褒められた行為ではないが、今どきめずらしいことでもない。僕はあまり気にせずに、ちょっと居眠りなどしていた。目が覚めた時、隣を見たら、違う人になっていた。いや、よく見れば同じ人なのだけど、顔が全然違う。さっきまでの、真面目そうな、地味そうな顔とは打って変わって、かなりの美人に変身を遂げていたのだ。思わず見とれてしまった。あまりの変化に驚いて。
化粧で人相はこれほど変わるものなのか。すっぴんを僕の前でさらす程度に身近にいる女性の中に、濃い化粧をする人が全然いないんだなということを改めて痛感した。顔を2種類持っているみたいで羨ましい。2月5日(木)
爆寸まで4日。リクエストの多かった曲から順に選曲したら、前回や前々回にもかけた曲がやけに多くなった。あんまり変化のなさすぎる選曲だとつまらないので、何曲かを修正し、長い曲をどんどん短く編集して曲数を増やした。新しく、幅広く、その一方で定番もバランスよく押さえる、というのは案外難しい。
あれこれ悩んでどうにか3時間強の曲順が決まったところで、スケッチブックを買ってきた。前回大好評だった曲目表示システム。特許出願中の画期的アイデア。50曲弱の曲名とアーティスト名を、ただひたすらに書いていく。単調な作業に途中でウトウトしてきて、寝ぼけて何度かスペルミスもやらかした。GLAYがGAYになっていたり。誰か代わりにやってくれ。2月4日(水)
僕が講師をしている学校でのこと。授業の前に教務室でコーヒーを飲んでいたら、足元に何かが転がっている。よく見ると、どうやら女性用の下着。ちゃんとたたんである。ゴムのところにメーカー名が縫い込まれている、いかにもスポーツタイプのやつ。ダンスなどを教える先生が着替え用に持ってきたものに違いない。何かの拍子にバッグから落ちてしまったのだろう。まああり得る話だ。
ここで僕は、どうするべきかと考える。まさかそれを拾い上げて「これ落ちてますけどどなたですかー?」なんて大声で聞くわけにいかない。でも、僕がここで気づかなかったことにしてしまうと、その落とし物はもっとたくさんの人の目に触れることになってしまうだろう。それはそれで落とし主が気の毒だ。僕はベストな解決策が思いつかず、結局見て見ぬ振りで授業に向かってしまった。
夜になって、すべての授業が終わってから再び教務室に行った時、おそるおそるテーブルの下を見てみた。まだあった。いくらか場所を移動して、汚れていた。これ以上放置したら、落とし主があまりにもかわいそう。こっそり拾って封筒か何かに入れ、届ける手も考えたが、男の僕に拾われるのも恥ずかしいだろう。考えた挙げ句、女性の先生に「あそこに落とし物があります」と耳打ちすることにした。
落とし主が「こういう落とし物がありませんでしたか?」と届け出るとは考えにくいので、あれが持ち主の手に戻ったとは思えない。僕が一人で考えすぎてしまっただけなのか。2月3日(火)
リクエストの集計をして、大まかに爆寸の選曲を考えた後、夜はイベント「COUNTER CULTURE」を見にBIG CATへ。サディ、heidi.、lynch.の3組が出演したイベントだが、僕はだいぶ遅れて会場に着いたので、見ることができたのはトリを務めたサディのみだった。あいかわらずの激しさで、観客の暴れっぷりを上から見ているだけでわくわくしてしまう。アンコールでは、出演した3組のヴォーカリストが全員ステージに集合してのセッションも。東名阪それぞれのアンコールで、トリを務めた地元バンドの代表曲を3人で歌うというのが、このツアーのお楽しみとなっていたようだ。この日はサディに義彦と葉月を加えて「迷彩」を。途中にデス声パートがあるような曲でセッションというのも興味深い。バンド同士の仲のよさが伝わってくる、楽しいひと時。
終わってからエレベーターに乗ったら、「爆寸行きます!」という人に声をかけられた。「バンギャルかけてください!」とその場でリクエストされる。「バンギャル!?人格のことかい?」「はいっ。そうです!」いや、今回はversion Cなのでそう言われてもさすがに応えられない。「ちょっと難しいなぁ。選曲終わっちゃったし」「え〜・・・」エレベーター内に漂った気まずい空気が忘れられない。2月2日(月)
幹事の大役が昨日で無事に終了したところで、ようやく爆寸に向けて気持ちを切り替えられる。実はリクエストの集計がこれからなのだ。
届いたメールをサーヴェイしてみたところ、今回は古めの曲を中心にする「version C」であると宣言したにもかかわらず、ここ数年の曲や、現役バンドの曲へのリクエストが非常に多いことに驚いた。いくらリクエストが多くても、あくまでコンセプトに従った選曲になる。がっかりされなければいいのだけど。そして、毎回増えているのが、僕が1枚もCDを持っていないバンドの曲へのリクエスト。「浅井さんの好みじゃないのはわかってるんですけど」というようなコメントも目立つが、好み云々というよりも、仕事で接点がなかったバンドのCDは基本的に持っていないのである。これから数日をかけて、必要な音源を揃えていくしかない。
今回はチケットがソールドアウトしただけでなく、802のスタッフも何人か見に来るそうだ。何だか急に緊張してきた。2月1日(日)
FM802の麻雀大会が無事に開催された。昨年に引き続きHOME MADE家族のDJ U-ICHI、そして今年初参戦のスキマスイッチ大橋卓弥、DJマーキーを含む、総勢20名。フリーで打ち慣れている強者もいれば、家族麻雀しか経験のない初心者もいるという幅広いメンバーが集まった。去年オープンしたばかりの新しい雀荘で、1フロア貸し切り状態の大騒ぎ。
僕の抜かりない準備が奏効し、トラブルなく終了。麻雀大会を仕切らせたら浅井の右に出る者はいない、と言われたい。用意した景品も、まあ概ね喜んでもらえたようだ。目玉賞品である「すべらない話」のDVDは、全く興味のなさそうな専務の手に渡ってしまったけど。
僕の今年の成績は20人中4位とまずまず。幸運にも自分で用意した賞品ではなく、参加者から寄付してもらった魚沼産コシヒカリを入手できたのが何より嬉しかったり。その他、マーキー氏は7位、U-ICHIが9位、大橋卓弥は15位という結果。U-ICHIくんは序盤不調だったが最終4回戦で大三元をあがってプラスに転じた。
終了後、「まだ打ち足りない」という大橋くんを囲んで、別の階で半荘3回ほど延長戦。店内のBGMは有線のオルゴールチャンネルだった。そこでスキマスイッチのメロディーが流れていることに自分で気づかないほどの集中力を見せるが、マイナス街道が続く気の毒な大橋くんであった。
ともあれ、参加した人達から「楽しかった」と言われると、幹事冥利に尽きる。