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Diary(09.08.)

8月31日(月)

 今週末に迫っている爆寸の、リクエスト集計と選曲を行った。
 今回も、今までにかけたことのないバンドへのリクエストが増えた。恥ずかしながら、僕自身が名前すら知らないバンドもいくつかあった。もちろん、できるだけ民意を反映したいので、リクエストの多い曲は採用する予定。まずはCDを集めるのにひと苦労である。
 今回は比較的新しい曲が中心のver.Mとなるが、前回東京で開催したver.Mに比べても選曲は新しくてマイナー気味かもしれない。過去に何度もかかっているような定番曲へのリクエストが驚くほど少なかったせいだ。リクエストをできるだけ参考にするつもりではいるが、本当にこの選曲で盛り上がるのかどうかは正直なところ不安である。
 今回リクエストを受け付けてみて、ver.Cとの差が予想以上にくっきりと現れたことに驚いている。今もライブに通っているような人が非常に多い。現役のバンギャルにも爆寸が浸透しているならそれは大変いい傾向。今後、昔の仲間が同窓会的に集まるver.Cとは、客層がはっきりと分かれることになるかもしれない。そうなったら、「大阪と東京で年に2回ずつ」の今のペースでは少なすぎるということになる気がしてきた。

8月30日(日)

 泉大津フェニックスで開催されたRUSH BALLを見てきた。8月を締めくくる関西のロックフェスである。僕が以前から応援しているfadeも出演したのだが、僕は残念ながらそのライブの時間には間に合わず。このイベントではステージが大小二つあり、観客は好みに応じて行き来するのだが、僕が着いた頃はあろうことかメインステージの前がスカスカの入りだった。シートを広げてピクニックのように見るエリアがやけに広く感じられる。しかし時間が経つにつれて徐々に人が前へ移動してきて、日が暮れる頃にはいつものRUSH BALLと同じような賑わいを取り戻した。このフェスにも、出演アーティストが誰であろうと集まってくる常連客が多くいるようだ。
 泉大津フェニックスで開催されるフェスの場合、802の誰かが最初にシートを広げて陣地を作り、後からやってきたいろんな番組のスタッフやDJがそこに合流して、荷物を置いたり休んだりするのが例年のパターン。今年もそんなふうに誰かと合流しようと知り合いを探したが、なかなか見つからなかった。仕方なく、ドコモのキャンペーンブースで試供品のビニールシートをもらってそれを敷き、まったり座っていたら、それから次々に802のクルーが合流してきた。毎年こういうフェスに来てるけど、僕がシートを広げる最初の一人になったのは初めてのことで、いわば割り箸の芯の役割を担ったことが妙に誇らしかった。「この場所にしようって決めたのは僕なんだよ!」とみんなに自慢したかったくらい。
 それにしても今年の夏は短かった。暗くなったら急に肌寒くなった。昼間はじりじりと真夏の太陽が照っていたのに。タンクトップしか持ってきていなかった僕は、両手で肩を抱えるようにして震えながら帰宅したのであった。

8月29日(土)

 髪を切った。全体的に伸び過ぎていて、いろんな人から「早く切るべき」と急かされていたので。いつものように耳の上を刈り上げてもらうのだが、今回は「あと1cmぐらい、いっちゃってください」と催促。刈り上げ部分はいよいよモヒカンのような面積になってきた。実際、髪を上げればモヒカンに見える。その姿を写真に撮ってもらって、番組のホームページにアップしたら、結構な反響があった。いっそもっと露骨なモヒカンにしてもよかったか。半端なツーブロックは、スキンヘッドの人がかつらをかぶっているみたいに見えてしまう。

8月28日(金)

 番組前に、NACK5で流れるライブスポットの収録。そのスポットCMというのが、陰陽座のツアーのものだった。ツアータイトルは「三国伝来玉面金剛九尾の狐」。日本語である。漢字の読みがなは書かれているが、ここまで漢字が続いてしまうと、イントネーションと区切る場所、アクセントの置き場所がわからない。関係者に電話してもなかなか要領を得ないので、近くにいるという瞬火氏にかわってもらって、口頭で説明を受けた。こういうのは、考えついた本人の口から聞くのが一番。ツアータイトルやライブのタイトルをCMでアナウンスする場合、実は英語の方がずっと楽なのだ。
 陰陽座のスポットはいつもかなりの難敵。曲名や歌詞にしてもそうだが、どうやったらこんなに難しい日本語を思いつくのか、あるいは生み出せるのかを今度尋ねてみよう。玉面とは美しい顔のこと。

8月27日(木)

 神戸WYNTERLANDで、Dのライブを拝見。春のツアーのうち京都と神戸の2公演が延期となっていたものである。
 イベントでは何度か見たことのあるDだが、ワンマンライブは初めてだった。ハードロックをベースに、ゴシックの世界観を作り上げ、衣装もメイクも凝りに凝っている。旗や鞭といった小道具を使ったり、曲によっては振りつけがあったりするところも、まさに王道のヴィジュアル系を継承するバンドといえる。
 観客の雰囲気が暖かいライブだなと感じた。自分だけが楽しみたいというガツガツした空気がない。一番後ろの方にいる人達まで、優しいまなざしでメンバーを見ているのが印象的だった。
 ちなみに、WYNTERLANDというライブハウスにも初めて足を踏み入れた。やけに下手側だけ客席が広くなっていて、そこにバーカウンターがあるのが少々アンバランスだが、新しいぶんきれいだし音もいい。見やすくていいライブハウスだと思った。

8月26日(水)

 のんびり連載原稿を書いていたら、見に行く予定だった試写会の時間に間に合わなくなってしまった。結局、一歩も家を出ない一日に。
 今さらながら、映画「アヒルと鴨のコインロッカー」を見た。ケーブルテレビで。原作は何年か前に大ヒットした伊坂幸太郎の出世作。小説を読んだ印象では、映画化は不可能だと思った。文字だけで描くことで読者をミスリードするタイプの小説だったからだ。つまり、読者がそうだと思い込まされていた事実が、全くの誤解であったことが後半でわかる。映像があったら誤解も生まれないから、そのミスリードは成立しないことになる。そんな小説でも映画化するなんて、商業主義もたいがいにしろと思っていたが、映画を見た人の評価はすこぶる高いようだった。だからいずれ見てみようと思っていたのだ。
 なるほど、この映画はなかなかよくできている。原作では、現在と2年前の物語を交互に進めていく形だったが、映画は現在の視点で描きつつ、過去の話は回想シーンとして織り交ぜている。
 本屋を襲って、広辞苑を奪おうと言い出した河崎の突飛な誘い。その本当の目的は最後の最後で明らかになる。ブータンからやってきた留学生と、彼と恋に落ちるペットショップ店員の女、そしてお調子者の女ったらし。そんな3人の若者の、切ない純愛と友情の物語。謎解きの要素と、ピュアな青春映画の爽やかさを併せ持つ、いい映画だった。

8月25日(火)

 人に頼まれて、講演をした。講義ではなく、講演。
 特徴的なのはその講演を聴いてくれる相手の人々だ。何と全員が、学校の先生だったのである。吹田市にある小中学校の先生方が数十人。そんな人達を前に、ラジオというメディアのことや、DJを生業としているうえで日々思うこと、経験したことなどを、1時間ほど喋った。非常に緊張する仕事で、尋常でない量の脇汗をかいた。
 学校教育の場とは違った視点から、仕事にかける思いを語ってもらうことで、教師達が刺激を受け、自分の仕事に対するやりがいを新たに見つけるヒントが得られるかもしれない。そんなような趣旨で、定期的に行われている講演だそうで、あらゆる職種の人が壇上に上がってきた模様。そしてこのたび、ラジオDJである僕に白羽の矢が立ったというわけ。
 もちろん、僕より年上の先生もたくさんいる。そんな世代の人々にも、退屈させないような話題、ふむふむなるほどと感心してもらえるような話題は何だろう。だいぶ前からそれを考えて、レジメ(というより台本のようなもの)も作ってあった。その甲斐あって、皆さん最後まで熱心に聞いてくださったようだ。学生時代から802を聞いてくれていたという若い先生も多く、終わった後にサインを求められたりもした。
 オーディエンスに恵まれると、講演というのもけっこう楽しいものだなと思った。自分の話に関心を持ってもらえるのはやっぱり嬉しい。

8月24日(月)

 自分の番組の時間に放送されているため、ラジオでは一切話していないが、「ブザービート」にはまっている。毎週録画して、帰宅したらすぐに見ている。
 主人公の男女が、お互いに惹かれ合っているのに、あらゆる要素が邪魔をしてなかなか恋愛関係に踏み込めない。夢と恋愛を秤にかけて、悩んでばかりいる男。モタモタしているうちに、少し強引だが条件としては理想的な男性の出現に揺れる乙女心。脇役同士の間にも芽生える恋。これぞ月9。マニュアル通り。こんなに月9らしいドラマは久しぶりに見た。一進一退の二人を見ていると、ヤキモキ、イライラして、「さっさとくっつけバカヤロー!」と叫びながら、翌週も予約してしまう。何と懐かしい感覚。
 Seanaが「北川景子の好感度を上げるために作られたドラマのようだ」と表現していたが、強ち間違った分析でもない。このドラマを見ている男性の9割以上は「この子かわいいな…」と思うはず。そして山下智久のバスケがけっこう上手いのと、異様な肉体美に、一目置かざるを得ない。ストーリー的には、非現実的な要素、すなわち「突っ込みどころ」はそれこそ山ほどあるのだけど、「ま、月9なんだから」で許しちゃう。
 漫画や小説のドラマ化もいいけど、一番面白いのはやっぱりオリジナル脚本のドラマだと思う。

8月23日(日)

 東京の大塚Deepaで開催された「ジャイアンナイト feat.V」に出演。先日の大阪に続いて、今度は東京でも客演DJとして招かれた次第である。REDNIQSが3時に終わって、数時間睡眠を貪っただけで移動したので、移動中はひたすら眠かった。
 今回の僕の持ち時間は70分。いつもの爆寸のようにスケッチブックも用意した。事前のリクエストは非常に少なくて、どこまで選曲の参考にしていいものか迷った。最近の爆寸で定番になっているような曲は、大谷さんや岩瀬くんの時間に任せて、リクエストのあった曲と、自分の好きな曲で固める内容にした。現役バンドを含め、比較的最近の曲を前半に固め、後半は爆寸で昔からおなじみの暴れ曲を連発。本人としては、短時間でヴィジュアル系の長い歴史を網羅した完璧なセトリを組んだつもりでいる。ステージにコスプレがいなくなると急に会場全体が暗くなってしまうため、お客さんがどこまで盛り上がっているのか僕からはよく見えなかったのだけど。
 ちなみに、この日の選曲で僕が一番手間をかけていたのは、最後にかけたJanne Da Arcの「Hunting」。インディーズ時代からライブで終盤に披露される定番の暴れ曲だったが、CDでリリースされている音源は、一番盛り上がる最後の部分でフェードアウトしてしまう。爆寸でかけると、みんながヘドバンをしている最中に音が小さくなっていくという情けない状況になってしまうため、今までほとんど選曲したことがなかった。今回のジャイアンナイトは、DJ岩瀬くんが前半でジャンヌの曲をまとめてかけることになっていたため、彼の選びそうにないこの曲はどうしてもかけたかった。そこで、ライブDVDの音とくっつけるという裏技に出たのだ。途中からライブ音源に繋ぐ。音質が急に変わってオーディエンスが驚く可能性もあるので、切り替わる部分ではMCを入れた。かつてhide限の時にかけたXの「オルガスム」でも同じようなことをしたことがある。かっこよさと完成度ならCD音源。臨場感ならライブ音源。その二つを合体させるのが掟破りのDJ浅井流。
 さて、初めて訪れた大塚Deepaはきれいなライブハウスで、大きさもちょうどいいし立地もすばらしい。大阪のジャイアンナイトの時のように、暇な時間にお客さんとまったり語り合えるようなスペースがフロアになかったのが残念。でも今回も、フロアの後ろから眺めたり、ヴァンパイアが始まったらここぞとばかりにステージに上がったりして、半分は客の一人として楽しませてもらうことができた。
 この日のイベントは2部構成で、後半の吉川晃司ナイトに備える大谷さん達を残して、僕は先に帰らせてもらった。自分一人でDJをする爆寸よりも体力的な消耗が大きい気がするのは、大谷さんの時にステージで暴れすぎたせいに違いない。明日以降の首と背中の痛みを思って、今からおびえている。

8月22日(土)

 今週、大阪で4日間行われているVAMPSのライブ。快晴の3日目を見てきた。
 会場はユニバーサルスタジオジャパンの野外特設ステージ。USJでのライブといえば、何年か前のGLAY EXPOを思い出すが、あの時とはもちろん場所が違う。巨大な駐車場を使ってライブを開催したGLAYに対し、何とVAMPSはパークの中。観客は、一般のUSJ客と同じようにエントランスから入り、パーク内を歩いて特設会場へと向かう。パークの中にこれだけ広いスペースがあったことにも驚いた。ちなみに、今回のVAMPSのライブは全国ツアーの一環であるが、大阪のみチケット代が割高なのは、USJのエントランスフィーが含まれているせいだと思われる。観客はライブ前には自由にアトラクションに乗ることもできたのだ。
 こういうテーマパークは、中へ入った瞬間、別世界に飛び込んだような気分になるものだ。そんな非日常を味わう空間で、さらにライブという非日常に足を踏み入れる。もう自分がどこにいるのかわからなくなってくる。ここは大阪市内なのに。
 特設会場の中に入ると、眼前にそびえる巨大なステージセットに圧倒された。VAMPSのトレードマークである唇と牙が巨大なステージを囲み、その左右にはアメコミ風のイラストに彩られたビジョン。USJの派手なアトラクションと見比べても遜色のないこのゴージャスなセットは、今回の大阪公演だけのために作られた特別なものだとか。
 過去、大阪ではZEPPでしか行われたことのないVAMPSのライブは、基本的にはシンプルにロックを聞かせるだけのスタイルだ。しかし、L'Arc-en-Cielで数々の伝説的なライブを経験しているHYDEには、映像や特効も多用したライブもよく似合う。VAMPSが放つ荒々しい不良のイメージと、USJの空気がこんなにもマッチするとは意外だった。

8月21日(金)

 ネットで、「男性はネイルアートに興味がない」というアンケート記事を読んだ。無作為にとったアンケートで、女性が一生懸命凝ったおしゃれをしているのに、男性はそれをあまり注意深く見ていないことが判明した、というもの。これはもう、全く同感としか言いようがない。キラキラに飾りつけられた爪を自慢げに見せられても、男は羨ましいともセクシーだとも思わないものだと思う。「これ見て!自分でやったの!」なんて言ってくる女が時々いるけど、「へえ。すごいね」としか返せない。
 そもそも、男性だろうと女性だろうと、爪を伸ばすという行為自体に抵抗を感じる。爪なんて長ければ長いほど、何をするにも不便だろうし、見た目が美しいとも思わない。結局、一番魅力的に見えるのは適度に短く切りそろえられた自然な色の爪。
 ネイルに対する僕の考えが、一般的な男性の意見とそう変わらないことがわかって、何だか安心した。ネイルアートにかけるエネルギーやお金を、女性は他のことに回せばいいのに。

8月20日(木)

 知人からのすすめで、Skypeとやらをダウンロードしてみた。昔よく遊んだICQとかヤフメといったコミュニケーションツールの近代版のようだが、普通に「電話がかけられる」というではないか。さっそくIDを作成してログインし、自分の携帯電話にかけてみると、本当に鳴った。おおすごい、と十秒ぐらい驚いて、すぐに切ってしまった。これ、お金払ってませんけど。後からSkypeのホームページを見てたら、「最初の通話は無料」で、それ以降の一般回線への電話はプリペイド式の有料になるのだとか。そりゃそうだわなと納得しつつ、その最初の通話を全く意味のないパソコンと携帯の一人通話に使ってしまったことを少し後悔する貧乏性の僕であった。
 Skype同士は電話も無料だし、他にもいろんな機能があるみたい。何だかとても楽しいツールであることはわかってきたぞ。しかしコンタクトする相手が全然いない。遊んでくれる人募集中。誰かSkype名教えてください。

8月19日(水)

 9月1日は防災の日。その週、全国の民放ラジオ局101社で、「地震への備え」という番組が放送される。昼頃に5分ほど放送される番組で、FM802では僕がナレーションを担当することになった。地震と防災に関する情報を、3分ほどにまとめて伝える番組を、5日分。指示された通りにナレーション原稿を読む仕事は、わりと好きな方だ。
 携帯電話とインターネットで、どんな情報も即座に手に入る時代になった。しかし電気が止まり、携帯電話のバッテリーが切れれば、その情報源は断たれてしまう。大きな地震が起きて世の中がパニックになったとき、被災した人々に正しい情報を伝える手段はラジオが中心になる。そのためにも防災用のラジオを常備しておくことが大事なのだが、ラジオそのものに馴染みのない若い人にはそれがなかなか伝わらないようだ。ラジオ局もそれなりの危機意識をもって、防災の中でのラジオの重要性を訴えている。放送は8月31日から5日間。

8月18日(火)

 深夜に湾岸沿いの一般道を走っていたら、前に5台ほどのバイクの集団が出現。僕の車と、前を走るトラックとの間で走行し始めた。うち2台は二人乗りで、シートの背もたれのところに漢字でチーム名が書かれている。今どきめずらしい、暴走族である。迷惑な夏の風物詩ともいえる。
 ベベベンベベベンと大きなエンジン音を響かせる中、うち1台のバイクにはスピーカーがついていて、かすかに湘南之風の歌も聞こえる。懸命に自らの存在をアピールしているようだ。赤信号でトラックが止まった。すると彼らはそのトラックを追い越し、信号を無視して強行突破…と思いきや、全員がおとなしくトラックの後ろで待っている。周囲に住宅もない湾岸沿いの道で、ほとんど車が走っていない深夜。一般ドライバーでさえ無視したくなるような赤信号だというのに、きちんと停止していたのだ。青に変わると、再び走り始める。トラックを追い越すわけでも、後続の僕に迷惑をかけるわけでもない適度なスピードで。特に蛇行もしない。
 彼らの活動テーマが気になる。故意に騒音をまき散らしているのだからその時点で交通法規には違反しているのに、走行の仕方はごく普通。こんな中途半端な暴走族は初めて見た。

8月17日(月)

 熱戦の続く夏の甲子園。今年は例年に比べて見応えのある接戦が多くて、見始めるとテレビの前から離れられなくなる。そしてこの日、僕が応援していた兵庫県代表の関西学院がついに敗れた。
 甲子園の常連といわれる有名校の数々を県大会で下し、甲子園の切符を勝ち取った関西学院。全国各地から少年野球のエリート選手を集めてチームを構成する強豪校とは異なる。その差は、この日の対戦相手だった中京大中京の選手達との体格差を見ても明らかだった。関学の監督が、相手チームの8番バッターを評して「うちにいたら1年から4番」と絶賛するほどの実力差。
 それでも、愛校心ゆえに集まった4万人の観衆を味方につけて、はつらつとしたプレーで互角に渡り合った。懸命の反撃で9回表に同点に追いついたが、その裏にホームランを打たれてゲームセット。身長170cmに満たないキャッチャーがリリーフエースとして活躍し、旋風を巻き起こした関学。彼のたった一球の失投で敗退するという、何とも残念な結末となってしまったが、最後の最後まで見逃せない、とても感動的な試合だった。

8月16日(日)

 レンタルしてきた「ソウ5」を見た。このシリーズに対する興味がだんだん薄れていく自分を否定できない。1作目は最初の試写で見たのに。
 ストーリーが複雑になりすぎて、前作までのあらすじを忘れてしまっているため、登場人物の人間関係がよくわからない。かといってこれまでの作品をすべて見直す勇気もない。これは前作の時にも感じたこと。今回の「5」では、前作のラストで悪役であることが明らかになった人物が、なぜ「ジグソウの後継者」になってしまったのか、その背景が語られる。しかし結末は全くすっきりとしない。大事な謎が残ったままだから。ジグソウがかつての妻に遺した箱の中身については、次の「6」に持ち越しらしい。
 1作目の段階で、ここまでこのシリーズが長引くことを想定していたとは考えられない。となると、これほどまでに時系列の入り組んだ物語を長く続けて、すべての辻褄を合わせているのは本当にすごい。続編が公開されるたびにファンからの評価を下げているようだが、ここまできたら何としてもシリーズが完全に終結するまで見届けたいと思っている。

8月15日(土)

 昨日のBEAT SHUFFLEに登場したDELUHIや、最近REDNIQSに出演した摩天楼オペラ、ゴールデンボンバー、THE KIDDIEなど、有望なヴィジュアル系のインディーズバンドとたくさん仕事ができて、とても楽しい。どのバンドも本当に個性豊かで、まだ荒削りな部分もあるが、将来が実に楽しみである。ヴィジュアル系の未来はまだまだ明るいと信じられる逸材がたくさんいる。
 さて、この日のREDNIQSではストレイテナーをゲストに迎え、お酒に目がない彼らに「利き酒」に挑戦してもらったのだが、お酒といえば、僕も最近気に入ってよく飲んでいるやつがある。
 日頃から滅多にアルコールを口にせず、晩酌もしない僕なのだが、「これは美味しく酔える!」と一発で惚れてしまったのが、キリンのCOLA SHOCK。ありそうでなかったコーラベースの缶カクテルで、中身はウォッカのコーラ割り。ほとんどコーラの味しかしないから、お酒が苦手な人も楽に飲めると思う。しかも、それでいてアルコール度数は5%と案外強い。先日初めて飲んでみてすっかりはまり、箱で買ってきた。今年の夏の後半はこれでいこう。

8月14日(金)

 埼玉で番組が終わった後、運転して大阪へ。心配されていた地震の影響はなかった。
 高速料金は1000円だが、深夜ということもあってほとんど渋滞もなし。唯一少し混み合っていたのが、静岡の牧之原の辺りだった。先日の地震で、路肩が崩落した現場の付近である。何度もテレビで映像が流れていたが、あれは道路を北側から撮影したものなので、崩落しているのは名古屋から東京へ向かう上りの車線。下りはいち早く補強工事も完了して開通しており、僕も問題なく東名で帰ることができたのだ。しかし、上り側の工事は世を徹して行われている。下り車線を走る車もみんな、反対車線で行われている工事の様子が気になる。最近話題のあの現場を通過するのである。追い越し車線の車が一斉にスピードを落として見物していくものだから、その付近だけ少し渋滞していたというわけだ。
 それ以外は非常にスムーズで、朝の5時には自宅に到着。結局一度も休憩をしなかったので、肉体的にはさすがに疲れた。これだけ走って、支払った高速料金は3000円程度のはず。こんなに安いと、「乗らなきゃ損だ」と誰もが思うのも無理はない。

8月13日(木)

 先週に引き続き、今週も二日間の夏休み。この日は富士サファリパークなるところへ行ってきた。自分の車で回る動物園。子供の頃からテレビのCMでよく見ていた有名なスポットだが、一度も訪れたことはなかった。
 お盆休みでさすがに混雑していたが、待ち時間もなくすぐに中に入ることができた。最初のゾーンにはクマがたくさん。何年か前に、ここで飼育係が死亡する事故が起きているという話だから、間違ってドアが開いてしまったらと思うと少々怖い。続いてライオン、虎、チーターといった肉食獣のゾーン、ゾウやシマウマ、キリンなどの草食獣のゾーンへ。道路はもちろん舗装されているし、各ゾーンは必要に応じてゲートで仕切られているが、本当にジャングルの中を走っているような気分になる。それぞれの動物の数が予想していたよりはるかに多いことに驚いた。ライオンだけで何十頭いるのか。そう高くもない入園料で、これだけ多くの動物を飼育できるのだろうか。
 大抵の動物は暑さでぐったりしており、愛嬌を振りまく気分ではない様子だったが、それでも、シマウマが車の目の前を横切ったりすると子供みたいに大興奮。せっかくだからと写真を撮ったりもするのだけど、常にスタッフが「止まらずに進んでください!」と大声で連呼している。せっかく来たんだからゆっくり見させてくれよ。運転席でカメラを構えている人も多く、徐行とはいえあの脇見運転は危ない。一日に平均で何件の追突事故が発生しているのか、聞いてみたい。
 車を駐車場に止めてからは、動物と記念写真を撮ったり餌をあげたりできるエリアもある。エミューなんか可愛くておとなしくて感激。見た目はダチョウみたいなのに、触ってもハグしても全然怒らないし、掌に載せたエサを器用に食べる。ペットに欲しい。
 というわけで、サファリパークの充実した内容に満足した一日。

8月12日(水)

 先日の日記を読んで驚いたという人がさすがに多いようだ。深夜に自分の家の屋根によじ登り、窓を割って侵入した馬鹿な男を大いに笑っていただきたいところ。指摘された中で多かったのは、「なぜカギの救急車に連絡しなかったのか」というものだった。答えは簡単。そんな便利な業者の存在を知らなかったからだ。カギの救急車に電話すれば済んだものを、わざわざガラスを割ってガラスの救急車に電話する。例えるなら、物損の交通事故を起こしたのに警察の電話番号がわからず、119番ならわかるからと、わざわざ故意に人をはねるようなものだ。聞けば出張費込みで2万円もかからずに、ドアの鍵を開けてくれるのだとか。返す返す悔やまれる出費。
 家の近くにあるカギの救急車を検索して、合鍵を作ってもらった。特殊な形状の鍵なので高くついたが、それでも窓ガラスの値段の20分の1ぐらいのものだ。万一に備えて、この合鍵を隠すことにしよう。絶対に誰にも見つからない場所を考えなければ。とにかく、もう二度と同じ過ちは犯すまい。

8月11日(火)

 担当している番組を休むことができないので、夏休みは、レギュラーの仕事がない曜日に予定を入れないようにして作るほかない。今週も木曜日までは休むつもりで朝に新幹線で移動することになっていた。昨夜来の台風で新幹線が遅れてはいないかと、目が覚めてすぐに携帯で確認していたら、大きな地震があったことを知った。それも静岡県。地震の規模から考えて、東海道新幹線も東名高速道路も深刻な打撃を受けていることは間違いない。電車が動いたとしても、東京へ辿りつくまでに何時間かかるかわからないだろう。結局、この日の移動は断念した。
 考えてみると、ちょうど一週間前の火曜の明け方、僕は東名高速道路で静岡から神奈川の辺りを走っていた。繰り返しテレビで映し出される、路肩の崩落の様子を見ると恐ろしくなる。しばらくの間、東名高速道路は一部で通行止めになるのだろう。今週末、また車で関西に戻る予定でいるが、どういうルートで帰るべきか、考えなければならない。

8月10日(月)

 ちょっとした遊び心で、スタッフみんなで浴衣を着て番組をやってみようよと提案したところ、ノリのいいスタッフ数名が賛成してくれたようで、ROCK KIDS 802の「浴衣ウィーク」が実現した。女性スタッフやアシスタントのSeanaが浴衣姿が何とも華やか。ゲストにやってきたHi-Fi CAMPも「テンションあがりますね〜」と喜んでくれたようだ。
 僕も7年ぶりぐらいで浴衣を着た。「男が浴衣を着ると、どうしても温泉旅館みたいになってしまう」と言ったところ、写真を見たリスナーから「それは帯の結び目が前にあるせいだ」という指摘があった。男性の浴衣も、結び目は後ろや横にするのが正しいのか。そんなことは今まで知らなかったぞ。
 木曜まで続くことになった浴衣ウィークだが、他のDJや男性スタッフはやや迷惑そう。他の人にとっては面倒なことを言い出してしまったようで後悔している。せめて月曜日だけにしておけばよかった。

8月9日(日)

 今年で10周年を迎え、3日間にわたって開催されているサマソニ。最終日は雨に見舞われた。
 一昨年の出演時は見逃したB'zを今年は堪能。主に洋楽ファンが集まるサマソニでは、B'zの人気はさほど高くない。メインステージであるOCEAN STAGEでトリ前の登場だったが、他のステージに客を奪われたのか、真ん中より後ろは意外とまばら。おかげで遠慮なく楽しむことができた。B'zぐらいのアーティストになると、ヒット曲はよりどりみどりなので、どの曲が披露されても大概盛り上がる。この日は「ZERO」や「CALLING」などの古い曲も適度に織り交ぜたセットリストで、世代を問わず誰もが楽しめるさすがの内容。ビジョンに映し出される稲葉浩志は相変わらず色男でうっとりしてしまう。ステージ奥のカメラから映すアングルだと、彼の横顔のバックにオーディエンス、その向こうに海と夕空が見え、そのまま切り取って飾りたいくらい美しい絵だった。
 B'zの後、LINKIN PARKの途中で帰路に。ぬかるんだ乗り場を歩いてようやくシャトルバスに乗った。桜島駅で降ろされたが、何とその駅からは電車に乗らせてくれない。隣のユニバーサルシティ駅まで歩かされる。両駅ではホームの広さや電車の本数が異なるためだとか。現地よりも帰り道ですっかりくたびれてしまった。
 電車を乗り換えるたびに、周囲にいるサマソニ帰りの客は減っていく。地元の駅を降りてバスに乗った頃にはもちろん僕一人になっている。髪も服も濡れて、首から汚いタオルを下げ、足首から下がチョコレート色になっている男がバスに乗ってくる。その姿を見る他の乗客達の訝しげな目つきに耐えられず、僕はさりげなくサマソニのタイムテーブルをポケットから取り出し、そんな必要もないのに今さら読み始める。自分はサマソニというフェスから帰ってきたところなんですと、周囲に言い訳せずにはいられないのだ。舞洲の別天地から、現実に引き戻される瞬間だった。

8月8日(土)

 昨夜の後始末をするため、この日の午後に業者の人が来てくれた。ひとまずの応急処置だけで2時間近くかかっていた。僕は番組前にサマソニを見に行く予定でいたが、時間的に難しいと考えて断念。そのかわりに福島2nd LINEで開催されているZany Zapp SUMMITを見に行った。この日のREDNIQS、ゲストで登場するゴールデンボンバーのライブを見るためである。
 近くで平成淀川花火大会が開催されていることもあって、駐車する場所を探すのにひと苦労だった。ようやく車をとめて会場に入ると、すでにゴールデンボンバーのライブは始まっていた。
 音源はもちろん何度も聞いていたし、ライブの映像も見たことはあったが、生で見るのは初めてだった。予想以上の盛り上がり。ライブといっても楽器を演奏しているメンバーはいなくて、曲はすべてカラオケ状態。ヴォーカル以外のメンバーはあてぶりだが、あらゆるパフォーマンスで観客を盛り上げていた。
 生で演奏をしないバンド、という話を最初に聞いた時、「それはロックとしてどうなん?」という思いは確かにあった。しかしライブを見て、これまでの価値観が覆されるほどの衝撃を受けた。メンバーは全員、観客を楽しませるために全力を尽くしている。見ている者を退屈させないパフォーマンスができるなら、演奏しているかどうかなんて大した問題ではない。表現の方法なんて、何でもありなのだとしみじみ思った。生の演奏ではなくても観客は大いに沸いている。その光景は爆寸に近いも のを感じた。もちろん、彼らのやっていることを不真面目と捉えて拒絶する人もたくさんいるだろう。この手のアクの強いバンドは、アンチがいてこそ本物。
 彼らのステージングには並々ならぬ努力と工夫が見えた。今のペースで成長していけば、ゴールデンボンバーは大物になる気がする。何の成長かよくわからないけど。楽曲もライブも本当に面白いし、よく出来ている。こんなバンドがどんどん人気者になって、大きなホールでライブをするようになったら痛快だ。久しぶりに、そういうバンドと出会えて嬉しい。

8月7日(金)

 深夜、タクシーで芦屋の自宅に着いてから、実家に鍵を忘れていることに気づいた。ここから、僕の長い夜が始まった。
 数日間、空けていた我が家。ドアも窓も、当然すべてきれいに施錠されている。置き鍵はどこにもない。家族は今も都内の実家にいる。さて、どうすればいいのか。ひとまず、愛車のスペアキーを探して、車内で状況を整理する。このまま車で夜を明かしたところで、明日になっても家には入れない。ならばどこかのホテルで一泊するか。しかしこの夜から、爆寸のチケット予約の受付が始まっている。予約のメールはWEBメールに転送されていない。だからどうしても今夜中に家のパソコンを使う必要がある。やはり入るしかない。
 最後の望みは、2階にある自分の部屋の窓だ。裏から低い脚立を持って来て、壁に立てかける。先端につま先立ちになって、ギリギリ屋根の縁に指がかかる。もう一方の手をかける場所はほとんどない。どうにか瓦をつかんで、必死にしがみつく。ここからがなかなかうまくいかず、上半身を屋根に載せるまでに20分を要した。全身を屋根に載せるまでにさらに数分。少しでもバランスを崩すと落ちてしまいそうだった。下に落ちたら骨折する高さだけに、慎重さを要した。夜中の1時。近所の人に目撃されたら通報必至。
 どうにかして自室の窓に辿り着いたが、虚しいことにそこも固く施錠されていた。ベランダへ移動して寝室の窓を見るが、そこももちろんロックされている。ここまできて下へ降りることはもう出来ない。となると、残された道は一つしかない。窓を割ることだ。この状況を想定して、車の発煙筒をポケットに入れてあった。先端の部分が、緊急時脱出用のガラス破壊具になっているものだ。
 自分の持ち家の窓ガラスを自分で割るのは、愛車に自ら傷をつけるようなもので、涙が出るほど心が痛む。おまけに、こんな夜中にガラスの割れる音が近所に響き渡るのだ。これはバンジーを飛ぶよりも勇気のいる仕事で、実際バンジーを飛んだ時よりも長い時間、僕は迷った。目を閉じて深呼吸。ついに、寝室の窓ガラスが高い音を立てて割れた。うちの窓は2枚ガラスになっていて、2回も割る必要があった。もう1枚も、目を閉じて割る。近所で明かりがついたり、パトカーがやってくる気配はない。こうしてついに、僕は自分の家に入ることができたのである。この間、1時間弱。
 気がつくと左腕と右の掌が傷だらけで流血していた。屋根を登った際、壁にこすりつけたものと、瓦などをつかんでいるうちに出来た傷のようだ。洗面所でその傷を洗い、泥だらけになった服を着替えて、次にしたことは、爆寸メールの返信だった。我ながら見上げたプロ意識。
 その作業が一段落して、ようやく割れた窓のことを考える余裕ができた。わからないことは何でもワード検索。ネットで探すと、ガラスの修理を24時間体制で請け負う業者がたくさんあることを知った。その中の一つに電話をすると、夜中の2時だというのに直接人に繋がり、見積もりの計算や修理の段取りをしてくれた。
 我が家の窓が特殊な二枚構造になっていることもあり、ひとまずの応急処置として行う仮の修理と本修理、合計するとかかる費用は6万円也。こんなにかかるとわかっていれば、無理をして窓を割ることもなかったかもしれないが、それは考えないでおこう。
 今週は、バンジー、お墓参り、お台場ガンダムと、夏の思い出盛りだくさんの一週間だったが、最後にとてつもないビッグイベントが待ち構えていた。
 鍵って、大事。

8月6日(木)

 この夏、大きな話題となっている、お台場のガンダムを拝んできた。
 お台場の中心地からはやや離れた場所にあった。10分ほど歩いていたら、木々の間からガンダムの頭部と肩に差したビームサーベルが見えてくる。その瞬間、急に気分が高ぶって、別段急ぐ必要もないのに少し早足になった。フジロックで、目指すステージの音が聞こえてきて、急に走り出したくなる感覚に似ている。
 高さ18メートルにそびえる、実物大のガンダム。噂には聞いていたが、下から見上げると、やはり迫力がすごい。近くから見ても安っぽさがなく、リアルな重厚感。目が光り、首が動き、胸からミストが噴射される。時々場内に流れるナレーションが、GACKTであることも何だか嬉しかった。
 見ている人から料金を徴収せず、無料で公開しているところが一番すごい。平日の昼間だというのにものすごい人だかりで、誰もが記念写真を撮っていた。ここまできたらお土産も買わなくちゃと思い、グッズ売り場に向かったものの、長蛇の列を見て断念。考えることは誰も同じか。
 そして、せっかく立てたのだから、期間限定と言わずに常設すればいいのに、と思わずにいられないのもファンなら同じだろう。しかし維持管理には費用がかかる。来月には取り壊されてしまうのだと思うと、何とも虚しい。これだけ好評なのだから、来年はシャアザクでも作ってくれればいいのに。

8月5日(水)

 せっかく車で移動したので、何年かぶりで祖父母の墓参りに出かけた。父方のお墓は神奈川県の大磯に、母方は静岡県の富士山麓にある。特に渋滞もなく、気持ちのいいドライブだった。
 墓参りのついでに、叔父の家に挨拶に行った。一緒に住んでいる従兄弟のお嫁さんと子供達も迎えてくれた。さらに、僕の訪問を聞きつけて、近所に住む他の従兄弟の奥さんや子供達も続々やってくる。事前に連絡をしていたわけでもないのに、「せっかくの機会だから」と、近くの親戚が用事を後回しにして顔を見せてくれる。大磯にはたくさんの親戚が住んでいるのだ。
 僕の家は両親ともに兄弟が多く、両家合わせると従兄弟の数だけで数十人。これは普通の人よりずいぶん多いのだと、大人になってから知った。しかもその親戚同士がとても仲良しで、突然の来訪もこんなふうに歓迎してくれる。自分には、ここにも帰れる場所があるのだと実感できる一日だった。

8月4日(火)

 今日から夏の里帰り。深夜に車を運転して川崎市の実家に移動した。
 実家のすぐ近くに、よみうりランドという遊園地がある。ジェットコースターの種類が豊富で、いつ行っても空いているので、絶叫マシンに目がない僕は数年に一度訪れている。この日も午後から遊びに行ってみた。
 天気が悪かったので併設のプールには目もくれず、バンデットやホワイトキャニオンといったジェットコースターに乗りまくる。やはり、どれも慣れてくると物足りなさを感じてしまう。迷いに迷った挙げ句、長年敬遠してきた最後の砦に向かった。バンジージャンプである。
 人間は誰しも、高さに対する恐怖心を多かれ少なかれ持っているものだと思う。その恐怖心が大きい人は、急な階段の上に立っただけで座り込んでしまうだろうし、逆に小さい人は、高い所からの飛び込みだってへっちゃらな顔をしてしまう。その恐怖心の平均値があるとするなら、僕はその少し上ぐらいだろうと自覚している。高い場所で足がすくむ感覚はあるが、そのムズムズも嫌いではない、という程度。
 そんな僕が決意した、地上22メートルからのダイブ。その隣にある垂直落下型のアトラクションの塔と比べると、高さとしてはずいぶん低い。しかし階段を上って上に立ってみると、地上から見上げていた感覚とずいぶん違うことに驚かされる。上で待っていたスタッフの女性から、ジャンプの手順を説明される。両手を頭の後ろに組み、ジャンプしたり体をひねったりせずに、そのまま前へ倒れ込むように落ちるのが正しいらしい。「飛ぶ決心がついたらカウントダウンを始めますので教えてください」と言われた。
 普通のアトラクションのように、機械の力で強制的に落とされるのではなく、自分の意思で飛び降りなければならない。その状況になってみると、意外にその勇気がわいてこないものであると気づいた。後ろで待っている人がいなかったこともあって、たっぷり5分近くも迷った。正直なところ、リタイヤして階段で降りることも考えた。後はプライドの問題。隣で待っているアルバイトの女の子が退屈そうなので、「他の人は、どれくらいかかるの?」とか「この仕事、始めてどれくらい?」とか、どうでもいい会話をして間を持たせた。とにかく、そうしてでも自分が飛ぶのを先延ばしにしたいと考えてしまうのだ。
 しかし、こうして迷っていればその時間だけ、恐怖心も増大する気がする。そう考えて、いよいよ意を決した僕は、隣で待つ女性にカウントダウンを頼んだ。「3、2、1、バンジー!」の声がマイクを通して辺りに響く。ここで飛ばなかったらさすがに格好が悪すぎる。そうしてついに、半泣きになりながら無事に飛び降りることが出来たのである。長かった…。
 絶対に安全だとわかっていても、たかが22メートルの高さを飛び降りるのがこんなに怖いとは。どこかの国で、高層ビルのてっぺんからのバンジーがあるけど、あんなのは正気の沙汰と思えない。いやはや貴重な体験だった。

8月3日(月)

 今週の土曜日から、チケット先行予約の受付を開始する、9月6日の大阪爆寸。今回はVer.Mなので、現役バンドの曲も多くかかることになる。最近はVer.Mでのお約束曲もどんどん増えているが、その中の一つにDの「Night-ship "D"」がある。ライブでは、ヴォーカルのASAGIと観客が手旗信号のように旗を振るのでおなじみの曲。赤と黒の手旗はライブ会場で販売されており、最近の爆寸ではこれを持ってくる人がとても多い。以前から、爆寸のお客さんの中で「Dのライブに行ったことはないけど、あの旗は欲しい!」という声が出ていた。先日、AXのイベントでDのメンバーと会った時にその話をしたところ、何と爆寸のお客さんにもあの旗を販売させてもらえることになった。定価で。
 とはいえ、爆寸に物販スタッフはいないし、売れ残るリスクも負えない。そこで、チケット予約を受け付ける際に、旗の購入を希望する人も併せて募集し、チケット料金と一緒に振り込んでもらうことにした。売れた本数を僕がまとめて買い取り、届いた旗は爆寸当日に入り口で手渡し。これなら売れ残りの心配もない。
 そんなわけで、あの旗振りを一度してみたかったという方は、先行予約時に購入をおすすめする。2本組で1000円。爆寸史上初の物販オフィシャル転売。ここまでしておいて「Night-ship "D"」が当日かからないということはないのでご安心を。

8月2日(日)

 桐野夏生の代表作「柔らかな頬」を読了。予想以上に長く感じる小説だった。話の内容があまりに重いせいもある。
 主人公は、妻帯者の男性と不倫関係にある女。双方の家族が一緒に過ごす北海道の別荘地で、女の長女が行方不明となる。その事件を機に、男女関係は引き裂かれ、家族は崩壊していく。いまだ発見されない娘を何年も探し続ける女と、その女と行動を共にすることになる末期がんの元刑事。一つの幼女失踪事件が、多くの人にもたらす運命を描く。
 10年前に大ヒットした小説だが、これまでこの本を読まなかったのは、「最終的に犯人が明らかにされない」という結末を知っていたからだ。謎がすべて解けて、はいスッキリ、というわけにはいかない。それで二の足を踏んでいたのだが、読み終えてみれば真相がどうであるかはさほど重要でないことに気づく。この作品のテーマは犯人を暴くことではなく、不貞の代償として我が子を奪われた女の生き方にある。
 事件の真相の例をいくつも提示して、どれが現実に起きても不思議はなかったのだと読者に思わせる手法は斬新で面白い。そして、誰が犯人であったとしても、主人公のその後の人生にさほど大きな違いがなさそうなところも。

8月1日(土)

 番組前、大阪城ホールでシドのライブを見て来た。
 昨年秋に満を持してメジャーデビューを果たし、シングルヒットを連発して大物バンドの仲間入りを果たしたシド。ポップ路線とヘヴィー路線の二極分化が進むヴィジュアル系の中、前者を切り開いているバンドである。ついに大阪城ホールを一杯にする存在になった。
 メジャー第1弾アルバム「hikari」の収録曲を中心に、過去の代表曲を織り交ぜるセットリスト。こういうスケールの大きなライブが似合うバンドに成長したことを痛感する内容で、ミスの少ない演奏もさすがの一言だった。客席には、インディーズ時代から彼らを応援してきたヴィジュアル系ファンと、メジャーになってからファンになった人が半々ぐらいという印象で、デス声でメンバーの名前を連呼するバンギャルお得意のシャウトが聞こえると、それを聞き慣れていない人々のどよめきが起こっていた。激しい曲でヘドバンをする人も半分弱といったところ。今はそういう様子が時にちぐはぐに見えるけれど、あと何年か経つ間に、シドのファン特有のノリが定着し、客席にも一体感が生まれるはずだ。GLAYやL'Arc-en-Cielがそうだったように。そういう意味で、今のシドは過渡期にいる。
 それにしてもこの日のライブ、大阪で長年応援していたファンにとっては感慨深いものだったろう。この日のREDNIQSに電話で登場してくれたリスナーは、シドが難波ロケッツで初めてワンマンライブをした時からずっと追いかけていたそうだ。1回目のアンコールで披露された、ファーストアルバムからの曲「青」が大阪のライブで聞けたのは、おそらくそのロケッツのライブ以来だったとか。そんな曲をセットリストに組み込むのも、有名になる前からずっと見守ってくれていたファンに対する、彼らなりの感謝の表れに違いない。