
11月30日(月)
ラーメン屋に入って、食券の販売機でおつりを取ろうとしたら、100円玉が1枚、手から滑り落ちた。床に敷かれたマットの上に落ちたその100円玉は、そのまま吸い込まれるように販売機の下へ。床と販売機の隙間は2cmくらいしかなく、手を入れて探すことも、覗き込むことすらできない。「100円が!俺の100円がぁっ!」と大騒ぎするのも恥ずかしく、証拠もないのにお店の人に「返してくれ!」と言うのもちょっと気が引けて、しかもそのとき横にはアシスタントのSeanaがいたりしたものだから、「あ、いいよいいよ。100円ぐらい」と、全く意に介さない態度でそのまま席に着いた。だがしかし。内心では、もうこの世の終わりだっていうくらいの落ち込みようだった。
僕はこのように、金銭的な損失を被った時の精神的なショックが普通の人の5倍ぐらい大きいらしい。そしてそれは金額の問題ではない。僕が賭け事をしないのも結局そういうショックを味わいたくないからだ。先日も、ある場所に行く予定でクーポン券をプリントアウトしてあったのに、それを玄関に置き忘れてきたことに現地で気付いた。あまりにショックで、心から楽しめなかったほど。その程度の金額、よく考えれば痛くもかゆくもないはずなのに。
この性格は、たぶん一生治らないのだろうな。11月29日(日)
先日、犬神サーカス団の皆さんと一緒に食事をした。もう何年も前から「一緒に飲もう」という話をしていて、なかなか実現しなかった約束がようやく果たされたのである。局でREDNIQS用のゲスト収録をして、そのままお好み焼き屋さんに流れた。
料理が皿に盛られて出てくると、お腹が空いていればつい条件反射で箸をつけてしまいそうになる僕だけど、すぐさま写真を撮る犬神ジン氏の女の子のようなマメさには驚かされた。あの写真は無事ブログに載ったのだろうか。
お酒は大して飲まなかったけど、そのわりに会話の内容はけっこうえげつないものがあった。このバンドの皆さんは本当に古い付き合いで、他人とは思えない親近感もあり、何だかもう恥も外聞もないような暴露話が数えきれないくらい飛び出した。親しい友達をつくるには、まず恥部をさらけ出し合うことが大切だと思う。問題なのはその席に女性もいたということ。凶子嬢の心の中で、浅井さんのイメージが崩れていく、その音が僕の耳にまで聞こえてくるようだった。
何にせよ。楽しい夜だった。11月28日(土)
再来週から公開となる、アニメ映画「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」の試写を見た。
劇場公開版は10作目で、今回初めて原作者がストーリーを書き下ろしたという話題作。しかも映画館では先着で単行本の「0巻」を無料配布することになっている。日本中のワンピースファンが心待ちにしているようだ。
原作はほとんど読んだことのない僕だが、さすがにこれだけの人気漫画となれば、主要なキャラクターやだいたいの話の流れは知っている。今作では、伝説的な海賊、金獅子のシキが脱獄し、ルフィー一味と戦うことになる。その冒険を描く映画だ。ルフィーをはじめとする海賊団の友情は今作でも厚い。というより熱い。子どもから大人まで、幅広く楽しめる痛快娯楽作になっている。原作を知らない人も、この映画なら充分に楽しめるだろう。実際、一緒に見たDJの大抜くんは「ワンピース、初めて見ましたけどけっこう面白いんですね」と感心していた。
これを機に原作もちゃんと読んでみたいと思ったのだが、単行本はすでに60冊近い。1から読むのはけっこうな根性がいる。11月27日(金)
久しぶりに、一冊の本を読むのにひどく時間がかかった。ようやく読み終えたその本は、宮部みゆきの「理由」。厚さ自体はそれほど大したこともないのだが、1週間近くかかった。
嵐の夜、東京の高級な超高層マンションで起きた、凄惨な殺人事件。中年の男女と、老女が室内で、そして若い男がベランダから転落して死体で発見された。逃げて行った人物の映像がエレベーターのカメラに残っていた。この事件が、何もかも謎だらけなのである。殺された人物の身元が、全くわからない。もちろん犯人も。
事件がすべて解決した後、事件の第一発見者や目撃者、近隣の住人、浮かび上がる容疑者や参考人の家族など、ありとあらゆる関係者に、インタビューした記者によるドキュメンタリーとして、話は進んでいく。その関係者の数は100人近い。一見、事件とは関係のなさそうな登場人物であっても、その人物像を細かく解説していく。
殺された人々は、なぜその部屋にいたのか。殺した人は、なぜその犯罪を犯したのか。指名手配された容疑者は、なぜ無実なのに逃げなければならなかったのか。すべてに、語るには長くて重い「理由」があったのだ。
この本のテーマとするところはいろいろあると思うが、「火車」と同じように「借金」というのが一つの鍵を握る。分不相応な高級住宅を手に入れようとして借金を返せなくなり、その住まいを競売にかけられる。安く値が下がったその住まいを買おうとする、同じく分不相応な人。そんな人々の間に入って、一儲けしようと企む人。現代社会が抱えている問題の一つを知り、大いに勉強になった。
読み始めると長い本ではあるけど、無駄な部分は一切ない。宮部みゆきでなければ思いつかない題材だと思うし、ドキュメンタリー的な手法も独特で面白かった。さすがは直木賞受賞作。11月26日(木)
ROCK KIDS 802のイベント「HIGH SCHOOL HIGH !!」がZEPP OSAKAで開催された。出演したのは、Aqua Timez、FUNKY MONKEY BABYS、近藤夏子の3組。オープニングアクトとして、この秋メジャーデビューしたばかりのヒップホップグループ、SongRidersも登場した。
番組のリスナー層に合わせ、このイベントも高校生にターゲットを絞った内容となった。お腹をすかせてきた人達のために、ドリンクの他にパンを一つずつ配ったり。オープニングは学校帰りの高校生達がステージを歩くような演出で始まったり。そんな我々の意図した通り、客席には本当に、学校帰りに駆けつけてくれた、制服姿の高校生が本当に嬉しかった。各DJは、2階のキャットウォークのところでMCを担当。こちらも、登場した瞬間に大いに盛り上がってくれて、久しぶりに「いつもラジオを聞いてくれてる人がたくさん来ている!」と実感できるMCだった。最近は本当、自己紹介をしても「あんた誰」みたいな反応が当たり前だったから、なおさら嬉しい。
各アーティストとも、予想通りに会場を沸かせてくれたが、僕が個人的に驚いたのがSongRidersだった。彼らが出演することは一切事前に予告していなかった。イベントが始まると同時に、いきなり3人がステージに登場して、バスケットボールをくるくると回し始めたのだ。その巧みなボールさばきにどよめく会場。そしてそのままライブに突入し、1曲歌い終えると今度は3オン3の試合まで始まる。大歓声の中、ダンクを決めると暗転し、再び1曲。3CM+1DJのヒップホップグループである彼らは、かつてバスケの一流選手として活躍した経歴を持っている。高校時代には大阪府の代表として全国大会に出場し、ベスト4に勝ち進んだ。さらに特筆すべきは、当時からアイドル並みの人気を誇っていたという見てくれの良さ。もちろん、アメリカのヒップホップからの影響を強く感じさせる歌やラップの実力も見事なものだ。イベントのオープニングを派手に盛り上げてくれる存在としては、まさにうってつけだった。
普通のイベントライブとは異なる要素をふんだんに盛り込んだので、不安も多かったけれど、終わってみれば大成功。ROCK KIDS 802という番組の個性がよく出ている内容になり、スタッフも大満足の様子だった。
ところでこの日、Aqua Timezの楽屋にお邪魔して、ゴールデンボンバーのCDをプレゼントしてきた。「万の夜をこえて」もその場で聞いてくれて、とても喜んでいた様子。金爆のメンバーはクレームを恐れてビクビクしているそうだけど。11月25日(水)
先週末、大阪のセカンドラインで、「ジャイアンナイト feat.V」があった。大阪でオールナイトの「feat.V」が開催されたのは初めてのこと。僕も駆けつけたかったのだけど、あいにくその夜は東京に泊まっていた。この日の「feat.V」を終えて、主催者であるダイノジ大谷氏が25日付けのブログにイベントへの思いを語っていた。あいかわらずこの人は熱い。傍から見ていれば、ほとんど手当り次第にいろんなジャンルに手を出して、DJとしてクラブイベントを乱発しているようにも見える大谷氏だけれど、一つ一つのイベントについて真剣に考えて、自分なりのジレンマも抱えながら、何とか結論を出してステージに立っている。彼の考え方には、どんな音楽通だって論破してみせるという説得力がある。だからこの人が回すと盛り上がるのだ。
爆寸は、他にヴィジュアル系のイベントがないみたいだから、僕が始めた。正直なところ僕は、自分がやってきたこのイベントに、大した理想像を持っていない。来てくれるお客さんが求めることをやりながら、みんなで楽しいと思えるものに育てているうちに、今の形になった。それはもう、ものすごく閉鎖的なイベントであろう。いまだにヴィジュアル系に対して偏見を持つ人にとっては吐き気のするような空間に違いない。そのかわり、ヴィジュアル系が好きな人にとっては夢の国。そういう極端なイベントに、気がついたらなっていた。
多分、爆寸とは別に、V系をフィーチャーしたクラブイベントを開催しようとする人にとっては、僕のイベントは目の上のたんこぶにもなってしまうのだろう。別の方向性で理想の形を目指すのは簡単ではないと思う。でも大谷氏ぐらいの熱さと賢さがあれば、爆寸よりももっとオープンに、V系のファン層を広げるようなイベントも可能なはず。
僕はラジオのDJから。彼は芸人から。異なる立場からクラブDJという分野に挑戦する「同志」として、彼の果敢な挑戦にはこれからも期待しているし、見習わないとなと思うこともたくさんあるのだ。11月24日(火)
最近、ひそかにGyaO!にハマっている。
動画を見るサイトといえばYouTubeかニコ動、というのが常識になってきているが、あくまで投稿サイトであるから、ものによって画質が悪かったり、著作権を侵害しているものが多かったりする。自分で撮影した映像を編集したようなおもしろ動画なら楽しく見ることができるのだが、例えばお笑い芸人のネタだとか、スポーツ中継の一部だとか、そういうものを見ていると、それを撮影した制作スタッフの気持ちを思って何だか居心地が悪くなる。ネットで何万人もの人が見ているのに、出演している人や制作した人にはお金が入らない。テレビ局の削除依頼も到底追いつくはずがない。「どうせYouTubeで見られるからいいや」という考えが視聴率の低下を招き、スポンサー収入の減少に繋がり、番組の質を低下させるというスパイラル。それがわかっていても、多くの人は見てしまうのだろうけど。
そこへいくと、GyaO!は正式な放送局であるから、見ていて良心に咎めるものがなにもない。画面はそう大きくはないが、画質には大満足である。内容もけっこう充実していて、最近はいろんな映画を見ている。以前レンタル屋で毎週のように借りていたVシネマ「雀鬼」シリーズがまとめて見られるのは実にありがたい。11月23日(月)
またまた世間は連休らしい。勤労感謝の日。国民の祝日の中で、一番意味がよくわからない休日だと思う。誰が誰に何を感謝するんだ。今日も休んでいない勤労者がどれだけたくさんいると思っているのか。ハッピーマンデーというシステムは、土曜の夜中と月曜の夜に絶対に休めない仕事を抱えている僕などにとっては、何のありがたみもなく、むしろ迷惑千万でしかない。
ところでこの日から、来年1月に開催する、爆発寸前NIGHTのチケット予約の受付が始まった。3連休の真ん中で、しかも大阪では人気の高いver.C。申しぶんのない条件だと思っていたが、売れ行きは予想外に鈍い…。昨年からCとMに分けるようになったことで、さすがに双方とも動員が減ってしまったということか。11月22日(日)
冷たい雨の降る一日。BIG CATに中島卓偉のライブを見に行った。
今回は「ULTRA SLACKER」をリリースしてのツアー。アルバムのレコーディングメンバーがそのままULTRA SLACKERというバンドとしてステージに立っている。プロデューサーを務めたイマサと卓偉のコンビネーションは、長年一緒にバンドを組んできたかのように息が合っていて見応えがあった。そして相変わらず、歌がうまい。
この日のライブはすべて「ULTRA SLACKER」アルバム2枚の収録曲で構成。驚いたことにアンコールがなかった。観客は10分ぐらい粘ってアンコールを叫び続けたが、退場を促すスタッフに根負けした様子。こうした内容に関しては当然、ファンからは反発の声も多いと思われる。
これまで10年以上もの間、自分のペースで音楽をやってきた卓偉だが、音源作りやライブがルーティンワークになったことは一度もない。ある程度の批判を浴びることも覚悟した上で、これまでとは違うことに挑戦して、刺激を得る。そこで吸収したものを今後に生かす。そのやり方が、これまでの彼なりの成長を支えているんだろうなぁと思うライブだった。11月21日(土)
渋谷のオシャレなバーで行われた、KraとKagrra,のトークイベント。ダブルヘッダーで司会をやらせてもらった。いずれのバンドとも古い付き合いなので、終始楽しくトークは出来たのだが、Kraと比べるとKagrra,のファンの人達が非常におとなしいことに驚いた。ステージ上は同じように和やかな雰囲気で会話していても、客席の反応はこうも違ってくるものかと。
ところで、イベントが始まる前、それぞれのバンドのメンバーとゆっくり雑談をした。その中で、「PSCのバンドには麻雀をたしなむメンバーがけっこういる」ということが判明。昔のRoxiteではいろんなバンドとの対局結果を隠しページに載せ(各所属事務所には全然無断で)、一部ファンから熱烈な支持を集めたものだが、ここ数年はバンドマンとの対局もすっかりご無沙汰。しかし今どきのバンドにも麻雀打ちは意外にいるようだ。久々に「浅井リーグ」を開催してみようかしら。11月19日(木)
乙一のデビュー作「夏と花火と私の死体」を読んでみた。彼がまだ高校生の頃に書いた小説だそうだ。
近所のお友達の女の子を殺してしまい、その死体の隠し場所を求めて右往左往する小学生の兄妹の話。大人に見つかりそうになってドキドキしながら、より安全な逃げ道を探していく。無垢な子どもだからこその残酷さをうまく題材にしている。何といってもこの小説、特徴的なのは、死んでしまった女の子の視点から語られるということ。死体に意思があって、自分を取り巻く人々の様子を淡々と語るのだ。主観的な感情、たとえば自分を殺した二人への恨みつらみはほとんど漏らさない。その淡々とした、少し幼い文体が斬新。最後には読者を驚かせる衝撃的なオチも用意されていて、確かに、作者の非凡な才能を感じさせるには十分な作品。これを読んで、この作家にハマる人はさぞ多いのだろうな。何といっても独特の不気味さがある。11月18日(水)
昨日と打って変わって、しっとりしたアコースティックライブを見て来た。大阪城ホールで行われた絢香の「MTV unplugged」である。実はこのライブに関しては、来月発売となるビッグイシュー日本版(絢香の表紙巻頭インタビューが掲載されるらしい)で、僕がライブレポートを執筆することになっているので、興味のある方はぜひ読まれたし。素晴らしいライブだったので。
ライブが終わった後、出口に向かう観客の流れに逆行する必要があったため、僕はロビーのイスに座って客が減るの待っていた。僕と並んで座っている男性が3人ぐらいいたのだが、全員がパソコンを広げて、ものすごい勢いで文字を打ち込んでいた。パスを下げていたところを見ると、新聞記者の人達らしい。会場を出るよりも早く記事を書き、ネットで編集部に送るのだろう。WEBニュースで配信のスピードが要求される今の時代、記者の人々も大変である。そうやってパソコンに向かう彼らの姿を見て、客の一人が「あ、もうmixiに書いてるで、ほら」とつぶやいていた。いやいや、仕事でしょ彼らは。
そんなニュースでも話題になっていたとおり、この日、会場には夫である水嶋ヒロの姿もあった。彼はボックス席にいたのだが、ライブ前、まだ客席が明るいうちに、アリーナ席の観客に見つかってしまい。場内は一時騒然となった。客に見つかればそうなってしまうことは目に見えているのに、彼が目立つような動きを見せたのはなぜか。聞いたところによると実は、近くの席に絢香の両親の姿を見つけ、彼は挨拶をするために席を離れた。その動きで発見されてしまったらしいのだ。空気よりも礼儀を重んじる水嶋ヒロ。ライブ中は幾度も涙を流していたとも聞いた。どこまでも、噂通りのナイスガイらしい。11月17日(火)
20年目の夢殺し。BIG CATでDEAD ENDのライブを見た。最新アルバムではSPECIAL THANKSのところに名前まで載せてもらって恐縮している僕だが、DEAD ENDのライブを見るのはもちろん初めてのこと。
Creature Creatureとはまた違った、Morrieのカリスマティックな歌いっぷりに見とれてしまった。歌声がhydeを彷彿させ、ステージ上の立ち振る舞いはインディーズの頃のRYUICHIを思わせる。今のヴィジュアル系の原点が、まさにこれなんだなと実感した。それを支えるバックの3人の演奏も、完璧すぎて惚れ惚れしてしまう。この日はドラムを叩いていたのが真矢で、彼に対する声援もなかなか多かったようだ。曲を始める前に、メンバーの準備が整うのをしっかりと、それこそ指差しでもしそうな感じで確認する姿が印象的だった。
関西はDEAD ENDの地元。客席の後方にはおそらく数十人もの関係者が来ていた。Creature Creatureの時よりも多い。ロックな出で立ちの素敵な中年がいっぱい。そんな数多くの関係者の中で、見かけた唯一の知り合いがSHUSE氏だったりして。11月16日(月)
ブックオフで大量に仕入れてきたので、このところまた本を読むペースが上がっている。今日は薬丸岳の「天使のナイフ」を読了。
主人公は、かつて自宅で妻を殺された男。13歳の少年達による犯行だったため、犯人が罪に問われることもなかった。4年後、その無念を抱えながら生きてきた彼のすぐ近くで、犯人だった少年達が次々に襲われていく。警察に疑惑の目を向けられた男は、独自に犯人を探しはじめ、やがて想像もしなかった事実に直面する。というお話。
テーマは「少年犯罪」。罪を犯しても罪にならない年齢の犯行。被疑者、被告人は法によって手厚く保護され、何の落ち度もないのに奈落の底に突き落とされた被害者の遺族は何も保護されない。その理不尽さを扱った小説は数多いが、この小説はそこに対する苛立ちを募らせるだけに終わらない。主人公が真相に迫るにつれ、明らかになっていく登場人物達の意外な過去と、犯罪の連鎖。被害者と加害者、両方の心情をわかりやすく描いて、更正とは何か、という難しい問いを読者に投げかける。
主人公を取り巻く登場人物には、ひとくせありそうなキャラクターが多いのだが、実際その全員の過去が物語に大きな影響を与えている。難しいテーマをわかりやすく描き、それでいて安っぽい推理小説にはならないエンタテインメントに仕上げているあたりは、一級の社会派ミステリーとよべると思う。11月15日(日)
ネットで見つけたこの記事。いい記事だと思った。著作権料を支払う側と受け取る側、双方の立場を掛け持っている人の問題提起であるところが素晴らしい。
著作権の問題はいろいろと複雑だ。音楽の商業的使用に関して、その音楽をつくった人達にお金を払うのは当然のこと。そして、カラオケのように機械が管理してくれるわけではない場合、使用した楽曲すべてに関する情報を記録していくと、その作業があまりにも猥雑だから、包括で払わざるを得ないのも、まあ放送に携わっている人間としてはわかる。しかし、「じゃあ払ってる金はどこに行ってるんだよ」という疑問は当然に出てくる。「そんなことを言うなら、すべて細かく記録して提出しろ」と言われると困るから、みんな黙って払ってるようなところがある。足下を見られるのが嫌だから黙って支払うという点では、「みかじめ料」という表現はあながち大げさでもないと思う。
放送局はどこも、この著作権料というやつをJASRACに支払っている。生半可な額ではないはずだ。著作権管理団体は複数あるはずだが、JASRACにしか払っていない。事実上、JASRACの独占状態になっているのは事実で、行政からも問題視されたようだが、そのへんは誰もが納得のいく形でクリアにするべきだ。
それにしたって、生演奏の店を営業していただけで逮捕だなんてあまりに横暴という印象が拭えない。去年のサマソニのステージで、COLDPLAYのクリスが気分をよくして「世界に一つだけの花」を口ずさんだが、あれも著作権料を請求するのか。聞いていた人間の数は生演奏バーの100倍はくだらないぞ。ちなみに、爆寸を含むクラブイベントやディスコの場合、そういう費用は店(クラブやライブハウス)に請求される仕組みになっている。
結局のところ、こうした知的所有権は「ボーダーラインがはっきりしない」ところに一番の問題があると思う。CDをパソコンに取り込んでダビングし、友達にあげたら違法なのか。喫茶店でBGMがわりにスクリーンに映画のDVDを映したら違法なのか。路上ライブでコブクロの歌を歌って、お金を投げ入れてもらったら違法なのか。みんな、はっきりわからないから、うやむやにしている。そこが問題なのだ。11月14日(土)
にらとキャベツしかなくても、それで充分。もつ鍋のテレビCMを見て、どうしても食べたくなり、わざわざにらとキャベツを買ってきて作ってしまった。
何のことはない、しょうゆダシのつゆに、あらかじめもつがある程度入っていて、それを鍋にあけ、沸騰したら野菜を入れるだけ。それではさすがに味気ないので、ぶたのバラ肉や豆腐などを足してみた。これが、予想以上に美味しい。ご飯がすすむこと。
ただ、もつ自体は自分の理想とかけ離れていたのが残念。お店で食べるようなとろとろのやつ(部位を何とよぶのかはよく知らないけど。たぶん小腸あたり)は、スーパーで買おうと思ってもなかなか難しい。ネットで買うことも出来るようだけど。口の中で溶けるホルモンが食べたい。11月13日(金)
重松清の代表作「ビタミンF」を読んだ。いろんな家族の姿を描く短編集で、直木賞受賞作である。
いろんな事情で、家族の基盤が崩れつつある人々。絆を取り戻すきっかけをつかむまでを描いた、7つの短編集である。今の僕の年齢で読むと、ひとしお心に迫るものがある。
どうやら学校で、娘はいじめに遭っているらしい。親にも教師にも、絶対にそれを打ち明けない娘のプライドを、傷つけまいと気遣いながら、どうすれば力になれるのかと葛藤する両親。「セッちゃん」というこの短編は特に心に残った。
ちっとも順風満帆でない、平凡な人生を歩む人達の物語だから、どれもすごくリアル。だけど全然退屈しなくて、ぐいぐい引き込まれてしまうのは、作者の才能によるところか。いずれの短編を読み終えても、爽やかな後味、前向きな希望が胸に広がる。心に栄養をくれる、まさにビタミン剤のような一冊。11月12日(木)
ネットサーフしていて、衝動的に「ほしい!」と思ってしまったモノがある。それが「ヴォーカル・ブース」。
最近はパソコンがあればハードディスク・レコーディングが出来るから、たいていのアーティストは宅録でデモを作る。インディーズのバンドなどは、スタジオのレンタル料を払わずに済むから、ギターやベースも自宅で録音してしまう。しかしドラムやヴォーカルは騒音の問題があるので自宅ではレコーディングできない。そのはずなのに、「ヴォーカルも家で録りましたよ」なんてこともなげに言うバンドマンがいる。「家にあるんですよ。スタジオが」。インディーズの分際で自宅にスタジオだと!?と耳を疑ったが、「電話ボックスみたいなブースを、先輩から譲ってもらったんです」と言うではないか。
防音のしっかりしたブースが自宅にあれば、カラオケ歌い放題。普通の人にとってはその程度のメリットしかないかもしれないが、雑音のない状態で声を録音できるなら、DJにとっては非常にありがたい代物だ。自宅でナレーションの収録ができる。番組が作れる。
調べてみたら、定価でも30万円ぐらいで買えるというではないか。頑張れば買える値段。たとえば、もうしばらくブラウン管テレビで我慢したりすれば。東京フレンドパークに出たらダーツの賞品はこれをリクエストしたい。しかしお金のことよりもっと頑張らなくてはならないのは、スペースの問題かも。どこに置くんだそんなもの。11月11日(水)
公開から2週間が経った「THIS IS IT」。僕の周りにいる人の大半がすでに見ている。マイケルのファンじゃなかった人、リアルタイムでマイケルの音楽に触れることのなかった世代の人が、この映画を見て、こぞって絶賛している。喜ばしいことだ。僕が講師をしている学校の学生達も、昼食のお金にも窮するような懐事情なのに、「すでに2回見ました」と自慢げに言ってきたりする。この映画を見るまで、彼らのマイケルに対するイメージは、窓から自分の赤ん坊をぶら下げていたあの映像ぐらいのものだったという。この映画がDVD化されたら、どれほど多くの人が買うだろう。今から待ち遠しい。
僕が選ぶこの映画のベストシーンの一つは、マイケルがイヤモニのせいにして歌を中断するところ。確かJackson 5の「I Want You Back」のときだ。「僕は生音で育ってるから、こういうのを聞きながらだと歌えないんだ」と怒り出すのだが、「いやいや、今歌詞忘れてなかった?」と突っ込まずにいられない。でも舞台監督はおそらくそこに気付きながらも絶対にそんな指摘をしない。マイケルでもリハではミスをすることもあるという人間的なところと、スタッフのマイケルに対する気遣いが垣間見える場面。客の前では常にマシーンのようにスターであり続けたマイケルの、本性が少しだけわかる貴重な映像だと思った。11月10日(火)
肩凝りに悩まされたことはほとんどない僕だが、時々腰が痛くなることがあった。痛むのは決まって腰の下の方、どちらかというとお尻に近い部分で、筋肉痛のような鈍い痛み。我慢できないような辛いものではないので、あまり深く考えずにいた。最近、原因がわかった。ような気がする。
痛みを感じるのは、いつも同じ、長いこと座っていた日の夜だ。飲みに行って帰ってきた時が一番多い。長時間座っていると腰にくる、ということだと思っていた。しかし考えてみると、飲み会よりもはるかに長い時間座ったままの姿勢でいる麻雀の後で、痛みを感じることは全然ない。ではその違いは何か。脚を組んでいることだ。
考えてみると僕は、座ったらすぐに脚を組む癖がある。しかし麻雀の対局中は、マナー違反になるので脚を組んではいけない。脚を組むと背骨が不自然に曲がり、腰に余計な負担をかけるという話は以前聞いたことがある。なるほど。きっとこれだ。
そう思ってここ最近、座っても脚を組まないように気をつけている。以来、痛みを感じていない。ような気がする。11月9日(月)
周りのいろんな人にすすめられて、遅ればせながら「THIS IS IT」を見てきた。マイケル・ジャクソン、最後のツアーのリハーサル映像をまとめた映画である。
この映画をジャンル分けした時に、ドキュメンタリーという扱いにせざるを得ないのはもどかしい。本当のライブの映像に限りなく近い編集の仕方がされているから、フィルムコンサートのような楽しみ方もできる。そして半分はそのメイキング映像になっている。マイケルの、ステージに立った時のパフォーマンスの魅力と、ショーを作り上げるために重ねた努力。世界で一番高いレベルのダンサー達が、このツアーのバックダンサーのオーディションの話を聞きつけて、飛行機に乗って集まってくる。「マイケルと一緒に踊れるなら、他のどんな仕事も要らない」という覚悟で世界中から集まってきたダンサー達のオーディション。そして、究極のショーを実現するために選ばれたミュージシャンとクルーのプロ意識。それらすべてのドラマは、マイケルというたった一人の男のために存在するのだ。
晩年はゴシップの恰好の的になってしまったマイケルだが、この映画には彼の変人ぶりを揶揄するような向きは当然ながら微塵もない。彼のプライベートが映るわけでもないが、スタッフやツアーメンバーとの会話の中で、マイケルの素顔の人間性が微妙に垣間見えるところが素晴らしい。映画のラストには、彼が音楽を通して一番訴えようとしていたことが何なのかを丁寧に伝えている。マイケルの、優しさ。そして、マイケルに対する、周囲の人々の、優しさ。その両方に胸を打たれる。
マイケル・ジャクソンというエンタテイナーの「すごさ」を知らないすべての人に、この映画を見せたい。マイケルをただの変人だとしか思っていない、十代の若者達に。曲がかっこよかったから売れた、それだけでKING OF POPの称号は得られないのだよ。
特に、音楽や演劇など、あらゆるエンタテインメントの世界で仕事をしてみたいと考える人は、この映画は絶対に見ておくべきだと思う。11月8日(日)
ZEPP OSAKAでACIDMANのライブを見た。ワンマンライブは初めてだった。哲学的で深い歌詞と、時に優しく、時に雄々しい歌声が特徴の3ピースバンド。今回のアルバムが発売された夏頃、REDNIQSにゲストとして迎え、ヴォーカル大木伸夫の知的な語りに僕もすっかり魅了されたところだったので、今回のライブは楽しみにしていた。
独特の緊迫感に包まれたライブだと思った。近年は夏フェスにも引っぱりだこのACIDMANだが、モッシュが発生するような速い曲は、全体の2割に満たない。曲が終わった後には大木の「どうもありがとう」の一言で拍手が起きるが、それが鳴り止むと場内は水を打ったように静かになる。女性客も多いが、黄色い声援は皆無。
静寂は曲の途中のブレイクの時にもやってくる。特徴的なのは、ドラムがハイハットでリズムを刻まずに、3人の呼吸で一斉に演奏を始めて静寂を破ることが多いところだ。「So Far」の間奏での緊張感なんてかっこよくてぞくぞくする。「Under the rain」のように静かなイントロで始まり、沈黙を破って歌い始めるような曲でも、カウントが入らない。静と動のコントラストが、ここまではっきりしていて、かっこよくバランスのとれているバンドは初めて見た。11月7日(土)
この日のREDNIQSで特集したのが、「misa26時」という謎のアーティストによるCD「Pierrccing HOUSE」。主に90年代後期にヒットしたヴィジュアル系のヒット曲ばかり9曲を、女性ヴォーカルのハウスミュージックでカバーしているアルバムで、9月からヴィレッジ・ヴァンガード限定で売られているものらしい。802きってのV系通スタッフのはらふーが「浅井さん、これ知ってます?」と貸してくれたのがきっかけだった。さして期待もせずに聞いてみたら、これが実におもしろかった。原曲の激しさは影も形もなくなり、キラキラとポップなアレンジに変貌しているが、もちろん歌詞とメロディーはオリジナルを忠実になぞっている。全く別の曲にようにも聞こえるのに、耳になじんでいる懐かしい歌。歌っている阿部恭子という女性の歌唱力や声質も素晴らしいし、アレンジと、選曲も絶妙。特にDir en greyの「I'll」などは、原曲のよさを再認識する仕上がりだ。ラジオで何曲か紹介してみたところ、なかなか好評だった。
こうやって、「ちょっと面白いの見つけました!」と、レコード会社や事務所からプロモーションを受けたわけでもないようなCDをさらっと紹介できることは、考えてみるとけっこう幸せなこと。その遊び心が、リスナーにも伝わっているといい。11月6日(金)
この間、とある学校の学園祭に行ったら、図書館の本を大量に処分する古本市が催されていた。並んでいる本はすべてハードカバーで、何と一冊50円。ノンジャンルなので、僕の好みでない外国文学やノンフィクションも多かったが、気になる本も散見。何せ一冊50円という破格なので、ちょっとでも面白そうな本はすべて買ってしまった。しかしハードカバーの本は、あらすじが記載されていないから困る。作家の名前とか、受賞している文学賞、参考文献などを巻末で調べて、何となく内容を想像してみるしかない。結局、買った本は全部で20冊ぐらい。重くて死ぬかと思ったが、それでもたかだか1000円だ。
この日はその中の一冊、菅野奈津による「涙の川」を読んでみた。先日の宣言どおり、通り魔によって幼女が殺害されたのを皮切りに、序盤から人が次々に死んでいく。我が子がなぜ殺されなければならなかったのか、独自に犯人探しを始める幼女の父親と、自らも過去に家族を失った傷を負っている刑事。二人の主人公の運命が少しだけ交錯しながら、一歩ずつ真相に近づいていく。久しぶりに王道のミステリー小説を読んだ気がする。11月5日(木)
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ行ってきた。ハロウィンのイベントが終わり、今週から新しく始まった「ユニバーサル・ワンダー・クリスマス」を来週の番組で紹介することになったので、そのショーを取材することが目的である。
今回の目玉は、「天使のくれた奇跡」。パークのニューヨーク・エリアに設置されたステージで、陽が落ちた直後に繰り広げられる20分ほどの盛大なショーである。クリスマスイブのルーブル美術館を舞台に、天使達の助けを借りながら、若い男女が思いを伝え合う…というストーリーの短いミュージカルなのだが、演出がとにかくすごい。ステージセットそのものが巨大なスクリーンになっていて、そこに美しい絵が映し出される。その映写によって、舞台は美術館の中になったり、建物になったり、街の風景になったり。主役の二人が歌うクリスマスキャロルを中心に、たくさんのダンサーが天使として登場してクリスマスの雰囲気を華やかに彩る。そして圧巻は、ステージのすぐ横にそびえる巨大なクリスマスツリーへの点灯シーン。厳かな雰囲気が一転して、場内が昼間のような明るさに包まれる。驚きと美しさに、思わず涙が出てしまった。
せっかくなので、夜の「マジカル・スターライト・パレード」も見て帰ることに。この日は平日ということもあって、閉園間際になると人がまばら。大人気のパレードも、混雑するのは最初の方だけのようだ。一行が通るルートの終盤の方はガラガラだった。僕はパレードが終わる最後の辺りに座って見ていたのだけど、周りに人が少ないものだから、手を振ったり手を叩いたりすれば、例外なくダンサーの人がこちらを見て手を振り返してくれる。ちょっと気恥ずかしいくらいのマンツーマンサービス。このパレード、序盤に通るエリアでは、まだ明るいうちからビニールシートを広げて場所取りをしている人がいたようだけど、そんな必要は全然ないのになぁ。
そんなわけで、久しぶりにUSJを満喫した気分。気温もちょうどよくて、屋外でショーやパレードを楽しんでも全然寒くなかった。今年中にまた行きたくなったぞ。11月3日(火)
先週の「阪急電車」と一緒に借りていた有川浩の本「植物図鑑」を読んだ。こちらは長編。
一人暮らしのOLの女性と、ひょんな流れで同居することになったホームレス状態の男。彼はひと月にわずか4万円の生活費を受け取り、家事のすべてと、二人分の食事を請け負った。会社に持って行く弁当まで作ってくれる。食費を安くあげるからくりは、食材に使用する野草にあった。毎週末、彼は彼女を連れて近所の河原へ行き、おいしく食べられる山菜や野草を見つけては大量に収穫する。それを持ち帰り、天ぷらやらおひたしやらごま和えやら、シンプルな調味料で完璧に調理して食卓に並べるのだ。彼の作る、全然お金のかかっていない、しかし驚くほど美味しい料理に彼女は夢中になる。当然のようにいつしか恋仲になった二人だが、彼女は彼のことを何も知らないままだった。彼がどこで植物の深い知識を得、料理を覚えたのか。彼が一体何者で、どこからやってきたのか。彼の苗字さえ知らないまま続いた二人の同棲生活は、唐突に終わりを迎える。ある日突然、何も言わずに彼が部屋を出て行ってしまったからだ。
そんなお話。道ばたに生えている雑草にも、食べられるものがたくさんある。タンポポだってツクシだって、料理の仕方によっては立派な野菜になる。おいしそうなレシピがたくさん載っていて、読めば誰でも食べてみたくなるはずだ。この本を参考に、実際に野草を拾ってきて調理してみた人の数が知りたい。
そんな野草料理を題材にしたこの小説で、描かれる恋愛はこれまた読んでいて恥ずかしいくらいピュアだ。下心を決して見せない紳士的な彼は、いつも彼女に優しくて、家事も料理も上手で、お金をかけなくても幸せに生活する術を知っている。頭がよくて清潔で背が高くて顔がいい。全能。有川浩の小説に出てくる男は大概そんなふうだ。女の子が理想とする男性像そのもの。世の女子高生はこれを読んで、「いいなぁ、こんな彼氏がいたら」と、うっとり憧れているに違いない。少女漫画みたいなものか。
素晴らしい話だったし、面白く読めたのだが、有川浩の小説を何冊も続けて読むと、甘いケーキを食べ過ぎた時のような胸やけを感じることがある。次はもっとエグいやつを読もう。登場人物が無惨に殺される小説が読みたい。脳が血を求めている。人間の醜さを求めている。11月2日(月)
この仕事をしていると、「行けるようだったら行きます」という曖昧な返事をすることに慣れてしまう。ライブや映画の試写会などのお誘いをいただいても、スケジュール的に難しいことが多く、かといってはっきりと断りづらい時に、よくつかう返答の仕方。レコード会社の人が「明日、○○のライブがあるんですけど、よかったらいらっしゃいませんか?」と誘ってくれても、その日はすでに別のアーティストのライブに行く予定があった場合、「ああ、明日は△△のライブに行くから無理です」という断り方は避けたい。特にその両方が自分の番組のゲストに来てくれていたりするときは、「○○よりも△△を優先している」と取られるような言い方はちょっとできない。レコード会社の人もそういう事情は察してくれるから、「明日はちょっと難しいです」と言えばそれ以上突っ込んでくるようなこともないのだけど、何となくはっきりと断りたくなくて使ってしまう言い方が、「行けるようだったら行きます」。これはとても失礼な返事だと、わかっているのに。
そして、出欠を確認するような招待状をもらって、返信を忘れることが多くなってしまうのも困りもの。返事を出さないのは、曖昧な状態にしておけば、行くかどうかの判断は当日まで留保できると無意識に逃げてしまうからかもしれない。そういう習慣がついてしまったからといって、友人の結構披露宴の招待状の返事を出し忘れるのは恥ずべき失態である。一週間も経ってから出した自分が情けない。11月1日(日)
今年は3日目のみの参加となってしまったMINAMI WHEEL。昼過ぎから大阪はあいにくの雨に見舞われた。僕が過去に参加したミナホで一番天気が悪かった気がする。一年で一番たくさん歩く日になるはずが、あまりの大雨でとても歩き回る気になれず、必要最低限の移動距離で済ませてしまった。なので残念ながら今年はあまりいい出会いもなかった。
楽しみにしていた鴉は早い時間にCLAPPERに登場したのだが、何と入場規制がかかっていた。秋田在住のエモ系バンドで、今年の夏にメジャーデビューしているが、大阪での知名度はまだまだ低いと踏んでいたのに。3曲目あたりでようやく中に入ることができた。満員ではあるが、初めてこのバンドのライブを見る人が殆どだったようで、盛り上がっているという様子ではなかった。しかしかっこいい。9mmのようなバンドが売れる今の時代、この鴉も絶対にチャンスがあると思う。やはりデビュー曲の「夢」は秀逸。
そして前日のREDNIQSで生ゲストとして登場したfade。去年に続く2回目の出演となった今年は、キャパ700人のクラブクアトロに格上げである。結成して8年というベテランらしく、安定したパフォーマンスを見せる。ヴォーカルのJonは歌も煽りも最高にクールで、見るたびに非凡なスター性を感じる。実力からいえば、もっともっと有名になっていておかしくないバンドだと思う。洋楽でも邦楽でも、ハードロックではスクリーモを入れるのが主流となりつつある中、あえて全編歌モノで勝負するfadeのようなバンドにも頑張ってほしいところだ。
