
1月1日(金)
謹賀新年。
昨夜は自宅で、一人ぼっちの年越しになったけど、テレビ、ラジオ、ネットを同時進行で追っていたので、不思議と気分は賑やかだった。ただ、0時からしばらくの間、今年も携帯メールはなかなか送受信できなかった。毎年こうなるけど、これはいくら増強しても追いつかないものなのだろうか。
昨夜、23時を過ぎてからラジオをつけたら、西田くんと大抜くんがDJを務めるカウントダウン特番が放送されていた。ちょうど、「僕らは普段、この時間にROCK KIDS 802という番組を担当していて、月曜日のDJが…」といった具合に僕の名前を出してくれたので、とっさに携帯でスタジオに電話をかけてみた。するとディレクターが「今、浅井からかかってくると思ったよ」と以心伝心な一言。何の打ち合わせもなしにそのままオンエアに繋がり、ひとしきり今年の思い出などを語り合う展開に。しかも曲紹介を振られた。何の曲が流れるかも聞いていなかったというのに。何とかうまくいったからいいようなものの、失敗したら年の終わりにとんだ赤っ恥をかくところだった。2009年で一番緊張した瞬間だったかも。
そして本日元旦。大宮アルシェがお休みになって公開放送もできないので、BEAT SHUFFLEは収録にしてもらった。正月の初詣帰り、車の中で聞いている人もいるだろうに、BEAT SHUFFLEは今年も我が道を行く濃い内容なのだった。僕はNACK5の電波の届かない関西でだらだらと寝正月を満喫している。寒すぎて、外に出る勇気もわいてこない。唯一、犬の散歩に出たものの、冷たい風に耐えきれず10分足らずで帰ってきてしまった。早くも、2010年も引き続きインドア派になりそうな予感…。12月31日(木)
今年は(も?)ゆっくりテレビを見ながらの大晦日。紅白歌合戦は見なかった。歴史のある番組なので出るアーティストは豪華だけど、歌の合間の演出一つ一つがあまりにも白々しくてダサいので、どうしても楽しめない自分がいる。といって、応援しているアーティスト達の晴れ舞台を見逃すわけにもいかないから、録画して、後から必要な部分だけを見るのだ。
そんな僕がずっと見ていたのは結局格闘技だった。かつてキー局がこぞって放送した総合格闘技もTBSが放送するのみに落ち着いた。今回の目玉は魔裟斗の引退試合と、石井慧の対吉田秀彦デビュー戦。そのメインまでの煽り方と引っ張り方が相変わらずすごかったけど、ほとんど「つなぎ」ともいえるような他の試合も見応えがあった。特に高校生が戦う「K-1甲子園」は、将来有望なファイターが高校生とは思えないような迫力のある打ち合いをしていて、面白かった。覚えたぞ1年生王者野杁正明。
こういう格闘技の試合を見ていて一番感動するのは、試合が終わった後に互いを健闘し合っている場面だ。さっきまで殴り合いをしていた相手を笑顔で讃え、抱き合って言葉を交わす。魔裟斗に敗れたアンディ・サワーは、優勝した魔裟斗を肩車して祝福した。吉田に負けた石井も、自分の反則を詫びていたようだ。テレビ局はいつも、対戦する二人が敵対しているように演出し、プロレスのように試合にドラマを作って盛り上げようとするが、選手達は相手が憎いから戦っているわけではない。総合格闘技が喧嘩ではなく、スポーツであることを、試合終了後の選手達の表情で実感できる。でなければ、僕は見ない。
それだけに、最後の方に放送された試合で、青木真也という選手がとった行動は非常に後味が悪かった。腕をロックされてもなかなかタップしない対戦相手の、肘の骨を折って試合を決めたばかりか、立ち上がれない相手の鼻先に中指を突き立てた。見ていて非常に気分が悪くなる光景で、大晦日にこんなものを流すなら最初からこのチャンネルは見なかった。格闘技にスポーツマンシップを求めるのは筋違いなのだろうか。
12月30日(水)
昨夜は大宮のホテルに泊まり、1日に放送される分のBEAT SHUFFLEを収録した。場所はアルシェではなく、その近くにある本社。本社のスタジオはきれいだし広い。NACK5は仕事納めが済んでいて、局の社員は誰もいなかった。担当する生番組のスタッフぐらいしかいないので、局内は静かで落ち着いたムード。宇宙戦隊NOIZとPlastic Treeのメンバーがやってきて、ほとんどいつもと変わらない調子で収録していった。
ところでその収録が始まる前、隣のスタジオで生番組の放送を終えたDJの仁井聡子が出て来た。彼女は二十歳の頃にFM802のDJオーディションに合格し、結婚するまで大阪で802のDJを務めていた僕の後輩である。彼女がNACK5で帯番組のレギュラーを担当していることはもちろん知っていたが、僕とは基本的に曜日が合わないので、NACK5で会ったのは初めて。久しぶりの再会で、懐かしい話に花が咲いた。彼女がNACK5で喋っているのを聞いたときは、そのゆったりと落ち着いたトーンに驚いたものだ。平日の昼間だから、つとめてゆっくりと間を置いて話すようにしているのだろう。しかし実際に会って喋った彼女は、大阪にいた頃とちっとも変わらず、江戸っこのように早口でよく喋る、社交的な女性だった。12月29日(火)
BEAT SHUFFLEのライブイベント「LIVE SIDE」が大宮ソニックシティで開催された。年末にソニックシティでこのイベントが開催されるのは2年ぶりのこと。
今年はヴィジュアル系のフェスもいくつか開催されたし、各地で似たような対バンイベントが開催されていた。BEAT SHUFFLEという番組のイベントとして、2000人以上を収容するソニックシティというホールで開催するなら、どんなアーティストに出演してもらうのがいいのか。僕が思いついたのが、たくさんのアーティストから神と崇められる元祖ヴィジュアル系ヴォーカリストのMorrie氏だった。春ごろ、ダメもとでCreature Creatureの出演を打診したところ、意外にもすぐにOKの返事が。その後、今回出演してくれた多くのアーティストにオファーをしていったのだ。結果、PENICILLIN、LM.C、D'ESPAIRSRAY、ナイトメアという豪華な対バンが実現。サブタイトルには「DNA」という3文字を加えた。ヴィジュアル系の誕生から20年。脈々と受け継がれる遺伝子を感じられるようなイベントに、という願いを込めて。
残念ながらソールドアウトはしなかったが、最初から最後まで、たくさんの人が楽しんでくれたようだ。自分の好きなアーティスト以外に興味を示さないという、ヴィジュアル系ライブにありがちなムードはあまりなかった。世代的にも音楽的にも、ヴィジュアル系というシーンの「幅の広さ」を実感するライブだった。
今年の夏に、渋谷AXでLIVE SIDEを開催したときは、BEAT SHUFFLEという番組が全く浸透していないことにショックを受けた。開演時、番組のオープニングテーマが場内に流れても無反応。もちろん僕がステージに登場しても無反応。しかし今回は違った。出演者のうち2組はベテランだし、他の3組はいずれもNACK5でレギュラー番組を持っていたことがある。観客の中でのBEAT SHUFFLEの認知度は相当高いというのが、客席の雰囲気からびんびん伝わってきて嬉しかった。1枚500円で販売したLIVE SIDEオリジナルミラーも無事に完売。セットチェンジ中に流した僕のDJショウが、音量が小さくてあまりよく聞こえていないのが少々虚しかったけど、来年に向けて励みになるようなイベントになった。12月28日(月)
この日のROCK KIDS 802は「部屋着デー」。だいぶ前に「あなたの部屋着は?」というメッセージテーマを設けたらやけにBBSが盛り上がったので、「じゃあ部屋着で番組をやってみよう」という話になった。それが今年最後の放送でようやく実現したわけだ。DJもアシスタントもスタッフも、全員が部屋着。
僕はいつもパジャマにしているスウェットと、着古して毛玉だらけになったパーカー。その下には何年も前のフジロックのTシャツ。唯一特徴的なのは足に履いているモコモコスリッパだった。
真冬に、靴下一枚では足が寒いときや、朝、ベッドから出て着替えるまでの間に履くモコモコスリッパ。汚れたり臭いもついたりするので、1〜2年の周期で買い替えている。先日USJに行った際に一目惚れして購入した今年の新作は、ジョーズが足に食いついた形になっている。スタジオでこれに履き替えたら、案の定みんなの注目を浴びたぜ。NEW ROCKの厚底ブーツ並みに目立つ。
普段はタイトなデニムばかり履いている僕なので、ゆるいスウェットで仕事をするのは何とも心もとない気分。リラックスよりも恥ずかしさが勝る。でも、スタジオに入ってくるADの女の子達もみんなジャージやスウェット。しかもありえないくらいダサい。いつもと同じ仕事場なのに、誰かの家でお泊まり会でもしているような不思議な感覚だった。
たまにはこんなバカらしい企画もおもしろい。リスナーにどこまで伝わったかはわからないけど。12月27日(日)
年末恒例の「2009年重大ニュース」的な企画をあちこちで見るようになった。僕自身もこの一年を振り返っている。
今年は、例年にも増して、素敵な「出会い」に恵まれた年だったように思う。その一つの例がダイノジの大谷氏。本業がお笑い芸人なのに、ずっと音楽に携わる仕事をしてきた僕よりもずっとロックに造詣が深いし、音楽を愛するピュアなハートをもっている人だ。彼が「ジャイアンナイト」というクラブイベントに情熱を注ぎ、徒手空拳で音楽業界に殴り込みをかけている姿は惚れ惚れするほどに潔いし、刺激になっている。ラジオのDJも負けている場合ではない、と思った。
そしてもう一つ、今年の僕に大きな影響を与えた出会いといえば、蔦谷好位置氏だ。今をときめく超人気プロデューサーの、決して奢らないフレンドリーな人柄と、自分が制作する音楽に対する並々ならぬ熱意に触れて、大いに感動したものだ。そして彼の方も、自分のつくった音楽がどのようにしてリスナーに届けられるものなのか、ラジオの現場で体験して、我々DJの仕事ぶりにも感銘を受けたと言ってくれた。彼は何せ忙しい身なので、その後なかなか会う機会はないが、MEET THE WORLD BEATのステージ上で目で挨拶をしたり、時々メールのやりとりをさせてもらったりという関係が続いている。
その他にも、お世話になった人や、影響を受けた人が本当に多かった2009年。僕はあまり友達が多い方ではないけど、一期一会という言葉の重みを実感する年だった。12月26日(土)
藤本ひとみの著書「綺羅星」を読んだ。人目を引く美しいルックスを持つ青年と、彼を俳優として売り出そうとする女性マネージャー。この二人が恋仲になる、恋愛小説だ。
一見華やかな芸能界も、裏ではたくさんの欲が渦巻いている。そして、栄枯盛衰の世界。かつて自分が憧れ、大きな影響を受けたアイドルが落ちぶれていくのを見かねて、事務所の扉を叩いた主人公だったが、努力は実らない。そこにはタレント本人の人間的魅力も大きく関わっているためだ。やがて自らがスカウトした新人俳優の担当に変わり、公私ともに彼を支えるようになる。
同じ年頃の男女が年がら年中一緒にいれば、恋愛感情が芽生えてもおかしくないとは思うけど、芸能界にこんな話がいくらでも転がっているとは思えない。でも、華やかな業界の裏側が何となく垣間見えて楽しい小説ではある。売れなくなったアイドルが現役であろうとあがく姿も生々しかった。
この作家の本は初めて読んだが、本来は歴史ものを得意としているらしい。出てくる男性キャラがいつも魅力的なのだとか。機会があったら読んでみよう。12月25日(金)
帰りの新幹線の中で、フジファブリックの志村氏がまだ二十代の若さで急逝したというニュースを知った。今年の音楽シーンは訃報が本当に多い。ミュージシャンの死も相次いだし、音楽業界を支えてきた僕の知人も、何人かが亡くなった。そんな悲しい一年があと一週間で終わろうというこの時期に、また一人。FM802が社運をかけて開催するロックフェス、RADIO CRAZYがいよいよ来週に迫っているというのに、そのフェスに出演するバンドのメンバーが亡くなるなんて。運命は残酷なものだ。
何とも重たい気持ちで帰宅し、テレビをつけると「クリスマスの約束」が放映されていた。小田和正氏による恒例の番組。今年は例年と趣向を変え、大勢のミュージシャンが全員でステージに立ち、それぞれのヒット曲を繋いでいくメドレーをつくっていた。そのタイトルは、曲の長さをとって「22分50秒」。自分以外の人の歌も全員がコーラスで参加するため、合唱コンクールばりに入念なリハーサルが行われたようだ。スキマスイッチやAI、清水翔太、JUJU、Aqua Timezなど、今をときめく若手の人気アーティストや、藤井フミヤ、一青窈、夏川りみ、平原綾香などのビッグネーム、そして財津和夫や山本潤子のようなベテランまで、21組34名。メドレーの最後が、いきものがかりだったことが個人的にはとても嬉しかった。
このメドレーを歌い終えた頃、出演者も観客も、たくさんの人が涙ぐんでいた。もちろん小田和正自身も。キャリアもジャンルも異なる大勢のシンガーが集い、音楽で心を一つにする。その瞬間を目撃することができて、僕も心から感動した。つらいニュースを知って沈んだ心に、前向きなパワーをくれる番組だった。12月24日(木)
新しいプリンターが到着。僕にとってはこれがクリスマスプレゼントみたいなものだ。
故障した古いプリンターを処分するべく、近所にあるゴミ処理場に行ったら、ゴミ計量のところに自家用車の行列ができていた。年末はどこもたくさんの人で賑わうものだけど、こんなところまで混むのか。大掃除で出た大量のゴミを持ち込む人が来ているらしい。資源ゴミをゴミを受け取って重さを量り、料金を受け取る職員のお兄さんも、前に来た時より心なしか威勢がいい。これも書き入れ時というやつなのか。
夕方、ヨドバシ梅田でお買い物。平日だったせいか、売り場とかレジはそれほど混雑していなかった。なあんだこんなもんかと思ったけど、地下2階にあるプレゼント包装専用のカウンターを見たら、信じられないくらいの列。そういうときは状況に応じて、混雑する場所にスタッフを増員するべきではないのか。そもそもプレゼント包装をするのに追加料金をとるという、そのがめつい姿勢が気に入らない。
12月23日(水)
森浩美の「家族の言い訳」を読んだ。いろんな家族の絆の形を描いた短編集。最近、こういうタイプの本をよく読んでいる。これもいい本だった。
仕事にかまけて家庭を顧みなかった夫との死別。事業に失敗して落ちぶれ、妻子にも捨てられた男と、行きずりのタクシー運転手。苦労して成功を手にした男が長年疎ましく思ってきた、がさつで貧乏性の母とのこと。自分を捨てた母親への思いを抱えて、連れ子と温かな家庭を築く男。などなど。
どの主人公も、人生に、そして家族との関係が、決してうまくいってはいない。仕事も家庭も順調で円満、なんて人はなかなかいないもので、誰しも他人には覗かれたくない重たいものを胸の中に抱えている。この小説は、その重たいものを描きつつ、最後に必ず希望を見せてくれる。いよいよ出口の明かりが見えてきた、というところでスパっと終わる。その潔さが好きだ。
久しぶりに、本を読んで何度も涙を流した。12月22日(火)
年賀状を大量に印刷していたら、ついにプリンターが壊れた。マゼンダのインクだけ、出なくなったのだ。ヘッドをクリーニングしてもダメ。インクを補充しても、カートリッジを新品に替えても、症状は変わらない。数えきれないくらいの回数、テストプリントを繰り返し、これはもう寿命だと諦めることにした。何だかんだで6年ぐらい頑張ってくれたのだ。
しかしこの時期にプリンターが動かないのは、洗濯機や冷蔵庫が壊れるのと同じくらい困る。慌ててネットで新品を注文した。明後日まで印刷作業は中断だ。これで、CDRにもプリントできるし、自室でスキャナやコピーの機能も使えるようになるのだからよしとしよう。プリンターは本体が安いからさほど痛い出費にもならないし。
年末、年賀状の印刷作業でプリンターがお釈迦になったという人はずいぶん多いらしい。酷使する時期が買い替えどき、ということか。12月21日(月)
専門学校で僕がDJを教えている学生達が、ROCK KIDS 802のスタジオへ見学にやってきた。普段とは異なるプレッシャー。照れもあるので番組中はほとんど会話を交わさなかったが、後から聞いた話では、僕の逆Qがやけに気に入ったらしい。口々に「俺もあれ、やりたい」みたいなことを言っていた。
逆Qというのはラジオ業界の専門用語で、DJからディレクターに向けて、自分の喋り終りのタイミングを知らせる合図のこと。顔の横のあたりで腕を立て、掌を開いて相手に甲を見せる。そういえば昔、初めてJ-WAVEのスタジオを見学したとき、クリス・ペプラー氏が逆Qを振っているのを見て心がときめいたものだ。僕の手の動きはペプラー氏のそれを真似ているかもしれない。
ギャラリーがいると仕事に精が出るのはスタッフも同じらしい。スタジオ内はいつも以上に活気にあふれていた気がする。ROCK KIDSはスタッフの仲がすこぶる良いし、笑いが絶えない。そんな様子を見た学生達が、羨ましいと言ってくれたのは嬉しかった。
12月20日(日)
冬モノのインナーを求めて近所のユニクロへ。品揃えの良さそうな広い店舗に行ったら、とてつもなく混んでいた。ここ数日、急に気温が低くなってきて、誰もが冬服を充実させる必要性を感じた、ということか。特にヒートテックの売り場はバーゲン会場のようにごった返していた。普段はブランドものしか身につけず、ユニクロなど服として認めていないような金持ちも、ヒートテックだけは買うという話を聞いたことがある。それほどの違いがあるのか、正直僕にはわからない。
買う物をカゴに入れて、さあお金を払おうと思ったら、最後尾がなかなか見つからない。結局レジの列は50メートル近かったと思う。この不景気にこれだけにぎわうのだから大したもの。ライバル企業にも頑張ってほしいところだ。12月18日(金)
人に薦められて、久しぶりに漫画を読んだ。浅野いにおの「ソラニン」という全2巻の作品。
大学を卒業したあと、つまらない会社でOLをしている女の子と、細々のバンドを続けながら彼女の部屋で一緒に住んでいるフリーターの彼氏。やがて彼女は会社を辞めてしまい、貯金を切り崩しながらの生活が始まる。将来に対する不安から逃れられない歳になって、ぶつかり合って喧嘩する日々。彼はついにバイトを辞めて、本気でバンドに打ち込む決意をする。しかしそんな簡単に結果が出るわけもない。いつものように喧嘩をして、いつものように仲直りをした日、彼は部屋を出て行ってしまった。そして・・・。
こんなに「何の変哲もない普通の若者」が主人公の漫画を初めて読んだ。これを20代の若者が読んだら、自分を投影せずにはいられないだろう。「フリーター生活というぬるま湯の心地よさ。真剣に何かをする時につきまとう、後戻りできなくなる恐怖。時間が経つにつれ確実に減ってゆく選択肢」主人公が漠然と感じている焦燥みたいなものは、誰もが人生で経験する感覚だと思う。いや、僕だっていまだにそれと似たようなものを抱えている。見ないようにしているだけで。
それだけリアルな小説だから、びっくりするような展開が待っているわけでも、号泣するような感動の結末が待っているわけでもない。けれど静かに心に染み入ってくるものがある。いい話だった。
と思ったら、どうやらこの作品もまた、実写で映画化されるらしい。読む前に配役を知らなくてよかった。イメージが違いすぎる。12月17日(木)
昨日に引き続き、びっくりするほどの寒さ。
生まれて初めて、お笑いのライブというものに行った。僕にとってはDJ仲間でもあるダイノジが、大阪で単独公演をするというので、本業の腕前を拝見しに行ったのである。場所は難波にあるよしもと∞ホール。当人達には僕が見に行くことを告げていなかったので、隅っこの方でこっそり見るつもりだったのだが、つい魔が差して最前列に陣取ってしまった。結果的にはとても見やすくて、正解だった。
コントを1時間半。その後、しゃべくりと漫才を30分。業界の酸いも甘いも噛み締めて芸の肥やしにしてきた彼らの、15年というキャリアは伊達じゃない。
お笑い芸人のネタを見る場合、自分と年齢の近い芸人が絶対に一番面白いものだと思う。ダイノジは僕と同世代だから、懐かしネタで攻めてくるとそれがことごとくツボにハマるのだ。途中、笑いが止まらなくなって、涙が出てきたりもした。スピード感のある王道のコントもあれば、シュールなネタやブラックジョーク、マニアックな芸能スポーツネタなど、あらゆる技を駆使して笑わせてくれる。終わってから、「さすがだなぁ」とひたすら感心した。真面目なことしか喋れない僕には到底真似の出来ない芸だ。台本とアドリブの境界線がわからないところが一番すごい。
初めて見たお笑いライブがダイノジでよかった。これからも彼らの多方面での活躍を陰ながら応援しよう。12月16日(水)
FM802に行ったら、制作デスクの上にパズルが置いてあった。チロルチョコの形で、1面9個が3段に組み合わさった立体パズル。僕のパズル好きを知るスタッフが僕に挑戦を促してきた。これまで最短でクリアした女の子の所要時間は1分半で、平均して3〜4分あればみんな解いているという話。そういう挑発を受けると途端に焦ってしまう僕だが、その焦りを必死で隠して取りかかり、結果的には1分ぐらいで完成させることができた。面目躍如できてほっとしたぜ。
12月15日(火)
最近はアーティストもブログを書いている人がほとんど。ほとんど内容のない、写真と1行メモだけのエントリーで、一日に何十回も更新しているようなブログもあるけど、やる側も見る側も何が面白いのか僕にはさっぱりわからないんだな。僕の場合、自分の日常をあまり公開したくないとも思うし。
そんな僕だが、流行に乗ってTwitterを始めてみることに(dj_asai)。ぶつぶつ独り言を書き入れながら、少しずつ仲間が増えていったら楽しそう。生放送中にもスタジオのパソコンで簡単に更新できそうだし。さて、どれくらいの人がフォローしてくれるのだろう。12月14日(月)
最近、クラブDJとしての出演依頼が増えた。多方面から引っ張りだこ、というわけでは全然ないけど。そして、出演のオファーがあってもスケジュールが合わずにお断りするパターンがほとんど。僕が大阪にいるときに東京で開催されるイベントの話ばかりだからだ。
先日、岩瀬ガッツくんから、「来年の2月2日に大阪でジャイアンナイト feat.Vをやるんですけど、空いてますか?」というメールが届いた。スケジュールを見てみたら、火曜日ではないか。「深夜でなければ大丈夫!」と返信したところ、「爆寸 VS ジャイアンナイト」というイベントが決定した模様。VSと銘打ってはいるが、要するに去年やったのと同じように、大谷氏と僕で交互にDJをしていくヴィジュアル系イベントということらしい。
BRAND NEWでver.Cを開催して1ヶ月後だし、大阪でのver.Mはしばらく先になりそうなので、この日の選曲はわりと新しい曲がメインになる見込み。いずれこちらのリクエストも受け付けるけど、僕が普段かけないような曲を大谷氏はたっぷり持ってくると思われるので、僕はあまり冒険をせずにいつも通りの選曲でいってみようかと考えているところ。12月13日(日)
年明けに大阪で開催する「爆発寸前NIGHT ver.C」の、リクエスト受付を昨日で締め切った。しかし届いた数がいつもの半分に満たない。メルマガで煽ったりしなかったから、みんな締切を忘れている模様。イベントの当日が近づかないと、大抵の人はリクエストしようという意欲も沸いてこないということだろう。しかし爆寸というイベントは、過去の選曲や全体のバランスを見ながらそれなりに慎重に選んでいるから、本番の2日前とかにリクエストを送ってこられても、それから集計して音源を揃えて選曲、というわけにいかないのだ。正月に慌てるのが嫌だから早めに締め切ったのだけど、今回は仕方ないので追加募集をしてみることにした。
12月12日(土)
大学時代の先輩が結婚することになり、披露宴に出席するために都内のホテルオークラへ。招待状をしっかりチェックしていなかった僕は、式には出損なった。何たる失態。
結婚した先輩は、背が高いイケメンで、いろんな仕事や趣味にチャレンジしてきた努力家。誰に対しても優しい人柄で、後輩の女の子からは常に一番人気がある、みんなの憧れの存在だったのに、仕事に没頭するあまり肝心の伴侶がなかなか見つからないまま四十路前。そんな先輩がついにゴールインということで、披露宴には久しぶりにサークルの仲間が集まった。
歌いたがりの目立ちたがりがやたら多い僕らだったが、この日の披露宴の余興で歌ったのは新郎本人。しかもギターの生演奏に乗せて洋楽ばかり3曲。仲間内でもダントツの歌唱力を誇った彼は、一世一代の晴れ舞台に命をかけていたのだ。しかし僕はこのパフォーマンスを見ることは出来なかった。本番のために途中で会場を出なければならなかったため。残念至極。ちなみに僕は帰る直前、新郎の中座の際にそのBGMを紹介して「DJっぽく盛り上げてくれ」というやや無茶ぶり的なオファーを受け、その任務を完遂した。この仕事をしているとそういうリクエストをいただくことはけっこうよくある。そのたびに困る。恥ずかしいし、緊張するし、そもそも「DJっぽく」という一般的なイメージを具現化するのはDJにとっても難しいのだ。マイクを持つ前にシャンパンを3杯くらい一気飲みし、めずらしく酒の勢いを借りて挑んだら、思いのほか盛り上がった。
その後、新幹線の車内でタキシードを普段着に着替え、アルコールが抜けるまで眠って、深夜のREDNIQS生放送に臨んだ。そんな土曜日。佐藤さんおめでとう。12月11日(金)
「グレイヴディッガー」という小説を読んだ。「13階段」で有名な高野和明の作品である。
主人公は、骨髄ドナーとなって他人の命を救うことで、自分のこれまでの悪行を償いたいと考えたチンピラ。しかし自分の周囲で殺人事件が起き始め、殺人の容疑者として警察から追われることに。さらに警察とは別の謎の集団からも命を狙われる。連続猟奇殺人の犯人、墓堀人の正体は何者か。決死の逃走を続ける主人公は、骨髄移植手術を受ける病院にたどり着くことはできるのか。
ミステリーとして、だんだん謎が解けていくのが面白いのだが、一番すごいのは何といってもスピード感。アクション映画を見ているかのよう。残虐なバイオレンス小説とも、重厚な警察小説とも違う、派手で痛快なアクションが展開していく。たった一晩の事件だが、場面はめまぐるしく変わり、格闘と逃走の繰り返しがスリル満点で読み応え十分だった。
それにしても、こういう小説を読むといつも思うのが、「ここに描かれる警察の内部は、どれくらい現実に近いのだろうか」ということ。この小説の中では、刑事部と公安部の対立が大きなテーマとなっている。本当に、我々一般市民の知り得ない事件が、公安部によっていくらでも闇に葬られているものなのだろうか。CIAのようなものか。警察という組織が謎めいているからこそ、こういう本が面白く読めるのだけど。12月10日(木)
僕もそろそろ来年の年賀状を書かなくちゃ、と思って郵便局へ。昨年までの年賀状で使用しなかったぶんを新しい年賀状に交換してもらおうと思ったら、できないと言われた。手数料を払っても、年賀はがきへの交換は受け付けないらしい。調べてみると確かにホームページにもそういうことが書かれているのだけど、ダメだと言われる理由がよくわからない。仕方なく年賀はがきは現金で購入し、昨年までの未使用の年賀はがきはすべて、切手と官製はがきに交換。こんなに使わないよ。毎年買いすぎてしまう僕が悪いというのか。
毎年悩むのが年賀状のデザインだ。僕の作る年賀状はアイデア勝負。「毎年楽しみにしてますよ」なんて言われるとつい頑張っちゃう。12月9日(水)
神戸ルミナリエに行って来た。関西ではすっかり12月の風物詩となっているイルミネーションのお祭りである。平日の、しかも8時半ごろという比較的遅めの時間を狙ったのだが、意外と混雑していた。去年は行こうと思った日にはもう終わっていた。今年も14日が最終日となるようだ。
このイベントがクリスマスよりも早い中途半端な時期に終わってしまうのは、おそらく、開催中に営業できない店舗が多いからだと思われる。沿道の百貨店や雑居ビルのテナントは、ルミナリエの点灯前までには閉店しなければならない。つまり期間中、夕方以降の店の売り上げがゼロになるわけで、年末の書き入れ時に収入がなくなってしまうのは店にとっては死活問題。どうせならクリスマスにもあの美しいイルミネーションを見てみたいと誰もが思うが、現実はなかなか難しい。
毎年思うことだけど、ルミナリエは有料にするべきだ。来年の開催に向けて懸命に募金を集めているが、もっと見に行く人から料金を徴収する形にすれば、過度の混雑は防げるだろうし、募金を促すスタッフの人件費もかからないのに。
ところで今年は、表参道のイルミネーションも復活したとか。僕が大学生だった当時、カップルの間では、それこそ今のルミナリエと同じくらいの、定番デートスポットだったのを思い出す。チャンスがあればもう一度見に行きたいものだ。12月8日(火)
キッザニア甲子園に行ってきた。
小学生ぐらいの子どもが、あらゆる職業を体験できるようになっている小さな町。僕も訪れたことはあるが、ここで職業体験ができるのはもちろん子どもだけ。しかしこの日は、何と大人がそのアクティビティを体験させてもらえるという、特別な夜だった。招待されるのは、園内にパビリオンを構えているスポンサー企業の人間のみ。僕が日頃から「キッザニアが大好き」と言っていたら、その貴重なチケットを特別に一枚いただけたのである。
どういう趣旨なのかよくわからないまま中に入って、驚いた。いきなりそびえるティラミスのタワーと巨大なバームクーヘン。肉料理、寿司、パスタ、ピザなど、高級ホテルのビュッフェ料理がずらりと並んでいるではないか。この日は、大人だけで楽しむクリスマス・パーティーだったのだ。目移りするようなご馳走を前にうろたえつつ、歩き回っていたらようやく知り合いの姿を発見。802の社長に専務に部長に課長、スーツ姿のお歴々が勢揃いしているではないか。ディレクターやDJなど、現場のスタッフは何と僕一人。まさかこんな状況になるとは思っていなかった僕は、恐縮のあまり、ものすごい量の汗が脇の下から吹き出す。しかしずっとオドオドしていても時間がもったいない。開き直って、思い切り楽しむことにした。
印鑑や、キーホルダーといった、お土産になりそうなアイテムを空いているうちにいろいろ作って、アクティビティ開始。集英社のパビリオンでは漫画家の仕事を体験してワンピースの本を作ってもらい、人気のビルクライミングも。貝印のパビリオンでは顎に髭を描いてもらった。
そんな中、周りの人々のリクエストに応えて、やることになってしまったFM802パビリオンでのDJ体験。わざわざ自分の仕事と同じ内容のアクティビティをすることになろうとは。一緒にスタジオに入った人達が本当に楽しそうで、むしろ気圧されているのが本業の僕だった。
それにしてもこの施設は本当にすごい。中にある設備はすべて子ども向けのサイズだから、普通よりもミニサイズ。そして中で流れている時間も、普通よりもずっと速い。そう感じるくらいに、あっという間の、夢のような夜だった。12月7日(月)
郡司ななえの著書「ベルナのしっぽ」を読んだ。僕にしてはめずらしくノンフィクション。一見すると普通の文庫本だが、字が大きくて文体も「です・ます」調。絵本のような小説だ。筆者は成人してから病気で視力を失った人で、ベルナという名の盲導犬との出会いと共同生活、そして別れまでを綴った内容となっている。
盲導犬の助けを得て、目の不自由な人が健常者とほとんど変わらない生活を送れているということにまず驚く。そしてもちろん、厳しい訓練を受けた盲導犬の優秀さにも。この本が書かれた昭和50年代当時はまだ盲導犬に対する社会の理解が浅く、「連れているのはしょせん犬だ」と判断されたために、街で理不尽な扱いも浮けたようだ。そうした差別にも耐えながら、健やかに明るく生きていく一家がすがすがしい。
盲導犬の訓練には時間もお金もかかる。まだまだ数が足りないのが現状のようだ。こういう本を通して理解が深まり、募金や人材が集まりやすくなるといい。勉強になるし、感動もする。幅広い世代の人に読んでみてほしい本。12月6日(日)
FM802スタッフの結婚パーティーに出席してきた。「ラフな服装で」とのことだったので、いつものタキシードでもスーツでもなく、足はいつも通りの厚底ブーツで。一応ネクタイを締め、その上からVネックのセーターを着てみた。少しだけおめかしした感じ。
結婚した男性ディレクターは、僕よりも2歳年上で、ROCK KIDS 802やOSAKAN HOT 100で何年も一緒に番組を作っていた人。僕と同じくらいの時期に九州からFM802へやってきた彼は、温厚な人柄で昔から人気者だった。なかなか結婚相手が見つからなかったが、1年がかりでようやく伴侶を射止めたらしい。列席者の中には、十数年ぶりに会うような昔の友達もいて、こういうパーティーがあまり得意でない僕もなかなか楽しかった。
その後、DJのオチケンやアシスタントのピノと一緒にカラオケへ流れた。それが終わる頃には、歌い疲れてヘロヘロに。もう始発が出るくらいの時間まで遊んだ気分だったが、時計を見ればまだ11時すぎ。パーティーが始まったのが夕方の5時だったのである。なんと健康的な夜。12月5日(土)
この日、REDNIQSで生ゲストに迎えたのは、昨年デビューを果たした5人組のvistlip。前日のBEAT SHUFFLEに続くゲストだった。このバンド、サウンドもビジュアルも硬派な印象だが、実はトークが適度にぶっちゃけていて非常に面白い。
今回僕が一番ツボったのは、ベースの瑠伊くんが語った「妄想電話」の話。周囲に他人がいる状況で、ケータイを取り出して会話を始める。実際にはそのケータイは誰とも繋がっておらず、完全な一人芝居。通話の相手が、誰もが知っている有名人。「あ、もしもし?HYDEさん!どうも、この間はありがとうございました。え?今からですか?今から、僕らちょっとレコーディングがあってぇ…」なんて具合に話し始めるわけだ。これを始めると、周囲の人々がチラチラとこちらの様子を伺ってくるので、それを見て楽しむ、という遊びらしい。
彼は複数のメンバーが一緒にいる状況で突然これを始め、他のメンバーを巻き込んだりもする。「じゃ、○○とかわりますね!」と言って有無を言わさずに受話器を渡されたメンバーも、顔を赤らめながら「もしもし?お久しぶりです!」と付き合うほかない。曰く「タクシーの中とかでやると面白いんですよ」とのこと。どうやら客がものすごい有名人らしいと知ると、東京の運転手は無口になるそうだ。
この遊びは、本当に楽しそうだと思った。ただ、誰がやってもうまくいくものではないだろう。彼らの場合、見てくれがよくて、服装や髪型が明らかにバンドマンのそれだ。周囲が騙されるのも無理はない。12月4日(金)
番組スタッフから借りていた小川糸の「食堂かたつむり」を読了。恋人に捨てられ、財産も家財道具もすべてを失った女性が、反りの合わない母親の住む故郷へ10年ぶりに戻る。そこで物置き小屋を改装し、長年の飲食店勤めで培った料理の知識と腕前だけを武器に、彼女は田舎の村で小さな食堂を経営し始める。迎える客は、一日に予約をした一組のみ。客の予算や性格に合わせてメニューを考える、一風変わったレストラン。「食堂かたつむり」と名付けられたその食堂で、彼女の料理によって幸福になっていく人達とのふれあいを描く。
やや非現実的なところもあるものの、展開の強引さを補ってあまりある美しい文章だった。とにかく料理の表現がうまい。お金はかけずに、手間は徹底的にかけた、主人公の作る料理は、どれもよだれが出そうなほど美味しそう。読めば誰もが、自分も厨房に立ちたいと思うに違いない。
聞けばこの小説、来年早々には映画化されたものが公開されるそうではないか。配役を聞く前に読んでおいて正解だった。この小説の主人公は、食堂をはじめる前、「料理をするためには邪魔なだけだ。私はもう、美しくなりたいという気持ちは一切なくなっていた」という理由で、髪をすべて剃って坊主にしてしまう。主演を務める人気女優さんが、その通りに役づくりをしてくれたらいいのだけど。12月3日(木)
中島ヒロト氏が主催するクラブイベント、Kicks & SandalSにゲストDJとして出演した。今は年に2回ほど開催されており、5人ほどのDJがノンジャンルで好きな音楽を回す、ゆる〜いイベント。遊びにくる客も大半がDJ陣の友達だ。ハウスやテクノから、UKロックまで。そんなイベントで僕がDJをすることになったら、浮いてしまうことは明らかだ。だから事前にあまり告知せずにひっそりと、他のDJと似たような選曲でやることも考えたのだが、ヒロト氏から「遠慮なく、好きなようにやってくれて構わないよ」と言ってもらえたので、お言葉に甘えて爆寸通信(メルマガ)で告知させてもらった。いつもの爆寸をミニサイズでやっちゃいます、と。
僕のDJタイムが始まる9時が近くなると、爆寸常連の中でも選りすぐりのヘドバンジャンキーが続々と集まってきた。一見するとOLだったりギャルっぽかったりする女の子が、僕が曲をかけ始めた途端に凄まじい勢いで頭を振り回し始める。30分間のDJタイムで、爆寸の歴史を彩ってきた王道の定番ソングをたたみかける内容。ヘドバンの海が広がるその光景は、ヴィジュアル系を知らない他のDJやお客さんには大きな衝撃を与えたようで、あちこちで爆笑が起きている。特に大ウケだったのはDの旗振りだったようだ。
さすがに「浅井くん、やりすぎ」と怒られるのを覚悟した僕だったが、ヒロト氏をはじめこのイベントのスタッフの人達も概ね喜んでくれたよう。どんなジャンルであれ、音楽が好きで、その音楽を楽しみたいという熱意は共通している。ライブハウスで暴れるバンギャル達の異常なまでのパワーは、音楽好きが見ればきっと誰でも「めっちゃ楽しそう!」と思うに違いないのだ。こうしてそれを一部の人に披露できたことが、僕は嬉しかった。12月2日(水)
BIG CATでHi-Fi CAMPのライブを見た。MONKEY MAJIKやGReeeeNを擁する事務所、エドワード期待のバンドである。ポカリスウェットのCMソングでヒットを飛ばし、ROCK KIDSでも最近よくかけている。
このバンドにはヴォーカルが二人いて、それぞれにライブハウスやクラブで経験を積んだ後、意気投合して結成された。雑多なジャンルを消化して独自のポップスに仕上げており、歌詞の内容も曲のつくりも、とにかくわかりやすい。いきものがかり並みにわかりやすい。そういうところが僕の好みに合っている。
この日のライブでも、そんな彼らのキャッチーなサウンドが存分に楽しめたわけだが、観客のムードが思いのほかおとなしいので驚いた。大阪でのライブはまだそれほど多く経験していないため、固定ファンがあまりいないのか。曲が終わった後に静まりかえる場面も多かった。
しかし演奏やライブの構成は期待どおり。特に中盤のDJソロは見事なものだった。マイケルのヒット曲を矢継ぎ早に繋いでいくメガミックスプレイ。客席はポカーンと見ていたようだけど、僕は内心でかなり興奮していたぞ。
全国区のヒット曲をあと何曲か出せば、ライブももっと盛り上がるに違いない。来年に期待しよう。12月1日(火)
今年も、FM802が主催するライブ「Act Against AIDS LIVE IN OSAKA」が大阪城ホールで行われた。BEGINやChar、SKOOP ON SOMEBODYなど、このイベントでは常連ともいえるベテランや、HOME MADE家族、K、Leccaなども出演。昨年までと違って大阪城ホールを横に広く使うステージになっており、アーティストとの距離は近い。終始アットホームな雰囲気で、楽しくライブは進行していった。今回は、ライブ前に、楽屋でエイズ問題の現状に関するレクチャーが行われたようで、各アーティストがHIV/AIDSについて自分なりの考えを語ってくれた。Leccaは、かつて海外で一緒に暮らしていたボーイフレンドのお父さんがHIVのキャリアだったという。その経験談を交えながら、HIV感染者に対する差別の不当性を訴えた。とても伝わりやすいメッセージだったように思う。
そしてこの日は、SPECIAL GUESTとしてオノ・ヨーコが息子のショーン・レノンとともに登場した。おそらく、全世界で一番有名な日本人はこの人だろう。ステージ上で彼女を紹介するヒロ寺平氏もさすがに緊張の面持ちだった。場内が静寂に包まれる中、独特の雰囲気でポエトリー・リーディングを披露。ジョン・レノンの奥方を肉眼で見るのは、おそらくこれが最初で最後になるだろう。そんな貴重な経験の出来た一日。
